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2019年度 第1回 Q&A

第1回

人工知能ってなんですか?
--AIの裏側、見てみませんか--

市瀬 龍太郎

※回答が可能な質問のみ掲載しています。


文科省では、AIプログラミングを文系学生も含めて教える構想を持っているようですが、指導者の養成などを含めて、学習環境はどのように整えていけばよろしいでしょうか?

 残念ながら、AIを専門としている大学教員の数は限られており、人数的にもそれほど多い状況ではありません。そのため、指導者の養成を含めて、最新のAI技術を学習する環境を整えていくのは、今後の大きな課題になるかと思います。その一方で、社会から期待されているのは、AIの先端技術開発だけではなく、AI技術を応用したより良い社会の創造でしょう。
全ての人が、最新のAIプログラミング技術を学ぶ必要はなく、AIをどうすれば活用できるのかを学習していくことも重要になっていくかと思います。

情報を入力、処理、出力という観点から考えると、処理自体は、人間が記述し、AIが変更を行うことはできないのでしょうか。

 現在のAI技術では、基本的に、処理方法は人間が記述し、AIはその指示に従って、処理を行っているに過ぎません。AIが処理方法自体を記述し て作り出す研究も始まっていますが、まだまだ課題が山積みで、実用化までには、時間が掛かると思われます。

深層学習の手法には、理論的な裏付けはあるのでしょうか。また、学 習後の適切性は、どのように判断できるのしょうか。

 深層学習については、工学的な有用性が先行しており、まだまだ理論 的に分からない点も多くあります。また、あくまでも学習データに対して、 妥当な判断ができるように調整されているという点に注意が必要です。こ のようなシステムは、工学的には有用ですが、理論的に安全性や倫理的判 断の担保などができる訳ではないため、そのような点も考慮しながら利用 することが求められています。

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