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青森県立三本木高等学校 高校1年生

「量子の世界をのぞいてみよう~ミクロな世界、光のふしぎ~」
「超伝導ってなに?」

平成23年10月20日(木)

授業時間
12:50-13:40 50分×1コマ
13:50-14:40 50分×1コマ
14:50-15:40 50分×1コマ

出張授業担当者:

  • 吉原 文樹(理化学研究所基幹研究所)
  • 宇都宮 聖子(国立情報学研究所)
  • 稲垣 卓弘(東北大学)

授業担当者の感想

SSH青森県立三本木高等学校での出張授業

NIIの宇都宮さん、東北大学の稲垣さんと、青森県立三本木高等学校の1年生を対象に出張授業を行いました。物理を習ってない高1に超伝導をどのように教えるかを考えるのは、私自身大変勉強になりました。また、何か実験を見せたいと考えていたところ、たまたまミュンヘンのドイツ博物館(科学博物館)で液体窒素を使った実演を見てとても楽しかったので、会 社の実験室でこっそりと、見様見真似で再現し、幾つか実演することにしました。

前半は宇都宮さんがレーザー光、風船、2重スリット、回折格子、偏光板を駆使した多彩な実験を織り交ぜつつ学生達に語りかけるように巧みに授業を進め、「光は波と粒子の両方の性質を持つ」ということを学生達にうまく伝えてくれました。稲垣さんもナイスアシストでした。後半は私の担当です。少しスライドを見せた後、液体窒素を使った実演を行いました。練習の甲斐あって実演はどれもうけて、最後に高温超伝導体の上で磁石が浮上するのを見ると学生達は大興奮でした。その後、スライドを用いた授業に戻った瞬間にあからさまに学生達のテンションがガクっと下がりましたが、挫けずに授業を続けました。
光の話を引き継いで、超伝導体中の電子2個が結合した「クーパー対は波と粒子の両方の性質を持つ」ということから始めて、磁束の量子化、直流ジョセフソン効果、dc-SQUID、と続き、最後に磁束量子ビットの話も少ししました。
アンケートの回答では、「授業の理解」で、「よく理解できた」1人で「わかりにくかった」が1割いましたが、「授業の感想」で、「おもしろかった」が8割いました。全て理解出来ないけど面白そうだから勉強してもっと知りたいという気持ちを持ってくれて少しは役に立てたと感じています。

[理化学研究所 吉原文樹]

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授業風景

スライド1

スライド2

フィードバック総回答数:33名

1) 授業の理解
  • a. よく理解できた〔1〕
  • b. 普通〔29〕
  • c. わかりにくかった〔3〕
  • d. 無回答〔0〕
2) 授業の感想
  • a. おもしろかった〔27〕
  • b. 普通〔6〕
  • c. つまらなかった〔0〕
  • d. 無回答〔0〕
3) 印象に残ったところは何ですか?※順不同
  • ・ レーザーで風船が割れたこと。(のべ6人)
  • ・ 風船の色別で破裂するかしないか。
  • ・ 超伝導体の上で回る磁石。(のべ3人)
  • ・ 超伝導のはなし
  • ・ 超伝導の原理は難しいが、不思議な性質をもっていること。
  • ・ 超伝導にも波の性質が表れているというところ。
  • ・ 液体窒素の実験(のべ9人)
  • ・ 液体窒素で二酸化炭素が冷えて、固体になったこと。
  • ・ レーザーの応用。
  • ・ レーザーの干渉
  • ・ 宇都宮さんの講義で学んだ「波の干渉」が電子にも言えて、それが超伝導につながっていたということ。
  • ・ 聖子さんのお話が不思議だが面白かった。
  • ・ 波と粒子の状態が同時にありえるという、死んでる猫と生きている猫の話。
  • ・ 光が波と粒子の2つの性質を持っていること。
  • ・ リモコンの紫外線はケータイのカメラで見ることができたこと。(のべ2人)
  • ・ スーパーコンピューターをしのぐ。
  • ・ 実験(のべ3人)
  • ・ (偏光)板と板を重ねると、光を通さなくなったり、斜めにもう1枚入れると光を通すようになった、干渉の実験。
  • ・ 量子はどういうものなのか、超伝導の利用など。
  • ・ 波の実験
  • ・ 赤い風船は赤い光を反射して、他の色を吸収しているから、赤いレーザーをあてても破裂しないけれど、補色の緑色は吸収するから破裂するってところ。赤く見えるのは赤い風船を反射しているからというのは知っていたけど、クイズの時にまったく思いうかばなかったから、つながっているんだなあと思った。
4) 授業で気になったこと、もっと勉強してみたいことはありますか?※順不同
  • ・ 極小の世界
  • ・ レーザーの応用。医療への科学技術の応用。
  • ・ 超伝導で、最初に電流を流すだけでつき続ける蛍光灯をつくることができるが、気になった。
  • ・ 超伝導が冷やすと抵抗が0になること。
  • ・ ジョセフソン接合の応用について。
  • ・ 量子力学の活用法(のべ3人)
  • ・ 量子学による計算機の開発
  • ・ 量子力学では箱を開ける前までは生きたねこ?と死んだねこが同時に存在しているという話。(のべ2人)
  • ・ 量子力学がこれからの日本にどのようにかかわっていくのか。
  • ・ 死んだウサギと生きているウサギが同時に成立するというのが良く分からず、深く知れればなあと思いました。
  • ・ もう少し量子について知りたい。
  • ・ 量子ビットというものをもう少し勉強してみたい。
  • ・ 電子について。
  • ・ 超伝導について(のべ3人)
  • ・ 超伝導体の方の説明をもっとゆっくり聞きたいと思いました。わかったらもっと楽しそう。(のべ4人)
  • ・ 超伝導がおもしろそうだった。
  • ・ 超伝導のしくみについてもう2度くらい聞いてみたい。
  • ・ 液体→気体のこと
  • ・ わからなかったことがたくさんあって、それについて知りたい。
  • ・ 光の粒が2つの穴を同時に通り抜けるという話が良く分からなかったので、調べてみたいと思った。
  • ・ 前に出てよく見えなかった実験があり、気になった。
  • ・ 後半部分があまりわからなかったので、改めて勉強したい。
  • ・ キュービット結合をもっと勉強したい。
  • ・ 「光の粒を1秒に1個ずつ出しても、干渉線?が出る→その粒は2つの穴を同時に通った。」ってのも不思議ですげえって思った。
  • ・ 光は波であり、粒子でもある。
  • ・ 波長で光の性質が変わり、どんな分野で役立つのかもっと知りたい。
5) この授業を受けて、科学・物理に対するイメージはどのように変わりましたか?※順不同
  • ・ 少しとっつきにくい印象があったが、とても親身に感じられた。
  • ・ 楽しい!!未知の世界
  • ・ 分かりにくいと思っていたが、身近に感じた。
  • ・ 物理分野はまだまだ授業で触れていない部分が多く、かた苦しいイメージがありましたが、親しみやすい実験やパワーポイントによって身近に感じられた。
  • ・ 元々好きだ方であったが、特に超伝導に関しては少し身近に感じることができました。
  • ・ 前は親しみにくかったが、授業後、自分の生活に密接にかかわっているのだと思った。
  • ・ 難しいものだという印象は変わりませんが、実験をしていて不思議なことがおこる理由を説明できるのは楽しい。というか、嬉しいものだと思いました。
  • ・ 何だかかた苦しくてつまらないイメージが、とても楽しく興味深いものになった。(のべ4人)
  • ・ ますます興味がわいた。
  • ・ 少しだけ興味を持った。
  • ・ 難しそうだけど、面白そう。(のべ2人)
  • ・ おもしろいもの。(のべ4人)
  • ・ いろんな実験を交えて講義してもらい、とてもおもしろそうだなと思った。
  • ・ まだまだ解明できない不思議なもの
  • ・ 難しいと思っていたけど、不思議だなと思いました。
  • ・ 物理はひたすら難しい。
  • ・ 結構難しいものだと思った。
  • ・ かなり難しく、堅いイメージがありましたが、やっぱりちょっと難しかったです。
  • ・ 目に見えているものはわかりやすい。
  • ・ 特に変化なし。(イイイメージです)
  • ・ おもしろいので、将来の参考にしようと思った。
  • ・ 聞いたことのあっても、よく分からないことがわかっておもしろかった。
  • ・ 今、授業で速度とかをやっていて、あんまりおもしろくないなあと思っていたけど、今日の量子力学の授業では未知のものが多くて、すごくおもしろいなあと思った。でも、難しいんだなあって思った。
  • ・ 実験を通しておもしろそうだというイメージを持ちましたが、実験以外ではなんか難しそうなイメージを持ちました。
  • ・ 科学の世界にもさまざまな分野があるんだということ。
6) 講演者の話を聞いて、研究者としての将来像はイメージできましたか?また、その授業を受ける前と受けた後とでは、研究職のイメージはどのように変わりましたか?※順不同
  • ・ とても楽しそうに思えた。(のべ7人)
  • ・ 毎日研究ばかりしているのだと思っていたが、楽しそうだった。(のべ3人)
  • ・ 1人でずっとやるもの→みんなで楽しそうにやっていた。(のべ3人)
  • ・ 宇都宮さんが海外や日本を飛び回ったりして楽しいと言っていて、私たちが思っているよりも楽しいものなのではないかと思いました。(のべ2人)
  • ・ 「研究」というと引き込まっているイメージがありましたが、研究によってわかったことが、医療などの様々な場面で生かされていると知って、すごいと思いました!大人になっても学んだり、追求できる研究者はかっこいいと思います。(のべ2人)
  • ・ 調べることがなくならないので楽しい。
  • ・ 自分の調べたいことを追求して、あちこち飛び回るイメージになった。
  • ・ 超伝導について講義をしてくださった吉原さんの研究テーマを聞いたり、宇都宮さんの紹介にあった沖縄での研究会の様子を見たりすることで、研究者って素敵だなあと思いました。
  • ・ 前向きなイメージを持つことができた。
  • ・ 研究者は意外と楽しい。研究職はそんなかたいものではない。
  • ・ 研究室や大学で引きこもり状態になってガリ勉しているのかと思っていたが、実際はもっとオープンにしていることをはじめて知った。(のべ2人)
  • ・ 意外と明るいのだなあと思いました。
  • ・ 前から研究などの方向に進みたいと思っていて、さらに興味がわきました。
  • ・ 沖縄の写真が印象的でおもしろそうだと思った。
  • ・ 楽しそうだと思った。
  • ・ 研究職になるのも、悪くないと思った。
  • ・ 今回の授業を受け、研究者という人も良いなと思いました。
  • ・ できない。自分の好きな分野をつきつめて楽しんでいる。
  • ・ 宇都宮先生が量子力学で、手のひらサイズのスパコンを作るとおっしゃっていて、今までこういう分野は研究とかしかしてなくて、あんまり私たちに関係ないのかなあと思っていたけど、あのデッカイスパコンが手のひらサイズになるなんて夢があるなあと思った。研究職はすこいのかもしれないと思った。
7) この授業を通じて、大学でもっと理科の勉強をしてみたいという興味が湧きましたか?
  • a. はい〔26〕
  • b. いいえ〔1〕
  • c. 分からない〔6〕
8) また機会があれば、このような授業を受けたいと思いますか?
  • a. 是非受けたい〔27〕
  • b. あまり受けたくない〔0〕
  • c. 別の内容なら受けたい〔6〕
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