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ニュースリリース

人文学・社会科学総合データカタログ「JDCat」本格運用を開始
人文学・社会科学データの横断検索が可能に

 独立行政法人 日本学術振興会(JSPSジェーエスピーエス、理事長:里見 進)と大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NIIエヌアイアイ、所長:喜連川 優)は、7月に公開した人文学・社会科学総合データカタログ「JDCatジェイディーキャット」に人文学分野のデータを追加し、本格運用を開始しました。このJDCatは、JSPSが推進している人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築推進事業(*1)(人社データインフラ事業)によるもので、NIIのオープンサイエンス基盤研究センター(*2)RCOSアールコス、センター長:NIIコンテンツ科学研究系教授 山地 一禎)が開発したリポジトリソフトウェアWEKO3をもとに構築したものです。このシステムを利用することで、人社データインフラ事業に参画している研究機関が提供する多様な人文学・社会科学分野のデータを分野横断的に検索し、各機関のデータにアクセスすることができます。

人文学・社会科学総合データカタログ JDCat
https://jdcat.jsps.go.jp

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図1 JDCatトップ画面

 人文学・社会科学分野のデータは、人間の営みや社会事象を捉えた記録の一種であって、学術研究はもとより、客観的な証拠に基づく政策立案をはじめとした、社会の様々な意思決定においても活用されています。これらのデータには、社会調査の個票データや公的統計の統計表、歴史資料のテキスト、画像データなど様々なものがあります。海外では、そうしたデータを公開し、広く社会と共有するための基盤の整備が積極的に進められています。

 JSPSとNIIは、本格運用に先行して、4つの研究機関(大阪商業大学JGSS研究センター、慶應義塾大学経済学部附属経済研究所パネルデータ設計・分析センター、東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センター、一橋大学経済研究所)の社会科学分野のデータを横断的に検索できるシステムとして、20217月にJDCatを公開しました。20211116日(火)からは東京大学史料編纂所の人文学分野のデータを追加し、人文学・社会科学分野のデータ横断検索システムとして本格的な運用を開始します。

 人文学・社会科学分野のデータが、幅広い利用者に横断的に検索されることで、今までになかった組み合わせでデータが利活用され、新しい研究成果や分野を超えた共同研究が生まれることを期待しています。

廣松 毅 JSPS人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築推進センター長からのコメント:

「本年7月に公表した社会科学分野のデータに続いて、この11月に東京大学史料編纂所の人文学分野のデータを追加しました。これによって、JDCatの人文学・社会科学分野のデータ横断検索システムとしての本格的な運用が可能になりました。とはいえ、前回もふれましたとおりデータの範囲・種類ともまだまだ限定的です。具体的に、今回追加した人文学分野のメタデータも東京大学史料編纂所が保有する膨大なデータのごく一部です。今後「小さく生まれたJDCatが大きく育っていく」ことを願ってやみません。」

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ニュースリリース(PDF版)

人文学・社会科学総合データカタログ「JDCat」本格運用を開始
人文学・社会科学データの横断検索が可能に


  • (*1)人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築推進事業:人文学・社会科学分野の振興を目的として、2018年4月よりJSPSが新設した事業。人文学・社会科学研究に係るデータを分野や国を超えて共有・利活用する総合的な基盤を構築することにより、研究者がデータを共有しあい、国内外の共同研究等を促進することを目指している。詳細はhttps://www.jsps.go.jp/j-di/index.html参照。
  • (*2)オープンサイエンス基盤研究センター:世界的なオープンサイエンスの気運を受け、そのインフラとなる学術基盤を開発・運営するために、2017年4月にNII内に設置されたセンター。学術論文と研究データがアカデミアおよび社会で広く共有され、幅の広い研究活動がオープンに行われることで、研究活動の加速化や、社会と緊密な連携の上に成り立つ問題解決が進み、学術活動が新しい次元(=オープンサイエンス)に移行することが世界的に期待されている。詳細はhttps://rcos.nii.ac.jp/ 参照。

※本発表は、日本学術振興会(JSPS)との共同発表です。
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