トップ > 研究・プロジェクト > コンテンツ科学研究系
時代を躍進するNII研究者による研究シーズ集
 

コンテンツ科学研究系

 

文章や映像などさまざまなコンテンツやメディアに関する分析・生成・蓄積・活用やそれらの処理方法に関する理論からシステム化にわたる研究を行なっています。

コンテンツ基盤

 

Webサービスの利便性の向上を目指して
石川 冬樹

インターネットの誕生は、居ながらにして目的地までの経路検索、航空券やホテル、レンタカーの予約といったサービスを受けられるようにしてくれました。これらのWebサービスは現在ネット上に分散しており、1つずつ探しては使っています。コンピュータが複数のサービスを組み合わせて私たちの希望に合ったサービスを提供してくれたら、もっと便利になりますね。そのようなサービスが受けられる社会を作るための研究をしています。

電子透かし技術を使ってデジタルコンテンツの不正利用を阻む
越前 功

インターネットの普及により、携帯電話やパソコンから場所や時間を選ばずに写真や映像、音楽などのデジタルコンテンツを楽しめる世の中になりました。デジタルコンテンツは、フィルムや印刷物などのアナログコンテンツに比べて、複製、加工、配布が容易なため、誰でも手軽にコンテンツを作り、世の中に配信することができます。しかし反面、コンテンツの不正な複製、加工、配布もまた容易なため、コンテンツの作成者やその流通にかかわる人たちの権利を侵害するおそれがあります。私は、デジタルコンテンツの権利保護や円滑な流通を目的として、電子透かしと呼ばれる技術や、コンテンツの著作権保護、流通管理を簡単にできるシステム技術の研究に取り組んでいます。

大量の動画から知識を紡ぎ出す
片山 紀生

大量に蓄積した映像や音声を効果的に利用できれば、コンピュータ・ビジョンやロボットのための知識源として有用です。このため、大規模な映像や音声のマルチメディア・データベースを高速かつ縦横無尽に処理できるようにする、それが私の目標です。

ネットワークで形成された情報空間を活用する
加藤 弘之

情報の活用は私たちを助け、ときには有利な立場に導いてくれますが、十分に活用するためには、使いやすいことが大切です。そこで、集めた情報を目的に応じて整理し、保存しているのが「データベース」です。インターネットの登場は、このデータベースを大きく変化させました。距離も時間も気にすることなく、世界中に点在しているデータベースをつないで情報を共有すれば、巨大なデータベースが誕生するからです。現実のデータベースは多種多様です。すべてのデータベースについて共通の形式で徹底するのは、現実的な方法ではありません。複数のデータベースを共有するときに必要となる、XQueryという言語を利用した情報処理について研究しています。

大量のデータ群から有用な情報を引き出す
高須 淳宏

現代の情報化社会では、世界中で日々さまざまなデータが収集され蓄積されています。これらを解析・解釈して使えるようにしなくては、データを集めている意味がありません。しかし、現実にはデータの量があまりにも多く、人間の処理能力を超えている状態です。人間の能力を高めるには限界があるので、その能力を補助するしかけが必要になっています。大量のデータ群から有用な情報を引き出し活用することができる社会、また、それによって人類の情報知識が蓄積する社会の構築を目指し、研究に取り組んでいます。

発想を広げ、思考を深める情報サービスを
高野 明彦

インターネットが普及することで果たしてこの社会はよくなっているのでしょうか。ネット上には信頼度の低い情報があふれ、ブログや掲示板などでは匿名の誹謗中傷が問題になることがあります。しかしネットの世界にはまた、貴重で有用なコンテンツもたくさんあります。情報技術に携わる者として、信頼性の高い情報を探し出す手助けをすると同時に、発想を広げたり、思考を深めることができる情報サービスの提供を目指しています。

インターネットを活用して効率的に学術情報を公開する
山地 一禎

研究者が自分の研究成果を公表する際、論文や研究会での発表が主で、機会が限られているのが現状です。また、業績を測る手法として多く使われるのが、論文数やその引用回数ですが、数だけが考慮されることが多く、正当な評価といえない場合もあります。現在では、インターネットの急速な発展と活用方法の多様化により、より効率的に研究成果を公開することが可能になりました。特に若い研究者のために、彼らが自分の研究成果や研究資材を次々とネット上に公開し、その効果が自らに還元されるような新しい学術メディアを作っていきたいと考えています。

 

テキスト・言語メディア

 

言語テキストから"知"を生み出す
相澤 彰子

人間にとって、言葉は不可欠な道具です。たがいに意思を伝え合うコミュニケーションの手段として、また記録を伝えるためにも必要です。逆にいえば、言葉の使われ方を解析すると人間の活動を垣間見ることができます。私の興味は、実にその点にあります。私は、コンピュータを使って、書き言葉である"言語テキスト(以下テキスト)"から、"知識"を引き出したいと考えています。

混沌とした情報の海に羅針盤を立てる
安達 淳

今、私たちを取り巻く情報の量は指数関数的に増えています。この状況を「情報爆発」と呼んでいます。一方、言語の獲得以降、人間の持つ知識の量は爆発的に増えてきたものの、情報処理能力は限られたままで、2万年ほど前からほとんど変わっていないと思います。そんな人間が、どうすれば広大な海のような情報の世界を見通し、うまく航海ができるようになるのでしょうか。この問題について研究しています。扱っているのはテキスト情報(文字情報)が中心です。その中にある知識や知恵を、目的に応じて簡単かつ適切に取り出せるようにしたいと思っています。

日本発の検索エンジン技術を目指して
大山 敬三

"Web検索エンジン"と聞いて、真っ先に思い起こすのはGoogleとYahoo!でしょうか。いずれも米国生まれで、今や世界中で使われています。日本には実質的にWeb検索エンジンはありません。これには著作権の問題など日本固有の制約が大きく関係しています。しかし、だからといって現代の情報インフラである検索エンジンを海外に頼り切っていていいわけがありません。だから、私はこの分野に興味のある人たちと協力して、独自の新しい検索エンジン技術をなんとしても開発したいと考えています。

言語の根っこには、人間特有の規則性がきっとある
宮尾 祐介

賢い動物であるサルも、人間のような言語を持ってはいません。なぜ人間だけがことばを使いこなせるのかと考えると、やはり脳の構造の中に、人間特有の何らかの規則性を備えているんじゃないだろうか?私たちが、あって当たり前だと思って過ごしている言語の"根っこのところ"のルールを知りたいです。

音声とコンピュータの可能性を拓く
山岸 順一

Siriなどに代表される音声インタフェースや、音声認識、自動翻訳し、多言語に翻訳した結果を音声合成で出力する音声翻訳アプリが身近に利用できるようになってきました。音声合成でこれから大事になってくるのは、その人の声で、もしくは、その言葉を話すのにふさわしい人物の声で、あるいは、周囲の状況にふさわしい音声で出力することや、ユーザの希望に合わせて、状況に合わせることだと思います。私はこのような 「賢い」音声合成、つまり適応的・応答的な音声合成の開発に、取り組んでいます。それに加え、医療・福祉への応用にも取り組んでいます。具体的には、喉頭がんや ALS・筋ジストロフィーなどの病気で自分の声を失う人が、もともとの自分の自然な声で しゃべれるような装置の開発を目指しています。

 

パターンメディア

 

データの結び付きから新しい情報を汲み出す
北本 朝展

多岐にわたる気象情報を気象予測や防災に役立てていくためには、観測データだけでなく、ニュース記事や一般の人々から得られる多種多様な大量の情報から有用な情報を取り出すことが重要です。私は、このような具体的な課題に画像処理や画像検索などに関する研究成果を適用しながら、多種多様なデータを結び付けて新しい情報を汲み出すための方法論を開拓したいと考えています。

視点・焦点を変えた映像を自在に作り出す
児玉 和也

撮影してきたビデオを見て、ちょっと視点を変えたいとか、背景を少しぼかしたい、ということがあると思います。これを可能にする手法を開発するため、私は、複数台のカメラや特殊なカメラで、さまざまな光の情報を記録し、これらの情報から、被写体を撮影条件とは異なった自由な視点、焦点で見せる方法を研究しています。

暮らしの中に溶け込む映像イメージング技術
佐藤 いまり

コンピュータによって私たちの生活は便利になりました。しかし現在のコンピュータは、「机の上に置かれた便利な機械」にすぎません。将来のコンピュータは、家中のどこからでも身振り手振りで操作し、必要な情報を取り出したり、好きなところに画像を表示させたりすることができる、「空間的に自由なインタフェース形態」へと進化すると考えられています。私は、この未来の生活空間の実現につながる映像技術の研究に取り組んでいます。

動画がもつ意味を理解できる視覚をつくる
佐藤 真一

私たちと同じように世界を見ることのできる「人工の目」をつくりたいと思っています。これは、テレビドラマに興じながら、世間話もしていられるような視覚システムです。また、人間の赤ちゃんのように、目から入ってくる情報の意味を理解して学習する。さらには、職人さんの動作を映したドキュメンタリーからスキルを学び取る、そんな視覚システムの実現を目指しています。

コンピュータ・ビジョンを離散幾何学の立場で再構築する
杉本 晃宏

コンピュータ・ビジョンの手法に、数理工学の立場から厳密な検討を加え、精度などの議論がきちんとできるようにしたいと思っています。コンピュータ・ビジョンとは、デジタルカメラで撮影して得た2次元画像から、そこに写っている対象が何かを判断する技術といっていいでしょう。この技術は大きく進歩して一般のデジタルカメラにも応用されるほど身近になりました。例えば、ファインダー内にある対象を背景と区別してそこにピントを合わせる、人の顔を認識してその部分がきれいに写るよう露出を調整するといった技術がコンピュータ・ビジョンの成果です。私は数理の立場から、対象が何であるかを認識するための手法を研究してきました。

コンピュータグラフィックス作成をもっと簡単に
高山 健志

コンピュータグラフィックス(CG)とは、コンピュータの中に数式などを使って仮想的な世界を表現し、それを画面に出力することです。その進化は目覚ましく、最近のアニメーションなどでは本物と見紛うような映像もつくられています。しかし、これだけの映像をつくるには、かなりの人手とお金がかかっています。私はこれをもっと簡単につくる方法はないものかと研究しています。

インタラクティブで圧縮・転送にも優れたシステムを目指して
チョン ジーン

私の研究分野は信号処理。多数のビューからユーザが見たい動画を生成し、圧縮·転送する「フリービューポイントテレビ(free view point television, FTV)」などのシステムを、プロセス全体を見渡す視点から最適化し、設計·開発しています。各家庭でお馴染みのテレビも、これからきっとどんどん変わってくると思います。

あなたにピッタリの靴をお届けするコンピュータビジョン
鄭 銀強

近年、大規模な画像データに基づく実世界理解技術に注目が集まっている。私たちは、様々な時刻、異なる場所から撮影された画像データに基づき、対象シーンの実世界モデルを自動構築する技術の開発を目的とする。この目的を実現するために、画像データからシーンの3次元形状やカメラ位置を推定する技術(幾何的解析)と対象シーンの反射特性や光源環境をモデル化する技術(光学的解析)に関する研究指導を行う。

「映像百科事典」をつくる
孟 洋

テレビに代表される放送番組は、これまで視聴者にとっては受動的な情報源にすぎませんでした。しかし今では、オンデマンド視聴など、能動的に番組を選択できるようになり、さらに映像を知識として「使う」時代がやってこようとしています。「絵」で情報をあらわすことができる映像は、非常にわかりやすい知識源の1つです。大量にある映像の中から、必要な映像を探しやすくすることはもちろん、その映像が何をあらわしているのかを明らかにする技術、索引付けや自動整理の仕組みが不可欠です。現在、私はこれらの有用な技術の開発に取り組んでいます。

現実に使える動画検索エンジンを作る
レイ ユイ デン

私は実用的な動画検索エンジンを作る研究をしています。動画を検索できるようにするには、まずいくつかの短いショットに分解します。そして各ショットに対してタイトルや写っているヒトやモノ・コトの情報をタグとして付けておきます。これをインデクシングといいます。こうした処理をした後でやっと、ショットを検索したり、ハイライトだけを抽出したりすることができるようになるわけです。このインデクシングを精度よくかつ高速にコンピュータに処理させる技術を研究しています。

 

人間・知識メディア

 

情報システムを使って知的環境を支援する
相原 健郎

情報システムを使って人の役に立つものをつくりたい。それが私の基本的なスタンスです。特に、人が創造的な活動を行うにはどんな支援をすればよいかを、人間中心の視点で探求しています。世の中にはコンピュータで扱えていないものがたくさんあります。人の頭の中の漠然としたイメージはもちろん、見た風景、聞いた音や会話も、記録しなければ消えてしまって残りません。人にとってはより身近なこうした情報が残っていれば、その後の創造的な活動に役立つにちがいありません。このため、これらの情報を画像や映像、音声といった多様な形でデジタル化して蓄積し、効果的に活用できる基盤技術について研究しています。

トピックマップで探りながら、世界の子どもと話し合う
アンドレス フレデリック

データベースが専門ですが、最近はそれをもとに、画像や音声、動画データなどを統合したマルチメディアデータや、データに意味をもたせるセマンティックの分野で研究を進めています。その1つが高度な索引付けの技術標準「トピックマップ」で、言葉をそれに関連する事柄に基づいて分類する方法です。

次世代Webを活用し、よりよいコミュニケーションを築く
大向 一輝

Webが登場したのは、今から 15、16 年前ですが、近年は、ブログやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が一気に広まり、誰もが情報の発信者になっています。コミュニケーションのあり方が大きく変わってきているといえるでしょう。皆が情報を公開しあうからこそ、できることがたくさんあります。このような、「パーソナルネットワーク」を使って、情報のやり取りの無限の可能性を引き出していきたいと考えています。

ユーザとのよりよいコミュニケーションを求めて
プレンディンガー ヘルムト

コンピュータをより使いやすくするための研究をしています。現在のパソコンを使ったコミュニケーションでは、機械とやり取りする感じをまぬがれず、ユーザに対して自然なコミュニケーションを求めるには、無理があります。ユーザに自然な感じを与える「何か」が必要なのです。

コミュニケーションの現場から、言語の常識を突破する
坊農 真弓

私たちのおしゃべり、なんでうまくいってるんだろう?──日常会話は文法的には誤りだらけでも、話し手が伝えたい情報を、相手はちゃんと受け取っています。声や身ぶりなどを含めたインタラクションを読み解いて、日本語や日本手話の構造を理解したいと考えています。

人と機械の"丁度よい"関係を探る
山田 誠二

科学技術の進歩によって、複雑な動作や大量の情報処理ができる高度な機械が実現し、ロボットのような機械を利用した人間活動の支援が検討されています。しかし、便利な機械が求められる一方で、人が便利だと"感じる"機能は何か、定かではありません。すべて自動でタスクをこなす機械が便利かといえばそうでもなく、少しでも人の意向から外れると、人は不快感を覚え、使いづらいと感じてしまいます。ですから、機械は単独ではなく、人を含めたひとつのシステムとして設計すべきでしょう。私は、機械と人がうまく役割分担をすることが大切だと考えています。そこで人と機械のインタラクションに注目し研究を行っています。

人々の行動に関する有益な知識のマイニング
ユ イ

モバイルデバイスの進歩によって、人々はいつでもどこでも大量のマルチメディアデータを手軽に生成し、共有できるようになりました。モバイルデバイスで写真を撮ってコメントをアップし、位置情報を記録して、友人たちと共有するわけです。一方では、個人ユーザーが生成するソーシャルマルチメディア情報とデータを解析することにより、個人ユーザーが興味を持つコンテンツを知ることができます。他方、さまざまなオンラインプラットフォームと情報をやりとりするユーザーが増えるにつれ、多様なデータがインターネットに蓄積されていきます。その意味ではユーザー自身がセンサーとなり、参加型センシングを形成し、社会を洞察することができます。これらのデータを解析することによって、世界中の人々の日常生活の特徴を知ることができるわけです。ここでの私の研究は、個人レベルから社会レベルまでのデータマイニングと知識発見を中心に据え、人々の日常生活に的確なサポートを提供するインテリジェントシステムとアプリケーションを創出することです。身の周りの面白いものを解析し、理解し、モデリングするアルゴリズムの開発に取り組んでいます。