研究 / Research

情報社会相関研究系

植木 浩一郎
UEKI Kouichirou
情報社会相関研究系 助教
学位:理学修士
専門分野:情報利用
研究内容:http://researchmap.jp/ueki/

サイエンスライターによる研究紹介

音声認識や自然言語処理を「しなやかに」行う手法

音声や自然言語を用いてインターネットを使えるようになれば、インターネット上の知的資源をより多くの人に利用してもらうことができます。そのためには、現在の音声認識や自然言語処理技術をより向上させる必要があります。これを可能にするために、脳の情報処理とよく似た働きを持つ「ニューラルネットワーク」や「遺伝的アルゴリズム」といった次世代技術の研究に取り組んでいます。ニューラルネットワークの学習能力に、遺伝的アルゴリズムの最適化能力を組み合わせれば、高い精度の音声認識や自然言語処理が可能になると考えられるからです。

巡回セールスマン問題に取り組む

音声認識や自然言語処理に遺伝的アルゴリズムを導入するにあたり、「巡回セールスマン問題」という課題を用いて性能向上に取り組みました。これは、セールスマンが複数の都市を一度ずつ巡回し、その最短経路を求める「最適化問題」です。巡回する都市の数が多くなると、当然のことながら解の候補が増大し、求めるまでに時間がかかります。解法には、数学的な厳密解法と経験則によって問題を解くヒューリスティックな解法がありますが、厳密解法は時間がかかり、ヒューリスティックな解法は、時間は短いが、得られた解が必ずしも最適解ではありません。私は現在「遺伝的アルゴリズム」を用いて、比較的短い時間で厳密解法と同程度の最適解を得るための研究を行っています。さらに、この研究成果をもとにして、コンピューターに高い音声認識機能やヒトが持つ自然言語処理能力と同等の能力を持たせる研究を進めようと考えています。

ヒトの情報処理を目指して

大学で計算機や人工知能について学び、実際の脳のことをもっと知る必要があると思い、大学院で霊長類学を学んだことがこれら次世代技術の研究の原点となっています。サルからヒトへの進化において、もっとも発達したのは脳の情報処理能力です。その過程を分析し、コンピューターに適用することで、コンピューターをより人間に近づけられるのではないかと考えました。以来、人間のようにさまざまな情報を柔軟に認識し、理解できる新しい手法の開発を目指して研究を進めています。

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取材・構成 村上朝子

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