出張授業
早稲田大学本庄高等学院 3年生
「進学準備セミナー~量子力学、時間標準を通して~」
平成23年2月23日(水)
- 授業時間
- 13:40-15:10
90分×1コマ
出張授業担当者:
- 蜂須 英和(情報通信研究機構)
- 志賀 信泰(情報通信研究機構)

授業担当者の感想
理工学部進学予定のSSH高校生に対する出張授業
大学進学が決まった理系の高校3年生、理科の先生方に対して、「どのような現象が量子力学で説明できるか、またその理論が実際の生活の中にどのように応用され、生活に役立っているのか」をテーマに、90分の講義を行いました。
生活に密着した話題である「時間・周波数標準」をイントロに「原子時計」の話につなげ、さらに量子力学を用いたアドバンストな話として「原子のレーザー冷却技術」についてスライドを用いて紹介しました。途中、今回の授業のキーワードである「分光」の概念を説明するために数種類の色の風船をレーザー光で割るという実験デモを行いました。
好奇心を持った生徒さんが多く、積極的に授業に参加していただけました。授業後のアンケートでは、「今まで授業を受けていて、遠い世界の話だと思っていたようなことが、とても身近に感じられた」「量子力学、時間、レーザー冷却、原子などについて大学でもっと勉強、研究したくなった」という内容のコメントをいただくことができ、授業内容は難しすぎず、かつ大学での学習意欲を刺激するような内容も盛り込むことができたようです。今回の授業の目的が果たせたのではないかと思っています。
アンケートの「研究職のイメージ」を問う質問に対しては、「実際に研究職に就かれている方のお話をきいて、より具体的にイメージできるようになりました。研究職楽しそうだなと思いました。」というように、「面白そう」「楽しそう」「かっこいい」という言葉が多く(のべ13名)見られました。若者の理系離れが問題となっています。私たちのような現役の研究者が彼らに研究の面白さや楽しさを伝えることは、この問題を解決する一つの特効薬となるとともに、私たち研究者はこの問題を解決する重要な役割を担っているのだと今回の出張授業を通して実感しました。
[JSTさきがけ、情報通信研究機構 志賀信泰、情報通信研究機構 蜂須英和]

授業風景
フィードバック総回答数:32名
1) 授業の理解
- a. よく理解できた〔13〕
- b. 普通〔19〕
- c. わかりにくかった〔0〕
- d. 無回答〔0〕

2) 授業の感想
- a. おもしろかった〔25〕
- b. 普通〔7〕
- c. つまらなかった〔0〕
- d. 無回答〔0〕

3) 印象に残ったところは何ですか?※順不同
- ・ レーザーで風船を割る実験 。(のべ16人)
- ・ 原子を集めた。
- ・ 6方向からのレーザーで減速させるところ。
- ・ 東京都小金井市。(のべ2名)
- ・ 原子時計の精密さ。
- ・ チーズの消費量の予想。
- ・ 原子を冷却していた所。
- ・ 明石に天文台がないこと。(のべ2名)
- ・ レーザーの効果。
- ・ 原子を減速させられるということ。
- ・ レーザーで原子の冷却。(のべ2名)
- ・ レーザーで原子の動きを止めたこと。
- ・ 原子時計とドップラー効果。
- ・ ドップラー効果で原子をとらえること。
- ・ 三方向の光で格子を作り、その間に原子を閉じ込めていたこと。
- ・ レーザーで原子の速度を減速させるという話。光の波の腹に原子が集まると言う話。
- ・ 光(レーザー)で温度を上げるだけでなく、下げられるところ。
4) 授業で気になったこと、もっと勉強してみたいことはありますか?※順不同
- ・ 何故、この方法だと、正確性が2~3桁も変わるのか?(のべ2名)
- ・ 減速・ドップラー冷却について。(のべ7名)
- ・ レーザー光を応用した研究。
- ・ レーザー光で原子を冷却すること。
- ・ 原子について興味を持った。(のべ2名)
- ・ 波長でいろいろ変わると知り、ふかいと思った。
- ・ 今回の授業内容を全体的に深く勉強したい。
- ・ 量子力学について詳しく勉強、研究してみたいと思った。(のべ4名)
- ・ 時間について。
- ・ 自分は基礎があやふやだったので、そこを勉強したい。(のべ3名)
- ・ 光の波の腹に原子が集まる?と言う話。
- ・ 全体的にもう少し詳しいことも学びたいと思いました。
- ・ 専門的な事もやってみたい。
- ・ 光の色について。
- ・ 補色と熱の関係。
- ・ 風船は面白かった。
- ・ 特になし
5) この授業を受けて、科学・物理に対するイメージはどのように変わりましたか?※順不同
- ・ 精密
- ・ 変わらない。
- ・ 科学の重要性に気付いた。
- ・ 大人な感じ。
- ・ 科学や物理などの各分野が密接にかかわってくることが分かった。
- ・ 授業で聞く勉強とは違って、答えを自らが求めるものだと分かった。
- ・ 科学・物理はやっぱりすごい。
- ・ 時計と原子に密接な関係があるんだなと思った。
- ・ 専門的だと思った。
- ・ 大学生活でついていけるか不安。むずかしいと思う。
- ・ 専門的に研究してるなと思う。
- ・ ミクロの世界が重要である。
- ・ 難しいので、理解しにくいなあと感じた。
- ・ ちゃんと使える技術だとわかった。
- ・ 量子力学についての理解が深まった。
- ・ これまでより親しみやすく、身近なものとなった。
- ・ 難しいけれど、改めて面白いものだと思いました。
- ・ 楽しんでできるものだと思った。
- ・ 量子力学の世界はとても難しいと思った。
- ・ 大学でもっと詳しく勉強したくなった。
- ・ 複雑だけど、理解できれば楽しい。
- ・ 思ったよりレベルが高いと思った。
- ・ 勉強したくなった。
- ・ 原子時計のように、日常生活にある実用的な例を聞いたので、科学、物理をより身近に感じました。
- ・ 特に変化なし。(のべ2名)
- ・ 目に良く見えないものを想像するのは難しく、分かりづらいと思った。
- ・ 自分が考えていたよりも、研究のすそ野が広いように感じられた。
- ・ 実際にどのような所で使われているかを見たことによって、より学びたいと思った。
- ・ 今まで授業を受けていて、遠い世界の話だと思っていたようなことが、とても身近に感じられた。
6) 講演者の話を聞いて、研究者としての将来像はイメージできましたか?また、その授業を受ける前と受けた後とでは、研究職のイメージはどのように変わりましたか?※順不同
- ・ 楽しそう。
- ・ イメージできない。変わらない。
- ・ 出来ました。かっこいいと思った。
- ・ 研究職って大人な感じ。
- ・ 興味深い。
- ・ かっこいいと思った。
- ・ 研究する楽しみが少し分かった。
- ・ 思ったよりラフと言うか自由と言うか、そんな感じがした。自分にも何か熱心に研究できることが見つかればいいなと思った。
- ・ まだわからない。
- ・ 大変そう。
- ・ 研究職は答えを自ら導き出すので、面白そう。
- ・ 研究の分野によっては面白そう。
- ・ 不安はあるが、少しイメージできた。
- ・ 具体的なイメージはわかないが、研究職への期待が高まった。
- ・ 大変面白い職だと思った。
- ・ 難しくて出来ませんでした。とても難しい職業だと思いました。
- ・ 楽しんで研究できるなら、是非やってみたい。それで世の中の役に立てるならなおさら。
- ・ 研究職は常に研究で大変なのかと思ったが、この授業を受けて面白い研究もできる仕事なんだなと思った。
- ・ 研究職はとても楽しそうだと思った。
- ・ 研究職は自ら問題を発見し、解決するので奥が深いと思った。
- ・ 自分のやりたい事を好きなだけやれる環境に行けることを良い機会だと考え、一生懸命勉強しようと思った。
- ・ 特に変わらなかった。(のべ2名)
- ・ 何か発明したくなった。
- ・ 自分の興味のある分野の研究職につくことがとても理想的だと思いました。
- ・ 自らを問い続ける姿勢が重要だと分かった。
- ・ 研究者でも大学時代にすごく勉強しなくても良いことがわかった。
- ・ 特に変わらない。
- ・ 将来像のイメージはあまりできませんでしたが、研究の対象というのは想像していた以上に様々なものがあると言うことを知りました。
- ・ 実際に研究職に就かれている方のお話をきいて、より具体的にイメージできるようになりました。研究職楽しそうだなと思いました。
7) この授業を通じて、大学でもっと理科の勉強をしてみたいという興味が湧きましたか?
- a. はい〔30〕
- b. いいえ〔2〕
- c. 分からない〔0〕

8) また機会があれば、このような授業を受けたいと思いますか?
- a. 是非受けたい〔26〕
- b. あまり受けたくない〔1〕
- c. 別の内容なら受けたい〔5〕

