イベント / EVENT

NIIオープンハウス 2006

平成18年度オープンハウス

発表要旨集

情報学プリンシプル研究系

展示番号概 要発表者
101 2次元電子ガスと表面弾性波を使った量子シミュレーション
技術的なハードルの高い量子コンピュータよりも比較的実現が近いとされ、近年多くの研究者が関心を寄せているものに、量子シュミレータがある。量子シュミレーションとは、複雑な量子系の問題を別の変調可能なパラメータを持った量子系にマッピングさせ、シュミレーションを行うものである。私達は表面弾性波によって半導体2次元電子ガスに作られた人工結晶中の電子間相互作用による量子シュミレーションを提案する。
山本 喜久
Timothy Byrnes
宇都宮 聖子
102 量子対話証明の研究
対話証明は計算量理論における最重要概念のうちの一つである。暗号理論においては勿論、ある種の最適化問題の近似不可能性を証明する為にも用いられるなど、広い応用をもつ。従って、その量子版は量子計算や暗号の研究において重要な役割を果たすと思われる。本発表では、最近のこの分野での発展について、多証明者対話証明とゼロ知識証明に焦点をあてて解説する。
松本 啓史
103 Qubus量子コンピュータ
従来のコンピュータの能力をはるかに上回ると期待されている、量子コンピュータ。しかしその研究開発にはいくつかの困難さがあり、現在は世界各地で「量子情報処理の基本素子の実現化」へ向けた研究が、活発に行われています。そこで本展示では、量子情報処理のなかでも特に難関とされる量子コンピュータの実現へ向けて、当グループが提案している「Qubus量子コンピュータ」という新しいアイデアについてご紹介します。このアイデアの革新性は、量子情報処理の基本素子から大規模量子コンピュータまで適用できる高い拡張性と、豊富な応用性を備えていることです。まずはQubus量子コンピュータの基本動作について、そして量子通信やクラスターステート・アプローチへの応用、さらにコンピュータ・アーキテクチャからのアプローチなどについてご説明します。
根本 香絵
Peter Van Loock(NII)
Sebatien Louis
(総研大)
Rod Van Meter(慶応大学)
W.J. Munro、T.P. Spiller
(HP Labs, Bristol)
T. Ladd(Stanford大学)
S.L. Braunstein
(York大学)
G.J. Milburn
(Queensland大学)
104 非直交状態を用いた量子鍵配送の安全性
量子暗号の目的は,無限の計算資源をもつ攻撃者に対しても安全性を保証することのできる暗号技術を構成することである。本研究では、非直交状態を用いた量子鍵配送方式の安全性について考察する。特に、任意の送信機・受信機に対して安全なB92プロトコルおよびDPSQKDプロトコルの構成法を示す。
渡辺 曜大
105 マルチエージェントシステムにおける投機的計算
不完全情報環境下での分散協調問題解決手法として、以下のようなデフォルト仮説推論を用いたエージェントモデルを構築した。エージェントが他エージェントに計算の依頼を行った際に、あらかじめ予想される結果(デフォルト)を用いて処理を先行投機的に行い、実際に他エージェントから返ってきた結果がデフォルトと無矛盾であれば、処理を続け、デフォルトと矛盾していれば、 デフォルトを仮定した地点まで戻って、 実際の答に対応する処理を行うものである。
佐藤 健
106 仮説発見システムに関する研究
帰納論理プログラミング (ILP) は機械学習研究の一分野であり、一階述語論理を用いて知識を記述し帰納推論を実現するものである。形式的には、背景知識 (B) と観測事例 (E) が論理式で与えられたとき、B をともなって E を説明するような仮説 H を論理式で生成する。本研究では、一階述語の帰納論理に関して完全であり、アブダクション機能も合わせ持っているCF帰納法と呼ばれる高度な帰納推論システムを Java 言語により実現している。また、このCF帰納法を ILP マシンとして、生化学への応用および Web上のILPシステムの国際共同研究を行っている。
井上 克巳
Andrei Doncescu
(Univ. Paul Sabatier/
LAAS-CNRS)
107 大学院教育向きマルチメディアコンテンツ共有型汎用e-Learning環境WebELS
WebELSは、主として大学院教育を対象とする、Internetを使った汎用e-Learningプラットフォームであり、マルチメディアコンテンツをシェアすることによって、様々な形態の教育に対応できる。WebELSは、専門化向きのフルバージョンシステム、初心者向きの簡易システム WebELSx、およびOnline会議のためのWebELS Meetingの3サブシステムからなる。本システムの特徴は、国際的な利用を想定した多言語対応システムであること、手持ちのWord文書、パワーポイント文書、pdf文書、ビデオココンテンツ等から初心者が自分でコンテンツを作成し編集できる簡易ユーザインタフェースを持つこと、普通のパソコンを使ってInternetブラウザでWebELSサーバにアクセスすれば必要なソフトウェアが自動的にダウンロードされユーザ環境が構築されること、 Windows/Macの双方に対応したマルチプラットフォームであること、などである。WebELSを活用することによって、大学院教育の多様化、国際化が促進されると期待している。
上野 晴樹
アナ・ハディアナ
アレキサンダー・コバチ
嶋本 伸雄(遺伝研
森 正樹(オーム社)
深尾 敏和
(富士ソフトABC)
108 情報・コミュニケーション活動ナビゲーション(ICAN)
Webはいまや人々の情報利用活動とコミュニケーション活動の欠くことのできないインフラストラクチャとなっているが,これらの活動に対する支援は不十分である。本研究では情報・コミュニケーション活動を6つの活動に大別して,それらを統合的に支援する仕組みを開発している。Semblogでは Weblogをコミュニケーションの場として拡張して,よりコミュニケーション活動を促進する仕組みを作っている。ActionLogでは実世界のコンテクストを自動抽出することで,ユーザ間のコミュニケーションを支援している。
武田 英明
大向 一輝
109 セマンティック・メディアウィキ
Wikiは手軽なコミュニティサイト用ツールとして普及しており,誰もがWikiページの作成・編集ができるコラボレーションツールである。本研究では,Wikipediaや他の百科事典,辞書サイトにも広く使用されているMediaWikiがラベル付きリンクが書けるように拡張する。これによって,手軽にRDF相当の情報を書き込みや管理することができる。
Muljadi Hendry
武田英明
川本祥子、小林悟志
北本朝展、水田洋子
出宮スウェンミノル
久木田加津子、管原秀明
五條堀孝、阿部貴志
宮崎智、荒木次郎
伊藤武彦、白井康之
市吉伸行
藤山秋佐夫
110 BioCaster:多言語ニューステキストを利用した感染症の早期発見および監視
SARSやトリインフルエンザのような感染症の発生を早期に発見し、監視・追跡するには、様々な言語で書かれたWeb上のローカルニュースを、各国の政府が責任を持ってモニターする必要がある。BioCasterプロジェクトでは、最新のテキストマイニング技術を応用して多言語のニュース記事をフィルタリングし、構造化された形式で現地語に翻訳するWebポータルを開発する。特に、(1) 多言語知識リソース(オントロジー)、(2) 高性能クラスタコンピュータおよびストレージシステム、(3) 感染症に関するニュース記事と、研究文献や遺伝子データベースにある最新の研究成果をナビゲートする、知的なリンケージシステム等の構築に焦点を当てる。
Nigel Collier
川添 愛
111 日常生活行動をインタラクティブに模倣するヒューマノイドロボット
人間の高次な知能を形成する根源は他人の行動を模倣する能力にあるという考え方がされている。実際に体を持ち,感覚入力に従って自らの行動を決定するヒューマノイドロボットの知能を構成する際にも,同じように他人の行動を模倣するアプローチが有効であるという考え方から,日常生活における行動を人間が実際にやって見せ,動作の仕方を学び,動作の結果が目的を達成するように自身の動作を調整するメカニズムを提案する。人間の関節角度を計測し,それをコピーするという単純な模倣ではなく,動作の目的や人間の意図の推定問題まで踏み込むための戦略について説明を行う。
稲邑 哲也
112 情報の意味的な統合
異なったデータを共有する際には、それぞれのデータの背後にある概念体系の調整を図るなど、意味的な統合に関する様々な問題を解決しなければならない。本発表では、概念体系の要素間で意味的な調整を図る手法の紹介を行う。
市瀬 龍太郎
武田 英明
113 最小二乗問題の反復解法
大規模疎なm×n行列Aを係数行列とする最小二乗問題に対する主流の反復法は, 正規方程式に対して(前処理付き)共役勾配法を適用するCGLS法である。  本研究ではまず、 代案として元の最小二乗問題を、 n×m行列Bを用いて、 正方行列ABまたはBAを係数行列にもつ等価な最小二乗問題に変形し、非対称正方行列を係数行列とする連立一次方程式用のロバストなクリロフ部分空間反復法である一般化最小残差法(GMRES)を適用する手法を提案した。次に、 m ≧n(優決定), m<n(劣決定), およびランク落ちも含めた一般の場合に対して, これらの手法が任意の右辺項bに対して破綻することなく最小二乗解を与えるための行列Bに関する十分条件を導いた。 そして, Bの例として不完全QR分解の一つであるIMGS(l)法を提案した。 さらに, フルランクな優決定および劣決定問題に対する数値実験により, 条件の悪い問題では(対角スケーリングに相当する)IMGS(0)法を用いた提案手法の方が従来の前処理付きCGLS法より速く最小二乗解を与えることを示した。  最後に, 提案手法の収束の振る舞いに関する理論解析を行った。
速水 謙
伊藤 徳史
(株式会社ビジネスデザイン研究所)
114 地図の塗りわけ
4色問題とは、平面地図において、隣り合う国同士が違う色になるように地図を塗り分けるには4色(たとえば、赤、青、白、緑)で十分であるか?という問題である。この問題と応用について解説する。
河原林 健一
115 異項代入定理
異項代入定理を証明した。定理の主張は次である。ある項について、任意のひとつの正規項をいくつかの変数に代入してもいつもその結果が強正規化可能ならば、任意の異なる正規項をそれらの変数に代入してもいつもその結果が強正規化可能である。この定理の応用により、永続強正規化可能性を特徴化する共通型型理論を与え、2005年に提出された未解決問題を解いた。
龍田 真
116 型付きラムダ計算に基づく包括的な文法モデルの構築
人間の言語の数学的研究には文法の形式的モデルが必要だが、これまでの形式的モデルは人間の文法の一部の側面しかとらえられていない。本研究では、型付きラムダ計算に基づく「抽象的範疇文法」と呼ばれる文法フォーマリズムについて、その形式的性質を明らかにし、解析・生成・学習に関する効率的アルゴリズムを提示することによって、人間の文法の多様な側面をカバーした包括的な形式的モデルを構築することを目指す。
金沢 誠
吉仲 亮
Sylvain Salvati
117 プログラム実行時間の論理的検証に向けて
プログラムは正しく動作するのみならず、リーズナブルな時間内に実行できなければ使い物にならない。プログラムの実行に必要な時間を、それを実際に実行することなく検証できるような方法論があれば、リーズナブルなプログラムに対しては実行時間について理論的な保証を与え、指数関数的爆発を引き起こすプログラムに対しては、それを事前に察知し排除できるという点で有用である。本発表では、プログラム実行時間を検証するための論的基礎を線型論理に基づいて導入する。
照井 一成
118 新領域融合研究プロジェクト:南極大陸産コケ類の3D画面処理に関する研究
日本の南極隊により採集された南極大陸の蘚苔類は、学術的に貴重なものとして冷凍保存または乾燥標本として保管されている。その貴重な標本を同定または学術研究のために入手するのは極めて困難である。我々は、南極産の蘚苔類が容易に同定できるように、デジタルマイクロスコープで蘚苔類を撮影し、3D画像処理化を目指して研究開発を進めている。また、先頃、正式公開した「新世代バイオポータル」の紹介も行う。
藤山 秋佐夫
小林悟志1)川本祥子1)
水田洋子1)
出宮スウェン・ミノル1)
ムリアディ・ヘンドリー1)
鈴木聡1)阿部貴志2)
荒木次郎4)白井康之4)
伊藤武彦4)近藤隆4)
北本朝展1)宮崎智3)
五条堀孝2)菅原秀明2)
武田英明1)神田啓史5)
(※・国立情報研究所1)
・国立遺伝学研究所2)
・東京理科大学3)
・三菱総合研究所4)
・極地研5))
119 化学の実践的な問題解決のための化学情報学研究−化学反応予測とNMR化学シフト予測
化学研究の実践的問題を解決するための化学情報学の研究を行っています。このうち,化学反応予測とNMR(核磁気共鳴)スペクトル予測の最近の研究成果について紹介します。
佐藤 寛子
120 分子の可視化と可触化
−グラフィックオープンソースライブラリ"ケモじゅん"と体感型分子模型システム"HaptiChem"の紹介

化学者とコンピュータとのインタフェース研究の一環として開発している,化学用グラフィックスオープンソースライブラリ"ケモじゅん"と,視覚と力覚の連動により分子間力を体感できる分子模型システムHaptiChemを紹介します。
佐藤 寛子

アーキテクチャ科学

展示番号概 要発表者
201 次世代ミドルウェア
ユビキタスコンピューティングを基盤となる位置依存サービスのためのミドルウェアと自律分散システムを構成するためのミドルウェアを紹介する。前者は各種センサーを制御・統合するとともに、現実世界の状況をモデル化し、ユーザの移動などの現実世界の変化をアプリケーションに適切に通知するものとなる。後者はネットワーク上のコンピュータの増減や故障を管理して、コンピュータやソフトウェアの自己組織化を実現する。
佐藤 一郎
202 連携ソフトウェア基盤
多種多様なシステムが相互連携するようになっている。これに伴い、制御・組込み系ソフトウェアは、益々高度化・複雑化し、規模も非常に大きくなっており、プログラム開発がシステム開発のネックになっている。また、実時間処理能力と高い信頼化が要求される。これらの問題に対処するために、仮想マシンとマイクロカーネルを一体化して、その上で既存OS/既存プログラムやユーザモードサービスサーバーを動かす事を検討している。仮想マシン機能で高信頼化と既存プログラムの活用を可能にし、マイクロカーネルでソフトウェアのコンポーネント化を進める。
丸山 勝巳
児玉 和也
日高 宗一郎
尾崎 亮太
203 XQueryの等式変換とそのコストモデル
XMLのための関数型問い合わせ言語XQueryには一般の関数型言語に於て開発されてきた種々の等式変形手法が適用出来ることが期待される。また、それ等の等式は評価コストを増加させないことを保証する必要がある。我々は言語構造に内在する再帰演算子を抽出し、それに関する基本変換規則を用いて種々の変換規則を証明する。また評価コストの変化を定量化するためのコストモデルを提案する。
日高 宗一郎
加藤 弘之
吉川 正俊
204 非同期式回路の高位合成システム
現在のコンピュータシステムで用いられているクロックは,システムの高速化や低消費電力化の妨げになりつつある。非同期式回路は,グローバルなクロックを一切用いないことにより,これらの問題を解決する可能性を持つ。本研究では,非同期式回路をより容易に開発するために,C言語的な記述から,与えられた演算器数の制約のもとで最適に近いゲートレベル非同期式回路を自動的に生成する支援ツールを開発した。また,得られた非同期式回路を通常の同期式FPGAにマッピングするシステマティックな手法についても開発中である。
米田 友洋
松本 敦(東工大)
Frederic Beal
(東工大)
後藤 有希子
(東工大)
205 フォーマルメソッドの実践に関わる研究
ソフトウェアの品質向上を目的とする系統的な方法としてフォーマルメソッドへの期待が高まっている。万能薬ではないが使い方の勘所を押さえれば産業界での実践が可能な段階にまで技術が成熟してきた。本発表では幾つかの事例研究や大学院教育の経験から得た知見をもとに今後の実用化への課題を整理する。
中島 震
206 自由でかつ安全なコンテンツ流通を実現するエージェントフレームワーク
数年後のネットワーク社会においては、人や場所を問わず、誰もがあらゆる場所からのコンテンツ発信を行うようになり、その提供者や利用者のポリシーに沿ったサービスを提供するためのコンテンツ変換と安全な配信を行う技術が重要となる。本プロジェクトは、これらの課題に対して、提供者や利用者のポリシーを遵守するプログラムを搭載したモバイルエージェント群により、統一的な解決を図ることを目指す。
本位田 真一
吉岡信和
石川冬樹
松崎和賢
本位田研究室
207 視覚的インタフェース構築のための制約プログラミングの研究
制約プログラミングは、人工知能や、コンピュータプログラミング、コンピュータグラフィクス等の多様な分野における種々の問題をモデル化し解決するための有力手段である。本発表では、制約プログラミングの基盤技術である制約解消法と、制約プログラミングを応用した視覚的インタフェース構築法について、本発表者の最近の研究成果を中心に紹介する。
細部 博史
208 ソフトウェア資産の再利用支援環境
過去の開発におけるソフトウェア資産を再利用することで、ソフトウェアの生産性や品質を向上させることができる。本研究では、ソフトウェア部品(コンポーネント)やソフトウェアパターンに代表される種々のソフトウェア資産について、関係解析、品質測定、組み合わせ、検索などの再利用支援機能を提供する環境を開発している。
鷲崎 弘宜
209 次世代ネットワークのための動的資源管理技術
通信ネットワーク資源の障害に際して、資源を動的に再配置することで通信の途絶を防止することや、通信負荷の局所的偏りによる通信品質の劣化を抑止することを目的としたネットワーク資源管理技術の重要性は高まっている。これらに関する最近の成果を紹介する。
浅野 正一郎
210 光バースト交換網におけるトラフィックスムージングを用いたバースト多重方法
光バースト交換方式(OBS)は、次世代光交換方式の一つとして期待されている。光学バッファもたないOBSでは、トラフィックのバースト性がOBSネットワーク性能に大きな影響を及ぼす。このため本発表では、新しい"高機能タイマーベース"と"スライディングウィンドウのベース"のトラフィックスムージングを用いた多重化方式を提案する。本方式のシミュレーション評価から、OBSネットワーク内のバースト性を減少させ、トラフィック損失性能を向上できることを示す。
阿部 俊二
杜 平
211 入出力トラフィック流量比によるDoS/DDosアタック検出方法
DoS/DDoSアタックはインターネットサービスを妨害する行為で、インターネットの脅威となっている。これまで提案されている多くのDoS/DDoSアタック検出手法は、一方向トラヒックの変化に着目している。しかし、この方法では通常トラフィックの突然の変化に対して、誤った検出をする可能性がある。そこで、本発表では、サーバー等の出入りする通常トラフィックの変化が比例関係にあることに着目し、入出力トラフィック流量の比を観測して、DoS/DDoSアタック検出をする方法を提案する。
阿部 俊二
張 鳳翔
212 インターネットトラフィックのダイナミクス
日本は世界的にも先進的なブロードバンド大国であるが、ブロードバンドインターネットユーザのトラフィックの挙動については、ほとんど知られていなかった。本ポスターでは、国内ISP7社、総務省、研究者のチームによって行われている、国家レベルのブロードバンドトラフィックの振る舞いについて解説する。
福田 健介
213 日常生活の基本要求から見たウェアラブルコンピュータ
ウェアラブルコンピュータ、すなわち服のように身体に着ることのできるコンピュータは、私たちの生活の質を高めてくれるものと期待される。そのようウェアラブルを実現するため、アメリカの心理学者のアブラハム・マズローの「欲求段階説」にもとづきウェアラブルの持つべき性能を整理した。マズローによれば、人のより良く生きたいという要求には段階があり、根源的なものから高級なものの順に、生理的要求、安全の要求、社会所属の要求、名誉要求、自己実現要求となる。従来提案されているウェアラブルコンピュータをこの説に適用すると、多くは生理的要求ないし安全の要求に係るもので、より高位要求を念頭においたものは少ない。本研究はそれに着目し、より高位の、主に社会所属要求に適合したウェアラブルコンピュータの機能を提案するものである。この研究では人々のニーズの社会調査から出発し、所属欲求を満たすサービスを検証するために、サイバークローズという概念を定式化し、それに基づくジャケットを開発した。最新の試作機は、複数の生理情報センサから心拍数、皮膚電導率などのデータを取得して、着用者の状態を対話者に提供する機能を有する、他のウェアラブル機と交信して、ジャケットに埋めこまれたスクリーンに会話のためのグラフィックスとメッセージを表示することができる。このサービスでは、対話のペアに共通する興味・関心事を選んで投影し、かつ生理的なセンサによって判断された着用者の反応を反映して背景色を変える。実験を通じて、所属欲求を満たすサイバークローズに使用者は好意的な意見をもつことが確認でき、また、こうした衣類をデザインする上での様々な課題点も把握することもできた。
橋爪 宏達
Duval
Sebastien
214 次世代オペレーティングシステムSSS-PC
単体マシンから10万台規模の計算機クラスタまで対応可能な次世代オペレーティングシステムSSS-PCの開発を行っている。本OSは安価なPCやサーバを束ねて一台の高信頼高性能並列計算機としての活用を可能にする。大きな特徴として、メモリベースの高速通信プロトコルを備えている点、移送機能によってプログラムを停止せずにマシンメンテナンスやシステム拡張が可能な点、ハードウェア耐故障性を実現する冗長多重実行機構が挙げられる。
松本 尚
215 The RSC generic scalable clustering model and applications
Due to an effect known as "the curse of dimensionality", traditional distance-based similarity measures very rapidly lose their effectiveness as the representational complexity of the data rises. This poses severe limitations on the size of data sets that can be clustered in reasonable time. For this project, a generic model for clustering was developed that operates without explicit knowledge of the data domain, relying solely on an oracle that accepts a query in the form of a data item and returns a ranked set of items relevant to the query. Under this relevant-set clustering (RSC) model, the quality of cluster candidates, the degree of association between pairs of cluster candidates, and the degree of association between clusters and data items are all assessed according to the statistical significance of a form of correlation among pairs of relevant sets and/or candidate cluster sets. RSC clustering experiments were performed on a variety of very large data sets, including text, image, and protein sequence data. To support the RSC clustering, a highly-scalable approximate similarity search structure, the SASH, was developed for use as the ranking oracle.
Michael Houle
216 PCクラスタのネットワーク
PCクラスタにおいて、結合網はシステムの性能向上の鍵を握る技術である。PCクラスタの結合網は安価なイーサネットと高性能なシステムエリアネットワークに大別できるが、本展示では、両アーキテクチャにおける並列処理に適したトポロジ、パケットルーティング法、およびマルチキャスト法を明らかにする。そして、2つの実クラスタシステムにおいて、それらのシステム性能へのインパクトを示す。
鯉渕 道紘
217 高速インターネットにおけるネットワーク制御方式
インターネットにおける高速通信は、バックボーンネットワークが高速であるだけではなく、キャンパスネットワークや末端のコンピュータ等のエンド機器におけるハードウェア的およびソフトウェア的な条件が揃ってはじめて実現します。そのために、より高速で通信を行うためのエンド機器とネットワークの双方におけるネットワーク制御の研究を行い、高速通信を行うための実際的な方法の開発を目指します。また、高速な通信を阻むボトルネックがどこにあるかを調べたり、ネットワークの混雑の度合いなどからどのくらい高速な通信を行うことができるかを見極めたりするための手法についても研究します。
松方 純
218 次世代光インターネットにおける絶対的サービス品質の提供
光バースト交換は帯域の有効利用と、高い交換自由度の提供で、次世代光インターネットを実現させる交換方式の一つとして有望視されている。本発表は光バースト交換方式を採用したネットワークにおいて、品質が保証されたサービスに対して、バーストの損失率の上限を抑えることが可能なスケジューリング方式について述べる。また、シミュレーション等の結果によって提案方式の挙動と性能を明らかにし、エンドエンド間のバースト損失率の上限が保証されていることを示す。
計 宇生
Jumpot Phuritakul
219 動的なサービス連携におけるプライバシー保護を考慮したエージェントプラットフォームの構成
動的なサービス連携により適応的にアプリケーションが提供されるような高度ユビキタスネットワーク環境において,プライバシを考慮してアプリケーションを構成するためのプラットフォームについて述べる.本プラットフォームでは、パーソナルデータへの参照をユーザがパーソナルデータを管理・制御するノード上でのみ許しながら,適応的にサービスを組み合わせて,ユーザの状況に応じたアプリケーションを提供する.
上岡 英史
山田 茂樹
田中 聡
220 Model Checking Networked Programs
Software model checkers can be applied directly to single-process programs, which typically are multi-threaded. On the other hand, multiple processes can usually not be model checked directly. Several approaches to deal with this problem are possible: Network operations may be replaced with (application-specific) stubs, a special model-checking-aware cache layer may be inserted between the model checker and the system, or processes may be converted into threads. This talk covers these possibilities, emphasizing the last solution called "process centralization". Previous work has not covered all issues regarding centralizing, most importantly, TCP/IP communication.
ARTHO, Cyrille

コンテンツ科学

展示番号概 要発表者
301 きらめきの再現:任意光源環境下における画像合成
コンピュータグラフィックスにおける画像生成技術の急速な発展を背景に,実際の物体が持つ複雑な形状や質感の要素をいかにモデル化して,現実感の高い画像合成に用いるかということに注目が集まっている.本研究では,光源環境の変化に伴う実物体の見えの変動をカメラを用いて観察することにより,その物体の反射特性をモデル化し,画像生成に用いる手法を紹介する.
佐藤 いまり
岡部 孝弘(東大)
佐藤 洋一(東大)
池内 克史(東大)
302 プロジェクタカメラシステムによる空間ディスプレイの構築
LCDプロジェクタの小型化・低価格化に伴い、プロジェクタを用いた情報提示技術が必要とされている。本研究では,従来のスクリーンという枠組みを越え、壁などの日常的な空間に静止画および動画像を直接投影し実空間そのものをプロジェクタのスクリーンとして利用するための要素技術を開発する。
佐藤 いまり
マーク・アシュダウン
(学術振興会)、
岡部 孝弘
(東大)
佐藤 洋一
(東大)
303 大規模放送映像アーカイブの構造化に関する研究
放送映像の大規模なアーカイブを対象として、その中から必要な情報を自由に呼び出す映像検索技術、およびアーカイブを解析して利用者が必要とする情報や知識を発見する映像データマイニング技術の検討を行う。研究の遂行においては、画像解析、自然言語処理、データマイニング、情報検索などの分野の技術を総合し、計算機による放送映像の「理解」の実現を第一の目的とする。
佐藤 真一
片山 紀生
孟 洋
304 距離画像センサの移動に基づく3次元環境地図の逐次的構築
環境モデル構築のために、距離センサを回転雲台に搭載することで3次元的にスキャン可能な可動型距離センサを構築した。そして、計測された距離画像から複数の平面領域を抽出し、3次元平面環境モデルを作成する手法を開発した。さらに、センサを移動させ、移動前後で計測された距離画像に対し、平面領域の対応を求め、その対応からセンサの移動量を推定し、移動前後の距離画像を統合して逐次的に3次元平面環境モデルを構築する手法を開発した。
大山 敬三
Yuxin WANG
305 デジタル台風:異種データストリームを融合した準リアルタイム大規模地球データベース
デジタル台風(http://www.digital-typhoon.org/)とは、画像やテキスト・その他の地球観測データといった異種データストリームを融合することで、準リアルタイムの大規模地球データベースを実現したものである。本発表では、各種データストリームの関連付け・組織化・検索、そして事例データベースの構築と利用などの観点から現在のシステムを評価するとともに、将来の拡張についても述べる。
北本 朝展
306 単一レンズ系からの多様なボケ味の実現
日本を中心にレンズを交換して様々なボケ味を楽しむカメラユーザは多い。英語にはボケ味に対応する適当な言葉がないので、世界的にもそのまま「Bokeh」として認知されている。ここでは、多次元信号処理技術の力をかりて、単一のレンズ系のみから多様なボケ味を実現する手法を紹介する。焦点合わせを連続的に変化させて取得した画像群に適切な多次元フィルタを施すことで、自在なボケ味の画像が生成可能となる。
児玉 和也
307 学術論文における著者同定問題
学術文献や引用索引データーベースでは、著者名が略記されることが多く、検索時に複数の著者を区別することが難しい。この問題を解決するアプローチについて紹介する。
安達 淳
正田 備也
308 CEAXプロジェクト〜文化財に関するコンテンツ統合・利活用技術に関する研究
本研究は、教育での利用を目的としたメタデータの利活用のためのメタデータ管理システムに関する共同研究プロジェクトである。文化財コンテンツのメタデータのスキーマとして、多くの博物館等が参画できる柔軟なメタデータを設計する。学芸員や学校教員などがアノテーションを付加するなど、メタデータの内容を豊富に編集できるようなシステム環境を構築する。本発表では文化財コンテンツの利活用の一例を紹介する。
安達 淳
神門 典子
相原 健郎
山田 太造
藤沢 仁子
309 テキストコーパスと用語辞書に関する研究〜コミュニティ辞書の構築と利用
Web文書・新聞記事・特許等に代表されるテキストコーパスからの辞書の自動構築について紹介します。近年利用可能になった大量のテキスト資源を利用して、特定のドメインやコミュニティにおける語彙や用語遣いを反映する辞書を構築します。これにより、ドメインに特化した情報の検索を容易にしたり、コミュニティ間での意味や用法の違いを比べたりすることが可能になります。
相澤 彰子
310 大規模Web情報検索実験環境の構築
Web情報検索の現実的規模の実験を可能とするため、1.36TBのWebデータコレクション、十分な数の検索課題、及びそれらに対する正解文書リストからなるテストコレクションの整備を行った。また、複数の研究者グループが参加するワークショップを通じて各種検索技術の評価を行った。本発表では、テストコレクションの概要と特性,検索課題の種類と有効な検索技術との関係などを紹介する。
大山 敬三
高久 雅生
相澤 彰子
山名 早人
311 Web閲覧履歴からのTopic Mapの抽出支援
本研究ではユーザのWeb閲覧履歴からトピックマップを抽出する方法を述べる。我々の提案するトピックマップの抽出方法は、従来の階層的クラスタリングを Webのリンク構造による制約とリンクの種類に応じた重み付けを用いることで拡張したものである。トピックマップはユーザのWeb閲覧履歴を可視化するだけでなく、履歴ページやその周辺ページから抽出したトピックやトピック間の関係も合わせて提示する。いくつかのWeb閲覧履歴から提案手法を用いてトピックマップを抽出し、提示されるトピックやトピック間の関係について評価を行った。
山田 誠二
間瀬 心博
312 言語横断画像検索における翻訳誤り処理画像等の非テキストメディアに対してテキストにより問い合わせを行う場合に問題となるのが、問い合わせに用いられる語と検索対象に付与されている語とのミスマッチである。この問題は問い合わせと検索対象との言語が異なる場合、機械翻訳の誤り等が原因でさらに深刻となる。言語横断画像検索における評価型ワークショップであるImageCLEFに参加し、異なる言語が用いられたときの検索性能の低下とその緩和策の効果について検討を行った。 井上 雅史
313 デジタルマップ・アーカイブ構築による東南アジアの歴史生態研究
本共同研究は、京都大学東南アジア研究所が所蔵している地形図や空中写真等のデジタルマップ・アーカイブを構築し、それに基づいて東南アジアの歴史研究や生態研究を推進しようとするものである。既存の研究分野との有機的な統合により、空間情報の高度利用研究を推進し、地域研究における新たな視点や方法論を提示するとともに、地域情報学の創出を目指す。
Fredric Andres
河野 泰之(京大・教授)
柴山 守(京大・教授)
柳澤雅之(京大・助手)
Song Xiangfen
(Graduate University of
chinese academy of
sciences)
小野欽司
(NII・名誉教授)
314 遠隔操作ヘリコプタを利用したモニタリングジオメディア情報システム
NII、東大および日本遠隔制御株式会社による共同研究プロジェクトであり遠隔操作ヘリコプタを利用し地理情報(ジオメディア)に基づいたジオメディア情報システムをモニタリングするためのオープンソースプラットフォームの開発を目的とするものである。
Fredric Andres
関口大陸
(東大・特任助手)
原貞美
(日本遠隔制御
株式会社:
JRPOPO)
315 学習用協力型トピックマッププロジェクト(CTM4PLプロジェクト)
このプロジェクトはデジタル資源のセマンティック分類を練習することによって学習する協力型ツールセット"CTM4PL"を開発・促進することを目的とする。また、産業情報システムなどのドキュメントや資源セマンティック管理ライフサイクルを改良することである。今後"the Memory with the Past"に関して習熟した1000校の学校が本アプローチのデモンストレーションを行う計画である。
Fredric Andres
Darina Dicheva
and Christo Dichev
(Winston-Salem State University, USA)
Kim Veltman (EUC)、
三分一 信之
瀬戸川 教彦
(日立システムアンドサービス)
内藤 求
(ナレッジ・シナジー)
316 2D仮想エージェントによる物語的なNIIの研究活動の紹介
本研究では、ストーリー風ウェブプレゼンテーションを構築するための斬新な方法を提示する。この方法は、(i)修辞構造理論(RST)から派生した単一事象の注釈案の実行および(ii)談話(物語風)の原則に従うプレゼンテーションを演出するために事象を順序付けるオントロジーに基づいた推論エンジンを基にしている。その結果生まれた物語は、仮想のキャラクタエージェント間の対話という形式を取っている。我々の最初のアプリケーションドメインとして、 NIIの研究内容をプレゼンテーションする。
Helmut Prendinger
Arturo Nakasone
(東京大学)
石塚 満
(東京大学)
317 生体信号からのリアルタイム感情認知
本研究では、生体計測信号をリアルタイムに処理し、感情状態として解釈するという斬新な方法を展開する。主要課題は、異なった感情の持続時間に関係した特性と同様に、異なった反応時間(緩慢な始まり対急速な始まり)のような個人の生体信号の特性を明らかにすることである。例としては、(突然の)驚き、蓄積するフラストレーション、くつろいだ幸福感があげられる。シナリオ例として、言語および非言語で感情表現ができる3Dエージェントと人間のユーザとのインタラクションを提示する。ユーザの(認知された)感情状態に応じて、エージェントはユーザの感情と相反しないように自分の態度を適応させる。
Helmut Prendinger
Long T. Cung
(NII国際
インターンシップ・
インターン生
Hanoi Univ.
of Technology,
Vietnam)
318 時系列文書からのイベント抽出
ニュースを始めとする各種情報が人間の情報処理能力以上に大量に流通するようになっており、その中から重要な情報を抽出する技術が必要になってきている。本展示では伝統的な文書類似度による手法と異なり、単語共起の累積情報との比較のみで、即時的に新情報検出を行う方法を提案する。
高須 淳宏
竹田 隆治
319 FLWR Arranging:XQueryの冗長なエレメント構築子などの削除による書き換え
P2Pデータ統合におけるスキーママッピングにXQueryを用いている場合、あるpeerに対するアドホックな問合せは、このマッピングを問合せ中に展開することで、合成 XQuery式となる。提案するXQueryの書き換えアルゴリズム"FLWR Arranging"は、入力XQuery式中の合成部分における冗長な式や冗長なエレメント構築子を削除した式を出力する。XQueryの仕様により、エレメント構築子の内側に出現する式によって生成されるエレメントはコピーとなり、そのノードIDは新たに割り振られるので,冗長なエレメント構築子を単純に削除しただけでは、ノードIDの比較に基づく式の意味を変えてしまう恐れがある。本研究では特に、提案するアルゴリズムが、このような式に対して、意味を変えずにエレメント構築子を排除した式を出力できることを示す。
加藤 弘之
日高 宗一郎
吉川 正俊

情報社会相関

展示番号概 要発表者
401 dCommerce ディジタルコンテンツ流通システムの研究開発
(1-1)Digital Cinema Quality Management using Metadataデジタルシネマ品質管理メタデータ
(1-2)Ramble Search of Digital Contents デジタルコンテンツの"そぞろ"検索
(1-3)Digital Rights Lifecycle Management デジタル権利のライフサイクル管理

デジタル世界での著作権や特許権など知的財産権の所有と利用の扱いといった問題の基本は、連続というアナログ世界と離散というデジタル世界の世界観の違いに根ざしています。このため、デジタル時代に相応しい制度設計、技術や流通モデルの研究開発が不可欠です。デジタルコンテンツのネットワーク流通をデジタル商取引(digital commerce)と呼び、その市場を活性化するには、情報発信という自己実現欲求を充足する商品、サービス、システムの研究開発が必要です。本展示は,公開ドメインでの評判が高まれば自動的に商用コンテンツに格上げされ、情報発信にインセンティブのある、DRE(Digital Rights Expression)とDRM(Digital Rights Management)が連携したデジタル著作権のライフサイクル管理(DRLM: Digital Rights Lifecycle Management)システムのデモンストレーションを行います。
曽根原 登
情報流通システム
釜江プロジェクト研究員
沼田共同研究員
池田共同研究員
402 情報制度論の研究 −情報制度ブログサイトによるネットワーク法情報の発信−
情報通信技術分野における技術と法制度との隔たりを可能な限り取り去ることによって、より健全な情報化社会の発展を導くため、情報制度論研究では、1)現行法の解釈論の展開、2)立法上の課題の明示、3)情報ネットワーク法の構築を研究課題とする。これらを実現するため、意見収集、議論、合意形成などを技術と社会の変化に追随した速度で展開する情報制度ブログサイトの公開へ向けて準備をすすめており、今回その一端を紹介するとともに、前提となる情報化社会の未来と課題を概観する。
岡田 仁志
東倉 洋一
古賀 崇
上田 昌史
403 「政府情報論」の構築に向けての学際的考察
本研究では、政治学、法学、行政学、記録管理学、図書館情報学、アーカイブズ学といった各々の学問領域において、「政府情報」をめぐる活動がどのように把握され,どのような視点から研究や実践が行われてきたのかを検証する。その上で,電子的環境における政府情報アクセスへの課題について、特に「アクセスの利便性」と「開かれた政府のもつ公共性」との関係に焦点を当てて考察する。
古賀 崇
404 インフォメーションからインテリジェンスへ −冷戦後の世界と情報−
インテリジェンスの歴史は、インフォメーション分析に基づく未来予測への挑戦の歴史でもある。19〜20世紀に戦争が総力戦へと変質する中、人間は、インテリジェンス業務を上意下達、分業及び作業の標準化を特徴とする官僚組織によって遂行するようになった。それは冷戦終了まではそれなりに機能したが、その後拡散・多様化した脅威に対処出来なくなった。それでは、新しいインテリジェンス組織はどうあるべきなのか、を考察する。
北岡 元
405 オープンソースソフトウェアの社会・経済分析に向けて
ネットワーク時代のインフラストラクチャとしてオープンソースソフトウエアはすでになくてはならない存在であるが、研究開発や事業化のモデルとしてもオープンソース型プロジェクトが進んでいる。本研究ではその社会・経済的影響を概観し、社会インフラとしてのオープンソースソフトウエアの解明を行う。
上田 昌史
406 NetCommonsプロジェクト
インターネット環境や認証システムの発達に伴って、仮想的な共同研究室として、あるいは個人の仮想オフィスとして情報共有基盤システムの発達が期待されている。国立情報学研究所では2002年より情報共有基盤システムNetCommonsの開発に着手し、GPLのオープンソースとして提供している。現在 NetCommonsは、大学等の共同研究用バーチャルラボに採用されているほか、小中学校の学校Webサイトの基盤など幅広く利用されている。
新井 紀子
407 多要素日本語複合語の構造解析
3要素以上の形態素からなる日本語複合語では、複合の構造を明らかにすることが、構成された複合語を分類するに当たって重要な問題となる。本研究では、隣接する2要素ごとの接合強度と部分要素の頻度に基づき、複合語がどのような構造の下に構成されているかを推定する方法を提案する。
小山 照夫
408 漢字コード問題とは結局何だったのか
文字コード問題、特に漢字コードの問題は、日本では1970年代から繰り返し数回世をにぎわす話題になってきた。21世紀に入ってやや落ち着いてきた感のあるこの時期に、問題の整理をし、今後問題にならないようにするための方向を示す。
宮澤 彰
409 コンピュータはテキストから何を読み取れるのか −よりゆたかな情報アクセスのためのテキスト理解−
情報アクセス技術の研究は、従来、文献で論じられている事柄やできごとなどに関する客観的な情報を主な対象としてきた。しかしながら、より有用な情報提供のためには、客観的な情報だけではなく、(1)書き手の態度、感情、確実性などの主観的なアスペクトの理解、(2)ある事柄に関する事実と、それに対する意見の判別、(3)関連することがらの間の関係、(4)利用者に応じた書き換え、(5)書き手の観点など、多様なアスペクトが重要である。本研究では、テキスト中のさまざまな主観的情報、関係、観点に着目し、その認定、抽出、情報アクセスシステムへの応用について研究している。
神門 典子
関 洋平
(豊橋技術科学大学)
David K Evans
中山 記男
藤沢 仁子
409-1 作品レビューテキストの感情表現のモデル
映画や書籍などの作品検索への応用をめざして、書評や映画評などの作品レビュー中の感情表現のモデル化を行なっている。作品レビューのテキストを分析し、感情表現とその構成要素として「態度」、「主体」、「対象」、「理由」とその下位要素からなるモデルを定義した。利用者の観点を検討するため、被験者実験を行ない、他人が書いたレビューを作品選択の参考とするときの手がかりとして「理由」が重要であることがわかった。
中山 記男
409-2 文化遺産に関するテキストからのメタデータの自動生成:人物情報 の抽出と対象ユーザに合わせたメタデータの生成
文化遺産に関する記述からメタデータを自動的に生成する手法を提案する。作品が誰によって発注され、誰によって制作され、誰に所有されたかということは美術史において重要である。作品に関連する人物とその役割の抽出に焦点をあてる。また、文化財の説明文は専門的なことばが多く含まれ子供や専門外のユーザには難解である。異なるユーザグループに合わせた説明文を生成する手法についても提案する。
藤沢 仁子
410 コンピュータはどのくらいうまく情報を探せるのか: 情報検索・アクセス技術の評価と性能比較の研究基盤NTCIR
情報検索、言語横断アクセス、要約、質問応用、WEB検索、テキスト自動分類、テキストマイニングなど、大量の情報の蓄積の中から、所望の情報を探し出し、活用するのを支援する技術の重要性がますます高まっている。本プロジェクトでは、国内外の100余りの研究グループと共同して、情報アクセス技術を評価するための大規模な実験用データセット(テストコレクション)の構築、多数の研究システム間の比較評価、評価手法と評価指標の研究を通じて、情報アクセス技術研究の促進を目指すものである。1年半に1回国際ワークショップを開催し、成果物としてのテストコレクションは研究利用目的で公開している
神門 典子
大山敬三
岸田和明
(慶應大
David Kirk Evans
411 忘却か?方略か?〜ナラティヴの話者の一貫した言及回避の謎に迫る
あるアニメーションの物語を説明するように求めると、なぜかある箇所が多くの話者に一貫して触れられないという現象が観察された。物語の構成や、話者がどのようにそれを表現するか調べてみると、話者が問題の箇所に触れないことには、実は、マイナーディテールであるからということでは説明がつかない、別の理由がありそうであるということがわかってきた。本発表ではこのことが心理言語学に示唆するところについて論じる。
古山 宣洋
412 スペクトル法による三次元形状分解
多くの三次元形状は、多数の簡単なオブジェクトを組み合わせて作成される。逆に、こうして出来上がった三次元形状を適当に分解して、元のオブジェクトを得るのは、必ずしも容易ではない。この発表では、三次元形状を適度な塊に分解するための、簡単で効率的な方法を提案する。この方法は、スペクトル法と呼ばれるグラフ理論の手法を応用したものである。スペクトル法は、巨大なグラフを適度な大きさの部分グラフに分解する目的で用いられている。
後藤田 洋伸
413 Web 2.0とAjax --Webの現実と未来
ドットコムバブルがはじけたと言われる現在でも、革新的なWeb技術によって人々の注目を集めている企業が存在する。Web 2.0という言葉は、これらの企業が提供している技術を良く表している。彼らが、何を目指し、何処に進もうとしているのかを理解するためには、Ajaxという古くて新しい技術を取り入れる事が重要である。今、インターネットでは、Ajaxを使った新しいWebの世界が、確実に広がりつつある。
植木 浩一郎
414 科研費による研究助成の効果測定
科学研究費補助金の採択および成果概要データベースを利用し、近年の大型研究費の採択者、学術賞受賞者等について、1985年から2003年までの科研費採択状況を分析した。さらに、同期間の研究成果をデータベースから抽出しそのパターンと相関について試験的分析する。また、受賞者と2005年度の科研費採択者に対しておこなった科研費の学術貢献に関するアンケート調査の結果概要もあわせて展示する。
西澤 正己
孫 媛
柴山 盛生
渡邊 恵子
根岸 正光
415 「共著論文と特許出願からみた日本の産官学連携の動向分析」
産学連携の振興が各方面で促進されている。本研究は、研究論文の共著関係の分析および特許出願状況の調査を通じて、産学連携の現状を研究成果の面から客観的に把握することを目的とする。この種の計量書誌学的研究では、SCI等、米国のデータベースが用いられることが多いが、本研究では、国立情報学研究所の作成する日本の学会誌論文を対象とした「引用文献索引データベース」(CJP)を併用した。国際的な雑誌および国内雑誌への投稿論文の分析に、「特許・実用新案広報データベース」による特許出願調査を加えて、産学連携の実態・特徴・動向の分析・比較を行い、日本の産学連携について国際的および国内的な視点から考察する。
孫 媛
根岸 正光
柴山 盛生
西澤 正己
渡辺 恵子

大学院生

展示番号概 要発表者
501 E-コマースの消費者意識に関する国際比較研究 −日本、中国、そしてタイのアンケート調査から−
日本、中国、そしてタイにおけるEコマースの普及要因を比較研究する。各国のEコマース普及度が異なる一つの理由は、インフラ整備や経済状況の違いである。しかしながら、より重要なのは、社会・文化的要因など、より大局的な視点である。いずれも同じアジアの国々でありながら、社会・文化的にはそれぞれに個性を有する。日本、中国、タイの消費者を対象にアンケート調査を行い、社会・文化的要因がEコマースの普及に与える影響を統計分析によって明らかにする。
ATCHARIYACHANVANICH, Kanokwan
502 大学院紹介コーナー
国立情報学研究所は、総合研究大学院大学複合科学研究科に情報学専攻を開設し、5年一貫性博士課程と博士後期課程を設置している。これら2つの課程では、情報学の先駆的な国際的研究機関である本研究所の専門性を活かし、21世紀の「知識社会」をリードする優れた人材の育成を目指している。情報学専攻は、都心に位置した好立地条件にあり、社会人の方も仕事をしながら学び、研究することが可能である。平成18年4月現在、情報学専攻には60名の学生が在籍し、このうち留学生が18名、また社会人学生は30名である。本コーナーでは、情報学専攻の概要、及び、平成18年10月入学及び平成19年4月入学に対する入試について案内を行う。
なお、平成18年6月8日(木)16:30〜18:30、1階特別会議室において、大学院入試説明会を開催する。
国際・研究協力部
研究協力課

プロジェクト、サービス・事業

展示番号概 要発表者
A1 ディジタル・シルクロードプロジェクト−危機遺産のディジタルアーカイブ−
「ディジタル・シルクロード」プロジェクトの一環として、破壊や消滅の危機に瀕する文化・自然遺産のデジタルアーカイブを推進している。これまでに、ディジタルアーカイブに関する研究(東洋文庫貴重書のディジタルアーカイブ、バーミヤンディジタルミュージアムの開発)、人文科学研究者と協力してコンテンツの創生、情報発信のためのDSRポータルの開発、「ディジタル・シルクロード・シンポジウム」の開催、RADITの一つであるアゼルバイジャンでのディジタルアーカイブの技術支援や教育訓練をしてきた。本展示は「ディジタル・シルクロード」プロジェクトの中の緊急かつ重点的なテーマである破壊されたBam遺跡の3次元ディジタル復元や国際共同作業のプラットフォームであるASPICOを中心に報告する。
小野 欽司
北本 朝展
大西 磨季子
山本 毅雄
Elham Andaroodi
池崎 友博
ドミニク・デュフ
A2 文化の研究と教育を促進する貴重書デジタルアーカイブ
貴重書のデジタルアーカイブである「東洋文庫所蔵」図像史料マルチメディアデータベースを紹介する。これはシルクロードに関連する基本的な学術文献や写真集などを対象とし、(財)東洋文庫が所蔵する貴重な書籍を全ページにわたってウェブサイトで無料公開するものである。また、こうしたデジタル史料を新たな情報基盤として活用し、シルクロード文化に関する研究や教育を促進するための試みについても、そのいくつかを紹介する。
北本 朝展
大西 磨季子
ドミニク・デュフ
マイヤー恵加
村松 賢子
神田 涼
佐藤 園子
山本 毅雄
小野 欽司
池崎 友博
A3 トップエスイープロジェクト:スーパーアーキテクト養成講座
トップエスイープロジェクトは平成16年度文部科学省科学技術振興調整費により、NIIが民間企業(H17年度参加企業およびH18度参加予定企業、(株)NTTデータ,(株)CSK、(株)東芝、日本電気(株)、(株)日立製作所、(株)富士通研究所、松下電器産業(株)の協力を得て開発した新教育プログラムです。本プロジェクトでは、ソフトウェア開発におけるリーダとなるスーパーアーキテクトを養成します。
本位田 真一
中島震
鷲崎弘宜
田原康之
田口研治
A4 NACSIS-CAT/ILL:目録所在情報サービス
NACSIS-CAT/ILLは、全国の大学図書館等が所蔵する図書/雑誌の目録情報を図書館員が共同で登録することによって、総合目録データベースを形成し、図書館間相互協力によって全国の研究者・学生に提供することができる図書館向けサービスです。一般市民へもGeNiiのWebcat Plusによって提供されています。現在8,000万冊を超える図書が登録されています。
開発・事業部
コンテンツ課
A5 学術機関リポジトリ
学術機関リポジトリは、大学等の学術機関で生産された電子的知的生産物を保存・公開することを目的とした学術情報資源管理システムである。学術論文や学位論文、電子教材など多彩な文献を学術機関自らの手で公開するものであり、国立情報学研究所は、大学図書館と共同でリポジトリ用ソフトウェアの実装実験を行うなど、学術機関リポジトリの構築を支援している。
開発・事業部
コンテンツ課
A6 GeNii:NII学術コンテンツ・ポータル
GeNii(ジーニイ)は、学術研究に不可欠な様々な学術コンテンツを統合的に提供するポータルサービスである。現在、(1)論文情報、(2)図書・雑誌情報、(3)研究成果情報、(4)専門学術情報の4つのコンポーネントで構成し、日本の学術情報発信の窓口機能を果たす。
開発・事業部
コンテンツ課
A7 学術情報ネットワーク(SINET)の現状と次世代ネットワーク(SINET3)の計画
学術情報ネットワーク(SINET)は、日本全国の大学、研究機関等の教育・研究及び学術情報の流通促進を図るための情報ネットワークである。スーパー SINETは先端的学術情報機関間の連携を強化して、日本の学術研究を飛躍的に発展・増進させることを目的とした超高速ネットワークである。SINET, スーパーSINETを統合した次世代ネットワーク(SINET3)の構築を平成19年4月から実施する計画概要を紹介する。
開発・事業部
ネットワーク課
A8 大学間連携のための全国共同電子認証基盤(UPKI)構築事業
最先端学術情報基盤(サイバー・サイエンス・インフラストラクチャ:CSI) を安全安心に構築・利用するためには、電子認証基盤の整備が重要になってきます。 全国大学共同電子認証基盤(UPKI: University Public Key Infrastructure)は、各大学等が構築した認証基盤を連携し、相互に認証を可能とするものです。 現在、このためのUPKIによる連携のスキームポリシーの策定・公開や,大学間連携に必要なアプリケーション技術の開発を、北海道大学,東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学、東京工業大学、高エネルギー加速器研究機構を中心として、各大学からのご意見やご要望を基に進めています。
開発・事業部
企画調整課
A9 サイエンスグリッドNAREGIプログラム
サイエンスグリッドNAREGIプログラムは文部科学省「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用」プロジェクトの一環として、産学の連携によりサイエンスグリッドを構築するミドルウェアを研究開発しています。これは学術研究基盤であるサイバー・サイエンス・インフラストラクチャー(CSI)の中核をなすと共に、次世代ペタスケールスーパーコンピュータの利用環境を構築するもので、サイエンス分野での研究開発の促進を目指します。研究成果はオープンソースとして公開し、国際標準化、国際連携を進めています。
リサーチグリッド
研究開発センター

特別展示

展示番号概 要発表者
B1 国立公文書館デジタルアーカイブの紹介 −未来を拓く歴史資料−
国立公文書館は、昨年より、当館所蔵資料のデジタルアーカイブである「国立公文書館デジタルアーカイブ」を運営しております。当館所蔵の公文書から大判絵図に至る多様な歴史資料を、高精細なJPEG2000形式画像データでデジタル化し、EAD/XMLデータベースと連携させて提供するものです。これまで推進してきたアジア歴史資料に関するデジタルアーカイブ事業と共に、そのコンテンツとシステム、利用方法の概要について展示します。
独立行政法人
国立公文書館
B2 東京電機大学 創立100周年記念事業のご紹介(未来科学部設置、全学改編のご紹介)
東京電機大学は、明治40年(1907年)に電機学校として創立され、平成19年(2007年)に100周年を迎えます。これにともない、将来の科学技術を見据え、人間をキーワードとした新しいコンセプトの未来科学部を神田に新設します。さらに神田の工学部、埼玉県の理工学部を時代の要請にこたえ改編。本年改編した千葉の情報環境学部とあわせ、まったく新しく生まれ変ります。その全容をご紹介します。
東京電機大学
B3 研究データベースの宝庫 古書(古本)検索サイト「日本の古本屋」
古書組合では1998年には古書販売のデータベースを立ち上げ、以後全国の研究者や愛書家から重宝されてきた。当面の課題は豊富な文献学的知識を持ち合わせた古書店とPCを駆使できる若い世代の協力関係であり、さらなる発展の途上にある。
東京都
古書籍商業
共同組合
B4 江戸天下祭 千代田で〝粋〟る〜祭りでつなぐ人の絆〜
江戸時代、盛大に行われ、江戸の「華」とまで称された「天下祭」は、江戸に暮らす人々にとって最大の儀式でした。2003年、江戸幕府400年を記念して千代田区が実施した「江戸天下祭」では、山車・神輿・付祭パレードで構成する順行などに約80万人の観客で賑わいました。その後、継続開催の要望を受け、江戸・東京が蓄積した歴史や文化を再認識し、祭を通じて江戸の時代から千代田区に引き継がれている〝絆〟を感じていただくとともに、祭から生まれる人と人との絆を大切に伝えていくものとして平成17年10月29、30日に江戸天下祭を実施しました。この展示では、平成17年に実施の「江戸天下祭」の様子を映像でご紹介します。
千代田区
B5
資料
明治大学図書館所蔵蘆田文庫古地図 電子展示
明治大学図書館所蔵蘆田文庫は、『大日本読史地図』や『大日本地誌体系』の編纂、地理学史・地図研究の先駆者として高名な蘆田伊人(1877〜1960)の収集した古地図・古地誌等のコレクションです。明治大学図書館では、2002年から本文庫所蔵古地図のデジタル化を進めてきました。昨年に引き続き、高精細デジタル画像による蘆田文庫所蔵古地図の電子展示を行います。
明治大学図書館
B6 情報を発想力に変える連想的情報アクセス環境
図書館蔵書、古書店の在庫、テーマ別新書棚、博物館収蔵品などの各種情報を連想計算で関連づけることにより、人間の発想を刺激する情報利用環境を構築しています。
高野 明彦
西岡 真吾
丸川 雄三
小池 勇治
(連携情報学研究開発センター)
B7 世界一の本の街を紹介する Book Town じんぼう
専門古書店170店と新刊書店30店が集結している世界一の本の街、神田神保町のオフィシャルサイトが2005年10月にオープン。NIIの情報技術を活用して、地図検索のジンボウナビや日々の在庫24万冊の連想検索機能などを提供しています。
NPO法人連想出版
神田古書店連盟
B8 新千代田図書館の目指す新しいリファレンス環境
2007年4月、千代田図書館は新しく生まれ変わる予定です。新図書館のリファレンス・コーナーでは、テーマ別に分けられた新書群をリファレンスツールとして活用する新しいリファレンス環境を提供する予定です。
千代田区立図書館
高野 明彦

体験コーナー

展示番号概 要発表者
C1 CEAXプロジェクト〜文化財に関するコンテンツ統合・利活用技術に関する研究 〜
本研究は、教育での利用を目的としたメタデータの利活用のためのメタデータ管理システムに関する共同研究プロジェクトである。文化財コンテンツのメタデータのスキーマとして、多くの博物館等が参画できる柔軟なメタデータを設計する。学芸員や学校教員などがアノテーションを付加するなど、メタデータの内容を豊富に編集できるようなシステム環境を構築する。本発表では文化財コンテンツの利活用の一例を紹介する。
安達 淳
C2 分子の可視化と可触化ーグラフィックスオープンソースライブラリ"ケモじゅん"と体感型分子模型システム"HaptiChem"の紹介
化学者とコンピュータとのインタフェース研究の一環として開発している、化学用グラフィックスオープンソースライブラリ"ケモじゅん"と、視覚と力覚の連動により分子間力を体感できる分子模型システムHaptiChemを紹介します。
佐藤 寛子
C3 遠隔操作ヘリコプタを利用したモニタリングジオメディア情報システム
NII、東大および日本遠隔制御株式会社による共同研究プロジェクトであり遠隔操作ヘリコプタを利用し地理情報(ジオメディア)に基づいたジオメディア情報システムをモニタリングするためのオープンソースプラットフォームの開発を目的とするものである。
Fredric Andres
関口大陸
(株式会社ビュープラス
リサーチラボ
ディレクタ)
原貞美
(日本遠隔制御株式会社
:JRPROPO)
C4 注視プレゼンテーション・エージェント: アイトラッキング技術を用いてユーザの視覚的関心に注意を払う、高度で現実的な3D仮想エージェントチームによるNIIの研究紹介
この研究では、極めて直感的に、かつさり気なくユーザとコミュニケーションするための斬新な方法として、注視インタフェースを提案する。注目は、興味と嗜好へのよい手掛かりとなる。人間の眼球運動を分析し解釈することで、インタフェースは自動的にユーザの視覚的な関心に適応できると思われる。我々のシステムでは、仮想の販売促進のシナリオについて提示する。NIIにおける研究内容が、躍動的な対話形式で物語のように展開される。高度に現実的な 3Dエージェントのチームは、先進のグラフィック技術を用いた大スクリーン上でリアルタイムに演じる。エージェントは複数モダリティ(発話、ジェスチャー)を使いながら、アイトラッカーに基づいた非接触ビデオからの出力に動作を適応させる。その結果、ユーザの視覚的関心の焦点と変化を完全に自然な方法で説明する。
Helmut Prendinger
Michael Nischt
(NII国際インターンシッププログラム・インターン生
Univ. of Augsburg)
Nikolaus Bee
(NII国際インターンシッププログラム・インターン生
Univ. of Augsburg)
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