出張授業
長野県立屋代高等学校 2学年
「量子力学―量子情報処理社会の到来と量子制御の時代へ」
平成22年12月3日(金)
- 授業時間
- 13:20-14:20
60分×1コマ
出張授業担当者:
- 工位 武治(大阪市立大学)

授業担当者の感想
SSHでの出張講義と今後の課題
講義の翌々日、担当の清水久樹先生から、「お風呂の水をじーと見て色を確認した生徒が何人かおりました。常識が非常識であることを知ったときの驚きは、大人も子供も同じと感じました。」で始まるメールと、高校側のアンケート結果を送って頂いた。講義は生徒の予備知識なしを前提に、(1)講義前の休憩時間(5ー7分間)に「情報通信革命/量子情報通信」のニュース(NiCTの佐々木雅英さんが登場する)上映、(2)スライド講義(内1分間の光回折実験)で構成しました。また、女子生徒が比較的多いクラスであることを知らされ、彼等をエンカレッジする内容を追加しました。講義は、日常の現象を捉え非日常的な量子の法則で解き明かす手法に拠りました。
(アンケート結果)
①講義の内容はどうでしたか?:大変面白かった(23%)、面白かった(54%)、普通(21%)、それほど(3%)、つまらない(0%)
②内容は理解できましたか?:十分理解できた(0%)、理解できた(13%)、普通(31%)、あまり(49%)、ほとんど(8%)
③、④省略
⑤科学の知識はどうですか?:非常に増えた(23%)、増えた(59%)、変わらない(18%)、減った(0%)、非常に減った(0%)生徒側の総合評価は、「内容が難しく量も豊富で、屋代高校の2年生では難しい講義だった」ようです。他方、「時間が短い、もっと聞きたいという生徒や難解の割には知識が増加したという生徒が多く、量子力学をもっと勉強したいと前向きに捕えている」というのが特徴でした。 今回の講義から科学・技術に親しむ文化を育む教育方法について、示唆を得たような気がします:「今回のご講義でSSHの第Ⅲ期に向けてヒントを頂いた気がします。授業に沿って理解を深めるための講義が主に組まれてきましたが、好奇心を煽る、未体験のゾーンで刺激する、そんな講義をもっと取り入れたら今以上にワクワクドキドキしながら普段の授業ができるような気がしました。」(清水先生)。
[大阪市立大学 工位 武治]

授業風景
フィードバック総回答数:38名
1) 授業の理解
- a. よく理解できた〔0〕
- b. 普通〔25〕
- c. わかりにくかった〔13〕

2) 授業の感想
- a. おもしろかった〔25〕
- b. 普通〔13〕
- c. つまらなかった〔0〕

3) 印象に残ったところは何ですか?※順不同
- ・ 量子力学があらゆるところで使われていること。
- ・ 量子力学から、現代の様々なことが分かってきたということ。
- ・ 量子力学で鳥を操るなど、いろんなものを操れるということ。
- ・ 量子力学によって光を使い暗号化すること。
- ・ 量子力学を用いた通信。
- ・ 電子が波のように動いていること。
- ・ 電子は波である。そして人間も地球も波であるということ。
- ・ 物質は全て波というところ。
- ・ 世界のあらゆる物の本質は波で、人間も地球も波だということ。
- ・ 鳥が量子力学を使って、方角を感知しているところなど。
- ・ 鳥が量子力学を用いて渡ること。
- ・ 鳥がどのように方位を認知しているか。
- ・ 1525年後に地球の極は反転しているという話。
- ・ 渡り鳥が「渡り」をしなくなる。
- ・ 渡り鳥が地磁気を利用しているというところ。
- ・ 渡り鳥についてのやつで、これに関したら人間より鳥のほうが進んでいる生命なんじゃないかと思った。ワトソンとクリックはパクリだったというのは驚きだった。
- ・ 渡り鳥にも量子力学が関係しているところ。
- ・ 渡り鳥のタンパク質、量子力学を用いた暗号。
- ・ 渡り鳥の話はとても印象に残りました。
- ・ 渡り鳥のメカニズム。
- ・ 鳥が方向と地図が常に分かっているというところ。
- ・ 鳥のタンパク質の話。
- ・ 鳥の脳にあるタンパク質のすごさ。
- ・ √2倍勉強すると2倍になること。
- ・ 1.1or√2倍の努力をすること。
- ・ DNAの二重らせん構造を最初の人は女性だったこと。
- ・ DNAの二重らせんを一番最初に発見したのは、本当は女の学者さんだったこと。
- ・ DNAの発見、実はワトソンとクリックではなかったこと。
- ・ DNAの発見が別の女性のものだったこと。
- ・ DNAの話。
- ・ ロザリンド・フランクソンさんの話。全ての物質は波であるという説。渡り鳥の話。
- ・ ロザリンド・フランクソンという女性の活躍。ワトソンとクリックはひどいと思った。鳥はどうなるのだろうと思った。
- ・ 一般の女の人がとった普通の写真ですごいことが分かったことを知り、驚きます。
- ・ 鏡に映った姿は、老いた姿だったということにとても驚き印象に残っています。
- ・ 水の色が緑色だということ。
- ・ 水の色は青だということ。家で確認してみたいと思った。
- ・ 先生の話し方が大阪なまりだったこと。
4) 授業で気になったこと、もっと勉強してみたいことはありますか?※順不同
- ・ 量子暗号のあれこれ。
- ・ 量子と動物との関係。
- ・ 量子配置について。
- ・ 量子力学暗号。
- ・ 量子力学と渡り鳥の関係。
- ・ 量子力学について、もっと細かいところまで学びたい。
- ・ 量子力学について触れてみたい。
- ・ 量子力学の基礎から。
- ・ 身近な物と量子力学の関係性をもっと知りたい。
- ・ 時間があれば、量子力学について何か学びたいと思いました。
- ・ 全般的に量子そのものを学びたい。
- ・ 暗号化
- ・ ビデオで見た素数による暗号。
- ・ 原子の構造、量子ジャンプについてもっと勉強してみたい。
- ・ 原子のことを大学でもっと詳しく勉強したいと思いました。
- ・ 波の干渉による光の粒子のこと。
- ・ 電子は「波」であるのか「粒子」であるのか、またその両方なのか。
- ・ 鳥のタンパク質の研究。量子暗号。
- ・ タンパク質の働き。
- ・ 鳥のタンパク質について、もっと聞きたかったです。
- ・ 鳥の目?のタンパク質のことをもっと勉強してみたいと思った。
- ・ 鳥は磁気がなくても飛べるかということ。
- ・ 1525年後に渡り鳥がどんな進化をするのか興味を持った。
- ・ 渡り鳥。
- ・ 渡り鳥のメカニズム。
- ・ 太陽光を浴びることによって健康になるといっていて、光について気になった。
- ・ 今日のお話で省略したところも聞いてみたいです。
- ・ もっといろんなことについて知りたい!!
- ・ もっと勉強して、話がもっとよく理解できるようになって、また話を聞いてみたいと思いました。
- ・ 「操る」ということに関連したことに興味を持ちました。
- ・ 鏡の中のアリスはどうやって生き延びたのか。
- ・ 色の見え方。
- ・ なし。
5) この授業を受けて、科学・物理に対するイメージはどのように変わりましたか?※順不同
- ・ 今の技術は自分の想像を超えたところにあることを知った。
- ・ 今まで、光とか興味がなかったが、深く知りたくなった。
- ・ いままでの力学とはかなり異なった現象があって、大きく世界が変わったかもしれない。
- ・ イメージがとても広がった。
- ・ いろんなことが分かってくると私たちの生活まで変わるかもしれないんだなと思った。
- ・ 奥がとても深い。
- ・ 科学、物理をより身近なものに感じた。
- ・ 科学や物理も人が作ったもので、その人物についてもっと知れば親しみやすいと思った。
- ・ 研究のとき、化学も物理も生物も関わってくるので、全部大切なんだなと思った。
- ・ 現代の社会と密接に関わっている。
- ・ 高度すぎるけれど、意外と身近にあるものなのだなと。
- ・ このような科学の世界があることを知り、すごいと思った。
- ・ 様々な分野の知識が必要になることが分かりました。
- ・ 自分の知らない科学のことがたくさんあって、イメージが大きく変わりました。
- ・ 生活に身近に存在する面白い分野。
- ・ 生活に役に立つものである。
- ・ 世界には、まだ知らないたくさんのことがあって、それらを研究していけるすごい学問であると分かった。
- ・ 世界を変えてしまうような、偉大な分野があると知り、すごいと思った。
- ・ 世界を変えようとしている量子力学の世界はすごいし、更に詳しく知りたいと思いました。
- ・ ちょっと難しくて理解できない部分もあって科学は奥が深いと思いました。
- ・ とても難しいけれど、もっと知りたいと思いました。
- ・ とても難しいものだ。
- ・ 難解なことをする、することができる学問であると改めて認識。
- ・ 日常生活の中にも、たくさん科学や物理の分野があるんだなと思った。
- ・ 一つの発見が、世界を動かせる大きな力を持っている。
- ・ 物理、化学、生物はつながっていると思いました。
- ・ まだまだ知らないことがたくさんあると思いました。
- ・ 身近に感じた。
- ・ 難しいイメージがある。
- ・ 難しいイメージがついた。
- ・ もっともっと勉強したいと感じました。
- ・ 世の中のいろんな出来事が説明できるもので、私たちの生活にも関わりがあるものだと思った。
- ・ 量子学は前、本で読んですごい考え方だなと思っていたけど、身近になりつつあるのを聞いて、面白そうだと思った。
- ・ 量子力学は身の回りに存在している。
- ・ あまり変わらなかった。 *2名
6) 講演者の話を聞いて、研究者としての将来像はイメージできましたか?また、その授業を受ける前と受けた後とでは、研究職のイメージはどのように変わりましたか?※順不同
- ・ 面白そうだと思ったが、何も無いところから見つけ出すのは相当難しそうだと思った。
- ・ 研究者でも完全に証明できず自分の論文に不満を持つことがあるんだと思いました。
- ・ 研究者となるつもりはあんまり無いし、イメージも変わらない。
- ・ 研究職といっても広い分野で活躍できるのだと思った。
- ・ 研究職は自分の好きな研究ができ、とてもいい仕事だと思いました。
- ・ 研究職は世界を変えられるからすごいと思った。
- ・ 研究職は世界をまたにかける仕事だと思った。
- ・ 研究職は楽しそうで飽きなそうだし、自分の知りたいことを突き詰められるものだと思った。
- ・ 研究所にずっとこもって、ちょっと暗いイメージがありましたが、講演を聴いていて、世界を相手に戦っているすごい人というイメージになりました。
- ・ 研究する人はすごいと思う。
- ・ 研究によって、新しい分野を開拓することは面白いことだと思いました。
- ・ 研究は、難しいことを黙々とやるイメージだったが、自分の知りたいことを追求することは良いと思った。
- ・ 実際の社会に研究を応用させることによって、その効果をみているんだなと思いました。
- ・ 自分が研究者になったら、量子力学に負けないくらいの世界に影響を与えるような人になりたい。
- ・ 自分がやりたいことを真剣に突き詰めていくという、とても素晴らしい職種だと思った。
- ・ 自分は将来、量子力学の研究をするか分からないが研究をしたい気持ちは大きくなりました。
- ・ 地味なイメージ→世界を変える輝かしい職業。
- ・ 将来像が変わらなかったが、仮説はいろいろ立て方があると思った。
- ・ すごい知識量を持っている。
- ・ できた。あらゆる視点から考えるので様々な知識が必要なんだと思った。
- ・ 何か一つのことをやるのではなく、幅広い分野で考えていくんだと思った。
- ・ もし研究者になるとしたら、量子力学の分野もやってみたいと思った。
- ・ もっと勉強しなければいけないと感じた。
- ・ 量子学は難しいけど、とても惹きつけられる学問だなと感じました。
- ・ 量子力学そのものがあまりよく分かっていなかったけれど、研究職が追求するものはすごい大きいなと思った。
- ・ 量子力学による、新しい暗号化システムがすごいと思った。
- ・ 量子力学の研究も面白そうだと思った。
- ・ 量子力学はこれから、とても重要になってくると思いました。あまり量子力学は知らなかったんですが、授業を受けて少し知識を得ることができ、さらに知りたいと思いました。
- ・ 量子力学は難しすぎて、全然身近に感じていなかったけど、花火など自分の身近なところにも関連するものがあったので、身近なイメージになった。
- ・ 論文を英語で書くのは当たり前と聞いて、専門的な内容と並行して、英語ももっと学ぶべきだと思いました。
- ・ 大差は無いと思う。
- ・ あまり変わりませんでした。
- ・ よく分からなかった。 *4名
7) この授業を通じて、大学でもっと理科の勉強をしてみたいという興味が湧きましたか?
- a. はい〔29〕
- b. いいえ〔0〕
- c. 分からない〔9〕

8) また機会があれば、このような授業を受けたいと思いますか?
- a. 是非受けたい〔33〕
- b. あまり受けたくない〔0〕
- c. 別の内容なら受けたい〔5〕

