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NII情報

「山梨盲学校 盲ろう児教育実践資料群」のデータセットを提供開始

国立情報学研究所 情報学研究データリポジトリ(IDR)では、山梨県立盲学校より受け入れた「山梨盲学校 盲ろう児教育実践資料群」の提供を開始しました。

本データは、山梨県立盲学校において、昭和24年から約20年間に渡り、日本で初めて先天性盲ろう児数名(主に3名)に対して行われた、言語訓練や生活指導に関する教育実践資料で、計画的に実施された盲ろう教育の実践記録としては、我が国唯一の資料です。

東京大学の梅津八三教授(当時)を中心に科学的知見に基づいて模索・実践した教育の内容を克明に記録した、授業ノートや指導記録、学習教材、発声口形モデル、盲ろう児が作成した点字紙など数万点に及ぶ記録や教育資料が残されており、劣化の進むこれら資料を保存しつつ、特別支援教育の実践や発展、また言語獲得プロセスの解明などに活用できるよう、各種資料を電子化(スキャンや写真撮影)してリストにまとめたものです。

(電子化には、先天盲ろう児教育資料電子化プロジェクト(科研費研究成果公開促進費:18HP7002)および山梨盲ろう教育資料電子化事業実行委員会の支援を得ています)

本データセットに含まれる主な資料の形態と量は以下の通りです。

  • 墨字(紙面):約15,000枚
  • 点字カード :約80,000枚
  • 交信点字紙 :約16,000枚
  • 模型教材  :約100点
  • 録音テープ :約200本(発声訓練過程を記録したもの)
  • その他学習時の様子を収めた写真等

データはPDF、JPEG、WAVなどの各種形式で、サイズは全体で約110GBです。

本資料の概要や電子化の経緯等については、山梨県立盲学校ホームページの「盲ろう教育の資料」のページもご参照ください。

本データセットは、学術研究利用を目的として、大学および公的研究機関、特別支援教育機関等の研究者や教職員を対象に提供します。


IDRでは、「研究者等提供データセット受入要項」に基づき、大学等の研究者が作成したデータセットの受入を行っています。本データセットはこの受入要項に基づき受入・提供を行うものです。

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