CONTENTS
Interview
ネット社会支える アルゴリズムの力
IT産業に不可欠な頭脳育てる
「グラフ」は点と辺の集合を用いてさまざまなネットワークの構造や特性を調べる数学の一分野だ。NIIの河原林健一教授は科学技術振興機構(JST)の ERATO「河原林巨大グラフプロジェクト」(2012年10月~2018年3月)を率いて、インターネットに代表される巨大で時々刻々変化を遂げるネットワークを迅速に解析するアルゴリズムの開発に取り組んでいる。プロジェクトの狙いや成果を尋ねた。
本文を読む
Interview
数理の最先端を 「基礎科学」から「ビジネス」へ
プロジェクト参加の利点は数理に強い人材へのアクセス
NEC は、ERATO「河原林巨大グラフプロジェクト」がスタートした2012 年当初から当プロジェクトと協力関係にある。2 人の若手研究員をプロジェクトに参加させて いるNEC データサイエンス研究所 データマイニングテクノロジグループの酒井淳嗣研究部長に、官主導のプロジェクトに民間企業として関わることの意義を聞いた。
本文を読む
Interview
機械学習でウェブデータに隠れた 規則性を明らかに
ユーザーの検索や投稿からニーズや流行を推定する
当プロジェクトでは、巨大グラフの代表的なものの一つであるウェブに関して、計算の高速化や新たな知見を抽出するためのアルゴリズムについて目覚ましい成果を上げている。例えば、ウェブ検索で使用される検索クエリ(問い合わせ)からユーザーの意図を推測するためのパターンを抽出する新たな手法の開発や、ウェブ上で流行する情報の目利きに関する研究なども手がけた。これにより、ウェブ検索の性能を改善したり、流行の検知やターゲット広告、マーケティングの高精度化に役立てたりできるという。機械学習の技術を応用した新たなアルゴリズムについて、当プロジェクトの小西卓哉特任研究員に話を聞いた。
本文を読む
Interview
情報科学で明らかにする 生物のダイナミクスとネットワーク
アリの動きから、生命に共通するダイナミクスのパターンを探りたい
「河原林巨大グラフプロジェクト」では、現実世界における人間の活動や生物の社会などの複雑ネットワークも研究対象としてきた。複雑ネットワーク・地図グラフグループの阿部真人特任研究員が研究対象としているのは、アリの動き(ダイナミクス)だ。働きアリの活動を動画とコンピュータ解析による自動追尾システムで調べ、卵や幼虫を世話するアリが働きづめとなることを突き止めたほか、オスとメスが効率的に出会うための動きのパターンなどを探った。生物のダイナミクスを探ることで、生命に共通する力学や構造に迫ろうとするユニークな取り組みを紹介する。
本文を読む
Essay
情報系ERATOプロジェクトに求められるもの
本文を読む