NII Today 第89号
Sep. 2020No.89

COVID-19と向き合う情報学の挑戦データから新型コロナウイルスをみる

世界中で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡⼤が続く中、感染を拡⼤させないための対策を取りながら、教育や研究、経済などを⽌めない試みが模索されています。私たちはこれから、いかにしてCOVID-19と向き合いつつ、研究活動や社会活動を営んでいけばよいのでしょうか。NIIでは、この困難な局⾯を乗り越えるために、情報学の知⾒を携えて、医療機関をはじめさまざまな研究機関と共同で研究を進めています。本号では、医療ビッグデータの解析、情報集約サイトの構築、SNS解析、⼈の動きの⾒える化など、医療や⼈々の暮らしに役⽴つ取り組みを紹介します。

CONTENTS

Interview

CT画像の解析結果を感染症対策に役立てる

学会や大学と連携してCOVID-19肺炎の診断支援AIを開発

現在、COVID-19の診断にはPCR検査が用いられているが、より精密な診断や予後の予測にはCT(コンピュータ断層撮影法)検査が有用だという。とくに日本の医療機関における人口あたりのCT装置保有台数は世界一を誇り、CT画像データの活用に大きな期待が寄せられている。そうしたなか、NIIの「医療ビッグデータ研究センター(Research Center for Medical Bigdata :RCMB)」は日本医学放射線学会とともに、収集したCT画像を用いてCOVID-19肺炎の診断支援AI(人工知能)の開発を進めてきた。その成果とRCMBの取り組み、医療支援AIの可能性などについて、日本医学放射線学会の青木茂樹理事長とRCMBの佐藤真一センター長に聞いた。

本文を読む

Interview

世界中のCOVID-19情報が俯瞰できるサイトを構築

自然言語処理研究者たちによるコラボレーション

新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、自然言語処理の研究者たちが各自の専門性を活かしてCOVID-19に関する世界中のさまざまな情報を集約し、日本語で提示するサイトを短期間で構築した。このコラボレーションはどのように進められたのか。プロジェクトから得られたものは何か。プロジェクトの開始時から参加しているNIIの相澤彰子教授に聞いた。

本文を読む

Article

Withコロナ時代のオープンコラボレーションによる研究

本文を読む

Interview

「SNSによるデマ拡散」問題の本質とは

「疑うタイミング」の創出が重要に

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界的に問題視されたものの 1 つに「SNS(ソーシャルメディア)を通じたデマの拡散」がある(図1)。日本でもトイレットペーパー不足を招いたとされるなど、社会的に注目を集めた。この状況をどう認識、理解すべきなのか。「SNSとデマ」をめぐる問題の本質について、東京大学の鳥海不二夫准教授に聞いた。

本文を読む

Interview

ビッグデータ解析でコロナ社会の課題解決を

外出自粛率や人の接触頻度を「見える化」する

情報学や物理学で培ったビッグデータ解析や大規模シミュレーションの知見を活かして、経済や社会の課題解決に挑むNIIの水野貴之准教授。「計算社会科学」が専門のデータサイエンティストとして、携帯電話キャリアや全地球測位システム(GPS)などのビッグデータを解析し、新型コロナウイルス感染症対策に役立てるべく、積極的に情報発信をしている。さらに、AI(人工知能)を使って、時々刻々と変わる感染状況や、国によって異なる感染の広がりを捉えようと奮闘中だ。

本文を読む

Essay

教育が変わる時

本文を読む

NII Todayは無料で冊子PDFをダウンロードしてご覧いただけます。

NII Today 第89号

NII Today 第89号

2020年9月発行

・CT画像の解析結果を感染症対策に役立てる
・世界中のCOVID-19情報が俯瞰できるサイトを構築
・Withコロナ時代のオープンコラボレーションによる研究
・「SNSによるデマ拡散」問題の本質とは
・ビッグデータ解析でコロナ社会の課題解決を
・教育が変わる時

PDFダウンロード
バックナンバー 一覧