イベント / EVENT

平成29年度 第2回 レポート

平成29年度市民講座「情報学最前線」第2回
ダイヤモンドを利用した夢の量子技術を紹介

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 国立情報学研究所は8月25日、平成29年度市民講座「情報学最前線」第2回を開催しました。横浜国立大学 大学院工学研究院 小坂 英男教授が「ダイヤモンドと量子情報 -テレポーテーションから量子認証まで-」と題し、ダイヤモンドを利用した最新の量子技術について講義を行いました。小坂教授は、本研究所量子情報国際研究センター(センター長:情報学プリンシプル研究系 根本 香絵 教授)が取り組む新学術領域「ハイブリッド量子科学」研究メンバーです。

 小坂教授はまず、世界各国で量子コンピューターや量子暗号通信ネットワークの研究開発が高速で進化していることを紹介し、量子情報技術はこれからとても身近になる技術であると述べました。
 次に、室温で量子の世界を保持できるダイヤモンドを材料に用いた量子情報技術について説明しました。ダイヤモンドは最も貴重な宝石として知られますが、量子と呼ぶとても壊れやすい状態を長く保持する量子結晶としても貴重です。ダイヤモンドの結晶中、本来は炭素(C)があるべきところに窒素(N)が置き換わり、その隣に空孔(V)がある複合欠陥のことをNV中心といいます。NV中心は、光の最小単位である光子の量子状態を電気の最小単位である電子へと量子テレポーテーションの原理で転写し、磁気の最小単位であるスピンとして保存する天然の量子メモリーとなります。このようなダイヤモンドの特殊能力は、量子暗号通信の長距離ネットワーク化に貢献する量子中継や、パスワードや証明書発行の不要な量子認証などを可能にし、モノのインターネット(IoT)の安全性を量子力学と呼ぶ物理法則で絶対的に保障することに応用できます。
 最後に、小坂教授は「量子を使ってセキュリティーを強化し、超スマート社会におけるみなさんの安全を守ることが量子の使命だと考えています。10年、20年かけてそれを実現したいと考えています」と結びました。
 参加した方からは「量子暗号通信の基礎となる技術についてよくわかった」「縁遠いと思っていた量子を少し身近に感じられるようになった」などの感想が寄せられました。

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 第3回は、9月12日(火)に、国立情報学研究所が属する情報・システム研究機構の小出 哲彰 特任研究員が「ビッグデータから見える社会 -Web/Wi-Fiビッグデータの活用-」をテーマにお話しします。詳細、お申し込みは、公式サイトの市民講座のページ(http://www.nii.ac.jp/event/shimin/)まで。

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