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福井県鯖江市と連携協力に関する協定を締結/情報学研究で地方創生に貢献

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII、所長:喜連川 優、東京都千代田区)は、福井県鯖江市(牧野百男市長)と連携協力の推進に関する協定を6月5日に締結しました(*1)。NIIが地方自治体と包括的な連携協力の協定を結ぶのは今回が初めてです。NIIは研究成果をはじめとする知的資産や人材を活用して、自然や歴史、伝統、文化、産業などの特色を生かした鯖江市の発展に協力します。NIIはこうした連携・協力を通じて、情報学を生かした地方創生の推進に取り組んでいきます。

情報学という新しい学術分野での「未来価値創成」を使命とするNIIは、長期的な視点に立つ基礎研究とともに、社会課題の解決を目指した実践的な研究を推進しています。また、人材育成や社会貢献などに努めるとともに、さまざまな社会活動との連携・協力を重視した運営を行っています。今回の協定は、豊かな地域の未来を創造するため、まちづくり、産業、文化、教育、学術などの分野で鯖江市に協力し、地域社会への貢献と人材育成に寄与することを目的としています。

NIIはこれまでも、情報学分野で鯖江市の取り組みを支援してきました。鯖江市が平成22年(2010年)に始めた行政情報をオープンデータ化する施策に対して、コンテンツ科学研究系准教授、大向 一輝(おおむかい・いっき)らが知見を提供したのをはじめ、平成27年(2015年)には、NII情報社会相関研究系教授、越前 功(えちぜん・いさお)の研究室が研究開発した、カメラによる顔検出を不能にして着用者のプライバシーを守る眼鏡型装着具「プライバシーバイザー」を、同市の企業が商品化しました(*2)。これは産官学連携の取り組みで、製作費の一部を鯖江市が運営するクラウドファンディング「FAAVO(ファーボ)さばえ」を活用して調達しました。昨年6月には鯖江市の要請を受け、越前教授が同市内の2小学校でワークショップを行っています。

NIIと鯖江市の調印式は6月5日午後1時30分から同市役所で行われ、NIIから副所長(コンテンツ科学研究系教授)の相澤 彰子(あいざわ・あきこ)、鯖江市からは牧野 百男(まきの・ひゃくお)市長が出席しました。

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調印式に出席した相澤副所長(左)と牧野市長

協定書調印後は、NII客員・名誉教授の曽根原 登(そねはら・のぼる)が、具体的な取り組みにつながる研究の一例として、Wi-Fiアクセスポイントのデータから解析した人の流れやweb上の宿泊施設の予約状況、自治体オープンデータなどを連携し、観光分野などでエビデンス(科学的根拠)に基づく合理的な政策決定・意思決定を支援するシステム「ソーシャルビッグデータ駆動の政策決定支援基盤」(*3)について説明しました。

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研究内容を説明する曽根原客員・名誉教授(中央)

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