話者自動匿名化プログラム
「VocalGuard(ボーカルガード)」
声の個人性のみ匿名化することを可能にした技術。近年、個人情報の保護・秘匿が、以前よりもますます厳しく問われており、例えばテレビ放送で用いられるインタビュー音声にもプライバシー保護の点で一層の注意が払われるようになっている。個人情報の保護のためには、音声を匿名化しなければならないが、どのような処理を行えば、インタビュー音声としての可用性を保ったまま不可逆な匿名化が達成されるかは技術的に明確ではなかった。
山岸研究室では「k-匿名化」と呼ばれる技術を用いて研究開発を行ってきた。音声を発話内容と基本周波数、話者ベクトルの3つに分解、このうち個人性に影響する話者ベクトルのみを匿名化し、個人が特定化される確率をk分の1以下にして再合成する。kの値を調整することで、利便性と安全性のトレードオフを調整することができる。この技術により、音声の可用性と匿名性の両立を図ることが可能となった。
山岸研究室は放送局と連携し放送現場での応用研究を実施、新たな音声匿名化技術として実用性が実証されており、利便性向上のためさらなる研究開発を行っている。