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2018/09/11

日本初開催の第30回国際情報オリンピック／日本代表は金メダル1、銀メダル1、銅メダル2、全員がメダル獲得

第30回国際情報オリンピックの日本代表選手。左から井上さん、清水さん、行方さん、細川さん（写真提供：情報オリンピック日本委員会）

　第30回国際情報オリンピック（IOI 2018 JAPAN、NIIは特別協賛）が9月1日から8日まで、茨城県つくば市で開かれ、世界87カ国・地域、335人の高校生までの生徒がプログラミングの腕を競いました。

　日本代表は、井上航さん（北九州工業高等専門学校３年）が総合６位タイで金メダル、細川寛晃さん（灘高校３年）が銀メダル、清水郁実さん（Ｎ高校３年）、行方光一さん（筑波大学附属駒場高校2年）が銅メダルを獲得しました。また、開催国特別参加選手のため表彰対象にはならなかったものの、米田優峻さん（筑波大学附属駒場高校1年）が金メダル相当、米田寛峻さん（開成高校1年）、平木康傑さん（灘高校1年）が銀メダル相当、岸田陸玖さん（京都市立堀川高校3年）が銅メダル相当のすばらしい成績を収めました。

日本代表のメンバー。（前列左から）細川さん、清水さん、井上さん、行方さん。
（後列左から）平木さん、米田優峻さん、米田寛峻さん、岸田さん

　国際情報オリンピックは、高校生までの生徒を対象とする国際科学オリンピックの大会の一つ。競技は個人戦で、9月3日と5日の2日間、計10時間にわたり実施されました。今大会は、秘密のコマンドを探し出す「コンボ（combo）」や国際プログラミングコンテストの座席表の美しさを計算する「座席（seats）」、からくり人形を動作させる回路を作る「からくり人形（doll）」などの問題が出題されました。（問題は、IOI 2018 JAPAN 公式サイトよりご覧いただけます。https://ioi2018.jp/competition/tasks/ ）　

競技の様子（写真提供：情報オリンピック日本委員会）

　プログラムの実行時間や使用メモリに関して制限があり、正しいプログラムを書く能力だけでなく、アルゴリズムやデータ構造を考案する能力が求められます。採点の結果、上位約12分の1(今大会では29名)に金メダル、その次の上位約12分の2(今大会では55名)に銀メダル、次の上位約12分の3(今大会では83名)に銅メダルが授与されました。

　金メダルを獲得した井上さんは、「パソコン甲子園をきっかけに本格的にプログラミングを始めました。1日目の『座席』の問題が難しく、大きな部分点がとれなかったことが反省点。でも、2日目は集中して良い結果を出すことができました。6位という結果は目標より上位だったので満足しています。これからは、他のプログラミングコンテストにも出場してみたい。将来は、プログラマーかエンジニアになりたいと思っています」と感想を述べました。

表彰式で金メダルを受け取る井上さん

　競技のほか、数理情報科学の次世代を担う選手同士が交流を深めることを目的として、2日間のエクスカーション（体験型見学会）が行われました。選手たちは、つくば市の宇宙航空研究開発機構（JAXA）筑波宇宙センターや産業技術総合研究所サイエンス・スクエアつくばを訪れ、日本の最先端の科学技術に触れたほか、国営ひたち海浜公園やアクアワールド茨城県大洗水族館、大洗磯前神社などを訪れ、日本の自然や文化を満喫しました。

選手たちが交流を深めたエクスカーション（写真提供：情報オリンピック日本委員会）

　金メダルを獲得したマレーシア代表のZi Song Yeohさんは、「一緒に数学オリンピックに出場した友人にすすめられてプログラミングを始めました。3回目の出場で初めて金メダルを獲得することができてとても感激しています。普段は、いろいろなコンテストの過去問を解いて、腕を磨いています。日本大会は、競技だけでなくエクスカーションもとても楽しかった。サイエンス・スクエアが思い出に残りました」と話していました。

　NIIは、特別協賛として日本大会をサポート。NIIが構築・運用する「SINET5」のネットワークの中に、専用の仮想プライベートネットワーク（L2VPN）を構築して、競技会場と東京のサーバーをつなぎました。また、大会期間中、競技会場隣りのつくば国際会議場にブースを設置し、NIIの研究や事業を世界の選手にPRしました。