イベント情報
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2024年(令和6年度)
2024年度SPARC Japanセミナー年間予定表

SPARC Japan セミナー2024
「オープンアクセス義務化の先にあるもの:来るべき世界に向けて」

日時

2025年01月30日(木)13:00-17:00

場所

オンライン開催

更新記録

参加申込受付を開始しました。(2024/12/24)
・ウェブページを公開しました。(2024/12/24)

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アウトライン

【概要】

  研究者が自らの研究成果を自由に、かつ広く公開・共有し、国民が広くその知的資産にアクセスできる環境を構築するため、学術論文等の即時OA化が目前に迫っています。
  では、広くこれらの知的資産にアクセスできる未来は、どのような世界になるでしょうか。研究者は、そして市民はこれらの知的資産をどのように利用できるでしょうか。研究分野によっては、すでに研究データや論文はオープンなものであり、オープンアクセスを前提として研究が進められています。「政策に則って研究成果をオープンにする」だけではなく、どのように使われるかを検討してOA義務化へ対応し、またその先の未来につなげてゆくべきではないでしょうか。
  本セミナーでは、オープンサイエンスの先にある世界はどのようなものか、研究成果はどのように利用されうるのか、研究者や図書館等による先進事例や構想を元に2030年の未来像を展望し、実現に向けた今後の取り組みを検討します。

【参加対象者】
  学術情報流通に関わる全ての方(特に図書館員,研究者,URA,学術出版に関わる方,政策担当者,研究助成機関の方)

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プログラム
司会: 野中 雄司 (京都大学附属図書館)

時間

内容

講師

発表資料

ビデオ映像

ドキュメント

13:00-13:05

開会挨拶・概要説明

林 賢紀
(国立研究開発法人国際農林水産業研究センター)

13:05-13:20

日本における研究力強化とオープンアクセス

大隅 典子
(東北大学)

13:20-13:35

オープンアクセスによる研究者の学術情報流通における主体性の再興

引原 隆士
(京都大学)

13:35-13:45

ライフサイエンスにおけるオープンアクセスの歴史

川島 秀一
(ライフサイエンス統合データベースセンター)

13:45-13:55

オープンサイエンス実装社会で活きるブリッジコミュニケーション

高橋 修一郎
(株式会社リバネス)

13:55-14:10

休憩

14:10-14:20

オープンな協働型マッピングの展開とデータ活用

瀬戸 寿一
(駒澤大学 / 東京大学空間情報科学研究センター)

14:20-14:30

知の循環のミッシングリンク:知的資産はどのような利用事例を生み出すか?

北本 朝展
(国立情報学研究所)

14:30-14:40

学術情報流通の次の10年の見取り図

武田 英明
(国立情報学研究所)

14:40-14:50

オープンアクセス時代の情報リテラシー

野末 俊比古
(青山学院大学)

14:50-15:00

オープンアクセス義務化後の大学図書館の姿としての『2030デジタル・ライブラリー』

竹内 比呂也
(千葉大学)

15:00-15:15

休憩

15:15-16:55

パネルディスカッション

【モデレーター】
池内 有為
(文教大学) 

矢吹 命大
(横浜国立大学) 

【パネリスト】
引原 隆士
(京都大学)

川島 秀一
(ライフサイエンス統合データベースセンター)

高橋 修一郎
(株式会社リバネス)

瀬戸 寿一
(駒澤大学 / 東京大学空間情報科学研究センター)

北本 朝展
(国立情報学研究所)

武田 英明
(国立情報学研究所)

野末 俊比古
(青山学院大学)

竹内 比呂也
(千葉大学)

【準パネリスト】
林 和弘
(科学技術・学術政策研究所)

江沢 美保
(一橋大学)

野中 雄司
(京都大学)

林 賢紀
(国立研究開発法人国際農林水産業研究センター)

16:55-17:00

閉会挨拶

細川 聖二
(国立情報学研究所)

 

 
参加費
無料
参加申込
12/24(火)13時30分より申込受付を開始しました。

以下の「お申し込み」ボタンからお申し込みください(別サイトにとびます)。
申込完了後,Web会議システムへの接続先情報等をお送りいたします。
※ご連絡いただいた個人情報は,国立情報学研究所主催イベント等のご案内と開催変更等の緊急連絡に使用いたしますのでご了承ください。

  

お問い合わせ先:国立情報学研究所 学術基盤推進部学術コンテンツ課支援チーム SPARC担当
E-mail sparc-seminar[at]nii.ac.jp

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講師紹介

◇大隅 典子  (東北大学)

東北大学副学長(広報・ダイバーシティ担当),附属図書館長,医学部・医学系研究科教授。1989年東京医科歯科大学大学院歯学研究科修了,歯学博士。専門は,発生生物学,分子神経科学,神経発生学。

◇引原 隆士  (京都大学)

京都大学名誉教授.京都大学在職中の研究分野は非線形力学の工学的応用,計測とシステム制御,パワープロセッシング.2012年~2022年京都大学図書館機構長,2020年~2024年京都大学情報環境機構長.2022年より同理事(情報基盤・図書館担当)・副学長.大学図書館をダイナミックなサービス組織とするため,2015年にオープンアクセスポリシー,2020年にオープンデータポリシーを我が国で初めて機関として学外に宣言し,活動を加速するため2024年に研究データ運用支援基盤センターを設置した,大学図書館だけでなく科学技術 活動全般のデジタルトランスフォーメーションを指向している.2016-2018年 arXiv.org MAB.

◇川島 秀一  (ライフサイエンス統合データベースセンター)

情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 ライフサイエンス統合データベースセンター 特任准教授。博士(科学)。京都大学化学研究所、東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターを経て2012年よりDBCLSにて、生命科学分野のデータベース構築、データベースの統合化技術開発などに取り組んでいる。

◇高橋 修一郎  (株式会社リバネス)

博士(生命科学)。東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了。株式会社リバネスの設立メンバー。リバネスの研究所を立ち上げ、研究支援・研究開発事業の基盤を構築した。これまでに「リバネス研究費」や未活用研究アイデアのプラットフォーム「L-RAD」など、独自のビジネスモデルを考案し、産業界・アカデミア・教育界を巻き込んだ事業を数多く主導している。2010年より株式会社リバネス代表取締役社長COO。2022年8月、株式会社リバネスキャピタルの代表取締役に就任。

◇瀬戸 寿一  (駒澤大学 / 東京大学空間情報科学研究センター)

2004年立命館大学文学部実習助手、2006年~2009年3月同・専任講師を経て2012年同・大学院文学研究科博士課程後期課程修了。2012年同・専門研究員、ハーバード大学地理解析センター客員研究員。2013年東京大学空間情報科学研究センター 特任助教、2016年4月より同・特任講師。2021年4月より駒澤大学文学部 准教授(兼務・東京大学CSIS 特任准教授/放送大学 客員准教授)。専門分野は、社会地理学・地理情報科学で、参加型GISやシビックテック・データガバナンスに関する研究に従事。博士(文学)。

◇北本 朝展  (国立情報学研究所)

国立情報学研究所 コンテンツ科学研究系 教授 / データサイエンス共同利用基盤施設 人文学オープンデータ共同利用センター センター長。
https://www.nii.ac.jp/faculty/digital_content/kitamoto_asanobu/

◇武田 英明  (国立情報学研究所)

国立情報学研究所 情報学プリンシプル研究系 教授/主幹 兼 知識コンテンツ科学研究センター長 。
1991年3月東京大学大学院工学系研究科博士課程修了.工学博士.ノルウェー工科大学,奈良先端科学技術大学院大学を経て,2003年5月より国立情報学研究所教授(現在に至る).2024年4月より同研究所知識コンテンツ科学研究センター長. 知識共有,Web 情報学,設計学などの研究に従事.人工知能学会, 電子情報通信学会,情報処理学会, 精密工学会,AAAI各会員.
http://www.nii.ac.jp/faculty/informatics/takeda_hideaki/

◇野末 俊比古  (青山学院大学)

青山学院大学教育人間科学部教授・学部長、同大学革新技術と社会共創研究所副所長。学術情報センター助手、文部省社会教育官、青山学院大学文学部准教授、国立情報学研究所客員准教授などを経て、現職。日本図書館協会図書館利用教育委員会委員長、国立国会図書館科学技術情報整備審議会基本方針検討部会長、東京都立図書館協議会議長なども務める。専門分野は図書館情報学、教育情報学など、関心領域は情報リテラシー教育、教材(学習資源)開発など。

◇竹内 比呂也  (千葉大学)

慶應義塾大学大学院文学研究科図書館・情報学専攻修士課程修了。愛知淑徳大学大学院文学研究科博士後期課程(図書館情報学専攻)単位取得退学。東京大学総合図書館、ユネスコアジア太平洋地域中央事務所、静岡県立大学短期大学部を経て、2003年より千葉大学に勤務。現在、千葉大学副学長(教育改革・学修支援)、附属図書館長、アカデミック・リンク・センター長、国際未来教育基幹高等教育センター長、大学院人文科学研究院教授。また、科学技術・学術審議会情報委員会オープンサイエンス時代の大学図書館検討部会主査、「2030デジタル・ライブラリー」推進に関する検討会主査、国立国会図書館科学技術情報整備審議会委員長代理などを歴任。

◇林 賢紀  (国立研究開発法人国際農林水産業研究センター)

2024年度SPARC Japanセミナー企画ワーキングメンバー。国立研究開発法人国際農林水産業研究センター情報広報室広報資料科情報高度利用専門職。2021年4月より現職。博士(情報学)。図書館や公式Webサイトの運営管理,データベースの構築支援など,研究情報の収集及び発信やオープンサイエンスに携わっている。

◇池内 有為  (文教大学)

文教大学文学部准教授。博士(図書館情報学)。慶應義塾大学法学部卒業(1995年),同文学研究科図書館・情報学修士課程修了(1997年)の後,1997年から2005年までフェリス女学院大学附属図書館勤務。主婦,筑波大学大学院博士後期課程を経て,2019年より現職。研究関心は,オープンサイエンスによる学術情報流通の変容を分野横断的に捉えること。2016年から文部科学省科学技術・学術政策研究所客員研究官として日本における研究データ共有,オープンアクセス,プレプリントに関する実態調査を行っている。2020年度よりSPARC Japanセミナー企画ワーキングメンバー。

◇矢吹 命大  (横浜国立大学)

2024年度SPARC Japanセミナー企画ワーキングメンバー。横浜国立大学経営戦略本部准教授/研究推進機構リサーチアドミニストレーター。 筑波大学大学院人文社会科学研究科国際政治経済学専攻単位取得退学,修士(国際政治経済学)。筑波大学大学院人文社会系特任研究員として巨大科学を巡る国家間関係の研究に従事した後,2014年横浜国立大学特任教員(講師)・URA。2024年4月より現職。経営戦略本部において大学経営判断を支援する各種情報収集,提言を行うと共に,URAとしては研究力分析,オープンサイエンスの推進に取り組んでいる。

◇野中 雄司  (京都大学)

2024年度SPARC Japanセミナー企画ワーキングメンバー。京都大学附属図書館研究支援課長、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)運営委員会委員/広報普及作業部会主査/イベント運営作業部会主査、国立大学図書館協会資料委員会委員、ジャパンリンクセンター拡大運営委員会委員。京都大学ではオープンアクセス推進、電子ジャーナル等契約、デジタルアーカイブ等を担当している。

◇江沢 美保  (一橋大学)

2024年度SPARC Japanセミナー企画ワーキングメンバー。一橋大学附属図書館学術・研究推進部学術情報課学術情報係員。ジャーナルやデータベース等の契約業務を主に担当している。大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)交渉作業部会に所属。学内図書系業務だけでなく、学長秘書業務や、東京工業大学(現・東京科学大学)への出向を経て、2023年9月より現職。

◇林 和弘  (科学技術・学術政策研究所)

科学技術・学術政策研究所 データ解析政策研究室長。1995年ごろより日本化学会の英文誌の電子ジャーナル化と事業化を大学院時代のアルバイトを端緒に行う。電子投稿査読,XML出版,J-STAGEの改善,電子ジャーナル事業の確立と宣伝活動など,幅広いフェーズで実務に基づき考察と改善を加え,当該誌を世界最速クラスで発行する電子ジャーナルに整え,2005年にはオープンアクセス対応を開始し,電子書籍(ePub)対応の技術立証も行った。その経験を生かして日本学術会議,SPARC Japanなどを通じて日本発の情報発信をより魅力的にするための活動を行い,電子ジャーナルの将来と次世代の研究者コミュニケーションのあり方についても興味を持つ。2012年より文部科学省科学技術・政策研究所において政策科学研究に取り組んでおり,科学技術予測調査に加えてオープンサイエンスのあり方と政策づくりに関する調査研究に取り組んでいる。内閣府,G7科学技術大臣会合,OECD、UNESCOのプロジェクトにおけるオープンサイエンス専門家として活動。
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講演要旨

◆日本における研究力強化とオープンアクセス

   (大隅 典子)

本講演では、我が国の研究力の観点から、論文を中心とする研究成果のオープンアクセス(OA)化が果たす役割を中心に議論したい。とくに、2025年度から開始される公的資金による学術論文の即時OA実施方針を背景に、研究者や大学が直面する課題とその解決策について論じる。出版社とのRead & Publish契約によるOAは、学術雑誌の購読料高騰問題への対応策であると同時に、研究の透明性や再現性を向上させ、国際的な競争力を高める手段として注目されている。一方、論文公開料(APC)を基本としたゴールドOAは商業的であり、けっして健全でサステナブルとはいえない。本講演を通じて、OAが日本の研究力強化に与える影響を考察し、未来の科学技術の発展と涵養に向けて、研究者や機関がどのように取り組むべきかを考えたい。

◆オープンアクセスによる研究者の学術情報流通における主体性の再興

   (引原 隆士)

2025年から義務化される研究成果と根拠データのオープンアクセス化は,これまで曖昧なまま巨大な情報源と変化してきた研究の義務と権利における多くの課題を改めて知らしめている.学術流通を顔の見える学会活動やボランティアである論文査読に自らが寄与してきた学術情報流通自体が,流通プロセスが主導権を握る主客転倒した収奪の構図の中に埋没している.これらをリワインドすることは,すなわち研究者が主体的にエビデンスと透明性を持って学術成果を可視化し,自ら発信する手段を取り戻すことそのものである.これを再興とできるかは,ネットワークのソースノードを研究者による主体的なシステムに作り上げられるか否かに掛かっている.

◆ライフサイエンスにおけるオープンアクセスの歴史

   (川島 秀一)

ライフサイエンス分野におけるオープンアクセスは、科学の進展と国際的な協力を促進するために重要な役割を果たしてきました。本講演では、ヒトゲノム計画を契機として発展したゲノムデータ共有の歴史を振り返り、GenBankやPubMedなど初期のオープンデータベースの成功事例を通じて、オープンデータの現状を紹介します。また、FAIR原則がオープンデータの適切な公開と利活用をどのように支えているかを明らかにします。さらに、技術的および倫理的課題を考察し、AIやビッグデータ解析が実現する未来の可能性を展望します。

◆オープンサイエンス実装社会で活きるブリッジコミュニケーション

   (高橋 修一郎)

オープンサイエンスの取組みが社会の中で広く効果を発揮するためには、前提として、非専門家を含むあらゆる社会のプレイヤーが先端研究の成果を認知し、関心を持って新たな知識にアクセスする機運の醸成が重要であろう。そのためには、情報が見えること・アクセスできることが重要であることは言うまでもないが、それに加え、情報を公開する専門家側が、受取り手となる対象(異分野の専門家、産業界、次世代等)を深く理解し、積極的にブリッジを仕掛けることが肝要である。本講演では、次世代教育・産学連携・ベンチャー創業の観点からこのテーマに対する実践的な「ブリッジコミュニケーション」の取組み事例を紹介しつつ、オープンサイエンスに対する期待について議論したい。

◆オープンな協働型マッピングの展開とデータ活用

   (瀬戸 寿一)

デジタル地図やGIS(地理情報システム)を支える地理空間情報は、その多くが主に政府機関を中心とする公共セクターにより整備されてきました。他方、日常生活以外にもまちづくりや防災、インフラ管理など様々な場面で活用する機会が増えており、公共データでは補えない様々な地理空間情報を参加型で収集し、オープンデータとして共有する活動が行われています。本発表では代表例としてOpenStreetMapの活動を取り上げ、データコモンズとして役割や活用例を解説します。

◆知の循環のミッシングリンク:知的資産はどのような利用事例を生み出すか?

   (北本 朝展)

知的資産へのアクセスを広く開くことで、知が人々の間を循環して利用され、さらなる知的資産の創造につながることが期待されている。しかし、知的資産の出版に関する情報の充実に比べると、知的資産の利用事例に関する情報は乏しく、ここが知の循環における「ミッシングリンク」となっている。そこで我々は、データセットの利用事例を収集・共有するプラットフォームMahalo Buttonの開発などを進めることで、ミッシングリンクを追跡可能とする試みを続けている。出版から利用へと知の循環が回る未来像を考察してみたい。

◆学術情報流通の次の10年の見取り図

   (武田 英明)

オープンサイエンスの進展によって学術情報流通の世界は大いに変貌しつつある。これまでは論文のみによるシンプルな学術情報流通であったが、多様な情報源で公開される、論文・研究データ・ソフトウェアといった多様な研究成果を扱うようになっている。また利用の用途も研究だけでなく研究評価までに広がっている。このような学術情報流通の見取り図を示すとともに、その中で中心を占めるPIDの役割について述べる。

◆オープンアクセス時代の情報リテラシー

   (野末 俊比古)

論文・データなどの研究成果のオープンアクセス化は手段に過ぎず、研究者を含む利用者が活用することこそが目的である。論文・データなどの探索・活用などにあたって、利用者には情報リテラシー(ここではデータリテラシーを含む)が求められる。学術情報流通の在り方が変わっていくなかで、情報リテラシーはどのように変わってきたのか、また、変わっていくのか、整理してみたい。また、今後、情報リテラシーをどのように修得・向上していくのか、大学図書館の役割も含めて、検討してみたい。

◆オープンアクセス義務化後の大学図書館の姿としての『2030デジタル・ライブラリー』

   (竹内 比呂也)

2023年1月に公表された、「オープンサイエンス時代における大学図書館の在り方について(審議のまとめ)」は、大学図書館の本質を具現化する、そのあるべき姿として2030年度を目途に実現するものとして「デジタル・ライブラリー」を提示している。この「2030デジタル・ライブラリー」は、単なる蔵書の電子化ではなく、運営、サービス、職員の知識やスキルの変革など、コンテンツのデジタル化を経て意識され、実現されるべきDXを推進する大学図書館の姿である。大学図書館を介して提供されるコンテンツの電子化はその実現に向けた前提とも言えるものであるが、コンテンツの電子化については、「これまで」の蔵書の電子化と「これから」生産されるコンテンツの電子化を分けて考える必要がある。2025年からの公的助成を受けた研究成果のオープンアクセス義務化がどのような影響を与えるか、オープンアクセスの理念と大学図書館という点から考察したい。

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最終更新日:2024年12月24日