研究 / Research

コンテンツ科学研究系

加藤 弘之
KATO Hiroyuki
コンテンツ科学研究系 助教
学位:1999年,博士(工学) 奈良先端科学技術大学院大学
専門分野:コンテンツ基盤
研究内容:http://researchmap.jp/katohiroyuki/

サイエンスライターによる研究紹介

ネットワークで形成された情報空間を活用する

私たちは日々、さまざまな情報をやりとりしながら生活しています。情報の活用は私たちを助け、ときには有利な立場に導いてくれますが、十分に活用するためには、使いやすいことが大切です。そこで、集めた情報を目的に応じて整理し、保存しているのが「データベース」です。インターネットの登場は、このデータベースを大きく変化させました。距離も時間も気にすることなく、世界中に点在しているデータベースをつないで情報を共有すれば、巨大なデータベースが誕生するからです。

整理の仕方はいろいろ

しかし、データベースの共有は簡単なことではありません。なぜなら、情報の整理の仕方が、一様ではないからです。書店で目当ての本を、著者名のアイウエオ順に並んでいると思って探し始めたらタイトル名の順だった、という経験はありませんか。自分にとって使いやすい方法で本を整理するように、データベースの情報も作った人が使いやすいように整理されています。ですからデータベースの情報を共有するときには、データベースによって整理の仕方が異なっても、便利に情報を引き出す仕組みが必要になります。以前は、すべてのデータベースについて同じ形式で情報をしまい込めばよい、という考えがありました。図書館の蔵書検索で使われている目録データサービスのOPAC は、この一例です。
ところが、現実のデータベースは多種多様です。すべてのデータベースについて共通の形式で徹底するのは、現実的な方法ではありません。そこで活躍するのが、私が研究を行っているXQuery という言語です。

つながることで高まる利便性

私は、複数のデータベースを共有するときに必要となる、XQuery を利用した情報処理について研究しています。データベースを洋服が詰まった箪笥に例えてみましょう。洋服にあたるのが情報で、箪笥にあたるのがデータベースの構造です。技術的には、XML という言語でデータベースの構造が示され、その中に情報が整理されています。XQuery は、XMLで表されたデータベースから、必要な情報を引き出すための、問い合わせ言語として開発されました。例えば、自分がもっているデータベースに接続している他のデータベースについて、情報を引き出すことができるXQuery の式をもっていれば、自分のデータベース同様に、相手のデータベースからも欲しい情報を検索することができます。さらに、接続相手を検索できるデータベースを介していけば、遠く離れたデータベースも使うことができるでしょう。つまり、インターネットを介せば、直接接続しているデータベースを検索できる手段をもつだけで、世界中のデータベースを共有できるのです。インターネットの普及で形成された広大な情報空間。私はXQuery を利用する研究で、これを十分に活用できる仕組みを実現したいと考えています。

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構成・執筆 那須川 真澄

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