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国立情報学研究所・LINE株式会社が共同研究へ/覚書を締結して共同研究部門設置など協議

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大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII、所長:喜連川 優、東京都千代田区)とLINE株式会社(LINE、代表取締役社長:出澤 剛、東京都新宿区)は本日11月27日に共同記者会見を開催し、研究の発展や研究開発業務の強化を図るための共同研究に関する覚書を締結して、2018年度に共同研究部門を設置するなどの具体的な取り組みについて協議を始めたことを発表しました。NIIとLINEは共同で、「Robust Intelligence(ロバストインテリジェンス)」と「Social Technology(ソーシャルテクノロジー)」を主軸とした社会課題解決のための強靱(きょうじん)な知識基盤の研究に取り組んでいく予定です。

今回締結した覚書に基づき、NIIとLINEは共同研究部門(*1)の設置について検討していきます。現時点では、同部門はNIIに置かれ、LINEが同研究部門の運営経費など両者の共同研究に必要な経費を負担する予定です。具体的な研究の課題や範囲などについては、今後協議します。

NIIは大学共同利用機関(*2)として、全国の大学や研究機関と連携・協力して研究や事業を行っています。本共同研究においては、NIIを中心に大学や他の研究機関からも研究者を募り、来年度の共同研究部門設置時には、京都大学、東北大学からも研究者が参加する予定です。次年度以降は他機関からの参加の規模を拡大し、より多くの機関の研究者が参加する態勢を作っていくことを念頭においています。

今回NIIとLINEが設置を検討している共同研究部門は、「Robust Intelligence」と「Social Technology」に主眼を置いている点が特色です。常に変化し、多様性のある現実世界の環境に対応する強靱さを兼ね備えた知的能力をもち、社会課題を解決できるような情報技術(IT)の研究開発に取り組んでいきます。

共同研究部門の名称は「Center for Robust Intelligence and Social Technology(CRIS)」を予定しています。

覚書の締結は2017年11月17日付です。

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〈図〉共同研究部門の研究範囲のイメージ

NII所長・喜連川 優(きつれがわ・まさる)のコメント
「NIIとLINEは、商業的価値を追い求めるのではなく社会課題解決という観点から、新しい分野であるRobust IntelligenceとSocial Technologyにより、社会にどのような新しい武器を提供することができるのか、共同で研究していきたいと考えています。NIIは大学共同利用機関としてすべての大学のすべての学問に対してサービスを提供するのがミッションであり、今回はNIIの研究者だけではなく他の大学の研究者にも幅広く参加して貰う枠組みにしていこうと考えています。」
LINE代表取締役社長・出澤 剛(いでざわ・たけし)のコメント
「現在、LINEでは、AIアシスタント『Clova』の開発に全力で取り組んでおりますが、この分野は、世界的に見ても非常に競争が激しい分野です。今回、情報学における基礎論から人工知能やビッグデータ、IoT、情報セキュリティーといった最先端のテーマまで幅広く研究を行っているNIIと共同で、AIを含む、Robust IntelligenceとSocial Technologyという研究分野にチャレンジできることに大変期待をしています。新設に向けて協議を開始した本共同研究部門の成果では、日本の英知を集結し、LINEのAI分野への応用に限らず、様々な社会課題の解決に寄与していきたい考えです。」
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〈写真〉記者会見終了後に握手を交わすNII喜連川所長(左)とLINE出澤代表取締役社長

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(*1)「共同研究部門」: 公益性が高く研究上有意義で優れた成果が期待できる研究部門を民間機関などから受け入れる経費等を活用して設置・運用するための情報・システム研究機構の「共同研究部門制度」を利用して設置する予定。
(*2)「大学共同利用機関」: 個別の大学単位では設置や維持が難しい最先端の大型装置をはじめ、大量の学術データや貴重な資料、分析法などを全国の研究者に無償で提供し、個々の大学の枠を越えた共同研究を推進するわが国独自の研究機関。
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