NII Today 第84号
Jun. 2019No.84

コンピュータビジョン研究の最前線見えないものを捉える"機械の目"

人間の目には見えないものを画像から解析したり、バーチャル空間に現実の世界を再現したり するコンピュータビジョンの技術は、デジタルカメラの顔認識や映画のコンピュータグラ フィックス(CG)、3D地図などで身近な存在です。最近は機械学習による人工知能(AI)を使い、応用範囲を品質検査や医療診断などへ広げつつある。コンピュータの賢い目は私たちの生 活をどのように変えるのか。研究の最前線を担うNII の佐藤いまり教授に聞きました。

CONTENTS

Interview

光をデザインして、見たい世界を覗く

目的に合わせて光を選択、食品検査や医療に応用

人間の目には見えないものを画像から解析したり、バーチャル空間に現実の世界を再現したりするコンピュータビジョンの技術は、デジタルカメラの顔認識や映画のコンピュータグラフィックス(CG)、3D 地図などで身近な存在だ。最近は機械学習による人工知能(AI)を使い、応用範囲を品質検査や医療診断などへ広げつつある。コンピュータの賢い目は私たちの生活をどのように変えるのか。研究の最前線を担うNII の佐藤いまり教授に聞いた。

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Article

人はなぜ見える、なぜ認識できる数理モデルを設計、追究していく

いよいよ画像、文章、音声をまとめて扱える

描きたい光景を説明する文章を入力すれば機械(コンピュータ)が絵を出力する。画像に隠されている人間が判別しにくいカモフラージュ物体を機械が見つけ出す。NII の杉本晃宏教授が取り組む研究はどれも楽しい。研究の動機は一貫している。「ものを見るということはどういうことか。なぜ人は見たものが何かを判別できるのか?」。この疑問を解くために、人が認識する仕組みを推測し、数理モデルを設計、機械で動かし、検証を繰り返している。

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Article

人間の目では見えないものを機械の目であぶり出す

特殊で高価なカメラの性能を汎用シリコンカメラで実現するソフトウエアの開発

近年、画像認識技術が急速な進化を遂げ、またAI の世界における機械学習や深層学習(ディープラーニング)という言葉が一般にも広く浸透してきたことを受け、コンピュータビジョン(機械の目)での情報センシング技術に対する関心が産業界からも高まっている。そして人々にとってもっとも汎用的な“機械の目” であるシリコンカメラの精度をソフトウエアによってさらに高めようと研究しているのがNII の鄭 銀強准教授だ。現在の“機械の目”では何が見えるのか、そして今後どう発展していくのか。鄭准教授に聞いた。

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Article

高精度な3次元復元技術の実用化をめざす

蓄積された知見と深層学習を組み合わせ、不動産や医療分野へ応用

人は網膜像から3次元の世界を脳内で構成し、奥行きを知覚する。それはどのような数学的モデルで表現できるのか。コンピュータビジョンの研究者であるNIIの池畑 諭助教は、その点に興味を持ち、近年は陰影を用いて3次元復元を行う「フォトメトリックステレオ」と呼ばれる手法で3次元復元に挑んでいる。現在は深層学習(ディープラーニング)も用いていて、多様な分野での実用化もめざす。どんな可能性があるのかを聞いた。

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Essay

「研究100連発」と研究への思い

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NII Today 第84号

NII Today 第84号

2019年6月発行

・光をデザインして、見たい世界を覗く
・人はなぜ見える、なぜ認識できる数理モデルを設計、追究していく
・人間の目では見えないものを機械の目であぶり出す
・高精度な3次元復元技術の実用化をめざす
・「研究100連発」と研究への思い

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