若手研究者の育成・理科教育への社会貢献(アウトリーチ)
科学技術の進展に強く依存している今日の日本において、多くの若手人材に科学技術分野に目を向けてもらう必要があることは言うまでもありません。エネルギー確保や地球温暖化対応など科学性の強い世界的な重要課題への対応や研究投資などの政策選択に、市民が妥当な選択を行いうるためには、すべての市民が科学技術に対する理解と信頼を持つことが重要です。当プロジェクトでは、特に若手研究者の育成と、出張授業等による直接対話を通した理科教育への社会貢献(アウトリーチ)に力を入れています。
若手研究者の育成
量子情報処理は息の長い研究テーマであり、世界との競争に勝ち切るためには将来を見据えた地道な人材育成が欠かせません。当プロジェクトでは年1回、50 名ほどの大学院生・ポスドクを対象としたサマースクールを実施しています。講義にはじまりポスターディスカッションは深夜まで連日続きます。10日間寝食を共にすることで、分野を跨いだ交流が色濃く深まり、分野内の若手研究者の団結は非常に固くなります。また、関東と関西に学生主体で運営されている研究会(量子情報学生チャプター)が活動しており、大学や研究室の壁を超えた情報、アイデアの交流が活発に行われています。
教育機関との連携を大切にしたアウトリーチ
先端領域で研究に邁進する研究者は、科学技術の魅力にひきつけられて情熱的に研究に没頭しています。その研究者の情熱の息吹を、生徒や市民に向けて直接語りかける、出張授業や公開講座は強いインパクトを持ちうると考えています。教育現場からのフィードバックを第一に、学校教育と相互に補完し合えるよう教員と連携を図りながら、出張授業をはじめ教員向け研修会・サイエンスキャンプなどの様々なアウトリーチ活動を行っています。