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Open Archives Initiative Object Reuse and Exchange |
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オープン・アーカイブズ・イニシアティブのオブジェクトの再利用と交換(OAI-ORE)プロジェクトは、Webリソースの集合体を記述、交換するための標準を定義する。本文書は、OAI-OREのコンテキストにおいて対象となる事項を記述し、これらの間の関係を表現するために必要な用語と語彙を解説する。本仕様書は、OAI-ORE仕様書およびユーザガイドを構成する文書の1つである。
本文書の目的は、OAI-OREのコンテキストで使用される概念を記述し、これらの概念を機械が理解可能な形で矛盾なく実装するために必要な技術的語彙を詳細に記述することである。
ガイドラインでは、OREモデルに特定しない基本的な用語についてはできるだけ既存の語彙を再利用することを原則とした。そのため、本文書で取り上げる事項の多くは他の情報源から採用した。詳細については参考文献を見ていただきたい。特に、ダブリンコア・メタデータ・イニシアティブ [DCMI] とRDF(Resource Description Framework) [RDF] は中心となる定義を数多く提供している。
一連の仕様書がこの分野における過去・未来の作業と調和するように、できるだけWorld Wide Web [Web Architecture] のアーキテクチャおよび用語に従った。
必要とされる語彙には主に次の4種類がある。
OREのコンテキストにおけるオブジェクトを記述するために必要な、または望ましい概念に利用できる語彙は既に数多く重複して存在するので、以下では、OAI-OREデータモデルを実装するために必要な中心的な語彙のみを記述する。本文書では、主にリソースマップと集合体に焦点を絞る。これらはOREのコンテキストにおける中心的なオブジェクトであるからである。各ドメイン固有の語彙は、対象のコミュニティにより作成されるべきである。そして、使用と実装を通じて形成される合意に基づいて、各ドメイン共通の用語や勧告が将来本文書や関連するベストプラクティス文書に組み込まれることになるだろう。したがって、現段階において本文書は基本的な用語のみを含める。
本文書におけるキーワード「しなければならない(MUST)」「してはいけない(MUST NOT)」「必須とする(REQUIRED)」「とする(SHALL)」「とはしない(SHALL NOT)」「べきである(SHOULD)」「べきでない(SHOULD NOT)」「推奨する(RECOMMENDED)」「できる(MAY)」「オプションである(OPTIONAL)」は、RFC 2119 [IETF RFC 2119] に記述されているように解釈されるものとする。
本仕様書では、次の名前空間とそれを示すプリフィックスを使用する。
プリフィックス | 名前空間URI | 記述 |
---|---|---|
dc |
http://purl.org/dc/elements/1.1/ |
ダブリンコア要素 [DC Elements] |
dcterms |
http://purl.org/dc/terms/ |
ダブリンコア用語 [DC Terms] |
dcmitype |
http://purl.org/dc/dcmitype/ |
ダブリンコア型 [DC Types] |
ore |
http://www.openarchives.org/ore/terms/ |
ORE語彙用語 |
rdf |
http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns# |
RDF語彙用語 [RDF Vocabulary] |
rdfg |
http://www.w3.org/2004/03/trix/rdfg-1/ |
名前付きRDFグラフ語彙 [RDFG] |
rdfs |
http://www.w3.org/2001/01/rdf-schema# |
RDFスキーマ語彙 [RDF Vocabulary] |
実体の必要不可欠な属性。これらは関係として表現することができるが、通常、その関係の目的語は別のリソースではなくリテラルである。
URI-R dc:creator "mailto:azaroth@liverpool.ac.uk" URI-R dc:creator "Rob Sanderson"
URI-R dcterms:created "2007-10-11T11:30:00Z"
URI-R dcterms:modified "2007-10-12T14:00:00Z"
URI-R dc:rights http://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/2.5/ URI-R dc:rights "This resource map is free for non-commercial use"
ORE語彙仕様書は、OREデータモデルに欠かせない型付けのみを記述する。そのような全ての型付けは上で定義したORE実体と rdf:type
関係を使用する。将来の仕様書ではORE固有の型以外の型の勧告を含むことになるだろう。
URI-R rdf:type ore:ResourceMap URI-A rdf:type ore:Aggregation
URI-R#aggregation ore:aggregates URI-AR-1
URI-AR-1 ore:isAggregatedBy URI-R-2#aggregation
URI-R ore:describes URI-R#aggregation
この関係の主語は集合体でなければならない。この集合体はOREのコンテキストではこの関係の目的語の表現であると考えられるべきである。なぜなら、それは広義にはそのリソースと同等なものだからである。たとえば、集合体が全体としてDOIが付与された1つの雑誌論文を形成する複数のリソースからなる場合がある。集合体はDOIが付与されるた論文ではないが、ある意味その代理物である。
意味的には、この関係は owl:sameAs と rdfs:seeAlso の間に位置する。owl:sameAs は主語と目的語が他の関係においても交換可能であるという属性を持つ。したがって、集合体の作成時間とそれに相当する論文の作成時間が異なる場合に使用するのは適当でない。一方、rdfs:seeAlso は「主語に関する追加情報を提供するかもしれないリソースを指定する」(強調は本文書が追加)ものであり、ここでの目的とする関係にとっては弱すぎる。
URI-R#aggregation ore:analogousTo info:doi/10.1045/february-2006-smith
URI-R rdf:type ore:ResourceMap
他にも多くの語彙が存在し、ドメインに有益な用語を含んでいる。集合リソースを包括的に記述するためには、他の語彙の使用が必要になることはほぼ確実である。たとえば、本語彙文書では、OAI-ORE固有のクラス以外は、rdf:type を使ったセマンティックな型付けのためのクラスを規定も推奨もしていない。その代わり、関心を持つコミュニティがプロファイル文書を作成し、コミュニティの要件を正確に満たすために本文書で規定した語彙と合わせて使用されるべき属性、関係、クラスを指定することを推奨する。
本文書は、オープン・アーカイブ・イニシアティブの成果です。OAIオブジェクトの再利用と交換プロジェクトへは、アンドリュー・M・メロン財団、Microsoft社、全米科学財団から資金をご提供いただいています。さらに、ネットワーク情報連合からもご支援をいただいています。
本文書は、OAI-ORE技術委員会(ORE-TC)の会議に基づいています。会議にはOAI-OREリエゾングループ(ORE-LG)も参加しています。ORE-TCの委員は、次のとおりです。Chris Bizer(ベルリン自由大学)、Les Carr(サウサンプトン大学)、Tim DiLauro(ジョンホプキンス大学)、Leigh Dodds(Ingenta)、David Fulker(UCAR)、Tony Hammond(Nature出版グループ)、Pete Johnston(Eduserv財団)、Richard Jones(インペリアル・カレッジ)、Peter Murray(OhioLINK)、Michael Nelson(オールドドミニオン大学)、Ray Plante(NCSAおよび国立仮想天文台)、Rob Sanderson(リバプール大学)、Simeon Warner(コーネル大学)、Jeff Young(OCLC)。ORE-LGの委員は次のとおりである。Leonardo Candela(DRIVER)、Tim Cole(DLF AquiferおよびUIUC図書館)、Julie Allinson(JISC)、Jane Hunter(DEST)、Savas Parastatidis(Microsoft)、Sandy Payette(Fedora Commons)、Thomas Place(DAREおよびティルブルグ大学)、Andy Powell(DCMI)、Robert Tansley(Google, Inc.およびDSpace)
また、OAI-ORE諮問委員会(ORE-AC)のご意見にも感謝いたします。
本文書は、Creative Commons Attribution-Noncommercial-Share Alike 3.0 Unported Licenseによりライセンスされている。