Interview

歴史ビッグデータで日本を読み解く

日本列島に残された、数億点とも言われる古文書群。それらの記録は貴重な文化遺産であり、過去を知るための情報源で もある。しかし、現代の私たちにはなじみが薄い存在だ。そこで情報学とデジタル技術を組み合わせることで、これらを身近なものに変えようとする取り組みが、北本朝展 教授によって進められている。近世のくずし字解読に生かされた AI 認識、歴史ビッグデータの構築、さらにそれらの先に見えてくる人文学研究の DX(デジタル変革)とは、どのようなものなのか。北本教授に聞いた。

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Interview

作品の「美しさ」をデータから「観る」

レオナール・フジタ(藤田嗣治)は、独自の技法で「乳白色の肌」を描き、絶賛を浴びた。その画材研究は多くの研究者によって進められてきたが、作品の修復や画面保護用のニスが施されることが多かった当時の絵画からは、フジタが意図した肌質感が本当はどのようなものだったか計り知れないところも多い。今回、画面保護等の手が加わっていない作品「ベッドの上の裸婦と犬」を分光蛍光分析し、絵画の内部から画家の制作意図を探った。美術作品への新たなアプローチとなる今回の研究について佐藤 いまり 教授、石原 慎 特任研究員にその内幕を聞く。

プロジェクトメンバー:内呂博之(ポーラ美術館)、三木学(株式会社ビジョナリスト)、中本翔太(東京大学)、淺野祐太(国立情報学研究所)、平諭一郎(東京藝術大学)、西田眞也(京都大学)

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Interview

劇場の柱を「透明化」する 映像と情報学

ライブ配信もめずらしくない昨今とはいえ、劇場での「生」の臨場感は、演者と観客の特別な時間と空間の共有体験だ。しかし、劇場では、座席によって、柱や機材などの障害物で見えづらい場合があるという問題が残る。そうした障害物を「透明化」する研究を進めているのが児玉 和也 准教授だ。障害物を「透明化」するとはどういうことなのか、さらにその技術が秘めた社会貢献への可能性を聞いた。

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Column

3次元センシング技術とデジタルアーカイブ

池畑が専門としている3次元センシング技術は、3次元センサーやカメラを用いて、私たちの周囲の物体や環境の奥行きや形状を正確に測定する革新的な技術である。この技術は、自動運転車で道路や障害物を認識するシステム、工業ロボットが精密な作業を行うための目として、またスマートフォンの顔認証システムやゲームでのジェスチャー認識など、私たちの日常生活の多くの側面で重要な役割を果たしている。さらに、医療分野では、患者の体内を3次元で可視化し、より正確な診断や治療計画の策定に貢献している。しかし、3次元センシング技術の応用はこれらの実用的な用途に限られない。文化や芸術の遺産のデジタルアーカイブにおいても、この技術は重要な役割を果たしている。この記事では、3次元センシング技術が文化・芸術遺産のデジタルアーカイブにどのように貢献しているのかを詳しく解説する。

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Interview

ジャパンサーチの目指す「デジタルアーカイブが日常となる未来」

デジタルアーカイブの力で文化的歴史的情報の蓄積を社会の活力に変えられないか。 2015年から内閣府知財戦略本部や国立国会図書館を中心に、そうした議論が続いている。4年前に公開された「ジャパンサーチ」もそこから生まれた。その母体となった実務者委員会の座長を務めた国立情報学研究所(NII)の高野明彦名誉教授に、ジャパンサーチ、そしてデジタルアーカイブの未来について聞く。

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Essay

古典籍から本格化する人文学のデータ駆動型研究

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NII Todayとは?

いまや社会を支える基盤になっている「情報学」という学術分野の研究が、「私たちが生活する社会をどう変え、未来の社会に、どのような新しい価値を生み出してくれるのか」を、広く一般の読者にわかりやすくお伝えすることを目的に「NII Today」を発行しています。

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