研究シーズ2021情報基盤科学

無線資源を最大限に活用できる
次世代モバイルシステムの設計

金子 めぐみアーキテクチャ科学研究系 准教授

研究分野無線通信⼯学/無線資源割り当て・⼲渉制御/次世代移動体通信システム

使用可能な無線資源である周波数はすでに限界を迎えています。さらに急増する膨大なデータ量に対応するべく性能や無線資源の共有技術を向上させることで、よりスムーズなモバイルアクセスが可能な環境設計に取り組んでいます。

研究背景・目的

現在、移動体通信加入者は全世界で60億人を超え、2025年には物と物が直接無線で通信するIoT(Internet of Things)に対応する機器も750億個に達することが予測されており、爆発的なデータ量の増加が予想されています。その一方で、使用可能な無線資源である周波数はすでに限界を迎えており、今後の膨大なデータ通信量に対応しきれない厳しい状況になっています。2020年に開始された5Gにより、伝送速度や大容量化における性能向上が期待できますが、遅延、信頼性、接続の高密度化などに関してはさまざまな研究課題が残っています。この状況で、次世代モバイルネットワークに要求されているのは、多元的な性能要求を高レベルで同時に保証することです。

研究内容

この無線資源が欠如するという問題の解決に向けて、Beyond 5G移動体通信システムや次世代無線アクセスネットワーク(超多数IoT無線ネットワークなど)のための無線周波数などの割り当てや干渉を防ぐ方法を主に研究しています。ランダムに変動する無線通信路や干渉状況をうまく活用し、システム全体の性能・各ユーザの通信品質要求・周波数やエネルギー利用効率など、相反する性能指標を同時に達成できる優れた無線資源の割り当て方法や、クラウドとデバイスの双方のアクセスがスムーズになるような環境設計に取り組んでいます。
例えば、広い通信エリアを細分化して高密度にカバーし、それらをクラウドで連携させてコントロールしようとする「フォグ無線アクセスネットワークFRAN」のための「無線資源割り当て法」や、無線資源の基本要素を複数ユーザが同時に利用できる、非直交多元接続「NOMA」を活用した「FRANのための非直交無線資源割り当て法」を考案しました(図)。

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図)クラウド・フォグ無線アクセスネットワークのための提案非直交無線資源割り当て法

産業応用の可能性

● 次世代モバイルシステムやIoTシステムのための基本的な要素技術
● 応用に向けた無線通信プロトコル設計の方向性
● 無線資源割り当て・干渉制御法の性能の理論的解析の提供

研究者の発明

❖"Method for transmitting/receiving data in communication system", US7916688
❖"Apparatus and method for resource allocation considering buffering in relay wireless communication system",US2008/0205323 他

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