イベント / EVENT

NIIオープンハウス 2007

国立情報学研究所では毎年オープンハウス(一般公開)を開催し、研究成果や活動についてのポスター展示・デモ、講演会などを行っています。
平成19年度のオープンハウスは皆様のお陰を持ちまして、終了いたしました。どうもありがとうございました。

平成19年度オープンハウス 開催概要

  • 日 時:2007年6月7日(木)・8日(金)
  • 会 場:学術総合センター
  • 後 援:千代田区
  • 協 力:国立公文書館、東京電機大学、東京都古書籍商業協同組合、明治大学

開催要項

6月7日(木)

[中会議場ほか]
14:30〜19:00 デモ・ポスター展示 研究成果発表
19:00〜20:00 サイエンスパブ
[一橋記念講堂]
13:30〜14:00 開会挨拶 研究所、大学院紹介
坂内 正夫 (国立情報学研究所所長)
14:00〜15:00 ※基調講演 「「情報」はぼくらの未来をどう考える?」
瀬名 秀明 (作家/東北大学機械系特任教授)
15:30〜16:30 ※基調講演 「情報爆発時代に突入する社会」
喜連川 優 (国立情報学研究所客員教授/
東京大学生産技術研究所教授)
18:30〜20:00 ※市民講座 「脳科学とロボット−人間と同じようにロボットも考えられるのか?−」
稲邑 哲也 (国立情報学研究所准教授)
>>
[特別会議室]
15:00〜17:30 トップエスイー説明会

6月8日(金)

[中会議場ほか]
10:30〜17:00 デモ・ポスター展示 研究成果発表
[一橋記念講堂]
10:00〜11:30 SINET3開通式 学術情報ネットワーク(SINET3)開通式
基調講演 西尾 章治郎 (大阪大学大学院情報科学研究科長)
13:00〜16:00 ※CSIシンポジウム 最先端学術情報基盤(CSI)の構築に向けて
● 学術情報ネットワーク(SINET3)
● 全国大学共同電子認証基盤(UPKI)
● サイエンスグリッド(NAREGI)
● 次世代学術コンテンツ基盤
[特別会議室ほか]
10:00〜12:00
13:30〜15:20
※CSIワークショップ 学術情報基盤に関するテーマ別の意見交換
● 「全国大学共同電子認証基盤(UPKI) の構築と大学内システムへの応用」
● 「図書館目録の将来:ユーザの視点から、図書館の視点から」
● 「はじめての学術機関リポジトリ」

発表要旨集

情報学プリンシプル研究系

展示番号概 要発表者
501 仮説を立てて考えてみよう
●推論による仮説発見とシステム生物学への応用

人工知能における推論技術を用いて未知の知識を発見する枠組みについて展示する。ある観測が得られたときに、既存の知識と整合させながら、観測を説明するためには仮説を立てる必要がある。もしこの仮説が背景知識をともなって観測を説明できるのであれば、その仮説は確からしいと考えることができる。本研究では仮説生成のためのメカニズムを明らかにし、科学分野における新しい知識の発見に応用する。とくに、情報技術で新たな生体の理解を進めるシステム生物学において新しい規則を発見し、代謝経路における化学反応に対する説明を与えることを目指している。
井上 克巳
山本 泰生
(総研大)
Andrei DONCESCU
(LAAS-CNRS)
Oliver RAY
(University of Bristol)
502 掲示板、ブログ、SNSの未来を考えよう
●セマンティック・ソーシャルメディア

現在、BlogやSNSなど、Web上で様々な社会的なコミュニケーションを可能とするシステム(ソーシャルメディア)が使われている。本研究ではソーシャルメディアにセマンティックWeb技術を適用することで、より知的で使いやすいシステムを構築しています。
武田 英明
大向 一輝
503 テキストマイニングを応用し、Web上の感染症情報を監視する
●BioCaster:多言語ニューステキストを利用した感染症の早期発見および監視

BioCaster プロジェクトでは最新のテキストマイニング技術を応用し、様々な言語で感染症の発生ニュースの早期発見を検索し、現地語で要約された翻訳を提供するウェブポータルを開発している。 特に1)多言語知識ソース (オントロジー)2)知識に基づいたテキストマイニングシステム 3)高性能クラスターコンピュータとストレージシステムの構築に焦点を当てている。
Nigel COLLIER
川添 愛
Doan SON
Lhua JIN
Hutchatai
CHANLEKHA
John MCCRAE
Qi WEI
504 気が利くウェブシステムの構築を目指して
●マルチエージェントシステムにおける投機的計算

デフォルト仮説推論を用いたエージェントモデルを構築した。エージェントが他エージェントに計算の依頼を行った際に、あらかじめ予想される結果(デフォルト)を用いて処理を先行投機的に行い、 実際に他エージェントから返ってきた結果がデフォルトと無矛盾であれば、処理を続け、デフォルトと矛盾していれば、 デフォルトを仮定した地点まで戻って、 実際の答に対応する処理を行うものである。)
佐藤 健
505 高等教育のグローバル化を拓くeラーニングシステムWebELS

WebELSは、国際標準を目指した汎用eラーニング・システムです。多言語インタフェースを持ち、世界の"どこでも、いつでも、だれでも"使えるコンテンツシェア型の汎用ソフトで、オープンソースサービスを行っています。パワーポイントやビデオコンテンツを簡単にサーバにアップロード出来、WindowsやMacで視聴出来、 Internetミーティングも出来ます。既に総研大や精華大(中国)等で利用され、更に実用性を高める共同研究を行っています。
上野 晴樹
佐藤博之
Md. RAHMAN
何 政
嶋本伸雄
高畑尚之
白井良明
森 正樹
岡野英司
張 涛
石田正行
Vuthichai
AMPORNARAMVETH
506 ソフトウェアの基礎理論
●代入定理
代入定理とは、ラムダ計算において、項Mに任意のひとつの強正規化可能な項を代入しても強正規化可能なら、項Mに異なるいくつかの強正規化可能な項を代入しても強正規化可能であるという定理で、この定理を発見し証明しました。この定理を応用することにより5年来の未解決問題も解決できました。
龍田 真
507 人間の言語を数学的にとらえるには
●型付きラムダ計算に基づく包括的な文法モデルの構築

人間の言語の科学的研究には文法の形式的モデルに関する数学的基礎理論が必要だが、これまでの形式的モデルは人間の文法の一部の側面しかとらえられていない。本研究では、型付きラムダ計算に基づく「抽象的範疇文法」と呼ばれる文法フォーマリズムについて、その形式的性質を明らかにし、解析・生成・学習に関する効率的アルゴリズムを提示することによって、人間の文法の多様な側面をカバーした包括的な形式的モデルを構築することを目指す。
金沢 誠
508 計算のコストを数学的に考える
●計算量理論の論理的基礎付け

計算量理論は、通常チューリング機械などの機械モデル("コンピュータ")に基づいて展開される。機械モデルは直感的にはわかりやすいが、数学的にクリーンであるとは言い難い。本研究では、代わりに論理と型付きラムダ計算を用いて計算量理論を展開する。それによって、計算コストにまつわる様々な現象(線形加速、メモリ圧縮、logspace関数の合成可能性)を、具体的なコンピュータから離れて、抽象的なレベルで論理的に説明することができるようになる。
照井 一成
509 式の数が未知数よりも多い(少ない)方程式を解くには?
●最小二乗問題の反復解法

方程式の数が未知数よりも多い(少ない)連立一次方程式を最小二乗問題として解くことを考えます。大規模(で疎)な問題に対しては反復解法が必要となります。我々は最小二乗問題を適切な前処理法を用いて連立一次方程式に変換し、GMRES(一般化最小残差)法という反復法で解く方法を開発しました。ここでは、その正当性、収束の速さを数学的に説明します。
速水 謙
Dr. Jun-Feng YIN
510 A Family of Numerical Iterative Methods for Solving the Large-scale Rectangular System of Linear Equations
●Preconditioned Krylov Subspace Methods for the Solution of Least-Squares Problems

We proposed the GMRES methods for the solution of large sparse least-squares problems by utilizing a mapping and preconditioning matrix B. Theoretical analyses give a sufficient and necessary condition concerning B for the proposed GMRES methods to give a least squares solution without breakdown for arbitrary right hand vector, and for over-determined, under-determined and possibly rank-deficient problems. Further, we implement matrix B by robust incomplete factorization and incomplete QR factorization based on the Givens rotations. Numerical experiments show that the preconditioned GMRES method is the fastest method for ill-conditioned problem.
Jun-Feng YIN
511 量子の奇妙な性質を利用して安全な通信をするために
●ハイブリッドな量子中継システム

常識はずれな性質を示す量子力学的な世界。気まぐれとも言われる量子の振る舞いが、どうして安全な通信や高速な計算など、厳密さを要求される情報処理の世界で役に立つのか。量子的だからこそ実現可能な新しい情報処理の優位点に焦点をあて、最近の研究成果を紹介します。
根本 香絵
512 計算機科学の視点で量子力学の不思議に迫る
●エンタングルメントと量子力学の非局所性

エンタングルメントとは、量子力学特有の不思議な相関である。その特性の解明は、量子力学の本質を理解するための鍵になるであろう。また、量子情報技術にはエンタングルメントの特性を利用したものがとても多い。本発表では、この問題を計算機科学の視点から考察する。特に、Bellの不等式や多証明者対話証明の問題を中心に紹介する。
松本 啓史
伊藤 剛史
513 人工量子結晶を作って量子多体系を探る
●量子シミュレーションとは
●半導体を使った量子シミュレータ

量子力学により支配されるミクロな世界では、通常私たちが経験することのない不思議な現象が起こる。例えば電子は、同時に二ヶ所に存在したり、小さな球のようなものではなく、波の形をして動いているものだと知られている。そのような粒子がたくさん集まると全体の性質を計算するのはスーパーコンピュータなどを使っても非常に困難である。我々の研究では、量子力学的な相互作用を持った粒子を人工的に結晶状にし、その性質を調べることによりこのような多体系について調べている。
山本 喜久
Tim BYRNES
Shoko UTSUNOMIYA
Kenichiro KUSUDO
514 確率的な因果関係を効率的に推測する
●パラメータ空間の幾何構造を考慮した確率推論アルゴリズム

ベイジアンネットワーク上の確率推論に関して、周辺事後分布からなる統計多様体を導入し、その上の情報計量を用いて次の性質をもつコスト関数を構成した: (1) 確率伝播アルゴリズムの停留点において最小値をとる、(2) 収束点の近くで相対エントロピーに漸近する、(3) アルゴリズムの収束点を知らなくても値を計算できる。このコスト関数を用いて周辺事後分布の空間において超一次収束する推論アルゴリズムを構成した。
渡辺 曜大

コンテンツ科学

展示番号概 要発表者
301 用語集の作成と公開に無料ツール「dictionpedia」を活用してみよう
●Dictionpedia:用語集の作成と公開を支援するツール

Dictionpediaは用語集の整備や統合・公開を支援するツ ールです。後順ソートや代表語登録などの機能を備えた見出し語編集ツールdictoolと、編集した用語集を公開するためにMediaWikiと同期するツールdicsyncとで構成されており、用語集の登録と共有を支援するウェブサイト(http://dictionpedia.ex.nii.ac.jp/)から無料でダウンロードできます。
相澤 彰子
北本 朝展
302 柔軟なメタデータでひらく文化遺産の世界
●CEAXプロジェクト〜文化財に関するコンテンツ統合・利活用技術に関する研究〜

本研究では、博物館等がそれぞれ所有する文化財に関するメタデータを柔軟に統合し、学芸員や学校教員、児童等さまざまな立場の人が各々の解説(アノテーション)を付加することで、文化財コンテンツの共有と活用を実現するための方策の探究を行っています。本発表では、柔軟にアノテーションを利活用するためのメタデータ構造とシステム、および、教育現場でそれらのシステムで文化財コンテンツを活用する実例を紹介します。
安達 淳
神門 典子
(情報社会相関研究系)
相原 健郎
山田 太造
藤沢 仁子
(情報社会相関)
303 各種データベースを繋げて新しい発見を
●情報の統合による情報検索の基盤技術の研究

近年、さまざまな情報がさまざまな人によって作成・公開されています。その結果、豊富な情報にアクセス可能になった一方で、情報の重複や断片化が進み、情報を利用する側からは必要な情報にすばやく辿り着くための技術が必要になっています。本研究では、膨大な情報空間に存在する断片化された情報のリンケージをはかることによって、リッチな情報を効率的に取得するための情報検索基盤を構築することを目的としています。
安達 淳
大山 敬三
高須 淳宏
相澤 彰子
井上 雅史
正田 備也
高久 雅生
深川 大路
304 人手を省いてウェブを情報資源化する
●ページグループ構造を利用したWebページ分類の研究

Webには有用な情報が大量に含まれており、これを情報資源化することは重要な課題である。特に品質保証型のサービスにおいて利用可能とするためには、Webページコレクションの精度のみならず網羅性も重要な要件となる。本プロジェクトでは、主にこの網羅性を高めるとともに、要求される品質を実現するために必要となる人的コストを削減するために、周辺ページのグループ構造を活用したWebページ分類手法を研究している。
大山 敬三
Yuxin WANG
305 エージェントが人をやさしく支援する
●タマコーチ:スケジュール管理お任せエージェント

現在、毎日のスケジュール管理は、非常に多くの労力を必要とする。タマコーチは、To-doリストや予定の管理を人に優しく支援するソフトウエアエージェントであり、本研究は、その研究開発を行っている。タマコーチは、ユーザ適応、感情モデルによる感情表出などの特徴をもつ。
山田 誠二
Nadine RICHARD
306 私たちの生活を豊かにする映像投影技術の開発
●模様付きの壁を白色スクリーンに変身させる投影技術の開発

液晶プロジェクタの小型化・低価格化に伴い、広告をはじめとするさまざまな用途へのプロジェクタを用いた情報提示技術のニーズが高まっています。従来の白色スクリーンだけではなく、職場や家庭の部屋の壁などをスクリーンとして利用できれば、プロジェクタの用途は飛躍的に広がることが予想されます。本研究では、観測者に知覚されにくいような色や明るさの変動を積極的に利用することにより、非投影面の模様などの影響を軽減しながらもコントラストの高い画像を壁などの非投影面に映し出す技術を開発しています。
佐藤 いまり
マークアシュダウン
(MIT)
岡部 孝弘(東大)
佐藤 洋一(東大)
307 映像メディアのセマンティックギャップ克服に向けて
●映像の理解、索引付け、検索に関する研究

放送映像の大規模なアーカイブを対象として、その中から必要な情報を自由に呼び出す映像検索技術、およびアーカイブを解析して利用者が必要とする情報や知識を発見する映像データマイニング技術の検討を行う。研究の遂行においては、画像解析、自然言語処理、データマイニング、情報検索などの分野の技術を総合し、計算機による放送映像の「理解」の実現を第一の目的とする。
佐藤 真一
片山 紀生
孟 洋
308 空間を飛び交う光の束を捕え操作する映像メディア技術
●3次元焦点ぼけ構造に基づく光線空間処理

新しい映像メディアとして、空間を飛び交う光の束を捕え操作する画像処理技術を紹介する。ここでは、多次元信号処理理論の力を活用して、単一のレンズ系から入力された光線群を分解、変換する手法を示す。たとえば、焦点合わせを連続的に変化させて取得した画像群に適切な多次元フィルタを施すことで、自由な視点から観察した画像や、自在なボケ味の画像が生成可能となる。画像信号処理から光線信号処理へと展開する技術である。
児玉 和也
欧 曦
309 自動マルチモーダルコンテンツ作成
●マルチエージェント環境における非言語対話動作の自動作成

このシステムは、2体の仮想エージェントとユーザ間の任意の対話テキストに、視線、「拍動」、指示ジェスチャーといった非言語的な動作を加えるものである。これにより、単純な対話テキストも、社会的に適切で同期化されたジェスチャーや注視動作によって豊かになったエージェントスクリプトへと変換することが可能となる。そして、2体の合成音声を使うアニメーテッド擬人化キャラクタエージェントによって、注釈付き対話が行われる。マルチモーダルプレゼンテーション記述言語(MPML3D)は、制御言語としての機能を果たす。このシステムを使えば、非常に簡単に任意の対話テキストに非言語動作を加えることができるが、さもなければ、特に1体以上のキャラクタが使用される場合には、非常に厄介で、時間のかかる作業となるだろう。
Helmut PRENDINGER
石塚 満
(東京大学大学院教授)
Werner BREITFUSS
(東京大学大学院学生)
310 自動マルチモーダルコンテンツ作成
●テキストからマルチモーダル対話の自動生成

現在、誰でもがプロのコンテンツクリエータになることが可能なオーサリングツールと技術を開発中である。このシステムは、単に文字情報(例えば、ウェブからの)を入力することで、自動的に2体のグラフィカルな3次元エージェントによって表現される、魅力的なマルチモーダル対話を生成する。修辞構造理論(RST)は、テキストをセグメントに分解し、それらの修辞的な談話関係を識別するために使われる。それらは、いわゆるDialogueNetからの質問応答において、同等のRSTツリーへと変換される。適切な役の割り当て(専門家、素人)の後、結果として現れるダイアログは、3次元のライフライクなキャラクタエージェントによって「演じ」られ、それによって、素人は質問をし、専門家が答える。このように、どんな種類の情報(健康、ニュース、科学)も直感的で、人を引き付け、だれもが理解し易い形で伝達される。
Helmut PRENDINGER
石塚 満
(東京大学大学院教授)
Hugo HERNAULT
(NIIインターンシップ生)
311 自動マルチモーダルコンテンツ作成
●マルチモーダルプレゼンテーション記述言語(MPML3D)

MPML3D は、デジタルコンテンツのクリエータが、非常に魅力的で高度にインタラクテブなコンテンツを、あまり苦労せずに開発できるように支援することを目的としたオーサリング言語である。MPML3Dは、常に他のキャラクタやユーザの認識によりプレゼンテーションフローを防ぐことが可能で、自然で制限のないインタラクションを促進する反応型モデルを提唱する。MPML3Dは、専門家でない人でも使いやすい、強力で柔軟性のある言語として設計されている。ジェスチャーのパラメータ化と補間化のための「Verbs and Adverbs」法を基に、様々な強さのレベルや異なる個性を含んだ感情表現のための新しいタグ付き構造を紹介する。
Helmut PRENDINGER
石塚 満
(東京大学大学院教授)
Klaus BRUEGMANN
(NIIインターンシップ生)
Hannes DOHRN
(NIIインターンシップ生)
312 テキストからの感情認知
●感情感知ニュースエージェント(ASNA)--知的ニュースアグリゲータ

複数のRSSニュース・フィードを用いたニュースを取り出すため、また感情感度に応じてニュースを自動分類するための新しいニュースアグリゲータとして機能する、感情感知ニュースエージェント(ASNA)システムを紹介する。この研究を他の類似した研究とは区別する3つの主要な要素がある。まず、ニュースの分類のために今まで誰も考えたことのなかったOCCモデルとして知られている情緒の認知理論を応用することで、ニュース原稿から感情情報を察知する方法を統一した。次に、機械学習アルゴリズムの代わりに、数値価を割り当てることでテキストの各行を評価するという方法に基づいたルールを持った我々の知識ベースとして、常識と時事問題を用いた。最後に、感情的親和性に基づいたニュース記事を自動分類するために、自然言語処理(NLP)技術を用いている。これらのパラダイムとコンテンツ分析技術を信頼し、RSSニュース・フィードからニュースを取り出し、8つの感情タイプとより早い直感的な理解のための中立的分類に従ってニュースのテーマが分類できるニュース・ブラウザを開発した。
Helmut PRENDINGER
石塚 満
(東京大学大学院教授)
Mostafa Al Masum SHAIKH

(東京大学大学院学生)
313 テキストからの感情認知
●オンライン通信の発展的言語を通して表現された感情の分析

この研究は、コンピュータ利用環境において表現豊かなコミュニケーションを可能とする、テキストからの感情認知に重点を置いている。開発した感情分析モデルの重要な特徴は、形式張らないオンライン会話のスタイルや具体性を取り扱うことである。テキスト内の感情を推測するために、我々のモデルは、象徴的なヒントを処理する。例えば、略語を見つけたり、変換したりする。文中における語の関係を考えながら、語・句・文レベルの分析技術を処理する自然な言語を用いる。分析の結果によって、テキストは感情の状態と情報伝達機能とに分類される。ユーザの設計されたグラフィカルな代理は、テキストによって駆り立てられた感情や社会的行動を表現し、自然で理想的な動作をする。
Helmut PRENDINGER
石塚 満
(東京大学大学院教授)
Alena NAVIAROUSKAYA
(東京大学大学院学生)
314 注視プレゼンテーションエージェント
●動的ベイジアンネットワークを用いたマルチモーダルインタフェイスにおける感情的な注視行動の認識とプレゼンテーション

人間の生理学的反応(生体信号)と眼球運動(目のジェスチャー)は、生体信号から導き出されるユーザの感情状態についての情報、および注視やスキャンパスから導き出される注意または興味の焦点についての豊富な情報を提供する。言及したモダリティは、一般的に、対話ダイナミックスのさらに微妙な側面を利用することで、人間と仮想プレゼンテーションエージェント間の意思疎通を大いに進めることができる。我々は、いかに前述のデータがリアルタイムでユーザの状態(ユーザの感情や興味)を推測するために動的ベイジアンネットワーク(DBNs)によって融合され処理されるか、また、いかにDBNsの動的性質が計算時間やメモリに置いている多大な要求に取り組むのかを明らかにする。
Helmut PRENDINGER
石塚 満
(東京大学大学院教授)
Wolfgang WAHLSTER
(DFKI)
Boris BRANDHERM
(NIIインターンシップ生)
315 画像を内容と見た目で探す
●視覚的情報による画像検索結果の再順位付け

複数の情報を組み合わせて情報処理を行う課題の例として、画像を検索する際に言語情報と視覚的情報を組み合わせることを考える。検索対象が本来視覚的であるはずの画像であっても、検索の基本は利用者と作成者によって創出される言語情報を対応付けることである考え、視覚的情報を言語情報による初期検索結果の改良のために補助的に利用する枠組みを検討する。
井上 雅史
316 コミュニティの力を借りてウェブ情報を探す
●メタデータを用いたWebコミュニケーションおよびインタラクションに関する研究

ウェブ情報の爆発的な増加が続くなか、検索システムに対する人々の要求は、客観的な情報への誘導にとどまらず、評価・評判などの主観的な情報の発見・推薦へと高度化している。これを実現するためには、ユーザが置かれている状況を適切にシステムに伝える必要がある。そこで、本研究ではユーザが属するコミュニティに注目し、コミュニティの興味・関心を反映させた情報の探索システムを提案し、構築した。展示発表では、このシステムのデモンストレーションを行う。
大向 一輝
317 ネットワークで形成された情報空間を活用する
●拡張Dewey Orderを用いたdistinct-doc-orderのエミュレーションに基づくXQueryの書き換え規則

静的解析に基づくXQueryの書き換え規則を提案する。提案手法は、入力式中の軸式とエレメント名に関するフィルタ式を静的解析に基づき書き換えることで、冗長なエレメント構築子やフィルタ式を排除しより効率的な式を出力する。本アルゴリズムの特徴は、軸式の評価に採用されているノードIDに基づく distinct-doc-orderを、式の出現に割り当てたコードを用いてエミュレートする点にある。提案手法はGlobal-As-Viewに基づくデータ統合問題において、エレメント構築子を用いたXQueryが使われているような場合に有効である。
加藤 弘之
日高 宗一郎
吉川 正俊
(京大)
石原 靖哲
(阪大)
318 メディアの安心・安全な流通を促進する情報ハイディング
●メディアの属性情報をメディア自体に隠してメディアの不正利用を抑止

メディア処理技術やそれを用いた放送、媒体、ネットワーク技術の発展に伴い、文書、音楽、映画などのディジタルメディアの流通が急増しており、社会事業や産業への適用が進んでいます。ところが、ディジタルメディアは編集・コピーが容易、インターネットでの不正配布が容易であるため、その著作権保護、情報漏えい対策、真正性保証が重要な課題となっています。本研究では、人間には知覚できない微小な変更をディジタルメディアに加えることで、メディアの属性情報をメディア自体に不可分に埋め込む情報ハイディングの検討を行い、ディジタルメディアの公正な流通を実現するためのセキュリティ基盤の構築を目指しています。
越前 功

情報社会相関

展示番号概 要発表者
401 学術研究の資金とその成果
●科研費による研究助成の効果

科学研究費補助金の採択および成果概要データベースを利用し、近年の大型研究費の採択者、学術賞受賞者等について、1985年から2003年までの科研費採択状況を分析した。さらに、同期間の研究成果をデータベースから抽出しそのパターンと相関について分析する。また、受賞者と2005年度の科研費採択者に対しておこなった科研費の学術貢献に関するアンケート調査の結果概要もあわせて展示する。
孫 媛
根岸 正光
西澤 正己
柴山 盛生
402 日本の学術研究重点領域の動向を探る
●キーワード分析による科研費におけるゲノムおよびナノテクノロジー関連研究の動向調査

科学技術基本計画では「ライフサイエンス分野」、「情報通信分野」、「環境分野」、「ナノテクノロジー・材料分野」を重点分野特としている。我々は、科学研究費補助金データベースを用いキーワード分析からこの重点領域との関連分野を対応分析により示した。ここでは試験的に(1)ライフサイエンス分野のゲノム関連分野と(2)ナノテクノロジー・材料分野の2分野について調査した結果を紹介する。
西澤 正己
孫 媛
403 大学での特許出願はどうか
●産学連携における特許出願に関する研究

最近、企業ばかりでなく、大学における知的財産権としての特許に対する関心が高まりをみせています。産学連携の成果を調べるために、大学における特許の出願状況や取得状況を明らかにすることが重要になっています。今まで、研究者が出願した特許については個人別には調査されていませんでした。そのため、データベース検索によって、数量的により正確に捉えて傾向を分析しています。
柴山 盛生
404 子どもの話し方は大人とどのように違うのか?--情報の取捨選択に着目して
●子どものナラティヴにおける一貫した言及回避の不在

あるアニメの物語を大人に説明するよう求めると、特定の箇所が一貫して多くの話者に触れられないという現象が観察される。これは、大人の話者が、ことばと身振りの両方を用いて指示対象の情報を管理していることと関係があることがわかりつつある。このような現象は何歳ぐらいから観られるのだろうか?本発表では、9歳児(小学3年生)に同じアニメの説明を求めて得られたナラティヴを分析した結果を報告する。
古山 宣洋
関根 和生
405 コンピュータを使ってお気に入りの"形"を探す
●三次元モデルの検索およびマッチングに関する研究

私たちの身の回りにある物体は、三次元モデルとしてコンピュータで扱うことができます。こうしたモデルはデザインやシミュレーションなどの分野で広く使われています。三次元モデルを構築するのは手間のかかる作業ですが、最近ではインターネット上に多くのモデルが公開されており、これら既存のモデルを組み合わせて新たなモデルを構築することも可能になってきました。この発表では、こうした作業を支援するツールを紹介します。
後藤田 洋伸
406 情報標準は守らねばならない法律か?
●情報標準の動向

情報の世界の標準はますます数多く、大部なものになりつつある。一方では誰も知らない標準というものも、数多く存在するのは事実である。最近の混乱した情報標準の世界と、その動向を概観し、今後を考える。
宮澤 彰
407 テキストから日本語複合語用語抽出する際の精度を向上させる
●日本語複合語用語抽出精度向上の試み

日本語テキストコーパスからの複合語用語抽出において、抽出精度を低下させる要因として、形態素解析誤りと、用語性を低下させる要因となる形態素の存在を取り上げ、これらを排除する方策を講じることにより、複合語用語抽出精度を大幅に向上させることが可能となることを示す。
小山 照夫
408 CGMのためのコンテンツ管理技術
●Web2.0時代の情報管理

近年、CGM(Consumer Generated Media)と呼ばれるユーザー参加型のコンテンツ提供プラットフォームが盛んに利用されるようになった。しかし、誰でもコンテンツを簡単に作成し、提供できるためコンテンツの質が低下するなどの問題も生じている。そこで、CGMでのコンテンツの質を維持するための技術的な枠組みについて検討を行った。
植木 浩一郎
409 ブロードバンド時代の社会制度論
●ブロードバンドインフラ政策の分析

先進国においてブロードバンドインフラストラクチャ形成が本格的に公共政策として議論されるようになってきた。本研究では、官営から民営そして競争時代において、どのような規制や公共政策がこのような産業の発展をもたらしたのか、あるいは、どのような政策が有効に機能し、あるいは機能しなかったのかを探ることで、よりよい公共政策のあり方を探る。
上田 昌史
410 小泉政権期に政治とインターネット利用の関係はどう変わったか
●社会調査データから読み解くネット政治情報利用者の党派性・内閣支持・社会関係資本の変遷

小泉政権期の国政選挙時の全国データを用いて、政治的情報源としてのインターネット利用の変化とその政治的帰結について検討し、(1)ネット政治情報利用者における「民主党バイアス」の弱化、(2)2005年郵政選挙時における小泉内閣に対する追い風としてのウェブ情報接触、(3)私生活志向や社会的寛容性など民主主義を支える社会性に対するネット利用のプラスの因果的効果、を明らかにする。
小林 哲郎
411 ネット社会の危ない事件から逃れるには
●情報セキュリティポリシーの策定およびネットコマースの利用動向に関する研究

・ NIIは学術ネットワークを安全に利用するため、「情報セキュリティ対策のためのサンプル規程集」を公開しています。高等教育機関がセキュリティポリシーを制定・運用するための、専門家からの知恵の集約と共有の工夫をご紹介します。 ・ ネットコマースの利用者は、オンラインショッピングの利便性を享受する反面で、フィッシング詐欺や個人情報漏洩などのリスクを懸念しています。日本と韓国で実施したオンライン消費者調査に基づき、ネット社会の光と影をご紹介します。
岡田 仁志
Kanokwan
ATCHARIYACHANVANICH
(Sokendai)
412 言語や文化の壁を越えたコミュニケーション手段としての記録管理
●国際連合における記録管理の現状と課題

「国際機関における、言語や文化の壁を越えたコミュニケーション手段としての記録管理のあり方」を確認するために、国際連合ニューヨーク本部の「文書館・記録管理部(ARMS)」を訪問調査し、あわせてARMSウェブサイトの掲載内容を調査した。その結果、記録管理の国際標準ISO15489に基づく、事前準備段階を含めた記録管理の方法論の適用や、平和維持活動(PKO)に焦点を当てた業務分類の作成、電子記録への取り組みなど、国際連合内部での記録管理をめぐるARMSのユニークな活動を確認できた。
古賀 崇
小川 千代子
(国立資料研究所)
413 音声データと音声研究
●音声コーパスの収集・構築とその音声研究への利用

音声認識や音声合成等の研究を行うためには各種大量の音声データが必要です。日本ではこれまで種々のプロジェクト等で音声データベース(コーパス)が作られましたが、プロジェクト終了後はデータの維持・管理ができない状況でした。我々は、そのようなプロジェクトで作成された音声データを集めたり、新しく作成したりして希望者に配布する「音声資源コンソーシアム(SRC)」を始めました。これにより情報社会の発展に寄与することを目指しています。
板橋 秀一
大須賀 智子
山川 仁子
414 音声と言語の分類
●話しことばの分類と系統樹による表現

グローバル社会では、種々の言語をコンピュータで扱うことが求められます。その一つに、いま話された言語が何語かを判断する「言語識別」がありますが、その基礎として言語を分類し、系統樹で表すことを試みています。これは言語学の成果である各種の「語族」を音声データから導き出そうという試みです。これが実現すれば、文字を持たない言語でも、その音声データがあれば、その系統を決めることができるようになります。
板橋 秀一
大須賀 智子
山川 仁子

CSIワークショップ

概 要発表者
「全国大学共同電子認証基盤(UPKI)の構築と大学内システムへの応用
●大学間連携のための認証アプリケーション開発状況の説明と、
大学内のシステム(機関リポジトリ等)への応用について意見交換を行う

(1)易しいPKI:なぜ安全なのか
(2)身近なPKI:サーバ証明書の重要性
(3)これからのPKI:さまざまな大学内サービスの認証・認可の統合

※資料はこちらでご覧いただけます
客員教授 谷本茂明
特任准教授 島岡政基
特任准教授 片岡俊幸
「図書館目録の将来:ユーザの視点から、図書館の視点から」
●図書館目録の将来像について、ユーザの期待と図書館が目指すものの両面から各パネリストに語っていただき、参加者と共にディスカッションを行う

Part1 レクチャー
・図書館目録の将来:ユーザの視点から
・図書館目録の将来:ユーザの視点から
・図書館目録の将来:図書館の視点から

Part2 パネルディスカッション
図書館目録の将来展望

※資料はこちらでご覧いただけます
岡本真 氏
(ACADEMIC
RESOURCE GUIDE)
篠原稔和 氏
(ソシオメディア
株式会社
代表取締役社長)
片岡真 氏
(九州大学
附属図書館)
パネルディスカッション
司会:相原雪乃
(国立情報学研究所
学術コンテンツ
課副課長)
「はじめての学術機関リポジトリ
● 学術機関リポジトリの構築にこれから取り組む大学等の教職員に対して、概要と導入に関する解説を行う

Part1 レクチャー
(1)世界の学術情報流通は、今
(2)学術機関リポジトリの意義
(3)付加価値を加えたサブジェクト・ポータル的な取り組み
(4)これから始めるリポジトリ

Part2 パネルディスカッション
司会:尾城 孝一(国立情報学研究所 学術コンテンツ課長)日本の機関リポジトリは何をめざすのか:学術情報流通に果たす役割

※資料はこちらでご覧いただけます
三根慎二 氏
(慶應義塾大学
(非常勤講師))
岩井雅史 氏
(信州大学
附属図書館)
林賢紀 氏
(農林水産研究
情報センター)
大平依理子 氏
(帯広畜産大学
附属図書館)

その他

展示番号概 要発表者
701 大学院紹介 総合研究大学院大学:千代田キャンパス
●複合科学研究科情報学専攻 概要紹介及び平成19年度入試案内

国立情報学研究所は、総合研究大学院大学複合科学研究科に情報学専攻を開設し、5年一貫制博士課程と博士後期課程を設置しています。これら2つの課程では、情報学の先駆的な国際的研究機関である本研究所の専門性を活かし、21世紀の「知識社会」をリードする優れた人材の育成を目指しています。 情報学専攻は、都心に位置した好立地条件にあり、社会人の方も仕事をしながら学び、研究することが可能です。
情報学専攻には、約60名の学生が在籍し、三割が留学生、また半数が社会人学生です。 本コーナーでは、情報学専攻の概要、及び、平成19年10月及び平成20年4月入学に対する入試について案内を行います。
総務部
研究教育促進課
702 「研究者への知的財産支援活動」
●知的財産本部の支援活動

知的財産本部は、NIIと同じ学術総合センターにあり、その研究成果が社会に役立つように知的財産の面から研究者を支援する活動を行っています。例えば、共同研究等の契約支援、世の中を変える発明の権利化、知的財産の利用支援、商標によるサービス名称保護、知的財産管理のルール作り、啓発活動等です。また、4つの大学共同利用機関が連携して活動する大学知的財産本部整備事業の代表機関としても活動しています。
知的財産本部

プロジェクト、サービス・事業

展示番号概 要発表者
601 計算科学とグリッドでこれからの研究環境はどのように変わるか
NAREGIプログラム:サイエンスグリッド研究開発

学術研究を始め産業界の研究開発に計算科学が重要な手法となっています。スパコンを意識せずに利用し、誰でもどこでも計算科学を駆使して世界の研究者と連携し、研究開発を進める研究環境がこれからの時代には不可欠です。国立情報学研究所はNAREGIのサイエンスグリッド技術を中核に、学術研究環境のインフラとして最先端学術情報基盤(CSI: Cyber Science Infrastructure)の立ち上げを進めています。
リサーチグリッド
研究開発センター
602 大学が持つ情報資源を安全・安心に共有する
大学間連携のための全国共同電子認証基盤(UPKI)構築事業

大学等が保有する、教育用計算機、電子コンテンツ、ネットワーク及び事務システムなどを、安全・安心かつ有効に活用する大学間連携を実現するため、全国大学共同電子認証基盤(UPKI)の構築を進めています。 UPKI構築事業では、大学間の認証連携を容易に実現する「UPKI共通仕様」の策定やUPKIを利用したアプリケーションの開発を行い、大学間の認証連携を推進しています。
学術基盤推進部
基盤企画課
603 NIIのデータベースでさまざまな学術情報を探す
●NII学術コンテンツ・ポータル"GeNii"体験

GeNii(ジーニイ)は、さまざまな学術情報コンテンツを検索・表示するためのサービスです。検索できる情報は、(1)論文情報、(2)図書・雑誌情報、(3)研究成果情報、(4)専門学術情報、(5)大学の教育・研究成果情報の5種類があり、それぞれ、(1)CiNii(サイニイ)、(2)Webcat Plus(ウェブキャット プラス)、(3)KAKEN(カケン)、(4)NII-DBR(データベースリポジトリ)、(5)JuNii+(ジュニイ プラス)という名前のデータベースとして提供しています。これらを統合して検索できるサービスがGeNiiです。多くの情報をインターネット上で無料公開していますので、ぜひこの機会にご体験ください。
学術基盤推進部
学術コンテンツ課
604 学術コミュニティを支える次世代のコンテンツ基盤を構築する
●次世代学術コンテンツ基盤の構築

学術コミュニティにとって不可欠なコンテンツを、大学とNIIとの密接な連携により形成・確保し、付加価値を付けて広く発信するための情報基盤を構築しています。具体的なサービスとして、学術コンテンツを統合的に提供するポータル"GeNii"のほか、各大学等で生産される研究成果を収集・保存し発信する「学術機関リポジトリ構築支援」、全国の大学図書館の蔵書目録・所在情報を構築・提供する"NACSIS-CAT/ILL"などがあります。
学術基盤推進部
学術コンテンツ課
605 多様なネットワークサービスで研究者の要求に柔軟に応える
SINET3運用開始 〜学術情報ネットワークの新展開〜

平成19年4月から、従来の学術情報ネットワーク基盤であるSINETとスーパーSINETを統合した"SINET3"の運用を開始しました。SINET3は最先端学術情報基盤(CSI)構想の中核として位置付けられています。SINET3では、従来に比べ格段に豊富なネットワークサービスを利用可能とし、かつ大容量トラフィックをより効率よく柔軟に転送できるようにするため、最先端のネットワークアーキテクチャ(光IPハイブリッドアーキテクチャ)を採用しています。
学術情報ネットワーク
研究開発センター/
学術基盤推進部
学術ネットワーク課

特別展示

展示番号概 要発表者
801 本と電子情報空間を「連想」でつなぐ図書館リファレンス

新千代田図書館のリファレンス・コーナーでは、1000テーマ7000冊の新書を発想支援の道具として、世界一の本の街・神保町の所蔵書DBや多様な情報源を自在に関連づけます。リアルな本や古書街が電子情報空間へ自然に接続される未来的な電子リファレンス環境を体験してください。
高野 明彦
千代田区立
千代田図書館
802 明治大学図書館所蔵「木版挿絵入西洋初期印刷本零葉コレクション」電子展示

明治大学図書館所蔵「木版挿絵入西洋初期印刷本零葉コレクション」は、15世紀のインキュナブラを中心とした書物の木版挿絵のコレクションです。明治大学図書館では、2005年よりこのコレクションのデジタル化を進めてきました。その成果として、高精細デジタル画像によるコレクションの電子展示を行います。
明治大学図書館
803 ロボットの支援で快適な手術環境を実現する
内視鏡・腹腔鏡下手術支援用Scrub Nurse Robotの開発

本研究プロジェクトでは東京電機大学21世紀COEプログラム「操作能力熟達に適応するメカトロニクス」の一環として、内視鏡・腹腔鏡下外科手術を対象した熟練器械出し看護師(英語ではScrub Nurseという)の代替として手術野における外科操作の進行状況、執刀医としての技量や経験の有無などに適応し、次に執刀医が必要とする器具を予測した上で、すばやい器具の交換作業を遂行できるScrub Nurse Robot (SNR)システムを提案し、その開発を行っている。
東京電機大学
804 研究データベースの宝庫 古書(古本)検索サイト「日本の古本屋」

古書組合では1998年には古書販売のデータベースを立ち上げ、以後全国の研究者や愛書家から重宝されてきました。当面の課題は豊富な文献学的知識を持ち合わせた古書店とPCを駆使できる若い世代の協力関係であり、さらなる発展の途上にあります。
東京都古書籍商業共同組合
805 国立公文書館デジタルアーカイブの紹介
--未来を拓く歴史資料--

国立公文書館は、一昨年より、当館所蔵資料のデジタルアーカイブである「国立公文書館デジタルアーカイブ」を運営しております。当館所蔵の公文書から大判絵図に至る多様な歴史資料を、高精細なJPEG2000形式画像データでデジタル化し、EAD/XMLデータベースと連携させて提供するものです。これまで推進してきたアジア歴史資料に関するデジタルアーカイブ事業と共に、そのコンテンツとシステム、利用方法の概要について展示します。
独立行政法人国立公文書館
806 Web 2.0に向けた新たな情報技術の研究をバックアップ
「Yahoo!知恵袋」の研究利用による情報アクセスの新展開

「Yahoo!知恵袋」とは、質問したい人と回答したい人をむすび、知恵と知識を参加者同士で共有することを目的とする、日本最大の知識検索サービスです。国立情報学研究所とヤフー株式会社は、このデータのうち、2004年4月から2005年10月に投稿された質問311万件と回答約1347万件を研究者に提供します。これによりWeb2.0に向けた新たな情報アクセス技術の研究が加速されるものと期待されます。
大山 敬三
NIIテキストデータ
コレクション
グループ
東倉洋一
神門典子
板橋秀一
大須賀智子
山川仁子(NII)
岡本真
木戸冬子
(ヤフージャパン)

プレゼンテーション

1.SINET3開通式「サイバー・サイエンス・インフラ(CSI)の幕開け」

日時: 平成19年6月8日(金) 10:00〜11:30
場所: 2F 一橋記念講堂(学術総合センター) 定員 500名
進行: 学術基盤推進部長 安達 淳
内容:
ごあいさつ「CSI宣言」: 国立情報学研究所長  坂内 正夫
来賓祝辞: 文部科学省研究振興局長 德永 保 様
NTTコミュニケーションズ社長 和才 博美 様
開通セレモニー: 学術基盤推進部長 安達 淳
基調講演: 大阪大学大学院情報科学研究科長 西尾 章治郎 様

2.CSIシンポジウム「最先端学術情報基盤(CSI)の構築に向けて」

日時: 平成19年6月8日(金) 13:00〜16:00
場所: 2F 一橋記念講堂(学術総合センター) 定員 500名
進行: 学術基盤推進部 次長 早瀬 均

時間内容講演者
13:00-13:20 最先端学術情報基盤(CSI)の構築に向けて 学術基盤推進部長
安達 淳
13:20-14:10 SINET3
〜CSI推進プラットフォームが本格運用開始〜
教授  漆谷 重雄
准教授  阿部 俊二
14:10-14:40 次世代研究環境を切り開くNAREGIサイエンスグリッド リサーチグリッド研究開発センター長
三浦 謙一
14:40-15:00 休憩 
15:00-15:30 全国大学共同電子認証基盤(UPKI)の構築 教授  曽根原 登
15:30-16:00 次世代学術コンテンツ基盤共同構築事業 特任准教授 村上 祐子
※演題は仮称です。

3.CSIワークショップ ※テーマ別の情報提供・意見交換の場

「全国大学共同電子認証基盤(UPKI)の構築と大学内システムへの応用」

大学間連携のための認証アプリケーション開発状況の説明と、大学内のシステム(機関リポジトリ等)への応用について意見交換を行う。

日 時: 平成19年6月8日(金) 10:00〜12:00
場 所: 20F ミーティングルーム(学術総合センター) 定員 60名 満員御礼

時間内容講演者
10:00-10:40 易しいPKI:なぜ安全なのか 客員教授 谷本 茂明
10:40-11:20 身近なPKI:サーバ証明書の重要性 特任准教授 島岡 政基
11:20-12:00 これからのPKI:さまざまな大学内サービスの認証・認可の統合 特任准教授 片岡 俊幸
「図書館目録の将来:ユーザの視点から、図書館の視点から」

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図書館目録の将来像について、ユーザの期待と図書館が目指すものの両面から各パネリストに語っていただき、参加者と共にディスカッションを行う。

日 時: 平成19年6月8日(金) 10:00〜12:00
場 所: 1F 特別会議室 (学術総合センター) 定員 70名 満員御礼

時間内容(仮)講演者
10:00-10:05 ご挨拶・趣旨説明
10:05-11:05 Part1 レクチャー 各20分
●図書館目録の将来:ユーザの視点から 岡本 真 氏
(ACADEMIC RESOURCE GUIDE)
●図書館目録の将来:ユーザの視点から 篠原 稔和 氏
(ソシオメディア株式会社
代表取締役社長)
●図書館目録の将来:図書館の視点から 片岡 真 氏
(九州大学附属図書館)
11:05-11:15 休憩 
11:15-12:00 Part2 パネルディスカッション

司会:相原 雪乃(国立情報学研究所 学術コンテンツ課副課長)

図書館目録の将来展望 パネリスト
岡本 真 氏
(ACADEMIC RESOURCE GUIDE)
篠原 稔和 氏
(ソシオメディア株式会社
代表取締役社長)
片岡 真 氏
(九州大学附属図書館)
「はじめての学術機関リポジトリ」

>> 資料はこちらからご覧いただけます

学術機関リポジトリの構築にこれから取り組む大学等の教職員に対して、概要と導入に関する解説を行う。

日時: 平成19年6月8日(金) 13:30-15:20
場所: 1F 特別会議室 (学術総合センター) 定員 70名 満員御礼

時間内容(仮)講演者
13:30-13:40 ご挨拶・趣旨説明
13:40-14:20 Part1 レクチャー 各20分
●世界の学術情報流通は、今 三根 慎二 氏
(慶應義塾大学(非常勤講師))
・学術情報流通の世界で起こっていることを広く全般に
・Open Access Japanの取組など
●学術機関リポジトリの意義 岩井 雅史 氏
(信州大学附属図書館)
IRを作ると、誰にとって、何がどのように嬉しいのか
特に研究者DB・IRなどのトータルな次世代システムの開発と提供を中心に
●付加価値を加えたサブジェクト・ポータル的な取り組み 渡部 桂子 氏
(農林水産研究情報センター)
大学以外の機関における取り組み例
●これから始めるリポジトリ 大平 依理子 氏
(帯広畜産大学附属図書館)
ゼロから始めて公開に至るまでの体験談:
学内合意、システム構築、コンテンツ構築
14:20-14:30 休憩 
14:30-15:20 Part2 パネルディスカッション

司会:尾城 孝一(国立情報学研究所 学術コンテンツ課長)

日本の機関リポジトリは何をめざすのか:
学術情報流通に果たす役割
パネリスト
三根 慎二 氏
(慶應義塾大学(非常勤講師))
岩井 雅史 氏
(信州大学附属図書館)
林 賢紀 氏
(農林水産研究情報センター)
大平 依理子 氏
(帯広畜産大学附属図書館)
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