SPARC Japanの化学系パートナー誌が American Chemical Society (ACS) Fall 2011 National Meeting & Exposition(第242回米国化学会秋季大会)に出展し,米国・デンバーで3日間のジャーナルプロモーション活動を行いました。
参加誌はSPARC選定誌のAnalytical Sciences(日本分析化学会),Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry(日本農芸化学会),Journal of Bioscience and Bioengineering(日本生物工学会),Journal of Chemical Engineering of Japan(化学工学会),Materials Transactions(日本金属学会),Polymer Journal(高分子学会)の6誌に,Advanced Powder Technology(粉体工学会),Bulletin of the Chemical Society of Japan(日本化学会),Chemistry Letters(日本化学会),The Chemical Record(日本化学会),Trends in Glycoscience and Glycotechnology(FCCA)の5誌を加えた計11誌。
米国を中心に,メキシコ,ドイツ,フランス,インド,中国,韓国,ナイジェリア等からの学会参加者に,見本誌及びカタログの配布や各誌のパワープッシュ論文の閲覧を通じて,日本発の学術情報誌を紹介しました。来訪者からは,「このジャーナルはとても良い」,「よく読んでいる」,「掲載されたことがある」等好意的な反応から,「英語で書かれているのか」,「所属機関が購読していないので読むことが出来ない」,「無料閲覧できないので引用を諦めた」,「良いジャーナルなのに,何故インパクトファクターが低いのか」等,様々な声を頂きました。博士論文の投稿先を探していると見本誌を持ち帰る人もいれば,機関購読の担当者からは,プリント版はいらないのでオンラインのみの購読は可能かと尋ねられました。研究部会として参加誌と提携したいので担当者の連絡先を知りたいとの申し出には,帰国後のメール対応を約束しました。
ノベルティのうちわや折り鶴に関心を寄せる人も多く,留学先の研究室で同室だった日本人から教えてもらったと,自分で折った作品を持ってくる方や,折り鶴を紹介した記事を持ってブースを再訪された方もいました。日本を留学や仕事で訪れたことがある方々からは,日本の化学分野は素晴らしいと総じて高く評価して頂いた一方で,北米在住の日本人研究者の方からは,日本の存在感が低下しているとのご指摘がありました。若い研究者が海外学会で人脈を作ることの大切さや,日本発のジャーナルが読まれる機会を増やし,海外から引用してもらえるよう,予算をかけて広報活動にもっと力を入れるべき等,中国や米国化学会の取り組みを例に交えながら熱心にお話し下さいました。展示会場に中国やインド系の若い研究者の姿が目立つ一方で,日本人の姿が殆ど見られなかったことに,この方の憂慮が実感されました。
会期前半に東海岸を襲ったハリケーンの影響もあり,参加者は例年に比べて少ないとのことでしたが,海外の研究者の生の声に触れることが出来た貴重な機会となりました。 |