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ニュースリリース

「日本文化とAIシンポジウム2019~AIがくずし字を読む時代がやってきた~」
11月11日に開催、参加申込スタート

 情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設(以下、ROIS-DS) 人文学オープンデータ共同利用センター(センター長:北本朝展)ならびに同機構 国立情報学研究所(所長:喜連川優)、人間文化研究機構 国文学研究資料館(館長:ロバート・キャンベル)は、「日本文化とAIシンポジウム2019 ~AIがくずし字を読む時代がやってきた~」(参加無料)を11月11日(月)に開催いたします。このシンポジウムでは、AI(人工知能)を活用してくずし字を読み解く研究の過去・現在から未来までを議論するとともに、世界に広がるくずし字研究の最前線をご紹介します。

 このたび、本シンポジウムのウェブサイトを開設し、参加申込の受付を開始いたしました。多くの皆さまのご参加をお待ちしております。

 日本では、古典籍・古文書・古記録などの過去の資料(史料)が千年以上も大切に受け継がれており、数億点規模という、世界でも稀にみる大量の資料が現存しています。その多くが「くずし字」で書かれておりますが、現代のほとんどの日本人は「くずし字」で書かれた過去の資料を読めなくなっており、大量のくずし字をどう読み解くかが喫緊の重要な課題となっています。

 そこで、ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター、国立情報学研究所、国文学研究資料館は、AI(人工知能)を活用してくずし字を読み解く研究の、過去・現在から未来までを議論し、世界に広がるくずし字研究の最前線をご紹介するシンポジウム「日本文化とAIシンポジウム2019」を開催いたします。

 AIに関する多数のコンペティションで世界的に注目を集めているKaggle(*1)では、10月14日(月)まで「くずし字認識:千年に及ぶ日本の文字文化への扉を開く」と題するコンペを開催中です。本シンポジウムには、このコンペの入賞者も集結し、開発したくずし字認識アルゴリズムを解説する予定です。さらに、木簡からくずし字まで、日本の文字文化の研究に取り組む第一線の研究者をお招きし、研究の最先端をご紹介する講演やデモを行います。

 くずし字を読み解く技術がいまどこまで進んでいるのか、その可能性を体感するまたとない機会です。皆さまのご参加をお待ちしております。

「日本文化とAIシンポジウム2019 ~AIがくずし字を読む時代がやってきた~」

【日  時】2019年11月11日(月) 9:30受付 10:00開始

【場  所】一橋講堂 東京都千代田区一ツ橋2丁目1-2 学術総合センター2F

【参加方法】ウェブサイトから事前申込(参加無料)

      http://codh.rois.ac.jp/symposium/japanese-culture-ai-2019/

      ※シンポジウム登壇者への個別取材も調整いたします。

【プログラム】

10:00-10:10 開会挨拶
      北本 朝展(ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター/国立情報学研究所)

10:10-11:50 セッション1-日本の文字文化とAI

◆木簡情報のオープンデータ化と文字画像DB連携の強化
      馬場 基(奈良文化財研究所)

◆東京大学史料編纂所における字形データの蓄積経緯と花押データへの展開
      井上 聡(東京大学史料編纂所)

◆新たな検索機能提供のための調査研究活動―次世代デジタルライブラリーを中心とした近年の取組紹介―
      青池 亨(国立国会図書館電子情報部電子情報企画課次世代システム開発研究室)

◆市民参加とAI―「みんなで翻刻」開発者の立場から
      橋本 雄太(国立歴史民俗博物館)

11:50-13:10 休憩

13:10-14:25 基調講演-AIによるくずし字認識の展望

◆文字認識研究の過去・現在・未来
      内田 誠一(九州大学大学院システム情報科学研究院)

◆過去からの挑戦状-くずし字認識の未来-
      佐々木 孝浩(慶應義塾大学附属研究所斯道文庫)

14:25-14:55 セッション2-くずし字データセット100万文字公開とデジタル人文学研究

◆NIJL-NWプロジェクトとくずし字データセット
      山本 和明(国文学研究資料館)

◆デジタル人文学研究とAIくずし字認識
      北本 朝展(ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター/国立情報学研究所)

14:55-15:25 講演者によるデモンストレーション

15:25-16:00 セッション3-Kaggleコンペティション

◆世界中のアイデアを集めるくずし字コンペの開催
      カラーヌワット・タリン(ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター/国立情報学研究所)

◆世界中のAI研究者がくずし字に挑んだ結果
      Alex Lamb(モントリオール大学MILA)ほか(調整中)

16:00-17:40 セッション4-Kaggle授賞式、Kaggle入賞者講演、ディスカッション
      ロバート・キャンベル(国文学研究資料館)
      喜連川 優(国立情報学研究所)
      Kaggle入賞者

17:40-17:45 閉会挨拶

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ポスターのダウンロード

20191111_KUZUSHIJI_AI_SYMPOSIUM.jpgのサムネイル画像

ニュースリリース(PDF版)

「日本文化とAIシンポジウム2019 ~AIがくずし字を読む時代がやってきた~」
11月11日に開催、参加申込スタート


(*1) Kaggle(https://www.kaggle.com/)は、米国に本拠地を置くKaggle社(Google傘下)が運営する、世界最大規模の機械学習コンペティションプラットフォーム。Kaggleのコンペティションでは、(1)企業や研究者が解決したい課題を出題し関連データを提供、(2)世界中のAI研究者・技術者がその課題を解決するアルゴリズム(計算手法)を提出、(3) 提出されたアルゴリズムの性能をランキングして上位入賞者を決定、(4) 上位入賞者はコンペの成果を出題者に提供し賞金を獲得、という流れで研究開発をオープンに進める。
コンペ「くずし字認識:千年に及ぶ日本の文字文化への扉を開く」の進捗状況は下記サイトで随時閲覧できる。 CODHのウェブサイト(http://codh.rois.ac.jp/competition/kaggle/
本コンペのページ(https://www.kaggle.com/c/kuzushiji-recognition
本発表は、情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設および国文学研究資料館との共同発表です。
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