イベント / EVENT

NIIオープンハウス 2013

国立情報学研究所では毎年オープンハウス(研究成果発表・一般公開)を開催し、研究成果や活動についてのポスター展示・デモ、講演会などを行っています。 (過去のアーカイブはこちらをご覧ください)

平成25年度オープンハウス

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  • オープンハウスプレイベント(特別講演):6月13日(木)
    オープンハウス:6月14日(金)・15日(土)
  • 会 場:学術総合センター
  • 後 援:千代田区
  • 協 力:東京都古書籍商業協同組合、国立公文書館
  • オープンハウスハッシュタグ #NIInow
  • NIITwittertwitter.com/jouhouken
  • NIIオープンハウス2013終了いたしました。多くのご来場誠にありがとうございました。

開催概要 | NII オープンハウス2013 未来を紡ぐ情報学

プログラム | 6月13日(木) プレイベント
「これは聞き逃せない!ITの新潮流」

[一橋講堂/2F] 【対象:企業・大学研究機関研究者向け】 チラシ(PDF)

13:00-14:00 招待講演
(定員500名)
WahlsterBIG DATA as a Service: European and German Research Programs
Wolfgang Wahlster (CEO of the German Research Center for Artificial Intelligence / Strategic Director of EU Big Project)
Abstract:
We present the Big Data Public Private Forum (BIG) funded by the European Commission that is working towards strategies for providing a major boost for technology adoption and the successful implementation of a Big Data economy. Building an industrial community around Big Data in Europe is the priority of this project, together with setting up the necessary collaboration and dissemination infrastructure to link technology suppliers, integrators and leading user organizations. In the large German future project Industry 4.0 cyber-physical production systems generate petabytes of data in smart factories and in the planned second future project on smart services Big Data analytics is used for innovative repair and maintenance services, optimization, resource-efficiency and added-value services for hybrid products based on the concept of semantic product memories. We discuss the role of real-time analytics of Big Data using the in-memory computing platforms HANA and TERRACOTTA by the German companies SAP AG and SOFTWARE AG. We show that information extraction methods for getting structured information from unstructured multimodal documents are key components of a platform providing Big Data as a Service. Finally, we will illustrate the innovation potential by recent service innovations of various German companies like DHL. The talk will focus on technological enablers for Big Data applications in smart grids, advanced manufacturing, intelligent retail, and precision farming.
14:00-14:30 基調講演
(定員500名)
漆谷 重雄クラウドコンピューティングの雲の入口-SINETの役割と今後の方向性-
漆谷 重雄 (アーキテクチャ科学研究系 教授)
Abstract:
クラウドコンピューティングやビッグデータ分析のためには、雲の中のコンピュータにたどりつくための高速なネットワークが必要です。学術情報ネットワーク(SINET)は、全国の大学や研究機関等の最先端の研究教育や連携を支えるための高速ネットワークで、最近ではクラウドサービスと協調した発展が期待されています。本講演では、学術研究におけるSINETの担う役割と今後の方向性についてご紹介します。
14:45-15:45 招待講演
(定員500名)
MartinezCloud Computing Hot Topics -- President Obama campaign, GE Share, TOYOTA Friend, etc --
Maria Martinez (President, Sales and Customer Success, Salesforce.com Inc.)
BIO:
Maria Martinez heads the teams that are actively engaged with salesforce.com's customers, focused on the company's critically important value of customer success. Martinez's teams are responsible for on-boarding, product usage, best practices, training, customer support, professional services, partner certification, and developing long-term relationships withsalesforce.comcustomers.
Martinez has more than 30 years of experience in business and technology leadership roles. Prior to joining salesforce.com, Martinez managed Microsoft's global services business, including professional services and customer support for all products. In her six-year tenure, Martinez led the business to outperform revenue targets and to significantly increase Microsoft's customer satisfaction rating.
Prior to Microsoft, Martinez was president and CEO of Embrace Networks. She has also held senior leadership roles at Motorola and AT&T.
Martinez has a Master's degree in computer engineering from Ohio State University and a Bachelor's degree in electrical engineering from the University of Puerto Rico.
15:45-16:45 基調講演
(定員500名)
佐藤 一郎クラウドコンピューティングの雲の中
佐藤 一郎 (アーキテクチャ科学研究系 教授)
Abstract:
クラウドコンピューティングはバズワードを越えて、普及が進んでいます。しかし、クラウドコンピューティングの内側はあまり知られていません。クラウドコンピューティングは世界各所に設置された多数のコンピュータから構成された巨大な分散システムとなっており、従来の情報システムとは違う発想、違う技術となっています。本講演では、クラウドコンピューティングを支える分散システム技術について、一般向けに解説するとともに、最新のクラウドコンピューティングで利用される最新技術動向を紹介していきます。
オープンハウス


※13日(木)の講演は、英語での講演者については通訳なしとなります。
予めご了承ください。
※13日(木)はポスター展示はございません。 ※講演情報は随時アップデートします。
※受付開始・開場=12時30分~

プログラム | 6月14日(金)オープンハウス1日目

[一橋講堂/2F]

13:00-13:30 開会式
(定員500名)
喜連川 優オープンハウスにあたって
喜連川 優(NII 所長)
13:30-14:30 基調講演
(定員500名)
湊 真一「フカシギの数え方」― 組合せ爆発に立ち向かう最先端アルゴリズム技術
湊 真一(北海道大学大学院情報科学研究科 教授/JST ERATO湊離散構造処理系プロジェクト 研究総括)
講演概要 ▼
電力・通信・鉄道網の制御、大規模システムの故障診断、遺伝子解析等、現代社会の様々な局面で「組合せ爆発」を伴う計算困難な問題が現れます。そのような問題に立ち向かうための「離散構造処理系」の技法を中心に、最先端の研究成果をご紹介します。
16:00-17:00 基調講演
(定員500名)
佐藤 真一テレビを通して社会を見る-大規模放送映像アーカイブの解析による社会分析の挑戦
佐藤 真一(NII コンテンツ科学研究系 教授)
講演概要 ▼
テレビを見ていると、日本や世界で今何が起きているか、流行は何か、景気の状況はどうか、などが見えてきます。本講演では、こうした解析をコンピュータで自動的に行うための試みを紹介します。

[中会議場/2F]

11:00-18:00 研究成果発表 デモ・体験コーナー/ポスター展示
ポスター展示会場では、NIIの4つの研究系に所属する教員や、大学院生、サービス・事業についてポスター展示をしております。コアタイムには、それぞれのポスター前に説明員が常駐します。研究に関する質問などがあればコアタイムにお越しください!
17:00-18:00 交流タイム

[特別会議室/1F]

10:30-12:00 事業セッション

(定員70名)
大学ICT「クラウド」構築・利用を支えるSINET&学認
【対象:大学関係機関の教職員/学術情報基盤を整備するITベンダー】
概要 ▼
大震災以降、学術情報基盤のクラウド化の動きが活発です。本セッションでは、SINETや学術認証フェデレーション(学認)を経由して利用できるクラウドサービスについて、その最新動向をお伝えします。
13:30-17:00 事業セッション
(定員70名)
大学図書館と共に築く電子リソースの明日-電子リソースいまできること、これからやりたいこと-
【対象:大学関係機関の図書館職員】
概要 ▼
電子ジャーナルや電子ブックといった電子リソースをどのように管理し、サービスとして利用者に提供するのか。これは今日の大学図書館が共通して抱えている課題です。従来から国立情報学研究所では様々な形でこの課題に関わってきましたが、今回は、昨年度から開始した電子リソース管理データベース(ERDB)の プロジェクトとCiNiiでの活用事例についてお話しします。講演のほかにもシステムのデモやパネルディスカッションを行います。

[中会議場前廊下/2F]

プレゼンテーション 14:40-15:00
最小二乗問題とは?その歴史、現代の応用、新解法について-新しい最小二乗問題の反復解法
速水 謙(NII 情報学プリンシプル研究系 教授)
概要 ▼
最小二乗問題とは何かから始め、大数学者ガウスによる発見のいきさつにふれます。次に、現代の応用として、天文学において鮮明な星の画像を得るための天文補償光学や、細胞生物学における電子顕微鏡の画像再構成を紹介します。最後に、われわれが開発した内部反復前処理を用いた新しい解法について説明します。
15:00-15:20
繋がりを表現するグラフデータの変換とその応用-グラフの双方向変換とその応用
日高 宗一郎(NII アーキテクチャ科学研究系 助教)
概要 ▼
組織図のような木構造に、上位に戻るような繋がりを加えるとグラフになります。グラフはプログラムを系統的に開発する際の設計図(モデル)に等にも用いられています。モデルは、そこから自動変換でプログラムを生成するなど、便利に用いられます。本発表では、この変換のデータの流れを双方向化する仕組みと、それを合成生物学やプロセス検証などの新たな応用分野とつなぐ取り組み、課題について紹介します。

プログラム | 6月15日(土)オープンハウス2日目

[一橋講堂/2F]

13:00-14:00 基調講演
(定員500名)
五十嵐 健夫Design Everything by Yourself ~創造力を引き出すインタラクション~
五十嵐 健夫(東京大学大学院 情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻 教授)
講演概要 ▼
現代は大量生産・大量消費社会であり、一部の専門家によってデザインされた製品が世界中の大勢の人々によって使われるようになっています。しかし、このようなやり方では個々人の個別のニーズを完全に満たすことは難しく、また、自分で自分の生活を作り上げてくという創造の喜びを実感することが難しいです。このような問題意識のもと、我々のプロジェクトでは、高度に発達した計算機技術を活用し、自分の使うものを自分でデザインできるようにすることを目指して研究開発を行っています。具体的には、プロでない普通のユーザが、3次元CGやアニメーションなどの映像表現を実現したり、自分が使う衣服や家具などの道具をデザインしたり、ロボットの行動を自分用にデザインしたりすることを可能にするためのインタラクション技術の研究開発です。本講演では、本プロジェクトの研究成果についてデモやビデオを織り交ぜながら紹介します。
15:00-16:00 基調講演
(定員500名)
坊農 真弓ロボットは井戸端会議に入れるか
坊農 真弓(NII コンテンツ科学研究系 助教)
[Youtube NII研究紹介映像]
講演概要 ▼
ロボットは井戸端会議に入れるでしょうか。はっきり言っていまは無理です。我々は、「井戸ロボの実現」をキャッチコピーに言語学、認知科学、情報学、社会学、ロボット工学など、さまざまな研究者が集う仕組みを提案しています。本講演では、井戸ロボの実現に欠かせないインタラクション研究と会話分析の手法について紹介します。

[中会議場/2F]

11:00-17:00 研究成果発表 デモ・体験コーナー/ポスター展示
ポスター展示会場では、NIIの4つの研究系に所属する教員や、大学院生、サービス・事業についてポスター展示をしております。コアタイムには、それぞれのポスター前に説明員が常駐します。研究に関する質問などがあればコアタイムにお越しください!

[特別会議室/1F]

11:00-11:30 ミニレクチャー
(定員70名)
図書館図書館は宝箱
【対象:高校生・学生・一般】
概要 ▼
◆学術コンテンツ課 高橋 菜奈子
大学図書館という宝箱には、最先端の科学技術論文や世界各国語の本から貴重な古典籍まで、大学での研究・学習に不可欠な本や雑誌が詰まっています。国立情報学研究所は大学図書館の仕事を支えるシステムを提供してきました。大学図書館にはどんな本があり、そこにはどんな人々が働いているのか、カウンターだけではなく裏方の仕事も含めて大学図書館の活動を紹介します。
11:30-12:00 ミニレクチャー
(定員70名)
検索ウェブ検索のいま、これから
【対象:高校生・学生・一般】
概要 ▼
◆コンテンツ科学研究系大向 一輝
ウェブ上にあらゆる情報が集まるようになり、またそれを検索するための技術が進歩したことで、検索エンジンは日常生活に欠かせない存在になりました。一方、ウェブ検索に求められる役割は日に日に増えています。この講演では、いま検索エンジンに何ができるのか、あるいは何ができないのかについて考えるとともに、専門的な情報を探すためのヒントを紹介します。
12:00-12:30 ミニレクチャー
(定員70名)
ゲーム正しく動くゲームの作り方
【対象:高校生・学生・一般】
概要 ▼
◆トップエスイープロジェクト 長久 勝
コンピュータゲームを遊んでいて、突然動かなくなってしまった(フリーズ)、という経験を持っている人はいないでしょうか?新しい面白さを追求した野心的な作品ほど、正しく動くソフトウェアとして作り上げるのは難しいのです。本発表では、ソフトウェア工学で研究されているモデル検査という手法を使って、正しく動くゲームを作るための考え方をご紹介します。
15:40-17:40 大学院説明会 総合研究大学院大学 情報学専攻 入試説明会 [詳細]

[小会議室(201-203)/2F]

11:00-12:00 ワークショップ
(定員50名)
セキュリティ

[Youtube NII研究紹介映像]
プライバシ個人情報を守る!プライバシーバイザー~プライバシーバイザーを作ってみよう~
越前 功
(コンテンツ科学研究系)
【対象:高校生・学生・一般】
概要 ▼
カメラ付き携帯端末の普及や、SNSや画像検索技術の進展により、無断で撮影・開示された写真を通じて、被撮影者がいつ・どこにいたかという情報が容易に公開されることになり、被撮影者のプライバシー保護が求められています。今回開発した新技術は、人の視覚に影響を与えず、カメラへのみ影響を与える近赤外線光源を配置したプライバシーバイザーを被撮影者が装着することで、撮影時のみ被撮影者の顔認識を不能にすることが可能です。本ワークショップでは、プライバシーバイザー体験シミュレーターを用いて参加者の皆様にプライバシーバイザーを実際に制作して頂きます。プライバシーを守る技術を体験してみましょう。
14:00-14:30 ミニレクチャー
(定員50名)
インターネットインターネットの仕組みと怖い話
【対象:高校生・学生・一般】
概要 ▼
◆アーキテクチャ科学研究系 福田 健介
 みなさんのスマホやパソコンがつながるインターネットは、みなさんの日々の生活に必要不可欠なインフラとなっていますが、インターネットの安全を脅かすようなコンピュータウィルスやサイバー攻撃などが日々ニュース等でも報じられています。この講演では、インターネットの仕組みについて簡単に説明し、インターネット上で収集したデータを元にネットワークで起きている攻撃の傾向について紹介します。
14:30-15:00 ミニレクチャー
(定員50名)
スパコン意外に身近なスーパーコンピュータ
【対象:高校生・学生・一般】
概要 ▼
◆学術認証推進室 合田 憲人
スーパーコンピュータという言葉は知っているけれど自分の生活には関係ないと考えている人は多いと思います。ところが、スーパーコンピュータを使って作られている物を日常生活のいろいろな場面で目にすることができます。この講演では、我々の生活の中でスーパーコンピュータがどのように利用されているのかをスーパーコンピュータの仕組みとともに紹介します。
16:00-16:30 ミニレクチャー
(定員50名)
セキュリティセキュリティ講座:みんなのパスワードは本当に大丈夫?
【対象:高校生・学生・一般】
概要 ▼
◆学術認証推進室 西村 健
皆さんがパソコンやスマートフォンで使っているパスワード、どうですか?パスワードとは、利用者があなた自身であることを確認するためのものですが、簡単なものを使っていると、すぐに推測され、悪用されてしまいます。また、いつも利用しているサイトがクラッキングされて、データが漏洩したという事件も報道されたりすると、自分がいつも使っているサイトは大丈夫かと心配になります。この講演では、パスワードに対する普段からの心構えを示すと共に、最新の認証技術について紹介します。

[中会議場前廊下/2F]

プレゼンテーション 12:30-12:50
情報セキュリティの正しい知識と柔軟な対応力を身につけるためには?-ヒカリ&つばさの三択教室シリーズ
岡田 仁志(NII 情報社会相関研究系 准教授)
概要 ▼
ヒカリ&つばさの三択教室シリーズはフラッシュを使った、インタラクティブな学習コンテンツです。4人の大学生の会話によって展開するストーリーを読んでいくうちに、自然にいろいろな知識が身に付きます。『情報セキュリティ三択教室』では、大学のセキュリティポリシーを正しく理解できます。『情報サバイバル三択教室』では、ITボランティアに出かけた大学生が、これといった正解のない状況下で知恵を絞って対策を考えます。
14:10-14:30
コヒーレントコンピューターでNP完全問題を多項式時間で解くことができるのか?-イジングモデルを解くレーザーネットワークを用いたコヒーレントコンピューター
宇都宮 聖子(NII 情報学プリンシプル研究系 准教授)
概要 ▼
NP完全問題のように最適解を求めるのが非常に困難な問題は、解きたい問題のサイズが増えるにつれ、計算に必要な時間が指数的に増加しまうために、厳密解を求めることが困難であることが知られています。NII山本グループで独自に開発を進めている「コヒーレントコンピューター」は、NP完全問題であるイジングモデルを多項式時間で解こうとするものです。本発表では、量子コンピュータとの比較や最新の研究成果からその特徴を紹介します。
14:30-14:50
立体的に見える画像を作るには?-計算機を利用した裸眼立体視の実現方法
後藤田 洋伸(NII 情報社会相関研究系 准教授)
概要 ▼
裸眼立体視とは、メガネやヘッドギアなどを用いずに3D画像を表示する技術を指します。視差バリアやマイクロレンズアレイなどの光学素子を用いる方法がよく知られており、市販の3D製品の中でも応用されています。ここでは、こうした光学素子を用いない裸眼立体視の方法をご紹介します。積層型ディスプレイと呼ばれる方法では、複数の液晶パネルを積み重ね、どの方向からも立体的な像が見えるようにコンピュータでパネルを制御します。この制御の方法について簡単にご説明した後に、その応用として、家庭でも簡単に3D画像が楽しめる方法をご紹介します。

ポスター展示 発表要旨集

オープンハウスでは、キーワード別ポスター展示やデモ・体験コーナーで多様な研究成果を発表しています。

ポスター展示会場では、NIIの研究を、A~Hのキーワードに分類し、ポスターを展示しています。コアタイムには、それぞれのポスター前に説明員が常駐します。研究に関する質問などがあればコアタイムにお越しください!

デモ・体験コーナー

ブース
番号
タイトル/テーマ/要旨 発表代表者
共同発表者
001 混ざった音の中から聞きたい音を取り出す
補助関数法に基づく高速なブラインド信号分離
要旨 ▼
実環境には様々な音が存在し、混ざり合って聞こえてきます。例えば、パソコンの音声認識機能を使おうと思っても、近くにあるテレビの音が一緒に入ったり、演奏会で、娘のピアノ演奏を録音しようと思っても、隣の人のくしゃみが一緒に録音されてしまうかもしれません。混ざった音の中から特定の音を認識したり、それらを自由に編集、加工したりすることを目的に、複数のマイクロフォンを用いて、混ざった音を個々の音に高速に分離する技術を研究しています。
小野 順貴情報学プリンシプル研究系
002 カメラの写りこみによるプライバシー侵害を防止するには
プライバシーバイザー:人間とデバイスの感度の違いを利用したプライバシー保護技術
要旨 ▼
カメラ付き携帯端末の普及や、SNSや画像検索技術の進展により、無断で撮影・開示された写真を通じて、被撮影者がいつ・どこにいたかという情報が容易に公開されることになり、被撮影者のプライバシー保護が求められています。本技術は、人の視覚に影響を与えず、カメラへのみ影響を与える近赤外線光源を配置したプライバシーバイザーを被撮影者が装着することで、撮影時のみ被撮影者の顔認識を不能にすることができます。
越前 功コンテンツ科学研究系
003 社会と学術をつなぐデータの世界
LODAC: 学術リソースのためのオープン・ソーシャル・セマンティックWeb基盤の構築
要旨 ▼
Linked Open Data (LOD)による学術資源をオープンで柔軟で使いやすい仕組みで提供することを行っています。LODとは、Webページが相互につながって巨大なサイバースペースがつくられたように、Dataがオープンかつ相互につながり合うことで巨大なデータの世界ができる仕組みです。本プロジェクトでは、美術作品情報、生物種の情報などの学術的情報をLOD化し、また、各種の専門家と協力して、データを相互に使い合う仕組みも研究しています。
武田 英明情報学プリンシプル研究系
大向 一輝コンテンツ科学研究系
004 東京バーチャルリビングLab:スマートシティシミュレーション
シナリオマークアップ言語と3Dバーチャル環境に基づく運転行動を制御する実験空間
iCO2: 分散制約最適化(DCOP)を通じたマルチユーザーのエコドライブ訓練の環境
車の追跡モデルに関するオンラインパラメータの推定
要旨 ▼
交通の輸送効率や快適性の向上のための高度道路交通システム(ITS)を3D仮想空間でシミュレーションできる環境を実現しました。デモでは、東京を仮想空間で再現しドライビング体験ができます。
ヘルムト プレンディンガーコンテンツ科学研究系
マルコニ・マドルガ、ナウン・アルバレス、クガムーシ・ガジャナナン、パスカル・カイテン、ライナート・モレナ
004 健康:訓練と情報を予測するためのアドバンスト方法
3Dインタラクションとリアルタイム業務認識でバイオハザード訓練
診療ガイドラインのよりよい理解-自動的な「文章から会話文」の生成
要旨 ▼
3D空間の中で、医療の診断に必要な対話を行い訓練することができます。また、診療ガイドラインをより理解できるように、情報を自動的に解析し書き換える技術を研究しています。
ヘルムト プレンディンガーコンテンツ科学研究系
マルコニ・マドルガ、ナウン・アルバレス、クガムーシ・ガジャナナン、パスカル・カイテン、ライナート・モレナ
005 ソーシャルプロジェクトマネジメントを活用する
COMMUNIGRAM-NET
要旨 ▼
COMMUNIGRAM-NETとはソーシャルプロジェクトマネジメントの分野において研究プロジェクトチームや教育機関での現行の研究・実践の統合を目指す有用性の高いネットワークです。今回、ソーシャルマネジメント、集合知および知識創生など複数の分野に関わるプロジェクト運営において優越性を持つCOMMUNIGRAM-NETネットワークの核心部分についてご紹介します。  
アンドレス フレデリックコンテンツ科学研究系
Kenneth Brown、Jarbas Lopes Cardoso、Fernando Ferri、William Grosky、Yoshiharu Hirabayashi、Rajkumar Kannan、Epaminondas Kapetanios、Asanee Kawatrakul、Tetsu Tanabe
005 集合知に基づくソーシャルプロジェクト管理
CI-コミュニグラム
要旨 ▼
CI-コミュニグラムとは、イノベーションや知識の創造と共有、生産性、個人の参画を促進するプロジェクトを行うための、集合知を基礎とするプラットフォームです。 
アンドレス フレデリックコンテンツ科学研究系
小島 秀登
006 ベアメタルクラウドがNIIの研究を支援中
NII研究クラウドgunnii
要旨 ▼
NII 研究クラウドgunniiは、セルフサービス・オンデマンドで、物理マシンを貸し出すことを可能にします。このため、
●マシン性能の高速性が求められる大規模計算
●マシン性能の安定性が求められるソフトウェア性能の評価・ベンチマーク
などの科学技術研究分野に対し、クラウド技術の適用範囲を広げ、NIIの研究を支援します。 
NII 先端ICTセンター
007 更新が双方向に伝播可能なグラフ変換とその応用
ラウンドトリップ性を満たす双方向モデル変換システムとその応用
要旨 ▼
モデル駆動開発におけるモデル変換は開発過程をより形式的に扱うために重要です。小さな変換の合成により大きな変換を記述し、変換前後のモデルに対する修正を、双方向(前から後へ、後から前へ)に一貫性をもって反映させることで、発展する開発過程を堅固にできます。本展示では、モデルを双方向変換するシステムと最近の進展、応用例についてデモを行います。
日高 宗一郎アーキテクチャ科学研究系
理論:胡 振江アーキテクチャ科学研究系加藤 弘之コンテンツ科学研究系、浅田 和之、中野 圭介(電気通信大学)
応用:John Wilson-Kanamori、Faiez Zalila
008 仮想環境で人とロボットの共存社会をシミュレートする
社会的知能発生学シミュレータ: SIGVerse
要旨 ▼
SIGVerseは、人間と知能ロボットの来るべき共存社会をデザイン・検証するためのオープンなシミュレータープラットフォームです。複数のユーザが設計した知能エージェントを仮想環境の中に投入し、互いにインタラクションさせたり、現実世界の人間と対話することが可能です。知能ロボットの競技会 RoboCup@Homeのシミュレータとして採用されました。ロボットと協調作業をするデモを体感して下さい!
稲邑 哲也情報学プリンシプル研究系
009 学習を援助するテストを求めて
個性・能力に応じた学習支援システムの研究開発
要旨 ▼
学校現場では、生徒一人ひとりの状況に合わせた学習支援が求められています。そのためには、個々人の学習プロセス・成果を測定できるテストが必要です。これを実現する方法として、クラウド型認知診断テスト(e-テスト)を研究しています。研究成果の一端として日本語語彙テストの実演を行います。
孫 媛情報社会相関研究系
豊田 哲也、鈴木 雅之、尾崎 幸謙(筑波大学)、川端 一光(明治学院大学)、谷部 弘子(東京学芸大)、島田 めぐみ(東京学芸大)、柿沼 澄男
010 大量の映像から欲しい情報を探す
映像メディア解析によるセマンティックギャップ克服への挑戦
要旨 ▼
放送映像やネット上の映像アーカイブなどから必要な情報を自由に呼び出すためには、映像内容に基づく検索が必要です。われわれは、映像解析技術により、映像内容情報をコンピュータで自動抽出し、大規模な映像アーカイブの内容検索を実現するための検討を行っています。映像内容の抽出はセマンティックギャップ克服と呼ばれる極めて挑戦的な課題で、画像解析、機械学習、情報検索などの技術を使って取り組んでいます。われわれの研究成果により実現した映像検索のデモを行います。
佐藤 真一コンテンツ科学研究系
片山 紀生コンテンツ科学研究系孟 洋コンテンツ科学研究系、Duy-Dinh Leコンテンツ科学研究系
011 目はマウスよりもものをいう
GLASE-IRUKA: 視線を用いた、シームレスなインタラクティブ画像検索システム
要旨 ▼
サーチの最大の課題は、ユーザのニーズや関心を的確にシステムが理解すること。「目は口ほどにものをいう」といわれますが、視線はユーザ自身も気がつかない意図や関心を、ユーザ自身に負担をかけずに、継続的にシステムにフィードバックし続けることができます。ここでは、視線を用いてユーザの関心を、ユーザに負担をかけずに、継続的にシステムにフィードバックし、システムがユーザの移り変わる関心を柔軟に学習し続けることで、ユーザの関心に合う画像を素早く集めることができるインタラクティブな画像検索システムのデモをします。
神門 典子情報社会相関研究系
Viktors Garkavijs、Pawitra Chiravirakul、石川 哲朗、Diana Krusteva、岡本 里夏、戸嶋 真弓

[A]量子コンピュータ/未知への挑戦

ブース
番号
タイトル/テーマ/要旨 発表代表者
共同発表者
A01 量子情報
ボーズアインシュタイン凝縮を用いた量子情報
要旨 ▼
「量子コンピューター」を聞いたことがある人は多いと思いますが、実際見てみたらどのようなものなのか、ノートパソコンのように小さいものなのか、初代のコンピューターのように部屋ぐらいの大きさのものなのか?実はこの素朴な疑問の答えはまだ分かっていません!世界中の研究者が様々な手法で量子コンピューターを作ろうとしています。量子コンピューターの有力だと思われている実験系(イオントラップ、超伝導qubit、量子ドット等)や、NIIで提案したボーズ・アインシュタイン凝縮を使った実験系を説明します。
ティモシー バーンズ情報学プリンシプル研究系
アレクセイ ピルコブ、エブベチュク イロオケケ
A02 クラウドソーシング:最先端研究をゲームで推進
Qubit:量子コンピュータ・ゲーム
要旨 ▼
量子コンピュータの回路の最適化をクラウドソーシングで解決するために開発したツール「Qubit:量子コンピュータ・ゲーム」を紹介します。量子コンピュータの回路と変換を忠実に表現し、ゲームとして楽しみながら量子回路の最適化という難題にチャレンジできます。
デビット サイモン
根本 香絵情報学プリンシプル研究系ヘルムト プレンディンガーコンテンツ科学研究系
A03 コヒーレント光と物質波を用いた量子情報処理
コヒーレントコンピューターと励起子ポラリトンの量子凝縮
要旨 ▼
量子論によると光や原子は、波であると同時に粒子としてもふるまい、波の位相が揃っている状態のことをコヒーレント状態と呼びます。本発表では、注入同期レーザーネットワークを用いて最適化問題を解くコヒーレントコンピューターの理論とその実装について、また、半導体中で光と原子の相互作用により生成する励起子ポラリトンという準粒子が、コヒーレントになることで量子凝縮する物理とその応用の可能性について紹介します。
山本 喜久情報学プリンシプル研究系
宇都宮 聖子情報学プリンシプル研究系、ティモシー バーンズ情報学プリンシプル研究系、Michael Fraser、堀切 智之、楠戸 健一郎、顔 開、高田 健太、松尾 康弘、信田 頼宏、松下 光樹、神原 太郎、針原佳貴

[B]アーキテクチャ/うごかすちから

ブース
番号
タイトル/テーマ/要旨 発表代表者
共同発表者
B01 ULP-HPC:超低消費電力・高性能コンピューティング
ULP-HPCのインターコネクト技術 
要旨 ▼
最新のスーパーコンピュータは数十万個のプロセッサコアを並列に動かすことで1秒間に10の15乗回以上の演算を実行しています。しかし、システム性能はコア間の通信遅延と消費電力により律速されつつあるため、さらなる劇的な性能向上が難しい状況です。そこで我々は、これまでの常識を覆し、この限界をいい加減(ランダム)に相互接続したネットワークを用いることでこそ、突破しうることを示します。
鯉渕 道紘アーキテクチャ科学研究系
藤原 一毅
B02 安心・安全なシステムを創る
車載システム向けディペンダブルネットワークオンチッププラットフォーム
要旨 ▼
車載制御系システムでは、さまざまなタイプのECU(Electronic Control Unit)が多数混在し分散的に配置されているため、接続のケーブル重量が数十キロにもなり走行燃費や製造コストに大きな影響が出ているといわれています。そこで、センサやアクチュエータのみを必要な場所に残し、各ECUを統合した集中型ECUを、ディペンダブルな機構を持つネットワークオンチップアーキテクチャを用いて高信頼に実現する手法を研究します。
米田 友洋アーキテクチャ科学研究系
中井一貴、Vijay Holimath
B03 ソフトウェアの力で、もっとよく観る
スマートセンサシステムのための自己適応ソフトウェア
要旨 ▼
ソフトウェアによって状況・用途に応じて柔軟に制御するスマートセンサを用いることで、長期にわたって高品質なセンサデータを得ることができます。本発表では、スマートセンサシステムを対象として、1)センサデータの高品質化を支援するセンサエラー自己修復手法、2)センサシステムの共有インフラを支援する自己適応タスク割当手法、3)スマートセンサのソフトウェア開発を支援する開発プロセスについて研究成果を紹介します。
鄭 顕志アーキテクチャ科学研究系
清水 遼
B04 自分を変えるソフトウェアのつくりかた
自己適応制御ソフトウェアのためのソフトウェア開発プロセス
要旨 ▼
ソフトウェアが利用されるシチュエーションが多様化する中、利用環境の変化に応じてソフトウェアの動作をソフトウェア自身が変更する、自己適応ソフトウェアに着目が集まっています。自己適応ソフトウェアは、ソフトウェア自身が、(1)利用環境の変化を検知し、(2)どのような変更が必要かを決定し、(3)自分自身を変更する能力が必要となります。制御ソフトウェアを対象として、このような自己適応ソフトウェアの作り方(分析・設計)に関する研究を紹介します。
鄭 顕志アーキテクチャ科学研究系
高橋 竜一
B05 ものづくりの現場に科学を伝える
トップエスイー: サイエンスによる知的ものづくりプログラム
要旨 ▼
トップエスイーは、「サイエンスによる知的ものづくり教育」をコンセプトに、高度な開発技術を身につけたソフトウェア技術者の育成を行う実践的教育プログラムです。大学・企業の専門家による講義を受講して知識を身につけた後、学んだ技術を実際の問題に適用する「修了制作」を行います。約200名にのぼる修了生が、さまざまな分野で活躍しています。
本位田 真一アーキテクチャ科学研究系
田辺 良則、吉岡 信和アーキテクチャ科学研究系石川 冬樹コンテンツ科学研究系
B06 世界トップレベルの先端ソフトウェア工学の研究・教育・実践を推進
GRACEセンター: 先端ソフトウェア工学・国際研究センター
要旨 ▼
NII内に設立されたGRACEセンターは、21世紀の「ソフトウェア基盤」を実現するための、ソフトウェア工学に関する世界トップレベルの研究センターです。GRACEセンターでは国内外の研究機関との連携のもと、研究・実践・教育を三位一体で運営し、次代の中核となる世界レベルの研究者および技術者を育成することを目指しています。
本位田 真一アーキテクチャ科学研究系
B07 効率的かつ高品質なソフトウェア開発を目指して
ソフトウェアの解析・テスト・モデル検査に関する最先端技術
要旨 ▼
近年、ソフトウェアの複雑化に伴い、ソフトウェア開発における効率と信頼性の向上が必要です。そこで我々は、ソフトウェアの複雑なふるまいに対する理解・テスト・検証を支援する手法を提案しています。これらの手法では、定理証明をもとに正しいScalaコードを抽出する機構の洗練や複雑なシステムの分析のために、形式仕様の正しい詳細化の計画、また、Ajaxアプリの状態遷移やミューテーション解析を行っています。
本位田 真一アーキテクチャ科学研究系
石川 冬樹コンテンツ科学研究系、前澤 悠太、小林 努、西浦 一貴、星 敬一郎、鈴木 貴之
B08 最先端のIT教育を支える基盤サービス:edubase
未来のネット社会をつくるエンジニアを育成
要旨 ▼
ITに関する専門的スキルを持ち、社会情勢の変化等に先見性をもって対処できる世界最高水準のIT人材を育成するため、GRACEセンターでは、高度IT人材のための演習環境(edubase Cloud)、IT教育環境(edubase Space)、そして、優れたIT教材を普及・活用させるためのポータルサイト(edubase Portal)を提供しています。
吉岡 信和アーキテクチャ科学研究系
横山 重俊、長久 勝
B09 実践×交流で実現する全国IT人材育成ネットワーク:enPiT
世界が求めるIT人材を育成
要旨 ▼
enPiT(エンピット)は最先端の情報技術を実践的に活用することができる人材を育成する全国規模のプロジェクトです。クラウドコンピューティング、セキュリティ、組込みシステム、ビジネスアプリケーションの4つの分野において、大学と産業界による全国的なネットワークを形成し、実践的な情報教育の普及・推進を図ります。
吉岡 信和アーキテクチャ科学研究系
櫻井 浩子、粂野 文洋 
B10 「約束」を基にソフトウェアを作る・「約束」を基にソフトウェアが連携する
ソフトウェア開発・実行における「約束」の分析と達成に関する研究 ~ 法や仕様からサービスやクラウドの連携まで
要旨 ▼
ソフトウェアの役割が大きくなり、法や仕様など「約束」の遵守もより重要で難しくなっています。一方、Webサービスやクラウドなど、組織をまたぎ「約束」を通した連携も一般的となりました。本発表では「約束」の分析や達成に関する研究を紹介します。我々は、確実に「約束」を守るソフトウェア開発のための工学(要求分析や形式手法)、ソフトウェアが「約束」を理解しての実行(自律協調や自己適応)の双方に取り組んでいます。
石川 冬樹コンテンツ科学研究系
B11 同じ意味を持つ異なる構造のデータに効率的にアクセスするには?
データ相互運用の効率化
要旨 ▼
データの相互運用を促進する一つの方法であるデータ統合は、データ構造の違いを変換で記述します。大規模なデータの相互運用において、この変換が多段となり効率が悪くなります。XMLはデータの交換フォーマットの国際標準であり、XQueryはXMLデータの変換を記述する言語です。これまで未解決であった、XQueryで記述された多段の変換を単純化することで、効率的なデータの相互運用が可能となります。
加藤 弘之コンテンツ科学研究系
日高 宗一郎アーキテクチャ科学研究系胡 振江アーキテクチャ科学研究系、中野 圭介(電気通信大学)、石原 靖哲(大阪大学) 

[C]計算・論理/情報や計算とは何かを考える

ブース
番号
タイトル/テーマ/要旨 発表代表者
共同発表者
C01 双方向変換でソフトウェアを進化させる
双方向モデル変換によるソフトウエア開発に関する研究 
要旨 ▼
モデル駆動ソフトウェア開発では、開発途中の成果物をモデルとし、ソフトウェアの開発ステップをモデル変換で表現します。この際、変換前後のモデルが共存してそれぞれ発展しますが、変換後のモデルの変更をどのように変換前のモデルに伝播させ一貫性を保つかは重要な未解決問題です。本研究は、双方向モデル変換を用いてこの問題を解決し、ソフトウェアの信頼性の確保と進化的ソフトウェア開発のための新しい方法論を確立します。
胡 振江アーキテクチャ科学研究系
日高 宗一郎アーキテクチャ科学研究系加藤 弘之コンテンツ科学研究系、浅田 和之、中野 圭介(電気通信大学)、松田 一孝(東京大学)
C02 膨大なデータを処理するための並列プログラミング
膨大なデータ処理の簡単化のための高レベル並列プログラミング
要旨 ▼
既存の大規模なデータを並列に処理するためのプログラミングモデル(例えばMapReduce)はウェブ検索のインデックス作成、ログ解析や機械学習など色々な算法の実装のために利用されています。しかし、この様な並列プログラムを系統的に開発・最適化するのが難しい課題として残されています。我々は、プログラム変換技術に基づいて、MapReduceによる並列プログラムを自動生成と自動最適化を行うための高水準フレームワークを提案し、逐次プログラムから自動的にMapReduce上で効率的に実装できる並列プログラムを導出します。ユーザは並列性を意識せずに効率的な並列プログラムを書くことができます。
胡 振江アーキテクチャ科学研究系
劉 雨
C03 GPUによる汎用計算を目指して
GPUのための並列計算モデル
要旨 ▼
GPUのための新しい並列計算モデルを提案します。並列計算モデルとして一般的に使用されるPRAMモデルはGPUアルゴリズムの評価には適していません。我々の提案するAGPUモデルはGPUアーキテクチャの良い抽象化となっており、グローバルメモリへのコアレスアクセスや共有メモリのバンクコンフリクトについても考慮されます。本モデルを使用することで様々なGPUアーキテクチャ上で効率よく動作するアルゴリズムを開発できます。
定兼 邦彦情報学プリンシプル研究系
小池 敦
C04 新しいデータ圧縮
簡潔de Bruijnグラフによるゲノムアセンブリ
要旨 ▼
de Bruijnグラフの新しい簡潔表現を提案します。長さ N のDNA配列のk-merに対するde Bruijn グラフが m 本の枝を持つとき、このグラフは4m+o(m) ビットで表現できます。これは既存手法よりもはるかに小さくなります。節点の出次数と入次数は定数時間、ある節点から出る、またはある節点に入る枝で指定されたラベルを持つものはそれぞれ定数時間、O(k) 時間で求まります。
定兼 邦彦情報学プリンシプル研究系
アレクサンダー ボウ
C05 ラムダ計算と型理論
TLCA 未解決問題20番
要旨 ▼
TLCA未解決問題20番を解きました。この問題は、遺伝的置換子を特徴付ける型理論を見つけよ、という問題です。まず、遺伝的置換子全体は枚挙不可能であることを示すことにより、ひとつの型では遺伝的置換子は特徴付けできないことを証明しました。次に、可算無限個の型により遺伝的置換子を特徴付ける型理論を与えました。
龍田 真情報学プリンシプル研究系
C06 人間の体内での薬の効き具合を推定
劣決定逆問題に対してクラスター・ニュートン法を用いて解の集合を求める:薬物動態におけるパラメター同定法
要旨 ▼
我々のグループで開発したクラスター・ニュートン法(Cluster Newton Method:CNM)は劣決定逆問題の解を複数求めるのに威力を発揮します。薬物動態においては、解の多様性を制限する制約という形で劣決定問題は与えられます。本発表では、ランダムに広がった解集合の代わりに、ベータ分布の2つのパラメターを用いて解の族を見出すCNMの改良を提案します。これにより、CNMで得られる解の多様性についてより制御が可能になり、薬物動態的により妥当なパラメターを得やすくなります。
Philippe Gaudreau (MOU Internship Student, University of Alberta)
速水 謙情報学プリンシプル研究系、小長谷 明彦(東京工業大学)
C07 最小二乗問題に対する反復解法の基礎から応用
最小二乗問題に対する内部反復前処理法と画像再構成問題への応用
要旨 ▼
最小二乗問題とは科学・工学・産業等の現場で現われる重要な基礎問題です。この研究では、大規模で悪条件な最小二乗問題を上手に解くための解法を開発しました。この解法が、どのような最小二乗問題に対してもきちんと解を与えることを数学的に証明し、従来の解法よりも性能が良いことをコンピューターによる実験で示しました。さらに、生物分野の電子顕微鏡から現れる大規模な画像再構成問題に対する応用事例を紹介します。
速水 謙情報学プリンシプル研究系
保國 惠一
C08 ウェブサイトからウェブサイトに移る最短手順を得る
枝刈り最短路木を用いた巨大グラフ上の高速な最短距離クエリ
要旨 ▼
巨大グラフに対する最短距離クエリを処理する新しい手法を提案します。本手法では、枝刈り最短路木を利用することで最短距離クエリに高速に答えます。巨大な現実世界のグラフに対して、既存の手法を大幅に上回る性能を出すことを実験で示します。
吉田 悠一情報学プリンシプル研究系
秋葉 拓哉、岩田 陽一
C09 理論(数学)の力を駆使して、実世界の難問を効率化します!
巡回トーナメント問題-日本プロ野球のスケジューリング等への応用
要旨 ▼
本研究では、数学的な道具を駆使して、難解な実用的問題に対する答えを与えます。具体的には、スポーツスケジューリング問題の一つである「巡回トーナメント問題」、すなわち、ホーム&アウェイ形式の二重総当たりリーグ戦において、総移動距離最小のスケジュール作成に取り組みます。
河原林 健一情報学プリンシプル研究系
星野 リチャード(NII JSPS海外特別研究員)
C10 コンピュータは環境適応するのか
撓やかな分散システム
要旨 ▼
コンピュータの取り巻く環境は変化します。アプリケーションも変わりますし、接続されるデバイスやネットワークも変わります。その変化に耐えることは有用ですが、ときには変化に応じて、コンピュータ、特にソフトウェアを柔軟に変更・適応することも求められます。研究では、細胞の分化のように機能を適応できる仕組みを作ることで、環境適応性をもつ計算システムの実現を目指しています。
佐藤 一郎アーキテクチャ科学研究系

[D]人工知能/計算機に思考させる

ブース
番号
タイトル/テーマ/要旨 発表代表者
共同発表者
D01 コンピュータが法律推論?
論理プログラミングによる要件事実論推論システムPROLEG
要旨 ▼
本発表では、民事裁判の決定理論である要件事実論の実装について発表します。要件事実論は民法の各要件に証明責任を付加して不完全情報下でも裁判が行えるようにするための理論です。この要件事実論と論理プログラミングの対応を用いて要件事実論を論理プログラミングで実装したシステムPROLEGの設計思想について述べ、実際に推論の様子を実演します。
佐藤 健情報学プリンシプル研究系
D02 たくさんの情報を統合して利用するには?
多様な情報の意味的統合技術
要旨 ▼
情報技術が発達した現在では、多様な情報を容易に得ることができます。しかし、このような情報同士を組み合わせて利用するには、情報間の意味的な関係を取りだすことが欠かせません。本発表では、それらを実現する意味処理技術について紹介します。
市瀬 龍太郎情報学プリンシプル研究系
Lankeshwara Munasinghe、Lihua Zhao、Md Mizanur Rahoman
D03 システムズ・レジリエンス
動的制約に基づくエージェントシステムに関するチャレンジ
要旨 ▼
2011年3月11日の東日本大震災とそれに伴って発生した津波および福島第一原発の事故は、いずれも想定外の事象であり、未曾有の大被害をわが国にもたらしました。震災以降、外的な擾乱に対してレジリエントなシステム設計が求められています。本研究では、その第一歩として、動的制約に基づくレジリエントなエージェントシステムを定式化します。
井上 克巳情報学プリンシプル研究系
沖本 天太、陳 希、Nicholas Schwind、Tony Ribeiro
D04 日中英機械翻訳に残された「長い」道のり-実用的な機械翻訳を実現するには?
日中英統計的機械翻訳のための事前並べ替え手法
要旨 ▼
近年ソーシャルメディアの発達によりインターネット上で大量の情報がやりとりされていますが、そのようなコミュニケーションの場において言語の違いが大きな障害となっています。特に日本語・中国語・英語は話者数が多いにも関わらず、言語の構造が大きく異なるため、既存の機械翻訳システムでは満足な翻訳にならず、一般人同士での意思疎通は困難です。我々はこのような状況を打開するための実用的な機械翻訳について研究しています。
宮尾 祐介コンテンツ科学研究系
韓 丹、星野 翔
D05 読み方の科学:人はどう読み、何を読むのか?
視線移動情報に基づくテキスト解析・読解支援に関する研究
要旨 ▼
人は文章を読む際にどのように読み、そこからどのような情報を得て、その内容を理解しているのでしょうか?我々のグループでは、1つ1つの文が構成する意味的な構造に、読み手の視線情報を重ねる合わせることによりこの謎を解き明かし、より深い文解析の技術、より有用な読解支援技術の開発を目指しています。
相澤 彰子コンテンツ科学研究系
Pascual Martinez-Gomez、Tadayoshi Hara、Kyohei Tomita、Yoshinobu Kano
D06 コンピュータが数式を使いやすくする
数式の検索と意味解析
要旨 ▼
数式は、科学コミュニケーションの重要な手段の1つであり、計算や証明のためだけではなく、概念を明確に定義したり操作をあいまい性なく記述したりするためにも用いられます。そこで本発表では、数式や数式の周辺にある説明文を解析することで、数学知識の理解や利用を支援するシステムを紹介します。
相澤 彰子コンテンツ科学研究系
Goran Topic、Minh-Quoc Nghiem、Giovanni Yoko Kristianto
D07 コンピュータが論文を読む
コンピュータによる科学文献の言語解析 -テキストマイニングから推論へ-
要旨 ▼
論文を読む時、人は文章をただ目で辿るのではなく、自分の知識や他の研究と、論文に書かれている「内容」を結びつけ、考えを巡らすことで「深く理解」することができます。しかし、様々な「内容」を持った膨大な量の論文に対してこのようなことを繰り返すことは、人にとって容易なことではありません。我々のグループでは、この「論文の内容を深く理解する」ことを支援できるような基礎技術の研究を進めています。
知識コンテンツ科学研究センター 
D08 ロボットは東大に入れるか
人工頭脳プロジェクト-東大入試に迫るコンピュータから見えてくるもの-
要旨 ▼
NIIグランドチャレンジプロジェクト「ロボットは東大に入れるか」を紹介します。このプロジェクトでは、コンピュータによる大学入試突破という具体的な目標の下で、新たな情報テクノロジーの創出、人間の知性に関するより深い理解を目指しています。ポスター展示では、大学入試問題をコンピュータが解く上での難しさを紹介しつつ、現時点でのアプローチについて解説します。
新井 紀子情報社会相関研究系
相澤 彰子コンテンツ科学研究系稲邑 哲也情報学プリンシプル研究系宇野 毅明情報学プリンシプル研究系神門 典子情報社会相関研究系佐藤 真一コンテンツ科学研究系宮尾 祐介コンテンツ科学研究系、川添 愛、松崎 拓也、石下 円香、狩野 芳伸、田 然、原 忠義、横野 光
D09 大学入試問題を解くための共通利用ツールキット
東ロボプロジェクト実験基盤:質問応答システムとセンター試験解答・採点の互換コンポーネント群
要旨 ▼
東ロボプロジェクトの目標は東京大学の大学入試問題を自動的に解答できるような人工知能を作成することで、まずは、一次試験である大学入試センター試験を対象にしています。入学試験を解くシステムは複雑で大規模なものになるため、1から作ろうとすると大変な労力が必要になってしまいます。そこで、共通して利用できるツールを使いやすく提供し、参加者が興味ある部分だけを作成すれば解答器を作れるようにすることが狙いです。
狩野 芳伸 
神門 典子情報社会相関研究系
D10 コンピュータはどのくらいうまく情報を探せるのか
NTCIR(エンティサイル)-情報アクセス研究のためのテストベッドとコミュニティ
要旨 ▼
NTCIR (エンティサイル) は、1年半を1サイクルとし、毎回、いくつかのタスク(=研究部門)について、国内外の100~130の研究団体が参加し、性能比較のための研究基盤を構築し、協調と切磋琢磨をしながら、新しい研究課題について研究を集中的に推進することによって新たな未来価値を創成することをめざしています。NTCIR-10 (2013年6月まで)では、16か国125研究団体が参加し、言語横断リンク発見、Webサーチでの検索意図の推定や1クリックサーチ、数学論文と数式の検索、医療文書の匿名化、日中英の特許翻訳、テキストの推論と大学入試へのチャレンジ、音声文書検索について研究を進めています。
神門 典子情報社会相関研究系
相澤 彰子コンテンツ科学研究系、上保 秀夫、加藤 恒昭、三田村 照子、宮尾 祐介コンテンツ科学研究系、Douglas Oard、酒井 哲也、Mark Sanderson、武田 浩一

[E]映像・音・メディア/意味を見出す

ブース
番号
タイトル/テーマ/要旨 発表代表者
共同発表者
E01 壁や柱を突き抜ける光を創り出す未来の視覚メディア技術
画像信号処理から光線信号処理へと展開する視覚情報の分解と再構成
要旨 ▼
狭小な雑居ビルなどは、視界を大きく遮る柱や壁の存在に悩まされながらも、老舗のライブハウスからAKB48を育成した劇場に至るまで、安価なスペースとして流用され新しい対抗文化を力強く支えてきました。さらなる狭小空間のリサイクルにより都市の効率的コンパクト化を促進するには、こういった視覚的問題の解消が欠かせません。空間中を飛び交う光線を遮蔽物の前後等で自在に入出力する先端的画像信号処理技術への取り組みを紹介します。
児玉 和也コンテンツ科学研究系
湊 雄亮
E02 実物体の高精度3次元モデル構築
未知光源下での距離画像位置合わせのための光学的尺度
要旨 ▼
1視点からは物体の一部しか撮影できないので、物体全体をモデル化するためには、撮影する視点を変え、異なる視点で撮影された画像を共通の座標系で表現することが必要です。これは位置合わせ問題といい、3次元モデル構築の重要な課題です。本研究では、未知の複雑照明を前提とし、光源推定とアルベド推定を位置合わせ問題の枠組の中で定式化し、その推定結果を利用して、位置合わせのための変換を評価する手法を紹介します。距離画像を球面上のパラメタ空間で表現することにより、評価すべき変換の候補を現実的な時間で生成する手法を紹介します。これまで実現できなかった未知複雑照明下での位置合わせが可能となります。
杉本 晃宏コンテンツ科学研究系
トマ ディエゴ
E03 音と映像から人の注意を見出す
移動音源下での視覚的顕著性モデルの構築
要旨 ▼
画像や映像中で人間の注意を引く領域を表す視覚的顕著性マップは、画像や映像から得られる画像特徴のみに基づいて計算されているのが現状ですが、注意の引かれやすさは視覚情報だけでなく聴覚情報などにも依存しています。ここでは、音声特徴から顕著性を検出し、画像特徴と統合した視覚的顕著性マップを構築する手法を紹介します。
杉本 晃宏コンテンツ科学研究系
中島 次郎
E04 臨場感あるヴィジュアルコミュニケーション
ビデオ視聴者の目線の予測と分析
要旨 ▼
人間がビデオを鑑賞する時、どの辺を見ているでしょうか。予測できるでしょうか。目線の焦点はコンテンツによるか、視聴者によるでしょうか。我々の目線予測と分析の研究を紹介します。
チョン ジーンコンテンツ科学研究系
E05 Efficient retrieval of similar data items 類似データの効率的な検索
A General Model of the Intrinsic Dimensionality of Data
要旨 ▼
We propose a framework for the characterization of data sets in data mining applications, in terms of their intrinsic dimensionality. Our model can be viewed as a generalization of the expansion dimension, which was originally proposed for the analysis of certain similarity search indices using the Euclidean distance metric. Here, we extend the original model to arbitrary distance distributions. We also provide a practical guide for estimating both local and global intrinsic dimensionality for certain distance metrics. The estimates of data complexity can subsequently be used in the design and analysis of efficient algorithms for data mining applications such as search, clustering, classification, and outlier detection.
Michael E. Houle
鹿島 久嗣(東京大学)、Michael NETT(東京大学、NII)
E06 Efficient retrieval of similar data items 類似データの効率的な検索
Multi-Step k-Nearest Neighbor Search Using Intrinsic Dimension 実寸法を使用した多重ステップk最近傍検索
要旨 ▼
Most existing solutions for similarity search fail in handling queries with respect to high-dimensional distance functions or adaptable distance functions. For such situations, multi-step search approaches have been proposed which consist of two stages: filtering and refinement. The filtering stage of the state-of-the-art multi-step search algorithm of Seidl and Kriegel is known to produce the minimum number of candidates needed in order to guarantee a correct query result; however, it may still produce an unacceptably large number of candidates. We present a heuristic multi-step search algorithm that utilizes a measure of intrinsic dimension, the (generalized) expansion dimension, as the basis of an early termination condition. Experimental results show that our heuristic approach is able to obtain significant improvements while losing very little in the accuracy of the query results. 
Michael E. Houle
Xiguo MA(NJIT)、Michael NETT(東京大学、NII)、Vincent ORIA(NJIT)
NJIT = New Jersey Institute of Technology
E07 Efficient retrieval of similar data items 類似データの効率的な検索
Rank-Based Similarity Search: Reducing the Dimensional Dependence ランクに基づく類似検索:実寸依存を減らす
要旨 ▼
Virtually all known distance-based similarity search indices make use of some form of numerical constraints on similarity values for pruning and selection. The use of numerical constraints can lead to large variations in the numbers of objects examined in the execution of a query, making it difficult to control the execution costs. This presentation introduces a probabilistic data structure for similarity search, the rank cover tree (RCT), that entirely avoids the use of numerical constraints. The experimental results for the RCT, together with a probabilistic analysis, shows that purely combinatorial methods for similarity search are capable of meeting or exceeding the level of performance of state-of-the-art methods that make use of numerical constraints on distance values.
Michael E. Houle
Michael NETT(東京大学、NII) 
E08 書籍探索中に読者の印象を直観的に捉えるには?
読者の印象を反映させた表紙画像生成のための色抽出手法
要旨 ▼
書籍の表紙画像は直観的に本のイメージを与えるだけでなく、書籍購入前の検索や購入後の本棚散策では大きな指標となっています。本研究では、読者の印象を反映させた書籍表紙画像を自動生成するための第一段階として、内面的な性質や状態を表す形容詞と色の関係性に着目したデータベースを構築し、書籍本文とレビューを利用して、表紙色の抽出を試みています。
越前 功コンテンツ科学研究系
梶山 朋子(青山学院大学)
E08 身の回りにある蛍光発光
蛍光発光にもとづく実世界理解
要旨 ▼
私たちの身の回りには蛍光成分を含む物体が多数存在しています。例えば、白紙、塗料、染料、植物にも蛍光成分が含まれています。本研究では、蛍光成分は照明色変化の影響を受けないという特徴に注目し、対象物体の蛍光成分と反射成分を推定する手法、カメラの分光特性と照明の同時推定、蛍光発光に基づき対象物体の形状を推定する研究を紹介します。
佐藤 いまりコンテンツ科学研究系

[F]ネットワーク・セキュリティ/安心につながる

ブース
番号
タイトル/テーマ/要旨 発表代表者
共同発表者
F01 SNSの面白さとプライバシー保護を両立するには?
匿名化データ向けのフィンガープリント手法
要旨 ▼
SNSではさまざまな閲覧者が投稿者のメッセージを閲覧するため、投稿者が自身のセンシティブな情報をどの程度開示して良いのか判断が難しい場合があります。本研究では、投稿者が投稿したSNS上のメッセージを、閲覧者が属するグループごとに異なる匿名化レベルで匿名化しながら、メッセージの漏えい時には漏えい元を特定できる手法を提案します。
Nguyen Son Hoang Quoc総研大
越前 功コンテンツ科学研究系
F02 どのようにソフトウェアにセキュリティやプライバシーを守らせる?
安全なソフトウェアの構築に関する研究
要旨 ▼
近年、個人情報の情報流出や不正アクセスなど、セキュリティは現代社会に多大の影響を及ぼしています。しかし、他の種類の製品やインフラと比べ、情報システムのセキュリティを高める技術は、現状では十分と言えません。本研究では、こうした課題を解決するためのソフトウェア工学技術の確立を目指し、適切にセキュリティやプライバシーの考慮したソフトウェアを作る手法を開発しています。
吉岡 信和アーキテクチャ科学研究系
宗藤 誠治、河本 高文
F03 災害復旧用アクセスネットワーク技術
災害からの立ち直りが早いマルチホップ・アクセスネットワーク
要旨 ▼
地震や津波などの災害はすべてを破壊し、通信も途絶して人々を孤立させてしまいます。このため、情報通信ネットワークは災害からすぐに復旧して再構築されることが重要です。本研究では、被災地で人手を要せず、すぐに構築できる災害復旧用アクセスネットワーク技術を提案します。情報通信ネットワークの一部が破壊されても、被災地にあるモバイル端末(スマートフォン、ラップトップPC、タブレット端末等)を、生き残っているネットワークの端までマルチホップで接続することで、被災地の人々が被災直後からインターネットを自由に使えるようにすることを目指しています。
Quang Tran Minh
Kien Nguyen、山田 茂樹情報学プリンシプル研究系
F04 災害復旧用バックボーンネットワーク技術
SDN (Software-Defined Networking)を活用し、災害からの立ち直りが早いバックボーンネットワーク
要旨 ▼
SDN (Software-Defined Networking)は、ネットワークの転送機能と制御機能を分離して構成する技術で、OpenFlowというプロトコルを使い、ネットワークをプログラムのように人間の意図通りに簡単に動作させることを狙った技術です。本研究は、SDN技術を活用して災害からすぐに立ち直ることのできるバックボーンネットワークを構築することを目指しています。SDNで災害で破壊されたバックボーンネットワークを復旧させる手法の長所と短所を検討した上で我々の解決策を提示するとともに、その評価結果を紹介します。
Kien Nguyen
Quang Tran Minh、山田 茂樹情報学プリンシプル研究系
F05 情報セキュリティの正しい知識と柔軟な対応力を身につけるためには?
ヒカリ&つばさの三択教室シリーズ
要旨 ▼
ヒカリ&つばさの三択教室シリーズはフラッシュを使った、インタラクティブな学習コンテンツです。4人の大学生の会話によって展開するストーリーを読んでいくうちに、自然にいろいろな知識が身に付きます。『情報セキュリティ三択教室』では、大学のセキュリティポリシーを正しく理解できます。『情報サバイバル三択教室』では、ITボランティアに出かけた大学生が、これといった正解のない状況下で知恵を絞って対策を考えます。
岡田 仁志情報社会相関研究系
F06 個人情報とインセンティブ間の社会的互換性
個人情報とサービスの交換
要旨 ▼
ビッグデータは大規模なデータセットを効果的に扱うための新しい挑戦です。貴重なデータのひとつとして個人情報があげられます。個人情報は通常位置情報や行動情報に基づいたターゲティング広告などで用いられますが、スパムや詐欺、犯罪などで個人情報が流出する脅威があります。私たちの目的は個人情報とサービス提供との間に新しい取引のプラットフォームを構築することです。本研究は、個人情報とインセンティブの互換性を発見し、新たな交渉メカニズムを提唱し、ユーザー群間の比較を示します。
エーク オーソトホン総研大
曽根原 登情報社会相関研究系
F07 インターネットから安心して大学のサービスを利用するために
大学に最適化された商用安全な電子証明書発行システムの設計開発
要旨 ▼
大学が様々なサービスをインターネット経由で安全に提供するには、認証・暗号化のためのサーバ証明書が欠かせません。このサーバ証明書を認証局から入手する際に様々な審査が行われますが、基本的に企業を想定した審査のため大学には不便な点が多くありました。本研究では、企業を想定した審査と同等の安全性を確保しつつ、これらの審査方法を大学向けに最適化するとともに、審査の半自動化を実現するシステムの開発を行いました。
島岡 政基総研大
曽根原 登情報社会相関研究系
F08 プライバシー保護とデータ活用のバランスを図るプライバシー保護データ公開
階層的分類を伴わない効果的な匿名化のためのローカルリコーディング
要旨 ▼
マイクロデータを公開する際、個人情報保護のために広く用いられるモデルとしてk-匿名性(k-anonymity)があります。k-匿名性とは、機密情報と特定の個人のリンクの信頼性を下げるものです。しかしながら、k-匿名性を用いたデータセットは情報喪失のために正確さに欠けます。そこで我々は階層的分類属性から独立した数値属性とカテゴリー属性を含むタプル間の距離の計算に基づく新しいモデルとSpatialDistance (SD) ヒューリスティックアルゴリズムを提唱します。本研究では、SDは既存のアルゴリズムに比べて有意に情報喪失を減少させることを示します。
サラフィ アグダム モハマド ラスール総研大
曽根原 登情報社会相関研究系

[G]社会と情報/情報世界と現実世界の融合

ブース
番号
タイトル/テーマ/要旨 発表代表者
共同発表者
G01 Webデータから観光地の状況を把握する
Webデータ駆動型の観光予報システム
要旨 ▼
ICTの発展により、宿泊予約がWeb予約サイトを通じて行われるようになりました。そのため、Web予約サイトを観測していると、いつどこのホテルが混雑しているのかなどをみることができます。ただし、Webデータであるため、結果をそのまま鵜呑みにすることはできません。本研究では、Web予約データの信頼性を評価して、宿泊客の動向を把握・予測する手法を確立しました。
一藤 裕
曽根原 登情報社会相関研究系 
G02 ビッグデータを使った効率的な暇つぶし方
Twitterのグラフ解析による真の有名人格付
要旨 ▼
Twitterには様々なグラフがあります。Twitterグラフの研究多くは、フォロワーグラフを採用しています。しかしながら、それらは静的で、さほど研究されていないリトウィートグラフに比べ、利便性がありません。本ポスターでは、あまり注目されていなかったリトウィート、メンション、リプライの3つのグラフ構造を比較研究します。3つの間には構造的な違いが見て取れます。これにより、Twitterのアカウントが承認済みか否かを予測できることができました。
ケリー Y. 板倉
曽根原 登情報社会相関研究系 
G03 専門用語管理のためのシステムを紹介します
用語管理システムの開発研究
要旨 ▼
研究分野単位で専門用語を管理するシステムについて、その要件と具体的システム開発について紹介します。
小山 照夫情報社会相関研究系
G04 「つながる世界」のソフトウェアが持つリスクに立ち向かう
ソフトウェアシステムの信頼性と安全性
要旨 ▼
便利で快適な生活を実現するイノベーションに、不可欠なソフトウェア。障害が起きると安全で安心な社会に支障をきたしてしまいます。ソフトウェアの不具合がもたらすリスクを低減する方法の確立が求められています。本ポスター発表では、求められる信頼性と安全性のレベル達成に、自動的な形式検証の技術が、どのように役立つかを紹介します。
中島 震アーキテクチャ科学研究系
G05 文章から地名を自動的に見つけ出す
GeoNLP: 自然言語文のジオタギングのためのソフトウェア環境
要旨 ▼
文章から地名を自動的に探し出して地図と対応付ける処理には大きなニーズがあり、特に災害時の迅速な状況把握には有用な技術です。そこで地理情報処理(GIS)と自然言語処理(NLP)に基づき、文章に地名タグを与えるジオタギングソフトウェアを開発し、地名辞書を共有するポータルサイトと組み合わせ、地名情報処理のための基盤を構築します。
北本 朝展コンテンツ科学研究系
G06 社会の危機を認識して伝える
クライシス情報学
要旨 ▼
台風や地震等の自然災害、あるいは原子力災害等の人為災害、そうした危機(クライシス)が発生した場合に情報学はどのように貢献できるでしょうか?危機に関する情報を取得し、解析し、配信し、提示するために、多種多様な大規模データをどのように利用すればいいかを考えます。
北本 朝展コンテンツ科学研究系
G07 研究成果はどのように報道されているか
新聞報道とプレスリリースに見る大学の研究成果
要旨 ▼
大学等の研究成果はどのように一般に報道されているのかを、プレスリリースや全国紙等の新聞記事を中心に調査した結果を報告します。
西澤 正己情報社会相関研究系
孫 媛情報社会相関研究系
G08 国際標準化という世界
図書館用RFID標準化の顛末
要旨 ▼
現在、図書館用RFIDの国際標準化が進行しています。この標準化の現場経験を中心に、技術、制度、国際標準化体制などの社会状況、関連産業構造などの分析を行い、現在の国際標準化体制の特徴と問題点を解説します。
宮澤 彰情報社会相関研究系
G09 同期している感じについて
要旨 ▼
人同士で動きを同期させるのは、音楽やスポーツ、日常的な作業にいたるまで重要ですが、それがどのように達成されているかについては、わからない部分もたくさんあります。運動の同期や協応を説明できる原理が十分に理解できれば、人同士だけではなく、人と人工的なエージェントとの同期や協応にも役立つはずです。本発表では、私たちが行っている心理実験も交えながら、運動の同期や協応に関する研究についてご紹介します。
古山 宣洋情報社会相関研究系
G10 実世界の異常をウォッチするサイバーフィジカルシステム
プローブカーデータを用いた自動交通異常検出
要旨 ▼
サイバーフィジカルシステムとは、より効率的な社会を実現するためにコンピュータ(サイバー空間)と実世界(フィジカル空間)とを結びつけたシステムです。この一例として本研究では、自動車に搭載されているセンサーから得られる大量のデータを解析し、実世界の交通異常をリアルタイムに検出します。解析では走行速度の「ゆらぎ」に着目し、これを基に考案した新たな特徴量を用いることで、高い精度での交通異常検出を実現しました。
NII/東京大学大学院 安達研究室
安達 淳コンテンツ科学研究系高須 淳宏コンテンツ科学研究系相原 健郎コンテンツ科学研究系、木村 光樹総研大

[H]SNS・ソーシャルメディア/つながる情報

ブース
番号
タイトル/テーマ/要旨 発表代表者
共同発表者
H01 SNSでエコ行動を促すには
ゆるいつながりと密なつながり-エコ行動を促すSNS設計-
要旨 ▼
人々のエコな行動を促す上で、エコに特化したSNSを活用し集団で取り組むという手法が注目されており、ドロップアウトを防ぎ取り組みを継続させるSNS設計が課題となっています。本研究では、SNS上のコミュニケーションに伴うストレス、すなわち「コミュニケーションしなくてはならないという意識」を適切に制御することでエコ行動への取り組みを継続させる手法について発表します。
青柳 西蔵
曽根原 登情報社会相関研究系 
H02 人間関係を理解・向上させるスマートフォンアプリの開発
スマホアプリで人間関係向上計画
要旨 ▼
スマートフォンアプリ「人間関係向上計画」は、社会科学における社会関係資本論をベースに、情報通信技術を活用して豊かな人間関係と活力ある社会を実現することを目指しています。本アプリは、通話、SMS、およびGmailのやり取りデータを不可逆的な暗号処理のもと収集します。これらのデータを用いて、やり取りの頻度、関係の強さなどの視点からユーザの人間関係を可視化し、人間関係向上のきっかけを提供します。
田中 優子情報社会相関研究系
小林 哲郎情報社会相関研究系、鈴木 努
H03 協力的な社会を作り出す評判情報はどのようにして共有されるのか?
スマートフォン通信ログを用いた評判共有分析
要旨 ▼
人に関する評判情報が集団やコミュニティ内で共有されると、人々の協力的な行動が促進されるといわれています。しかし、理論的な研究を越えて、現実社会のどのような状況でこうした効果が見られるのかについてはまだ明らかになっていません。本研究は、現実社会における人々のコミュニケーション行動をスマートフォンの通信ログを用いて測定することで、この問題に取り組みます。
鈴木 貴久総研大
小林 哲郎情報社会相関研究系 
H04 WebELS: クラウド型汎用eコミュニケーション・ プラットフォームで教育とビジネスのグローバル化を
WebELS: クラウド型汎用eコミュニケーション・プラットフォーム
要旨 ▼
WebELSは、クラウド型汎用eコミュニケーション・プラットフォームであり、特別なソフトやデバイスを使うことなく利用できる、 "だれでも、いつでも、どこでも"型のe-Learning/ e-Meeting統合システムです。
上野 晴樹
ジョン・ベレナ、シラ・チュンウィジトラ、モハメッド・オサムニア、加藤 尚得、岡田 仁志情報社会相関研究系、後藤 義仁、鯉沼 秀臣
H05 ANAQONDA
オントロジーに基づくデータアナリティクスによるアナロジークエリ
要旨 ▼
Webや大規模情報システムにアクセスするためのインタフェースは、ほとんどがキーワード検索や分類ブラウジングです。本プロジェクトでは、現在のインタフェースと将来の相互作用パラダイムのギャップを埋めるために必要不可欠な技術のひとつとして、アナロジークエリを探求します。アナロジーを可能にする情報システムの構築は、多くの興味深い科学的課題を開拓します。本プロジェクトは、アナロジーを可能にする適切なプロトタイプシステムの開発を目指しています。
Christoph Lofi
ナイジェル コリアー情報学プリンシプル研究系
H06 ネット上の人々は地震時にはどのような感情を表出するのか
地震時の感情分析
要旨 ▼
ソーシャルメディアは貴重かつ重要な情報源です。そこでは、ユーザは気掛かりな問題や特定の出来事に対する態度を頻繁に表出しています。こうした態度を究明する作業は感情分析と呼ばれ、自然言語処理、計算言語学、テキストアナリティクスを応用しています。感情分析では、ユーザの感情を恐れ、驚き、安堵、喜びなど種類の異なる感情に分類します。感情は地震のような危機的状況で明白に観察されるため、地震時の感情分析をすることで、当局やソーシャルマネージャーは被災者の態度や悩みを理解できるようになります。
バオカイン ホ ボ
ナイジェル コリアー情報学プリンシプル研究系

[サービス・事業]

ブース
番号
タイトル/テーマ/要旨 発表代表者
共同発表者
101 多様なネットワークサービスで研究者の要望に柔軟に応える
学術情報ネットワーク
要旨 ▼
SINETは、日本全国の大学、研究機関等の学術情報基盤として構築、運用されている情報ネットワークです。2011年4月から、SINET4の運用を開始しました。その特徴として、ネットワークの高速化、提供サービスの多様化、エッジノードの高安定化、高速アクセス回線環境の整備、上位レイヤ展開等が挙げられます。昨年度に引き続き、「SINET利用推進室」を中心にサービスの普及に努め、研究教育活動を支援します。
学術基盤推進部 学術基盤課  
102 学術認証フェデレーションが実現する機関の枠を越えた共同研究環境
学術認証フェデレーションによるコラボレーション環境の実現
要旨 ▼
学術認証フェデレーション(学認)は、大学の認証基盤との連携により、学内サービスのみならず、連携する他大学、学術クラウドサービスや商用電子ジャーナル等の認証をワンストップで実現するシステムです。学認の利用により、利用者は1つのアカウントのみを用いて、ネットワーク上のあらゆる学術リソースや学術サービスの利用が可能となります。本展示では、認証連携の次のステップとして、機関の枠を越えて学認の利用者グループを管理するシステムを紹介します。さらに、これを利用して実現されるコラボレーション環境の具体例も提案します。
学術基盤推進部学術基盤課学術認証推進室
103 京を中核とした各地のスパコンを、幅広く一般のユーザにも利用しやすくする為の共用環境(HPCI)の構築
スパコン共用環境(HPCI)に便利さ・安心・安全を提供する認証基盤
要旨 ▼
HPCI(革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ)とは、神戸に設置される次世代スパコン(京速コンピュータ「京」)を中核として、大学や研究所などに設置されているスパコンを連携して、産業界を含めた幅広いユーザ層の多様なニーズに応える計算環境の実現を目指しています。NIIでは、HPCIの取り組みのなかで認証局をはじめとする認証基盤システムの構築・運用を行っています。電子証明書を用いたセキュアな仕組みと一回の認証手続だけでどの計算資源にもログインできる環境(シングルサインオン)を実現し、利用者が安心・安全・便利にHPCIを利用できるようにしています。また、遠隔地のスパコンを連携させたり、大規模な実験データや計算結果を共有するためには、高速なネットワーク基盤が不可欠ですが、この役割は、学術情報ネットワーク(SINET4) が担っています。
学術基盤推進部学術基盤課学術認証推進室  
104 学術コミュニティを支える次世代のコンテンツ基盤を構築する
次世代学術コンテンツ基盤の構築
要旨 ▼
NIIは、学術コミュニティにとって不可欠な学術コンテンツを、大学との密接な連携により形成・確保し、付加価値を付けて広く発信するための情報基盤を構築しています。具体的なサービスとして、学術研究に不可欠なコンテンツを統合的に提供する学術コンテンツ・ポータルGeNiiのほか、各大学等で生産される研究成果を収集・保存し、発信する学術機関リポジトリ構築支援、全国の大学図書館の目録所在情報を構築・提供するNACSIS-CAT/ILLなどがあります。
学術基盤推進部学術コンテンツ課 コンテンツシステム開発室

[そのほか]

ブース
番号
タイトル/テーマ/要旨 発表代表者
共同発表者
201 大学院紹介 総合研究大学院大学:千代田キャンパス
複合科学研究科情報学専攻 概要紹介および平成25年度入試案内
要旨 ▼
NIIは、総合研究大学院大学複合科学研究科に情報学専攻を開設し、5年一貫制博士課程と博士後期課程を設置しています。これら2つの課程では、情報学の先駆的な国際的研究機関である本研究所の専門性を活かし、21世紀の「知識社会」をリードする優れた人材の育成を目指しています。情報学専攻は、都心に位置した好立地条件にあり、70名以上の学生が在籍。在学生の半数近くが社会人であり、多くの社会人学生が仕事をしながら研究を行っています。また、世界各国からの留学生が多く在籍しており、異文化交流が盛んに行われているのが特色です。本コーナーでは、情報学専攻の概要と平成25年10月および平成26年4月入学に対する入試について案内を行います。
総合研究大学院大学 複合科学研究科情報学専攻
6/15(土)大学院入試説明会開催! 
202 湘南から世界へ。情報学の波が広がる
情報学発展の「場」をつくる
要旨 ▼
ドイツ南西部の小さな町ダグストゥール(Dagstuhl)。この町で開催されている情報学の合宿セミナーは、研究者同士の交流の場、進行中の課題の議論の場として機能し、情報学分野を推進する重要な役割を担っています。2011年2月、日本でもこの会議をモデルとした「NII湘南会議」がスタートし、現在のところ計20回のセミナー開催をしました。NIIは、本会議を通じて、日本がアジアにおける情報学の拠点となることを目指しています。
NII湘南会議

[特別展示]

ブース
番号
タイトル/テーマ/要旨 発表代表者
共同発表者
301 国立公文書館デジタルアーカイブの紹介
-未来を拓く歴史資料-
要旨 ▼
国立公文書館は、平成17年度より「国立公文書館デジタルアーカイブ」を運営しています。当館所蔵の公文書から大型絵図に至る多様な歴史資料を高精細な画像データとしてデジタル化し、目録データベースと連携させて提供するものです。所蔵資料のデジタルアーカイブと併せて、当館アジア歴史資料センターがこれまで推進してきたアジア歴史資料に関するデジタルアーカイブ事業について、コンテンツ及び利用方法の概要を紹介します。
独立行政法人国立公文書館
302 研究データベースの宝庫 古書(古本)検索サイト
「日本の古本屋」
要旨 ▼
古書組合では1998年には古書販売のデータベースを立ち上げ、以後全国の研究者や愛書家から重宝されてきました。当面の課題は豊富な文献学的知識を持ち合わせた古書店とPCを駆使できる若い世代の協力関係であり、さらなる発展の途上にあります。
東京都古書籍商業協同組合
303 新時代の学術研究へ向けて
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構
要旨 ▼
情報・システム研究機構は、全国の大学等の研究者コミュニティと連携して、極域科学、情報学、統計数理、遺伝学についての国際水準の総合研究を推進する中核的研究機関を設置運営するとともに、21世紀の重要な課題である生命、地球、自然環境、人間社会など複雑な現象に関する問題を情報とシステムという視点から捉え直すことによって、分野の枠を越えて融合的な研究を行うことを目指しています。
情報・システム研究機構  
304 さまざまな情報をシームレスにつなぐサービス
異種情報源をつなぎ利活用を促す閲覧支援システムの構築
要旨 ▼
現在、様々な分野の文化的情報がデジタルアーカイブされています。これらの情報を統合的につなぎ利活用の幅を広げるためのシステムを、私たちは開発しています。例えばNHK放送文化研究所とは、同所が蓄積してきた放送人による証言を、関連情報を参照しながら閲覧できるシステムや、放送に関する事項を年代やテーマから整理できる年表システムなど、「放送文化アーカイブ」の総合閲覧サービスを準備中です。また地域の文化施設とは、地域社会の営みを振り返られる古地図と古写真を、時空情報と紐付けて閲覧できるシステムを展開しています。オープンハウスではこれらのデモンストレーションを行います。
国立情報学研究所 連想情報学研究開発センター
NHK放送文化研究所、東京文化財研究所
openhouse 2013-index page2686

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