SPARC Japanの化学系パートナー誌が 14th Asian Chemical Congress 2011 (14 ACC)(第14回アジア化学会議)に出展し,タイ・バンコクで9月初旬の3日間,ジャーナルプロモーション活動を行いました。
参加誌はSPARC選定誌のAnalytical Sciences(日本分析化学会),Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry(日本農芸化学会),Journal of Bioscience and Bioengineering(日本生物工学会),Journal of Chemical Engineering of Japan(化学工学会),Materials Transactions(日本金属学会),Polymer Journal(高分子学会)の6誌に,Advanced Powder Technology(粉体工学会),Bulletin of the Chemical Society of Japan(日本化学会),Chemistry Letters(日本化学会),The Chemical Record(日本化学会),Trends in Glycoscience and Glycotechnology(FCCA)の5誌を加えた計11誌。
第14回アジア化学会議に併設の Exhibition hall に展示ブースを設け,本会議参加者に日本発の化学系ジャーナル11誌を宣伝しました。全参加誌の詳細情報を掲載したカタログと各誌任意のリーフレットのセット,そして見本誌の配布を中心に,ブース来場者の専門分野などに応じて,各誌の主題・著者名インデックス,パワープッシュ論文,そしてダウンロード数上位論文などを紹介し,各参加誌が扱う分野や実際の掲載内容を,ブース来場者に積極的に印象付けるようにしました。
毎回好評を博しているノベルティのうちわや折鶴のディスプレイだけでなく,複数学会による共同出展というユニークさに足を止める来場者も多くいました。また「Chemistry」という緩い枠組みゆえに実現できた参加誌の対象分野の幅広さに,「この分野の専門誌があるとは知らなかった」「ぜひ投稿したい」など,熱心に見本誌の Aims & Scope に見入ったり,連日ブースを訪れて見本誌を持ち帰ったりする来場者もいました。その一方,ACC の発表プログラムの多くが Organic, Materials, Analytical chemistry に集中していたため,これらを網羅する参加誌に質問が集中することもありましたが,今年から参加誌が11誌に増えたこともあり,参加誌のボリューム感に不満をこぼす来場者はほとんどいませんでした。
今回は,アジア地域における初の出展であったため,ブース来場者にアンケートを実施し,各誌の認知度をはじめ,アジア在住研究者の研究動向の把握や OA(Open Access)ジャーナル投稿に関する意識調査も行いました。約200名の方にご協力いただきましたが,「OA とは何か」と質問されることもしばしばあり,アジア地域の多くでは OA の仕組みが欧米ほど理解されていないこと,ジャーナルの認知度や購読形態が欧米に比べて研究環境の影響をより受けやすいことが容易にうかがえました。
会議には,世界48か国から約1500人の参加がありましたが,そのうちの約9割がアジア地域からの参加者でした。日本からの参加者数は開催国タイに次ぐ多さで318名(ACC 発表)ほどで,「Chemical Societies Japan」というブース看板を見て,わざわざお声がけ下さる日本人研究者もおられました。特にジャーナル編集に携わったことのある先生方からは,今回の宣伝活動を評価いただくとともに,質の高い国際誌として生き残ってゆくことの難しさを切実にお話しいただき,改めて学術誌の宣伝活動の必要性を実感しました。 |