研究シーズ2015情報メディア科学

蛍光解析に基づくシーン理解映像メディアの新たな展開

佐藤 いまりコンテンツ科学研究系 准教授

研究分野コンピュータビジョン/分光解析/質感解析

研究背景・目的

物体表面の色、明るさは照明条件により大きく変化することが知られており、このことが画像処理技術による物体の認識を難しくする大きな要因ともなっています。これに対し、色恒常性の研究分野では、照明の影響を除去し、物体色を推定するための様々なアルゴリズムが提案されてきました。また、画像合成の研究分野では、複雑な光源環境下で物体の見えを正確に生成するための様々な技術が提案されてきています。ここで、物体の見えや色の推定に関わるコンピュータビジョン技術の多くは、対象となる物体表面が反射成分のみにより構成されることを仮定しています。その一方で、私たちの身の回りに目を向けてみると、例えば白紙、塗料、染料、植物など、反射成分のみならず蛍光成分を含む物体が多数存在します。本研究では、実在物体の持つ蛍光特徴に着目し、実物体の反射・蛍光成分の双方を考慮した分光解析技術の開発を進めています。

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図1 蛍光成分を含む物質例:鉱石、バナナの皮、ボール、蛍光塗料を含む紙。左側または上側の画像は自然光のもとで観察される物体の見えを、右側または下側の画像は、紫外光のもとで観察された蛍光発光を示す。

研究内容

実在物体の持つ蛍光特徴に着目し、対象物体の持つ反射成分及び蛍光特性のモデル化を実現し、実物体の持つ豊かな質感の再現を実現しました。また、実物体の持つ蛍光特性に基づくインバースレンダリング技術(実在シーンの観測に基づき物体情報(材質・形状)や照明環境モデルを獲得する技術)の開発に取り組んでいます。

  • 反射・蛍光特性の獲得:少ない計測から効率良く実物体の反射・蛍光特性をモデル化
  • 形状獲得:物体表面の艶や相互反射を回避して、画像のみから詳細な形状を推定
  • 新カラーチャートの提案:単画像から対象シーンの照明条件とカメラの分光特性(色づくりの特性)を推定可能

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産業応用の可能性

  • 反射・蛍光特性に基づく画像解析
  • 実在物体の素材・状態解析
  • 実在物体の分光特性(反射および蛍光)のモデル化と画像生成
研究者の発明
  • 特許第4982844号:投影画像補正システム及び投影画像補正プログラム ほか
連絡先

佐藤 いまり[コンテンツ科学研究系 准教授]
http://research.nii.ac.jp/~imarik/

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