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平成26年度 第4回 Q&A

第4回 2014年9月30日(火)

コンピュータは"質感"を理解できるか
佐藤 いまり (国立情報学研究所 コンテンツ科学研究系 教授)

講演当日に頂いたご質問への回答(全20件)

※回答が可能な質問のみ掲載しています。

実物を見るのと画像を見るのは違いますか?

違います。画像は表現できる輝度や色に限りがあります。

なぜ人間は3色でいろいろ分かるのですか?(メロン、ファンデーションの色の例)

進化の過程でそのような視覚特性になりました。情報判別に良い特性なのかどうかは分かりません。

「つや」と「てかり」は何が違いますか?どうやって区別しますか?

明るく反射する部分(鏡面反射)の分布と強度が区別する手がかりになります。

デジカメ+簡易照明器で簡単に画像解析や検出ができるしくみは誰でも使える状況にはいつ頃なりえるでしょうか。

スマートフォンなどに機能が入る日はそう遠くないかもしれません。

反射光と蛍光の区別はどうやってするのですか?

反射とは蛍光では、入射光に対する反応が異なります。その違いを利用することができます。

蛍光灯の下と日光の下では同じ物でも大きくスペクトルの異なる反射光が見えていると思いますが、人間には同じように見えるのなぜなのでしょうか?

色恒常性という機能が人間にはそなわっているからです

だれでもが美人に見えるめがねは作れるでしょうか。あったらいいなと思います。

画像の審美性を高める技術の開発も進められています。

メロン画像3つの内、右が最も甘いとの事。その理屈は?(その後の講義内容のどれが該当するのですか?)

糖度と関係のある波長を観察することで分かります。

我々が質感を判断(想像)する際、単に視覚で得られた情報だけでなく、過去の経験(対象の触覚的記憶)と結びつけているように思いますが、先生のご研究ではそのあたりをどのようにモデル化されているのでしょうか。視覚情報とは別に「質感データベース」のようなバックデータを用意して照合するなどといったプロセスがあるのでしょうか。

経験よる特性の違いはまだ検討できていません。

ファウンデーションの話から派生して、土石流や雪崩の危険部分を認知できるシステム開発は可能だと思いますか。

可能だと思います。

スペクトル分析を医学に利用できますか。

すでに診断に利用されています。

人体の外側から病気の判定することはできますか?ガンの発見に役立つと思います。

すでに取り組みはあります。そのような技術に発展できたら素晴らしいと思います。

今、質感が注目されている理由は何ですか。

日本では古来から質感が大切にされてきました。

赤ん坊に"質感"は分かるのでしょうか。

乳幼児の質感知覚に関する研究もあります。

"質感"に地域性や年代性があるでしょうか。

あるように思います。

液体や気体も分析できますか。

可能です。

材質の内部にある経年劣化によって発生するクラックの量などもわかるのでしょうか。

わかるかもしれません。

金色/銀色はRGBで表現できますか。

金色/銀色は黄色や灰色に相当します。どのような情報が揃うと、金色と知覚されるのかを解明している研究者もいます。

ヒトの認知・感情・情動などをコンピュータ機器は今後、変えていくことが考えられるが、科学研究者として、どう思い、考えているのでしょうか。例えば、都市部では原色が多く、ヒトの認知や感情が変わってきています。また、子どもがスマートフォンでスライスはできるが、紙をめくるということができないなどになりますが、これらについてどう思われていますでしょうか。

人工的な環境がもたらす影響については考えていくべきだと思います。

この分野の入門書や文献でお勧めのものがあったら教えてください。

講演内容が多岐にわたるため、全体を網羅するような入門書などは残念ながらありません。

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