イベント / EVENT

2024年度 市民講座 「情報学最前線」

国立情報学研究所の研究者らが「情報学」の先端を一般向けに解説する、年6回のプログラムです。
2024年度の市民講座は、現地開催とオンラインのハイブリッド開催になります。
会場での参加をご希望の方は、「参加方法」をご参照ください。
みなさまのご参加をお待ちしております。

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第1回:11月20日(水)

福田健介 ネットワークのセキュリティ
―悪者はどうやってあなたのパソコンを見つけ出す?
福田 健介 アーキテクチャ科学研究系教授

インターネット上のサイバー攻撃は年々大きな問題となっています。
皆さんのご家庭でお使いのホームルータ等のネットワーク接続機器のセキュリティ対策は行っていますか?
今回の市民講座では、悪意を持ったユーザがネットに繋がった皆さんの機器をどうやって探しだそうとしているのか、 またどのようにしてそのような攻撃(ネットワークスキャン)を検出することができるのかについて説明します。

【申込受付中】

第2回:12月18日(水)

添田彬仁 量子コンピュータとは何か?
―情報学と最先端の物理学理論が融合した先を見据える
添田 彬仁 情報学プリンシプル研究系准教授

今、新しい原理に基づくコンピュータとして量子コンピュータの研究が盛んに行われています。これは、情報学と最先端の物理学理論たる量子力学が融合した結果派生した一連の研究がもとになっています。一方で、量子コンピュータに直接触れられる機会はあまりなく、どう言うものなのか、また将来どう言うものになっていくのかが想像しにくいかと思われます。この講座では、量子コンピュータの研究者が何を目指しているのかをご紹介し、その基礎理論や原動力となっている仮説や実験事実を踏まえながら、量子コンピュータについて解説したいと思います。

第3回:2025年1月16日(木)

藤原一毅 10年後、同じデータを出せますか?
―データ駆動科学の再現性・再利用性を考える
藤原 一毅 アーキテクチャ科学研究系准教授

デジタルデータは時間がたっても古くなりません。しかし、データを処理するプログラムは古くなります。数十年前のプログラムを元通りに動かして、当時のデータにもとづく研究成果をもういちど作り出すことは、実はとても難しい。データをプログラムで処理することで新たな発見を得る「データ駆動科学」が主流となる一方で、過去の発見が「再現性の危機」にさらされているのです。自分の研究成果が将来、他の研究者の役に立つためには、データを保存するだけでなく、プログラムを元通りに動かす仕組みが必要です。この講座では、さまざまな分野の研究者が将来にわたってデータ処理の再現性・再利用性を担保できるようにする仕組みを考えてみたいと思います。

第4回:2025年2月7日(金)

山田誠二 信頼ベースで人がAIを最大限に使いこなす方法とは
―このChatGPT、信頼できるの?
山田 誠二 コンテンツ科学研究系教授

現在、ChatGPTを筆頭にユーザと自然言語で対話できるインタラクティブなAIが急速に社会に普及しており、さしずめ第4次AIブームとも言える活況を呈しています。しかしながら、このようなAIを一般ユーザが使いこなすための枠組みにチャレンジしているアカデミックな研究はまだまだこれからです。本講演では、この課題に関する様々なトピックに対して、我々の研究例を中心に、人間-AI協調意思決定の観点からわかりやすく解説します。主なトピックは、「AIの信頼とその定義」、「人間-AI協調系全体のパフォーマンスを最大化する」、「人間がAIの信頼を自ら較正する信頼較正」、「信頼較正を促すAI」などです。

オンライン 第1回

高校生向け・オンラインのみ

志垣俊介 効率よく目的地にたどり着くには?
―生物から学ぶナビゲーション技術
志垣 俊介 情報学プリンシプル研究系助教

目的地に向かう「ナビゲーション」は私たち人も含めて生物の基本的な行動です。ナビゲーションを行うためには周囲の環境から得られる様々な情報に基づいて正しく行動を決定する必要があります。我々は何気なくこのことを行っていますが、実はAI・ロボットにとっては意図しない状況が生じる実世界では、正しく判断できない可能性もあり、難しいタスクです。一方で、自然界の生物は生まれながら目的地にたどり着く能力を持っており、それはAI・ロボットが真似できないような適応性に富んだ性能を示します。
本講演では、生物、特に昆虫のもつ優れたナビゲーション能力に注目し,その能力をロボットに応用する研究についてご紹介します。

オンライン 第2回

高校生向け・オンラインのみ

小山翔一 3次元音空間を自在に操る
―音の波動と聴覚特性を活かした新しい音の記録・再生・操作技術
小山 翔一 コンテンツ科学研究系准教授

音は私たち人間にとって、コミュニケーションや芸術を表現するための、もっとも基本的な方法の一つです。現実の音の環境はとても複雑ですが、私たちはたった二つの耳で、どこから音が聞こえてくるのかや、周りの状況を理解することができます。

保存しておきたい音をマイクやスピーカーを使って記録・再生する場合や、ノイズキャンセリングイヤフォンで騒音を消す場合、普通は時間に沿った1次元の信号を扱います。でも、本当の音は3次元の空間を伝わっていきます。もし3次元の音を記録したり再生したりできるようになれば、その場所の音そのものを保存して、まるでその場にいるかのようなリアルな音を再生したり、イヤフォンをつけずに周りの騒音を抑えることができるシステムを作ることができます。

この講座では、音の波の特性や人間の耳が音を感じ取る仕組みを利用して、3次元の音を記録、再生、そして操作するための技術について紹介します。

開催概要

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参加費 無料
会場 学術総合センター12階(東京都千代田区一ツ橋2-1-2)および オンライン
時間 開場 18:00
講義および質疑応答 18:30-19:45
定員 80名
コーディネーター 岸田 昌子(国立情報学研究所 准教授)
関山 太朗(国立情報学研究所 准教授)
主催 国立情報学研究所

参加お申込み方法

映像公開後の展開について

質問に対する講師からの回答を本ページ上に随時公開します。
講義によって公開が遅れることがあります。この場合は公開予定日を本ページにてお知らせいたします。

過去の開催情報

お問合せ先

国立情報学研究所 総務部 企画課 広報チーム
市民講座 担当
〒101-8430 東京都千代田区一ツ橋2-1-2
TEL:03-4212-2145
shimin(a)nii.ac.jp ※(a)の部分を@に置き換えて送信してください。

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