イベント / EVENT

平成16年度

平成16年度 市民講座

開催概要

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※講師の職名は、講座当時のものです。

第1回 2004年7月15日(木)

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ロボット
上野 晴樹

【概要】
共生ロボット-人と共存し人を助けるロボットを求めて
産業用ロボットで世界をリードしてきた日本では、急速な高齢化社会の進展に伴い、福祉ロボットへの社会的要望が高まってきた。福祉ロボットは、日常生活の場で人と共存し人を助けるロボットである。共生ロボットと我々は呼んでいる。人と出来るだけ自然に交流し、ある程度の意思の疎通が望まれるので、ロボットの目、耳、手、口を使って、人と対話できることに加えて、人と心の交流が出来ることが望まれる。現在のヒューマノイドロボットは人のような歩行や動作がある程度可能となってきたが、次には知能や心の研究が重要であり、NIIでは人工知能(AI)の成果を活用し、更に人とロボットとの共生のために必要な新しい研究に取り組んでいる。独創的な研究が望まれている状況下で、人とロボットが心の交流をするという「共生」の発想は日本人独特であり、日本文化に根ざした新しい提案を模索している。
掲載書籍 『ユビキタス社会のキーテクノロジー』
第三章「ロボット文化論」
情報研シリーズ4(丸善ライブラリー)
第2回 2004年8月26日(木)

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検索エンジン
高野 明彦

【概要】
インターネットの普及により、個人がアクセス可能な情報量は増え続け、すでに百億ページを越えたともいわれるWWWコンテンツは、まさに地球を覆う情報の大海となった。そこから意味のある情報を汲み取るために我々が現在利用できる情報技術の筆頭は、Googleなどの検索エンジンとYahoo!などの人手で分類されたディレクトリ情報である。本講義では、検索エンジンの仕組みを調べる場合を例にとり、検索エンジンやディレクトリの利用法を具体的に概説する。それらの技術の限界や問題点についても論じる。
また、従来の全文検索型の検索エンジンとは異なり、情報の類似性に基づく新しい検索技術を紹介する。この新しい「連想検索」機能を備えた情報サービスを例に取り、その有効性を示す。特に、従来技術による既存サービスと新サービスを連携させることによって、両者の有用性が飛躍的に高まることを、実例を用いて示す。
最後に、講師の研究チームが最近立ち上げた「連想機能を備えたディレクトリ」型の情報サービスである「新書マップ」について、デモを交えて紹介する。
掲載書籍 『バイオ・情報の最前線』
第三章「情報検索」
情報研シリーズ5(丸善ライブラリー)
第3回 2004年9月16日(木)

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インターネット電話
山田 茂樹

【概要】
最近、「インターネット電話」や、「IP電話」と言う言葉がよく聞かれるようになり、それらのサービスや料金についてはいろいろ宣伝が行われていますが、インターネット電話の技術内容も含めた中身については、意外と知られていないようです。この講演では、インターネット電話と従来の電話とは何がどう違うのか、インターネット電話の原理はどのようなものか、インターネット電話はなぜ安く実現できるのか、インターネット電話は、現在、どの程度のサービスが実現できていて、今後、どのように発展していくのかなどを、技術内容を含めて分かりやすく紹介する予定です
掲載書籍 『インターネットが電話になった』
第一章「インターネット電話」
情報研シリーズ1(丸善ライブラリー)
第4回 2004年10月16日(木)

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暗号
藤岡 淳

【概要】
インターネットの普及や携帯メイルなどに代表される情報化社会の発展に伴い、情報セキュリティの重要性が認識されています。その情報セキュリティ技術において中核を担う暗号技術について、現代暗号理論の主要な成果をベースに解説します。現代暗号理論における基本的な考え方にはじまり、具体的な技術として秘匿のための技術(共通鍵暗号や公開鍵暗号など)や認証のための技術(ディジタル署名など)に関してその概念を紹介します。また、それらを利用するための情報インフラ(PKIなど) についても言及します。
掲載書籍 『インターネットが電話になった』
第三章「暗号」
情報研シリーズ1(丸善ライブラリー)
第5回 2004年11月18日(木)

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オープンソース
丸山 勝巳

【概要】
「オープンソースソフトウェア」
大勢の優秀なプログラマーが無報酬で働いて、その成果物を一般に無償公開するのは(ゲイツ氏でなくとも)不思議でしょう。
ビル・ゲイツ「無報酬でプロの仕事をする余裕なんて、いったい何処の誰にあるのですか (Who can afford to do professi0nal work for nothing ?)。」
リーナス・トーバルス「そりゃ楽しいから (Just for Fun)。」
実は昔からソースプログラムの公開は行われており、それがソフトウェア技術の発展とインターネットの普及を支えてきました。最近は、Linux の成功によりオープンソース流のソフトウェア開発やビジネスモデルが注目されています。
そこで、今回の市民講座では、実例と模倣で伝えられるプログラム技術の神髄やオープンソースにまつわる話題取り上げてみます。
掲載書籍 『デジタルが変える放送と教育』
第三章「オープンソース」
情報研シリーズ6(丸善ライブラリー)
第6回 2004年12月16日(木)

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e-ラーニング
新井 紀子

【概要】
教師と生徒が同じ部屋で、対面しながら行う授業を、対面授業という。一方、パソコンやコンピュータネットワークを利用して教育を行うこと全般を指して、遠隔教育(e-ラーニング)とよぶ。E-ラーニングの特徴として、遠隔地にも教育を提供できる点や、コンピュータならではの教材を活用した教育を行えること、また、生徒の成績管理や簡単なテストの採点、生徒の出席状況や課題の提出状況などをコンピュータによって管理しうる、といった利点があると考えられている。
国内だけでも、1兆円産業に成長した、といわれているeラーニングであるが、一部では、「やはり対面授業には劣る」「費用対効果が低い」と断じられ、撤退しているところもある。それはなぜか?e-ラーニング成功のカギとなるのは、ハードの整備とソフトの選択にあるのではない。「誰がユーザか」「その教育で何を行いたいか」「何によって効果を計るか」を明確にし、それに基づき、適切な教育の場デザインを行うことが重要である。
今回は、さまざまな教育のニーズと、それに適したe-ラーニングの方法について紹介するとともに、近年隆盛を極めている、ウェブ上のコミュニティサイトやWeblogの潜在的な教育力に着目し、ネット上に学びの場を創る、という観点から論を進めたいと思う。

参考文献:「ネット上に学びの場を創る」 新井紀子 岩波ブックレット
掲載書籍 『デジタルが変える放送と教育』
第二章「e-ラーニング」
情報研シリーズ6(丸善ライブラリー)
第7回 2005年1月20日(木)

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デジタル放送
曽根原 登

【概要】
これからのデジタル情報流通は、ブロードバンド、放送、モバイルネットワークなど多様なメディアを使った境目のない情報流通になっていくでしょう。コンテンツも、音楽、放送番組、デジタル・シネマ、教育番組などの映像コンテンツやマルチメディア・コンテンツへとひろがっていきます。そこには、技術的だけではなく、法制度や経済学的な未解決の課題もあります。そこで、今回の市民講座では「デジタル放送」を題材に、IT革命、デジタル革命がもたらすネット社会について考えていきたいと思います。市民として、文科系や理科系の専門家として、一緒にこれから創っていくべきIT社会の未来像を考えましょう。未来像を考えるうえで、以下のような幾つかの切り口からのお話を準備させて頂きます。

1. 楽しむデジタル
アナログ地上波がデジタルになる。それはインターネットを代表とする通信と放送が連携すること。それにより従来の放送では出来なかったきめ細かいサービスの提供できる。その先には、サーバー型放送というメタデータを駆使したサービスが控えている。これにより多様なテレビの楽しみ方ができる。それは単に電子的に番組を選べるだけでなく、通信を利用したもっと自由な楽しみ方ができる。また学校や家庭での学習等、教育での利用も広がり、いちはやく放送・通信の連携が花開く分野としての期待も高い。

2. 活気あるデジタル
情報産業の政策的な側面も考えよう。昭和39年の東京オリンピック時に、NHKのテレビ契約は1000万だったが、NHKのカラー契約が2000万になった。やっぱりカラーでオリンピックを見たい。アジアには今、7億台のアナログテレビがある。しかも、平成20年には北京オリンピックがある。デジタルの良さ、便利さ、楽しさが訴求できれば、何億台のデジタルがアジアで楽しまれるのだろうか。それには皆で使って製品の質を向上させる必要があるのでは?

3. 発信するデジタル
デジタルというIT基盤は、使いこなす人には大きな利益がある。それを使いこなせない、情報発信できるコンテンツをもたない人は、金を払うだけになってしまう。人間の成熟に応じて、生理的欲求、安全・安定への欲求から、自己表現や、自己実現欲求を充足することが高まる。情報を享受する時代から、個人や家庭から情報発信をしていく、情報発信できるコンテンツを生産していく時代になっていくのではないか?

4. 信頼できるデジタル
インターネットの普及拡大により、発信者の多様性と流通量は激増している。瞬時に情報が伝わるために、情報の出所特定や信頼度の判断が極めて困難になってきた。良質なコンテンツ制作には、情報市場の安全性が確保される必要があろう。情報の発信者の情報品質担保手続きをある程度の水準で実施する必要がある。独立・中立の情報信頼性評価機構が必要なのでは?
掲載書籍 『デジタルが変える放送と教育』
第一章「デジタル放送」
情報研シリーズ6(丸善ライブラリー)
第8回 2005年2月17日(木)

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デジタルアーカイブ
山本 毅雄

【概要】
1 世界のディジタル・アーカイブ
ディジタル・アーカイブとは:学術・文化資料を集め、これをディジタル形式にして、長期保存・利用すること。最近、この重要性が広く認識されるようになり、世界中にさまざまなディジタル・アーカイブができている。私のことに好きなディジタル・アーカイブをいくつか紹介したい。
・ American Memory(米国議会図書館)
・ NASA Kids
・ Treasures in Full (英国国立図書館)
・ 京都大学図書館 貴重資料画像
・ アジア歴史資料センター(国立公文書館)
・ 近代デジタルライブラリー(国立国会図書館)
・ 文化遺産オンライン(文化庁・総務省・NII)など

2 ディジタル・アーカイブはなぜ今必要?
・ 保存と利用の両立→(OAIS)
・ 拡大、ディジタル修復、立体モデル作成が可能
・ 他の資料との比較、統計処理などが容易
・ 保存コストの低下、技術の進歩
・ 資料の消滅、機会の消失

3 ディジタル・アーカイブの問題点
・ ディジタル化の技術とコスト→低下してきた
・ ハードウェアの故障→RAIDで相当解決
・ コンピュータ、OS、入出力機器の変化→エミュレーション
・ 検索・利用ソフトウェアの変化→マイグレーション
・ 標準の変化、法律の変化
・ アーカイブの組織変化、大惨事→ネットワーク形成

4 東洋文庫所蔵貴重書ディジタル・アーカイブの紹介
掲載書籍 『デジタルが変える放送と教育』
第四章「デジタルアーカイブ」
情報研シリーズ6(丸善ライブラリー)
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