研究 / Research

コンテンツ科学研究系

アンドレス フレデリック
ANDRES Frederic
コンテンツ科学研究系 准教授
学位:2000年1月 HDR (ナント大学、フランス教授資格) 1993年9月 Ph.D. (パリ第6大学計算機科学科、EUヨーロッパ連合)
専門分野:人間・知識メディア
研究内容:http://researchmap.jp/andresfrederic/

サイエンスライターによる研究紹介

知識を深め、解決策を見いだす

私たちは皆、過去に得た知識を活用して、今日抱えている困難を乗り越えようと日々取り組む中で、何らかの形でつながっています。私の研究対象は、セマンティックインテリジェンスと集合知の分野です。その目的は、データ、挙動、得られた知識、能力をより深く理解して統合することと、そのつながりを利用して問題に対する革新的な解決策を見いだすことです。当初、私はデジタル・ヒューマニティーズやディジタル・シルクロード・プロジェクトにも従事していました。そこでは、情報科学と人文科学を合わせたセマンティック・マッピングを用いた文化遺産のアーカイブ開発や、特定の建築コンテンツの描写とデータ管理のための視覚的な語彙モデルの開発に取り組みました。また、MulSeMedia(マルセメディア:Multiple Sensory Media)システムの発展にも携わっていました。このシステムは、持っているすべての感覚をリアルに統合してマルチメディア体験を充実させることで、体験をよりインタラクティブで魅力的にするものです。まさに「不可能と思われていたこと」を行うためのシステムです。

相互作用を高め、考え方を変える

重要なのは、集合知を資産ととらえ、これまでの経験を新しい問題の解決に役立て、より適切に素早く解決策を会得し、実現に取り組むことです。私たちが抱えているのは、日々の膨大な量のデータであり、また、限られた時間で本当に必要なものをまとめながら、期待と満足度とのギャップの可能性を認めなければならないという課題です。たとえば、インテリジェントクッキングに関する私の業務を取り上げてみましょう。これは、DECOR(Data Engineering meets intelligent food and COoking Recipes*)ワークショップの一環で、食品科学、データサイエンス、およびデータエンジニアリング(データとソフトウェアの体系化、処理、構成の統合、共有など)の共通部分を探るものです。これはすべて、万人にとって不可欠な「食」の領域で実現されます。そこにはレシピはもちろん、食事中や食後の期待感や気持ちをもっとよく知りたいという願望も含まれます。食を手に入れ、準備し、消費するというのは、日常生活に不可欠な要素であり、そのすべてがキッチンでのカーボンフットプリントの一部になります。インテリジェントな食とインテリジェントクッキングの研究の焦点は、調理過程にとどまらず、人と食の相互作用を高める方法であり、データサイエンスにおける画期的なイノベーションを通じて、食との文化的・環境的相互作用についての考え方を実際に変える方法です。

将来の新しいビジョンに対する意識を高める

新しいものを採用したり、違う方向に一歩を踏み出したりするとき、冷たいプールに飛び込む前のように、躊躇することがあるでしょう。しかし、研究が一本道であることはまずありません。飛び込んでいけば、新しく刺激的な方向に導いてくれることがよくあります。たとえば、会議参加者の気分や精神活動をモニターできたとして、そういったデータを有益に利用する方法を探ったり、量子世界におけるセマンティックインテリジェンスや集合知の理解を深めたり、といったように。研究を追求するうえで重要なことは、自分自身を高め、可能性に対する自身の意識を高めることです。そして、データエンジニアリングのように、社会の利益になる利用可能な情報のつながりを研究することです。それによって、明るい未来への道が切り開かれるのです。

*DECOR@ICDE2022国際ワークショップ(英語)http://research.nii.ac.jp/decor/decor2022.html

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最終更新日:2022年6月

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