活動について
国際連携
SCOAP3に関するFAQ
SCOAP3について

問1: 「SCOAP3」は何と読むのですか?

「スコープ・スリー」と読みます。
なお,SCOAP3は "Sponsoring Consortium for Open Access Publishing in Particle Physics" の頭文字を取ったものです。

問2: SCOAP3の仕組みについて簡単に教えてください。

SCOAP3は,学術雑誌をオープンアクセス化するための仕組みです。
オープンアクセスにするための費用(出版料)を図書館の購読料から振り替えます。
振り替えた分(拠出額)は,購読料から差し引かれることになります(削減額)。

問3: 投稿料(article processing charge:APC)はどうなりますか?

従来,APCはオープンアクセス化のための著者支払いモデルの中で用いられてきましたが,問2の回答にもありますように,出版料は購読料から振り替えられることになりますので,SCOAP3においてはHEP論文のAPCは不要になります。

問4: SCOAP3は成立しますか?

日本のこの分野における貢献度は国際的にも高く,従って日本からの拠出額が少ない場合,このSCOAP3という事業そのものが途絶する可能性は十分あります。
出版社が主導する形でのオープンアクセスは現在も増え続けていますが,図書館・研究者コミュニティが主導する SCOAP3のような事業(そしてオープンアクセス誌)が増えるか否かはSCOAP3が成功するか否かにかかっていると考えられます。
出版社が主導する形でのオープンアクセスは,APCが高額なまま固定化されてしまうというデメリットがありますので(SCOAP3の事業形式が最適かどうかはともかく)図書館・研究者コミュニティが主導するオープンアクセスも増やしていく必要があると考えております。

問5: APSの対象3誌(「Phy.Rev.C」,「Phy.Rev.D」,「Phy.Rev.Letters」)掲載論文についてはすべてHEP分野とみなされ,ゴールドOAとなるのでしょうか。

いいえ,HEP分野のみオープンアクセスで利用できるようになります。
各タイトルのうち,HEP分野の割合は以下の見込みです。
「Phy.Rev.C」 9%
「Phy.Rev.D」 64%
「Phy.Rev.Letters」 10%
他の分野の論文についてはSCOAP3によるオープンアクセス化からは対象外となります。

問6: SCOAP3対象誌に投稿する場合は,APCは一切発生しないでしょうか?

いいえ,HEP分野以外についてオープンアクセスを希望される場合は,従来どおりAPCの支払いが発生します。

問7: SCOAP3対象誌は過去にさかのぼってオープンアクセスになるのでしょうか。

いいえ,SCOAP3対象誌になった号よりオープンアクセスになります。

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参加について

問8: 今後も毎年,参加・不参加の判断を行うのですか? 途中で参加を取り止めることができますか?

CERN(セルン:欧州原子核研究機構)との間でMoUを締結いたしますので,フェーズ2では2017年から2019年の3年間一定金額を拠出いただくことが必要となります。

問9: フェーズ2(2017-2019年)の途中から参加することはできますか?

途中から参加することも可能です。NIIのSCOAP3事務局(scoap3_office[at]nii.ac.jp)までご相談ください。

問10: フェーズの切り替え時に何らかの変更が生じますか?

対象誌等変更が生じる可能性があります。なお,現行の参加機関が,各機関の意向確認なしに引き続き参加機関として扱われることはありません。

問11: SCOAP3に参加せず,オープンアクセスを享受することを期待するケースもあるかと思いますが,いかがでしょうか?

確かに,自機関の利益(経費節減)に注目し,SCOAP3に参加せず,オープンアクセスの恩恵のみを享受するという判断が行われるケースも考えられます。

しかし,オープンアクセスの実現のためには,出版に係る経費が何らかの方法で確保される必要があります。SCOAP3は,これまで購読してきた機関(その雑誌を必要と認めてきた機関)が,購読料を出版料という形で拠出することで,その雑誌のオープンアクセス化を実現しようとする試みです。その成否は,購読機関の参加如何にかかっていると言えます。

この試みが失敗することは,今後のオープンアクセス化推進の動きそのものを危うくするものとも考えております。

仮に,SCOAP3が成立しておらず,対象ジャーナルが依然として購読型として存続していた場合には,フェーズ1の3年間での増額(2%)では収まらず,他のジャーナルやパッケージ契約の価格と同様に,毎年数%の価格上昇が生じていた可能性が高いと思われます。
HEP分野の論文についてはAPCが発生しない,オープンアクセス化された論文が格段に増えているといった諸点も含めてSCOAP3が果たした効果を評価いただき,参加していただければ幸いです。

大学図書館をはじめとして多くの機関が,購読料負担に苦しんできた,あるいは購読経費が確保できずに購読を断念せざるをえなかった,という数多の経験をしてきており,この試みの意義を十分ご理解いただき,オープンアクセス化への活動をご支援いただけるものと考えております。

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拠出について

問12: 拠出額の支払い時期や方法について教えてください。

CERNからNIIに対して,4〜7月ぐらいに日本全体の請求額が記載されたインボイスが届きます。NIIはCERNに一括して支払いを行った後,参加機関に請求書を発送します。例年,請求書の発送時期は異なりますが,凡そ7〜10月ぐらいを想定してください。

問13: 年会費の期間は4月から3月ですか。

1月から12月となります。

問14: 拠出額の支払いは1年毎になると思いますが,毎年値上される可能性があるのでしょうか?

拠出額はMoUに記載されたものが固定となりますため,少なくとも3年間は値上げはありません。
ただし,拠出額はユーロ建てになると思われますので,そういたしますと為替レートの影響を少なからず受けますので,円ベースで値上げもしくは値下げになることはあります。

問15: SCOAP3の拠出金の会計的な位置づけは何になりますか?

「購読費」ではなく「会費」となります。
請求書の件名にも「会費」と記載しております。

問16: 消費税はどのような扱いになりますか?

拠出金は消費税の対象になりません。リバースチャージも発生しません。

問17: フェーズ2の拠出金額の考え方は?

フェーズ2としてプロジェクトを継続すること,国別拠出額は投稿論文のシェアに基づく比率とすること(フェーズ1と同様)を前提に,日本のように期待拠出額に満たない国はフェーズ1の拠出額の最低2%,できればそれ以上の増額を求めるということが総会で合意されました。

問18: APS購読機関ですが,SCOAP3に参加していません。2018年のAPS購読金額について代理店に確認したところ,すでにディスカウントが適用された額でした。

APSの方で,SCOAP3参加に関わらず,一律にSCOAP3拠出分をディスカウントしています。

問19: APS購読機関です。
SCOAP3に参加する場合,APSのSCOAP3参加により減額された購読料金分は 必ず拠出する必要があるのでしょうか。

はい。そのようにお願いしているところです。
最低参加金額は,購読がなく,購読額をベースに拠出額の算定ができない機関向けに設けた仕組みです。

問20: APS購読機関ですが,拠出額の変更について,可能性はあるでしょうか。

可能性はあります。
フェーズ2のAPS分につきましては,以下の2つの要素が絡んできます。

1)APSタイトル原価の変動

APS分につきましては,他の出版社の分と異なり,タイトル原価の変動の影響を受けます。他の出版社分は当該フェーズ内で拠出額(原価)が固定されますが,APSについては,タイトル原価が変動する可能性があります。

2)為替レートによる変動

また,為替レートの影響も受けます。NIIからCERNにAPS分についてはUSDで拠出額を連絡しますが,CERNからの請求書はユーロに換算されます。更にNIIから参加機関に送付する請求書では円に換算されます。

更に2020年以降のフェーズ3に切り替わるタイミングで変更される可能性があります。

フェーズ2では,日本は期待されている拠出額を全額拠出できていないこともあり,2%増でした(それでも3年間で2%ですので,通常の電子ジャーナルの値上げと比較すると低く抑えられています)。

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その他

問21: SCOAP3についてのFAQのようなサイトがありましたら, お教えください。

SCOAP3のFAQサイト (https://scoap3.org/faqs/) がございます。

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最終更新日: 2018年3月9日