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「オープンサイエンス基盤研究センター」を新設/ICT基盤の構築と運用で日本のオープンサイエンス展開に貢献

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII、所長:喜連川 優、東京都千代田区)は平成29年(2017年)4月1日付で、達成すべき目標が明確な研究課題に計画的に取り組む研究施設(センター)として「オープンサイエンス基盤研究センター」を新設しました。センター長は、NIIコンテンツ科学研究系 准教授 山地 一禎(やまじ・かずつな)が務めます。

論文だけでなく研究データやソフトウェアなどもインターネット上などで社会一般に広く公開・共有する「オープンサイエンス」が、新しい研究の進め方として注目されています。オープンサイエンスは、他の研究グループによる研究データを利用できるようにすることで重複した実験などを減らし、研究の効率化と生産性の向上をもたらすとともに、研究成果の質や透明性の確保にも貢献します。さらに、産業界や市民が科学に参加することで社会全体のイノベーションシステムを変革する枠組みとしても期待されています。世界的に研究データを積極的に公開していくことは研究者の責務となりつつあります。国内でも平成27年(2015年)3月に内閣府が公表したオープンサイエンスに関する報告書で研究データの公開が言及され、内閣府「オープンサイエンス推進に関するフォローアップ検討会」と並行して文部科学省 科学技術・学術審議会 学術分科会 学術情報委員会において学術情報のオープン化の推進について審議が行われました。昨年7月には、日本学術会議が「研究分野を超えた研究データの管理およびオープン化を可能とする研究データ基盤の整備」を提言しています。

NIIが新設したオープンサイエンス基盤研究センターでは、大学や研究機関におけるオープンサイエンス活動を支えるためのICT基盤の構築と運用を行います。

NIIが開発・提供している共同リポジトリサービス「JAIRO Cloud」を利用するなどして、これまで数多くの大学や研究機関等が論文のオープンアクセス活動を実現する機関リポジトリのシステムを構築してきましたが、本センターでは、このシステムを研究データも含めた研究成果の「公開基盤」へと発展させます。さらに、組織や研究分野のリポジトリで公開される膨大な情報を集約・分析して知識情報とし、これを検索する「検索基盤」を構築します。この「検索基盤」は研究のコンシェルジュとしての機能を提供します。

これらの基盤で研究成果を流通させるためには、研究初期からの適切な管理が鍵となります。そこで、共同研究者間で研究データ等を構造的に管理し、必要に応じて簡便に公開基盤に登録する機能を提供する「管理基盤」を構築します。この基盤は機関における研究データの保全ポリシーにも対応したサービスとして運用します。

研究のワークフローを多面的にサポートする三つの基盤を整備するオープンサイエンス基盤研究センターの取り組みを通じて、NIIは全国の大学や研究機関とともに日本におけるオープンサイエンスの展開に貢献します。

詳細につきましては、以下のリリースをご参照下さい。

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