1971年大阪大学工学研究科電気工学修士課程修了,1977年東京大学理学博士取得,1971年日本電子(株)開発本部,1976年上智大学物理学科助手,1981年電気通信大学新形レーザー研究センター助教授,1990年,同教授となり,1996年よりセンター長,2012年3月定年退職,名誉教授となる。現在,電通大特任教授,浜松ホトニクス顧問として高出力レーザー開発の研究を継続している。大学時代は,液体レーザー,核融合用エキシ}レーザー,重力波天文学用超高安定化レーザー,高出力ファイバーレーザー,セラミックレーザーなどあらゆるレーザー開発に関係し,現在も超高出力レーザーによる高エネルギー物理学の展開など,新しい物理学の開拓に意欲を燃やしている。OSA,応用物理学会,日本物理学会の理事を経験し,物理系学術誌の合同出版組織の設立,運営に携わった。同時に,OSAジャーナル,海外,国内ジャーナルの編集長,編集委員の経験がある。日本学術会議連携会員で学術誌問題検討分科会の委員,IUPAP WG on Communication in Physicsのメンバーでもある。
1982年に東京大学大学院博士課程修了後,東京大学理学部,神戸大学自然科学研究科を経て,2006年から高エネルギー加速器研究機構。専門は高エネルギー物理学。海外の加速器研究施設での国際協力実験や米国との国際共同気球観測実験等に従事してきた。最近ではヒッグス粒子を発見したATLAS実験に参加している。2012年からは日本物理学会理事,刊行委員としてProgress of Theoretical and Experimental Physics (PTEP)の立ち上げに携わっている。
この数年間,日本の高エネルギー物理学分野における出版をめぐっては,異なる由来を持つ3つの大きな出来事が関連しながら推移し,最終的にはProgress of Theoretical and Experimental Physics (PTEP)という新しい学術誌の創刊とSCOAP3への参加に至った。この間の経緯や高エネルギー物理学分野の特殊性などについてお話しする。