イベント情報
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2015年(平成27年度)

第1回 SPARC Japan セミナー2015
「学術情報のあり方‐人社系の研究評価を中心に‐」

日時

平成27年9月30日(水曜日)13:00-17:00

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場所

国立情報学研究所  12階 1208,1210会議室

イベントは終了しました
多数のご参加ありがとうございました。

更新記録

ドキュメントを掲載しました。(2016/02/15)
ビデオ映像を公開しました。(2015/12/11)
ニュースレターを公開しました。(2015/11/30)
開催報告を公開しました。(2015/11/09)
発表資料を公開しました。(2015/11/09)
プログラムを更新し、講演要旨を公開しました。(2015/09/24)
講師紹介を公開しました。(2015/09/11)
プログラムを公開しました。(2015/09/11)
・フライヤーを掲載しました。(2015/09/08)
・ウェブページを公開しました。(2015/08/31)

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第1回 SPARC Japanセミナー2015

第1回 SPARC Japanセミナー2015

第1回 SPARC Japanセミナー2015

第1回 SPARC Japanセミナー2015

第1回 SPARC Japanセミナー2015

第1回 SPARC Japanセミナー2015

第1回 SPARC Japanセミナー2015

第1回 SPARC Japanセミナー2015

第1回 SPARC Japanセミナー2015

アウトライン

【概要】

日本では現在,人文社会科学分野のあり方が大きく問われているが,論点の一つには,同分野によって産み出される研究のインパクトは何かがある。これまで,大学等研究機関の評価について現在様々な議論と試みが繰り返されており,定量的な研究評価に関しては,自然科学分野では,研究評価の指標として一般的に研究論文や特許等の掲載数や引用回数等の数値が使われてきた。大学では自己評価の一貫として研究評価を行っているが,図書館は各種文献データベースを提供することで間接的に関与してきたとも言える。しかし,人文社会科学分野では,そもそも分野の特性上,自然科学分野と同様の方法をとることが困難であり,大学を総合的に評価する上でも,人文社会科学分野の研究評価のあり方は常に議論となっている。さらに,上記議論を支える背景として,オープンアクセス,デジタル・ヒューマニティーズなど人文社会科学分野の情報インフラ環境の進展があり,このインフラを整備することを中心とした研究支援のあり方が,大学および図書館のあり方と密接に関連する。
今回のSPARC Japanセミナーでは,人文社会科学分野の研究評価に関する最新の状況や英国の研究評価の状況について話題提供いただき,学術情報流通を支援する様々な取組みをふまえて,人文社会科学分野の研究評価やインフラ整備を含む研究支援に大学および図書館が果たせる役割や可能性について議論したい。

【参加対象者】
研究者,図書館員,学術出版職にある方々

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プログラム
司会: 横井 慶子 (東京大学附属図書館)

時間

内容

講師等(敬称略)

発表資料

ビデオ映像

ドキュメント

13:00-13:10

開会/概要説明

駒井 章治
(奈良先端科学技術大学院大学)

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クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。

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(5:48)

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13:10-13:35

講演①
人社系の評価
に関する最新の議論

評価以前の問題
:人文学・社会科学とは何なのか

[講演要旨]

中尾 央
(山口大学国際総合科学部)

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クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。

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(21:53)

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13:35-14:00

社会科学の研究評価に求められる多面性
:政治学と環境学の観点から

[講演要旨]

野村 康
(名古屋大学環境学研究科)

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クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。

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(34:15)

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14:00-14:25

「人文系の研究評価はどこを目指すのか?」

[講演要旨]

永崎 研宣
(人文情報学研究所)

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クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。

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(28:03)

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14:25-14:50

責任ある研究活動の推進と研究評価
[講演要旨]

中村 征樹
(大阪大学全学教育推進機構)

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クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。

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(34:10)

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14:50-15:35

講演②
英国の事例
(REFを中心に)

英国における研究評価制度
と人文系の学術研究

[講演要旨]

佐藤 郁哉
(一橋大学商学研究科)

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クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。

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(48:21)

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15:35-15:45

休憩

15:45-16:55

パネルディスカッション

【モデレーター】
駒井 章治
(奈良先端科学技術大学院大学)

【パネリスト】
中尾 央
(山口大学国際総合科学部)
野村 康
(名古屋大学環境学研究科)
永崎 研宣
(人文情報学研究所)
中村 征樹
(大阪大学全学教育推進機構)
佐藤 郁哉
(一橋大学商学研究科)
竹内 比呂也
(千葉大学)

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(55:52)

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16:55-17:00

閉会挨拶

安達 淳
(国立情報学研究所)

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(8:49)

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参加費
無料
参加申込

受付は終了いたしました。多数のお申込み誠にありがとうございました。
申込期限: 平成27年9月28日(月)

お問い合わせ先: 国立情報学研究所 学術基盤推進部学術コンテンツ課支援チーム SPARC担当
E-mail co_sparc_all@nii.ac.jp FAX 03-4212-2375

講師紹介

◇中尾 央   (山口大学国際総合科学部)

2015年より山口大学国際総合科学部助教。2010年京都大学大学院文学研究科単位取得退学(博士,2013年)。総合研究大学院大学助教を経て現職。専門は科学哲学(生物学・心理学・社会科学・人文学の哲学)・科学技術社会論。

◇野村 康   (名古屋大学 環境学研究科)

名古屋大学環境学研究科准教授。(財)地球環境戦略研究機関,立教大学ESD研究センターを経て,2009年4月から現職。英国ウォーリック大学大学院博士課程修了(PhD in Politics)。専門分野は,環境政治学,環境教育論。

◇永崎 研宣   (人文情報学研究所)

一般財団法人人文情報学研究所主席研究員・東京大学情報学環特任准教授。博士(文化交渉学)。国立国会図書館研究員(委嘱),日本印度学仏教学会常務委員,日本宗教学会情報化委員,日本デジタル・ヒューマニティーズ学会論文誌テクニカルエディタ,DH Centernet Executive Board等を通じ,人文系のデジタル化に関わる研究・実践に様々な角度から取り組んでいる。

◇中村 征樹   (大阪大学全学教育推進機構)

大阪大学全学教育推進機構准教授。東京大学大学院工学系研究科助手,文部科学省科学技術政策研究所研究官等を経て2012年より現職。専門は科学技術社会論・科学技術史。研究活動の不正行為に関わる新ガイドラインの策定や,日本学術振興会による研究倫理教材の作成等に関わる。

◇佐藤 郁哉   (一橋大学商学研究科)

一橋大学教授。2000年前後より学術出版および学術コミュニケーションに関する社会学的研究を開始。2013年には英国において約6ヶ月間にわたって同国の研究評価制度(RAE/REF)に関する現地調査を実施した。2015年度からは,研究評価制度と選択的資源配分に関する共同研究に従事している。

◇竹内 比呂也   (千葉大学)

千葉大学副学長(学修支援担当),附属図書館長,アカデミック・リンク・センター長,文学部教授。東京大学附属図書館,ユネスコアジア太平洋地域中央事務所,静岡県立大学短期大学部を経て,2003年より千葉大学に勤務。専門は図書館情報学。特に学術情報,大学図書館に関心を持ち,研究と実践を行っている。

◇駒井 章治   (奈良先端科学技術大学院大学)

2008年より奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科准教授。1993年上智大学卒業(心理学) ,1997年奈良先端科学技術大学院大学修士課程修了,2000年同バイオサイエンス科博士課程修了。神戸大学医学部,マックスプランク医学研究所にてPDフェロー。2011年より2014年まで日本学術会議若手アカデミー委員会委員長として活動。現在,日本学術会議会長アドバイザー,JSTサイエンスアゴラ推進委員会委員,内閣府・科学技術イノベーションの戦略的国際展開に向けた検討会委員,Science Talks委員。

◇横井 慶子   (東京大学附属図書館)

東京工業大学附属図書館を経て,現在東京大学附属図書館に勤務。情報管理課資料管理係にて国内雑誌の取扱を担当。

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講演要旨

◆評価以前の問題:人文学・社会科学とは何なのか

   (中尾 央)

何かを評価しようとするならば,その対象を詳細かつ適切に把握した上で,その対象が向かうべき方向を見定めておく必要がある。では果たして,人文学・社会科学を評価しようという場合,われわれはこの対象の十分な理解を共有しているだろうか。そして,そのあるべき姿が見えているだろうか。本発表では,当たり前かもしれない以下の点を確認し,それをどう評価に反映させていくかを考察する。すなわち,人文学・社会科学はそもそも一元的に捉えられるものどころか,下手をすれば研究テーマや研究者毎によって多様な内容を持ったものであり,それはもしかすると自然科学にも同様に当てはまるかもしれない。もちろん多様だからといって「共通の評価は不可能である」などという短絡的な解決を推奨するわけではない。むしろ,多様性の中に共通の軸を見いだすことは十分可能である。しかしそれは,既存の分野を超えた所に見いだせるものなのであり,人社がどうこうといった狭い見方ではなく,分野にこだわらない広い視野を持たねば適切な評価は不可能なのである。

◆社会科学の研究評価に求められる多面性:政治学と環境学の観点から

   (野村 康)

自然科学分野で用いられる研究評価指標は,社会科学分野の評価においてもある程度有用だが,限界がある。したがって,社会科学系の研究を適切に評価するためには,その学問的特性や,社会的要請を踏まえた上で,多面的に評価を行う必要がある。本報告では,社会科学の一分野である「政治学」および,社会科学がその一翼を担う「環境学」の観点から,どのような多面的評価が求められるのか,学術情報流通のあり方にも言及しながら,情報提供を行いたい。

◆「人文系の研究評価はどこを目指すのか?」

   (永崎 研宣)

STM系の分野の多くが数多の問題にも関わらず研究評価を定量化し視覚化しやすいものとしようと膨大な試行錯誤を積み重ねてきたのに対して,人文系での取り組みは,今のところまだそれほど見えてこない。これには様々な要因があり,とりわけ,評価という行為について問うこともまた人文学の主要な課題であり,その距離の取り方の難しさから評価に踏み込み難かったという面もあったかもしれない。
しかし,近年,様々な状況変化により,研究評価が改めてクローズアップされてきている。定性的な評価をより磨き上げることを目指すのか,STM系的な定量的評価を部分的にでも採り入れる方向を検討するのか。さらに,人文学には,研究としては評価されにくくとも,高度な専門性を必要とし研究の基盤を支える重要な仕事として,翻刻・校訂・翻訳・目録作成などがある。これについてはオープンデータやオープンサイエンスといった一連の動向と接続することで状況が大きく改善される可能性があり,デジタル・ヒューマニティーズ(DH)分野においても広く取り組まれている。

◆責任ある研究活動の推進と研究評価

   (中村 征樹)

近年,研究不正問題への対応が課題となるなか,研究現場では新しいガイドラインのもとで研究不正を抑止する体制整備が求められている。研究不正問題の発生を防ぎ,信頼できる研究成果を生み出す責任ある研究活動を推進していくためにはどうすればいいのか。そのためには,不正の告発に対する体制整備や研究倫理教育の実施にとどまらず,研究環境・システムの問題を避けて通ることができない。現行の研究評価のありかたが問題をはらんでいるのではないか,その再構築が求められているのではないか。研究公正の文脈でも,研究評価をめぐる議論が近年注目を集めている。研究公正の観点から研究評価の問題について検討し,人文社会系の評価について問題提起を行いたい。

◆英国における研究評価制度と人文系の学術研究

   (佐藤 郁哉)

学術研究をめぐる世界レベルの競争の激化と財政危機等を背景として,各国で国家レベルでの研究評価とそれにもとづく公的研究資金の配分方法の見直しが進められている。それら一連の動向をめぐる議論においては,研究予算の重点配分と大学間の明確な機能分化の必要性が強調される一方で,過度の傾斜配分が学術研究の裾野を掘り崩し全体的な地盤沈下をもたらす懸念が指摘されている。本報告では,海外における最も先進的な事例である英国の制度を紹介し,研究評価制度が人文系の学術研究に与えうる影響について考察する。

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開催報告
平成27年9月30日(水)に第1回SPARC Japanセミナー2015「学術情報のあり方‐人社系の研究評価を中心に‐」を開催しました。
本セミナーに関するニュースレター(26号)はこちらからご覧ください。
参加者数 95名
アンケート結果 回答数: 42

※ご意見は,公開の同意をいただいたものです。

■参加目的
    業務に関連するため: 32  研究に関連するため: 8   教養: 3   その他: 4
■今回の内容について
  目的達成度
    役に立つ: 28  普通: 10   期待と異なる: 1   無回答: 3
  ご意見 【所属/職種】
  【大学/図書館関係】
   
  • 人文社会学系の研究評価の実態について、ほとんど知識がなく、現状を知りたい(特に分野別の特徴)と思い参加しました。現状を知ると同時に、中尾先生がおっしゃっていた「分野をこえた評価軸」という視点が新鮮でした。人文社会学系研究の多様性から、統一した評価軸を設定することは困難であると思いますが、定量的評価のみならず、多様な評価スタイルがあってよいと感じました。
  • 学生に対してどうサービスを提供していったらよいのか日々悩みが尽きないのですが、今日研究者の方々のお話を伺ってみて改めて教員、職員の連携が必要であると実感しました。
  • 研究者の方々の率直な意見が伺えて良かったです。
  • 研究評価について考えるきっかけを得られた。今後の動向も気になる。
  • すごく刺激的でした。図書館員というより、研究者全般に聞いて欲しい内容です。研究者に必要な、しかし失いがちなメタの視点なので。あるいは研究支援系職員にも有益かも。
  • 即座に言葉が見つからないが、とても興味深く考える材料に満ちていた。
  • 恥ずかしながらついていけない場合もあったが、文系単科大学として今後の情勢が気になる内容であり、大変勉強になりました。
  • 英国等、ガシガシに評価されているところから日本に来ている(人社系)研究者に、日本での評価について話を聞いてみたいと思いました。
  【大学/大学・教育関係】
   
  • 人文・社会科学における評価、電子化などの状況がよくわかった。
  • 個人評価と組織評価を分けて考えてみる。定量的評価、定性的評価をやるにしても、そのゴール設定は重要だと思いました。
  【大学/研究者】
   
  • 一般的議論に終わってしまったように思える。具体的な取組みについての情報を共有し、議論する場になればと思った。REFについての紹介は非常に参考になった。
  【企業/図書館関係】
   
  • 発表される方の顔ぶれが新鮮で、興味深く拝聴しました。普段のSPARCセミナーより、哲学的というか、そもそも論というか、日々の認識を根本から疑ってみるという切り口が鋭く、刺激的でした。時折、こうした議論に触れることで思考を深めていけます。理系の研究者が今日の議論をみたら、どのように感じるのか訊いてみたいです。
  【その他/図書館関係】
   
  • ちょっと論点が拡散しすぎていて、整理されなかったのが残念でした。
  【その他/大学・教育関係】
   
  • これからの人社系研究(それ以外も含めて)の評価に対する姿勢は理解できたが、実際にどのような評価を行い、それがどのように“評価”できるかという点をもう少しお聞きしたかった。
■今後,聞いてみたい内容・テーマ・講演者について
  【大学/図書館関係】
   
  • 研究成果発信と学術広報の関わりについて 、URA、サイエンスコミュニケーター的立場の方々からお話を伺ってみたいです。
  • 研究評価についての続き。もっと色々な方の意見、具体策の議論。
  【大学/研究者】
   
  • 日本で行われる具体的な評価の取組みについて情報共有したい。
■その他,当企画に関するご意見・感想
  【大学/図書館関係】
   
  • 人文社会科学系学部をウリとしている大学として、研究評価の実態を伺うことができたのは非常に参考になりました。図書館員が評価に直接関わることはありませんが、成果公開による評価へつなげるなど、間接的に研究者の研究活動、成果の可視化に貢献できると感じました。本日は貴重な機会をありがとうございました。
  • 人社系研究・研究者の業績評価について、図書館としてどう関わっていくことができるのか、その可能性を考える良いきっかけになりました。ありがとうございました。
  • とてもバランスの良いプログラムでした。
  • お疲れ様でした。ありがとうございます。
  • 記録のための撮影のシャッター音は切っていただけるとよかったです。
  【大学/大学・教育関係】
   
  • 結論は出ない問題と思うが、活発な議論は大変参考になった。
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最終更新日:2016年2月15日