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ニュースリリース

理化学研究所と国立情報学研究所との連携・協力に関する協定締結について

 理化学研究所(理研)と情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)は、相互の研究開発能力と人材を活かした連携・協力に関する協定を2021年4月13日に締結しました。

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協定締結式の様子

(1)背景

 現代の科学では、データに依存する割合が一段と増えてきました。ビッグデータやIoT(Internet of Things)、AI(人工知能)といった分野に限らず、あらゆる研究分野においてデータを扱う機会が増えています。そのデータをできるだけ公開し、広く社会と共有することで、効率的な科学の発展を目指す「オープンサイエンス」が世界的に注目されています。

 国内唯一の自然科学の総合研究所である理研は、オープンサイエンスやデータ駆動型研究等に対応するため、研究データ基盤の構築、情報科学研究の推進、情報科学の知見を用いた組織・分野横断的な取組を推進することを目的に、2021年4月1日に「情報統合本部(R-IH:RIKEN Information R&D and Strategic Headquarters」を開設しました。今後、各研究センター等で産出されるデータを用いた情報科学研究の重要性を鑑み、情報システム基盤整備・研究支援強化、理研内横断的な情報分野等のハブ機能を担います。

 国内唯一の情報学の学術総合研究所であるNIIは、大学や研究機関におけるオープンサイエンス活動を支えるための研究データ基盤の構築に2017年から取り組み、2021年から本格的なサービスの運用を開始しました。この基盤の整備と展開の重要性は、内閣府の策定する統合イノベーション戦略等においても言及されています。国内の普及だけではなく、海外の関係機関とも積極的に連携を深め、国際通用性の高いサービスを提供しています。現在は、学術情報ネットワークと研究データ基盤を高度化かつ融合した、次世代学術研究プラットフォームの提供に向けた準備を進めており、世界最先端の学術基盤の構築を目指しています。

(2)協定の目的

 本協定は、理研とNIIが相互の研究開発能力と人材を活かして連携・協力することにより、我が国の学術情報基盤構築の推進に寄与することを目的としています。

(3)有効期間 

締結日から5年間
期間満了に際し、両機関の合意に基づいて延長できる。

(4)連携内容 

①データプラットフォームの開発および運用、オープンサイエンスの推進、データ駆動型研究の推進、ならびに情報学に関わる共同研究等の研究協力
② ①に関わる地域連携や国際連携の相互支援
③ ①に関わる人材交流や人材育成の促進
④ ①に関わる研究施設及び設備の相互利用
⑤その他本協定の目的を達成するために両機関が必要と認める事項

(5)今後の取組 

 理研とNIIは今後、オープンサイエンスの推進に向けた戦略的組織間連携のベストプラクティスを、本協定・協力の中で培っていきます。NIIが構築してきた共通基盤を、理研が実際の研究活動で活用し、研究現場からのフィードバックを受け、共同で基盤の拡充や運用の改善を進めていきます。こうした取り組みが、多くの研究分野や研究機関のモデルとなり、日本全体の研究環境の改善と研究力の強化に繋がることを期待しています。

 また、より広範な領域においても、双方の特長を生かし、研究施設・設備の相互利用等による研究者の交流の活性化を図るとともに、イベントへの参加等による研究成果の社会還元に向けた相互協力を進めていきます。

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ニュースリリース(PDF版)

理化学研究所と国立情報学研究所との連携・協力に関する協定締結について


※本発表は、理化学研究所との共同発表です。
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