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国立情報学研究所と物質・材料研究機構が連携・協力の覚書締結/データプラットフォームの研究開発で

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII、所長:喜連川 優、東京都千代田区)と国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS、理事長:橋本 和仁、茨城県つくば市)は、6月1日付で連携・協力の推進に関する覚書を締結(*1)しました。両機関は、研究成果を適切に保存・管理し、研究データの利活用を高め、イノベーションを可能にするデータプラットフォームの構築を目指して研究開発における連携や協力をするとともに、こうした取り組みを通じて日本のオープンサイエンスの推進に貢献します。

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覚書に署名して握手を交わすNII喜連川所長(左)とNIMS長野理事

両機関はNIIのオープンサイエンス基盤研究センター(センター長:NIIコンテンツ科学研究系准教授 山地一禎)、および、NIMSの統合型材料開発・情報基盤部門(部門長:NIMS理事 長野裕子)において、両機関の研究開発能力や施設、人材などを活用し、先端的なデータプラットフォームの構築に必要な技術の研究開発や運用手法の確立に連携・協力して取り組みます。さらに、オープンサイエンスを推進することで、学術や文化、産業の発展にも寄与する所存です。

NIIは大学共同利用機関として、日本におけるオープンサイエンスの推進を使命としています。これまでも、共同リポジトリサービス「JAIRO Cloud」の開発・提供などにより、大学や研究機関におけるオープンアクセス活動の基盤となる機関リポジトリの構築・運用を支援してきました。本年4月1日には、従来の活動を強化するとともに研究データのオープン化にも発展すべく、オープンサイエンス基盤研究センターを設置しました。同センターでは、大学や研究機関の研究のワークフローを多面的にサポートするために「管理」「公開」「検索」という三つのICT基盤の構築と運用を行っていきます。

NIMSは特定国立研究開発法人として、我が国が強みを有する材料分野におけるイノベーション創出の推進を使命としています。本年4月1日には、ICT(サイバー)と物質・材料(フィジカル)をつなぐ重要なシステムとなる「統合型材料開発システム」と、これを支える「材料データプラットフォーム」の研究開発を推し進めるべく、統合型材料開発・情報基盤部門(MaDIS)を設置しました。知の創出に新たな道を開くオープンサイエンスに対応する材料データプラットフォームは、研究成果の保存・公開にとどまらない、イノベーションに繋がる材料データ基盤の構築に取り組んでいきます。

NIIとNIMSはともに日本のオープンサイエンスの推進を重要な課題ととらえています。両機関が連携・協力することで、この課題の解決に大きな貢献を果たすとともに、それぞれの研究活動を加速することもできると考え、今回の覚書締結に至りました。今回の連携・協力は両機関の特色を最大限に生かすことができるものです。NIIは得意とする汎用的で大規模な基盤の整備を中心にNIMSの基礎基盤整備に協力することで、自分たちが持つ技術を個別の需要に効果的に合致させる基盤整備の知見を得ることができます。NIMSは基礎基盤に関する研究開発をNIIと共同で行うことで、自らの研究資源を物質・材料研究分野の高度なサービス開発に集中することができます。このようにNIIとNIMSが連携・協力することにより、国際的にも発展と展開が目覚ましいオープンサイエンスの分野において、日本から最先端の手法を提示できると考えています。

《国立情報学研究所(NII)について》

NIIは情報学という新しい学術分野での「未来価値創成」を使命とする国内唯一の学術総合研究所です。情報学における基礎論から人工知能やビッグデータ、Internet of Things(IoT)、情報セキュリティーといった最先端のテーマまでの幅広い研究分野において、長期的な視点に立つ基礎研究、ならびに、社会課題の解決を目指した実践的な研究を推進しています。
また、大学共同利用機関として、学術情報ネットワーク(SINET5)をはじめ、学術コミュニティー全体の研究や教育活動に不可欠な学術情報基盤の構築・運用に取り組むとともに、学術コンテンツやサービスプラットフォームの提供などの事業を展開・発展させています。

《物質・材料研究機構(NIMS)について》

NIMSは、材料科学に関する研究開発を行う日本で唯一の国立研究開発法人で、次世代に求められる物質・材料研究を俯瞰し「社会ニーズにこたえる材料研究」を理念に運営されています。平成13年(2001年)4月に文部科学省所管の金属材料技術研究所と無機材質研究所が統合され発足したNIMSは、材料科学分野での基礎研究や開発を総合的に管理推進することにより、この分野における専門分野のレベルアップを目指しています。
平成28年(2016年)4月にスタートした第4期中長期計画では、さらなる「研究力の強化」と「国際競争力の強化」を図るとともに、「研究成果の社会還元の加速」をNIMSの中核的課題と位置付けて社会への貢献を図っています。

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(*1)覚書の有効期間は平成29年(2017年)6月1日から平成32年(2020年)3月31日まで。

本件は国立研究開発法人 物質・材料研究機構との共同発表です。

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