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効率的なスパコン設計につながるグラフ発見を競うコンペ開催 〜専門家以外でも「理想のスパコン」実現に貢献可能〜

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(以下NII、所長:喜連川 優、東京都千代田区)は6月1日より、スーパーコンピュータ(スパコン)などで使われている複雑なネットワーク構成を簡単なグラフにおきかえ、CPUチップ内およびCPUチップ間のネットワークの効率的な設計につながる、より単純な構成のグラフの発見を競うコンペティション「グラフ ゴルフ」を開催します。応募は同コンペの専用ウェブサイト(http://research.nii.ac.jp/graphgolf)で受け付け、締め切りは本年10月15日。優れたグラフの発見者は12月に札幌市で開催されるコンピュータシステムとネットワーク技術に関する国際シンポジウム「CANDAR2015」(http://is-candar.org/)で表彰します。

最近のコンピュータは大規模で複雑になってきており、スパコンでは数百万のプロセッサコアが相互に接続されています。膨大な数のコアをいかに効率的に相互接続するかというネットワーク構成(ネットワークトポロジ)の設計は、スパコンの処理能力に大きく影響します。今回のコンペでは、このネットワークトポロジについて、コアを「頂点」、コアとコアをつなぐ配線を「辺」とみなしたグラフとしてモデル化。一つの頂点から最も離れた頂点までの「ホップ数」(経由した頂点+終点の頂点の合計数)、および、各頂点間のホップ数の平均値が最も小さいグラフの発見を競います。

グラフの条件設定は複数あり、プログラミング不要で手描きで挑戦できるものもあります。このため、本来は専門家の領域であるネットワークトポロジの研究分野ではありますが、中高生などの若年層から気軽に参加でき、一般の方が理想的なスパコンの実現に直接貢献可能です。専門家以外にも本コンペを身近に感じていただき、より多くの方の参加につなげようと、本コンペを「グラフ ゴルフ」と名付けました。これは、信号がコアを一つひとつ経由して流れていく様を、ショットを一打ずつ積み重ねて最少打数を競うゴルフになぞらえた命名です。専用サイトでは、応募案の中で最も優れたグラフや自分が応募したグラフの順位を随時確認でき、ゲーム感覚でコンペを楽しむことができます。

本コンペは来年度以降も問題の条件設定を変えて継続し、グラフ(ネットワークトポロジ)のカタログを更新していくことで、学術界や産業界に貢献する予定です。

本コンペの問題や条件設定などの詳細などについては、下記のリンクをご参照下さい。

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