情報に関する学術研究すなわち情報学の研究は、これを基礎理論から社会的応用に至るまで総合的に行うことにより、情報に関する統一的で体系的な理解を可能とするものである。情報に関する概念、手法及び技術は、すべての学問分野に活用でき、学際的・国際的な研究体制の下で情報学研究を進めることにより、学問全般の発展に貢献することができる。
他方、学術研究の推進上必要とされる学術情報基盤は、ネットワーク、コンテンツ及びアプリケーションのすべての面において極めて高い先端性を備えたものであることが求められる。これは、情報学研究の成果を速やかに学術情報基盤の整備・充実に反映させることによって実現し得るものである。情報研究の将来を考えるとき、これら両面の活動を、いわば車の両輪のように一体的に推進することが重要である。
さらに、情報に関する研究及び開発の成果は、学術研究面のほか、社会生活、経済活動等、ほとんどすべての領域に活用することができるだけでなく、計算機の高速化と通信の広域化により、様々な領域において惹起される複雑な諸問題の解決に大きく寄与する。このように、情報に関する学問は、産業・経済の拡大や多様性を生み出し、国力を担う重要な基盤の一つとなるとともに、国民生活や文化の向上に大きく貢献する。一方、情報に関しては、プライバシーの保護やセキュリティの確保等、社会全体として取り組むべき課題が多い。
情報学研究は特に学際的な性格が強いため、基礎から応用まで幅広い視野で情報学研究を推進する研究組織を強化するとともに、研究分野を越えて研究者が交流し、研究情報を交換していく場を提供することが望まれる。このような場で、研究者の先進的な創意工夫を刺激し、意欲的な研究へと発展させていく仕組みが必要である。
以上のような学問的意義及び社会的要請に適切に対処するためには、現況にかんがみ、学術情報センターを母体として、情報に関する学術研究の核となる研究機関を速やかに設立し、他の研究機関との連携の下で、我が国全体の情報学研究の飛躍的推進を図ることが最も肝要である。
(1)情報分野における学術性の高い研究の広範かつ長期的な維持・発展を目的として、基礎から応用にわたり、理論から実用化に至る研究を一体として行うために、学術情報センターを改組・拡充して新たに情報研究の中核的研究機関を設置する。
(2)本研究機関においては、情報学研究を総合的・学際的・国際的に行うことにより、学術研究を推進する強力な手段を提供し、学問全般の発展に寄与するものとする。
(3)情報学の飛躍的発展に資するため、研究体制の整備に当たっては、国際貢献及び国際社会への発信、開放性及び機動性に配慮した研究者の任用等による開かれた組織づくり、研究成果の社会における活用等を重視する。
(4)中核的研究機関としての役割を果たすために、官民協力によるプロジェクト型共同研究の推進、国際的研究活動の推進、大学院との連携等を踏まえた研究体制を構築する。
(5)学術情報ネットワークの構築・運用及びその国際的展開、学術情報データベースの形成・提供や大学図書館職員等に対する教育・研修の充実に努めることにより、我が国の学術情報基盤の強化に貢献する。
(1)名称
「国立情報学研究所」(仮称)とする。
(2)設置形態
大学共同利用機関として設置する。
(3)設置目的
情報に関する総合的な研究及び開発並びに学術情報基盤の開発・整備及び学術情報の活用に係る業務を行うとともに、情報分野の専門家の育成に貢献することを目的とする。
(4)設置時期
平成12年度に設置することが望ましい。
(5)組織
本研究機関が情報研究の中核的研究機関としての機能を果たすために必要な組織は、次のとおりである。(組織図については、別紙参照。)
なお、組織の名称はすべて仮称である。
1)研究組織
研究分野及び研究手法に応じて7つの研究系を置く。
また、研究施設として、実証研究センター及び情報学資源研究センターを置く。実証研究センターにおいては、先端的研究の成果を社会に適用可能な段階にまで展開するための研究開発を行う。情報学資源研究センターにおいては、情報学研究に必要な資源を開発・収集するとともに、それを活用するための研究開発を行う。
研究系及び研究施設に客員部門を設け、内外の優れた研究者を招いて共同研究を行う。
2)事業組織
学術情報基盤の構築・運用、大学図書館及び学会等との連携・協力等、システム開発及びその運用に関連する業務を研究組織との連携の下に行う開発・事業部を置き、学術情報センターが実施してきた事業のうち学術情報基盤整備に関するものを継承し、発展させる。
3)事務組織
研究開発の高度化に対応して複雑化する事務を迅速かつ適切に処理し、共同研究プロジェクトや国際的研究活動を積極的に支援するために、管理部及び国際・研究協力部を置く。
4)その他
評議員(所外の学識経験者)及び運営協議員(所内及び所外の研究者)を置き、全国の大学及び関係研究者の意向を本研究機関の運営及び事業に反映させる。また、広く情報学及び学術情報基盤に関する諸問題について有識者の意見を聞くために、参与会を置く。
本研究機関における研究開発及び事業を評価するために、所内及び所外の学識経験者から成る評価委員会を置く。
(6)施設・設備
学術情報センターの既存の施設・設備を継承し、所要の拡充・整備を図る。
(1)研究機関内の連絡調整
研究系・研究部門間の連携を緊密に保ち、学際的研究に積極的に取り組むことにより、社会の動向に対応した研究開発の推進を図る。特に、客員部門を柔軟に運用し、内外の研究機関との協力の下で研究系を横断した研究活動を行うことにより、研究体制の開放性及び機動性を確保する。
また、研究組織と事業組織との密接な連携・協力を通じて研究者が学術情報基盤の整備に参画できる体制を構築する。
(2)外部機関との連携
情報分野の研究者に開かれた交流・協力の場としての役割を果たすために、大学並びに他省庁及び民間の研究機関との間で共同研究・共同利用を積極的に推進する。
また、海外の関連研究機関と協力し、国際共同研究を企画・実施するとともに、国際的標準化活動への貢献に努力する。
(3)人材養成
大学院との連携や大学院組織の設置等により大学院学生等を幅広く受け入れて教育・研究指導を行うとともに、専門家に対しても知識更新の機会を提供する。
また、公募制や任期制を活かした常勤研究者の任用や、日本学術振興会特別研究員、リサーチ・アシスタント等の制度の積極的な活用により、若手研究者に研究の場を提供する。さらに、研究支援者・研究補助者の確保に努力する。
情報学の基礎をなす理論の研究を多面的に展開し、情報学の体系化に寄与するとともに、本研究所で行われる各種研究に対して形式的理論体系を提供することを目的とする。
部 門 名 | 研 究 内 容 |
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計算理論研究部門 | 計算のモデル化に関する研究を行うとともに、プログラミングの基礎理論、情報論理学、計算学習理論等、各種情報処理の基礎理論の計算論的観点からの研究を行う。 |
アルゴリズム基礎研究部門 | 計算の複雑性の研究、並列アルゴリズム等の効率的なアルゴリズムの設計に関する研究、近似アルゴリズムの設計に関する研究を行う。 |
情報数理研究部門 | 情報の数量化と数量解析に関する研究、確率過程の数理、非線形及び複雑系の研究等、情報科学の基礎理論に関する研究を行う。 |
記号科学研究部門 | 情報コミュニケーションにおける記号の位置付けに関する研究、多様な自然言語、画像、音声等の媒体に認められる記号レベルの構造と体系に関する研究を行う。 |
認知科学研究部門 | 人間の認知的な特性に着目し、記憶、意識、思考等の営みにおける情報処理のメカニズムを心理学や神経科学の観点から研究し、その体系化を目指す。 |
数値計算研究部門(客員) | 各種方程式や乱数生成等の数値解法に関する研究、スーパーコンピュータを用いた高速数値計算のアルゴリズムの研究を行う。 |
情報理論研究部門(客員) | 確率及びエントロピ等の概念を用いた情報の数量化とその情報圧縮やモデル選択等の情報処理への利用に関する研究を行う。 |
次世代計算モデル研究部門(客員) | 量子コンピュータや分子コンピュータ等の次世代の計算機の計算モデルの特性の解明とその実現法に関する研究を行う。 |
発見科学研究部門(客員) | 発見という知的プロセスの科学的な解明、発見プロセスのアルゴリズム化、発見システムの構築に関する研究を行う。 |
メディア論研究部門(客員) | 情報伝達及び記号伝播のための物理的及び表象的媒体としてのメディアを巡る、構造的、社会的、歴史的諸側面の研究と、メディアレベルでの変化が情報及び記号に及ぼす影響の研究を行う。 |
生命情報科学研究部門(客員) | 生物の情報処理・伝達システムを情報学及び生物学の両面から分析しそのメカニズムを解明するとともに、情報学の新しいパラダイムを切り開くための理論体系の構築を行う。 |
計算機システム及びネットワークの構成法に関する基礎的及び応用的な研究を行うことにより、最先端の技術を追求し、高性能かつ高機能な情報基盤の実現を目指す。
部 門 名 | 研 究 内 容 |
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計算機アーキテクチャ研究部門 | 計算機システムを構成するCPU(中央処理装置)、記憶システム、入出力方式等の構成要素の高機能・高性能化の技術を研究し、計算機システムの新しい姿を探求する。 |
ネットワークアーキテクチャ研究部門 | ネットワークを構築する際に必要となる通信プロトコル体系、ネットワーク制御方式、トラフィック理論、性能評価等に関する研究を行う。 |
高機能ネットワーク研究部門 | 情報ネットワークに求められる種々のサービス機能の実現を目的として、通信方式、ノード構成技術、サーバ構成技術、先進的なネットワークアプリケーション構築等の研究を行う。 |
情報流通基盤研究部門 | 国際的な情報流通社会において必要となる基盤技術の確立を目的とし、アドレス等の基盤的な情報資源管理、情報セキュリティ、利用者認証、履歴管理、情報の隠蔽と選択等の技術的課題について研究する。 |
超高速・超並列計算機研究部門(客員) | 通常の計算機では実行不可能な大規模な情報処理を可能にするため、並列計算機や計算機クラスタのシステム構成、高速・並列実行方式等について研究する。 |
設計支援システム研究部門(客員) | 大規模なASIC(特定用途向け集積回路)チップ、MPU(超小型演算処理装置)等を設計する際に求められるテスト技術、検証技術、レイアウト技術等について要素技術の研究及び開発を行う。 |
高機能プロセッサ研究部門(客員) | 計算量の多い複雑な情報処理の高速実行を目的として、高機能プロセッサを実現するための専用集積回路について研究する。 |
ネットワーク管理方式研究部門(客員) | 大規模情報ネットワークの管理・制御に必要となる情報管理要素の定義方式、知的管理方式、知的警報発生方式等の先端的な要素技術について研究する。 |
情報処理の中核をなすソフトウェアの諸概念について基礎から応用まで一貫した研究を行うことにより、現実世界における諸問題を解決し、新たなソフトウェアコンセプトの創出を目指す。
部 門 名 | 研 究 内 容 |
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プログラミング言語研究部門 | ソフトウェア実現の基礎となるプログラミング言語について、モデル、言語処理系、プログラミング環境の構築等に関する研究を行い、新しいプログラミングパラダイムを追求する。 |
ソフトウェア工学研究部門 | ソフトウェアの設計と実装に関わる仕様記述言語、ソフトウェアの部品化と合成、ソフトウェアの検証等の研究を行う。 |
システムソフトウェア研究部門 | 応用プログラムから要求される基盤機能を系統的に検討考案し、応用プログラム開発を飛躍的に簡易化する新しい概念に基づいたオペレーティングシステムやミドルウェア等に関する研究開発を行う。 |
データ工学研究部門 | 大量の情報を集中的に蓄積・管理し、多様なニーズに応じて的確な情報サービスを提供するため、データ分析手法、データベース設計管理、データマイニング等の研究を行う。 |
分散統合処理研究部門 | ネットワーク上に分散して存在する情報資源や計算資源を統合し活用するために、分散情報の管理技術、アクセス技術、分散協調処理システム等の研究を行う。 |
高信頼ソフトウェア研究部門(客員) | ソフトウェアの継続的な動作を保証するために、欠陥のもたらす影響を局所化するためのモジュール化手法、例外処理機構、自己修復機能等について研究し、信頼性の高いソフトウェアの設計法を研究する。 |
大規模ソフトウェア研究部門(客員) | 実社会で必要とされる大規模なソフトウェアを開発・保守するためのソフトウェア開発支援環境、開発モデルとプロジェクト管理、ソフトウェア品質管理手法等に関する研究を行う。 |
ソフトウェア管理工学研究部門(客員) | 社会に存在する膨大な量のソフトウェアを対象として、ソフトウェア評価、ソフトウェア理解、ソフトウェアドキュメンテーション等の要素技術を研究し、そのライフサイクルの在り方を探る。 |
システムシミュレーション研究部門(客員) | 地球環境問題等の大規模なシミュレーションを必要とする諸問題に対して統一的なシミュレーションの枠組みを提供するためのソフトウェアアーキテクチャについて基礎的及び実証的な研究を行う。 |
実時間処理システム研究部門(客員) | 決められた時間内で処理を終了することが厳しく要求されるアプリケーションを実行するための実時間処理システムについて、その設計、実装、検証法等を研究する。 |
実社会において用いられている、テキスト、画像、音声等の多様な形態のメディアを対象として、情報の表現・解析・検索等の処理方式を検討することにより、人間と情報メディアとの関わり方を技術的側面から考究する。
部 門 名 | 研 究 内 容 |
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画像情報処理研究部門 | 画像変換、画像符号化等の基礎概念から、画像分類、蓄積等の応用技術まで、一貫した研究を行うことにより、画像情報に関わる各種技術のシステム化を図ると同時に、情報メディアとしての画像の特性を解明する。 |
統合メディア処理研究部門 | テキスト、音声、動画等の多様なメディア情報を対象として、複数のメディアを統合することによって可能となるような情報解析手法や情報活用等、マルチメディア応用システムの基礎となる研究を行う。 |
情報検索研究部門 | 蓄積された多種多様な情報の中から、必要な情報のみを効率的に抽出し活用するための基礎技術として、情報の相互関連等を考慮した検索手法や自動要約手法、検索システム評価等の研究を行う。 |
コンピュータビジョン研究部門(客員) | 視覚からの三次元構造復元、視覚センサ等、視覚メディアの認識・理解に関する研究を基礎として、知覚的インタフェースの実現、視覚メディアのメタデータの獲得、視覚メディアコンテンツの獲得手法等について考究する。 |
コンピュータグラフィクス研究部門(客員) | 三次元空間構造や数値シミュレーション情報等、可視化することにより解析や活用が容易になるような情報メディアを対象として、表現モデル、処理方式、人間とモデルとのインタラクションの枠組み等の研究を行う。 |
音声情報処理研究部門(客員) | 音声合成技術や音声認識技術の研究等、言語という形態を持った聴覚メディアの解析・処理手法の研究を行う。 |
知能のメカニズムを情報処理技術の観点から追究するとともに、その知見を活用し、人間の作業を代行したり、あるいは人間の知的な活動を支援するためのシステムの構築を目指す。
部 門 名 | 研 究 内 容 |
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知識処理研究部門 | 人間の知的活動の源である知識について、その表現や推論への利用、問題解決のための知識の体系化、計算機による知識共有環境構築に関する方法論の研究を行う。 |
計算知能研究部門 | 知識として記述することが困難であるような情報に対して、自然界に実在する様々な知的活動を計算機によって模倣した手法を適用することにより、人間にとって役に立つ結果を得る方法論に関する研究を行う。 |
人間機械協調研究部門 | 人間の知的活動を支援するための情報処理技術の追究、ヒューマンインタフェースや計算機を介した人間同士の協調についての理論の構築及びその実践に関する研究を行う。 |
自然言語処理研究部門(客員) | 人間にとって最も基本的な表現媒体である自然言語を計算機で取り扱う手法についての基礎的な研究、及びその応用システムに関する研究を行う。 |
ロボティクス研究部門(客員) | 種々の知的情報処理技術を統合することにより、人間の作業を支援・代行する知的システムの実現を目指す研究を行う。 |
機械学習研究部門(客員) | 事例の系列や時々刻々と変化する空間等様々な環境において各種の知識を学習するためのモデル、効率的なアルゴリズム、学習システムの構築法に関する基礎的な研究を行う。 |
社会環境における情報の問題について研究する。社会環境における人間と情報との関わり、情報流通及び管理・利用の在り方、社会的・制度的問題等について研究を行い、人文・社会科学的観点から情報研究の体系化を目指す。
部 門 名 | 研 究 内 容 |
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情報管理学研究部門 | 社会的に要請される情報の流通に必要な情報管理の在り方及びそれを成立させる蓄積・管理・意思決定支援等の手法・形態等についての研究を行う。 |
情報利用学研究部門 | 情報の利用に関わる利用者の行動様式、心理的傾向、知識・技能(情報リテラシー)等を巡る調査研究を通して、情報利用のモデル化・類型化等の理論構築を行い、社会的な情報流通の在り方等を利用の観点から分析する。 |
情報図書館学研究部門 | 社会的システムとしての図書館を中心に、情報の組織化、標準化、社会的な情報の流通、人間と情報の関わり及びそれらを支える社会的メカニズム等について研究する。 |
情報制度論研究部門 | 国、自治体、企業、学校等の組織内における情報に関わる方針・制度等の問題や情報倫理・モラル、プライバシー等の社会的規範に関わる問題を分析し、情報環境の整備の在り方について研究する。 |
知的所有権研究部門(客員) | 現在及び今後の高度情報社会における知的所有権を巡る諸問題について、主として法律的な見地から検討し、情報流通を支える制度的環境の在り方を考究する。 |
計量情報学研究部門(客員) | 社会における各種の情報を統計的・計量的に分析し、情報間の関連性及び構造等について研究を行い、人間・社会情報研究における計量的指標を得るための手法の確立と体系化を行う。 |
社会情報学研究部門(客員) | 人間・社会と情報との関係、社会における情報の伝播、情報社会における意見形成の在り方等について研究を行い、情報学における社会学的手法の体系化を行う。 |
生活環境情報研究部門(客員) | 人間の生活環境における情報メディア及び情報システムの影響、社会生活における情報メディア及び情報システムの設計・評価等、社会における生活環境と情報との関わりについて研究を行う。 |
学術研究と学術情報との関係を研究することにより、学術研究を効果的に実施するための体系について研究する。
部 門 名 | 研 究 内 容 |
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人文社会系研究情報研究部門 | 人文社会系の研究情報の生成・利用、研究システムを特に学術情報との関わりから研究する。主に、研究成果の生成過程における研究情報の流れを統計的手法等を用いて分析し、研究システムの解析と設計、国際比較等を行う。 |
理工系研究情報研究部門 | 理工系の研究情報の生成・利用、研究システムを特に学術情報との関わりから研究する。主に、研究成果の生成過程における研究情報の流れを統計的手法等を用いて分析し、研究システムの解析と設計、国際比較等を行う。 |
生物系研究情報研究部門 | 生物系の研究情報の生成・利用、研究システムを特に学術情報との関わりから研究する。主に、研究成果の生成過程における研究情報の流れを統計的手法等を用いて分析し、研究システムの解析と設計、国際比較等を行う。 |
研究動向研究部門(客員) | 学術情報を多角的な視野で捉え、計量的な手法等を用い学術研究の正確な動向を捉えるための指標の導出、社会のニーズと学術研究動向の関係、国際比較による日本の研究の位置付け等について研究する。 |
研究評価研究部門(客員) | 学術研究の質的向上と適正な研究資源配分を行うため、客観的な研究成果の評価指標について研究する。 |
比較科学政策研究部門(客員) | 科学研究の推進を巡る地域的・時代的・分野的な差異を考慮した、科学政策に関する研究を行う。 |
各種の研究機関との連携による様々な共同研究の核として、情報研究に必要な大規模テストベッドを開発・運用して研究所内外の共同利用に供するとともに、研究系、大学等で行われた先端的研究を社会や学術情報基盤へ適用可能な段階まで展開するための実証・実用化研究プロジェクトを時限を設けて行う。
部 門 等 名 | 研 究 内 容 |
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実証研究推進室 | 実証研究全般の推進について、テーマの企画立案、プロジェクトの総括、開発の管理・運営を行うとともに、テストベッド全般の企画立案、超高速ネットワークテストベッドに関する利用計画の策定及び構築・利用に関する研究開発を行う。 |
共同研究企画推進室 | 共同研究全般について、テーマの企画立案、プロジェクトの総括、他組織や海外機関との連絡・調整を行うとともに、オンラインジャーナルテストベッドに関する利用計画の策定及び構築・利用に関する研究開発を行う。 |
超高速ネットワーク研究室(客員) | 情報学に関わる分散研究体制を効果的に実現するために、情報転送速度・遅延変動・通信効率の点で距離を克服する超高速ネットワーク技術を総合化した新たなテストベッドの形成を通して、実証評価する。また、成果を実用システムに移管する態勢を伴いつつ研究開発を実施する。 |
高品質ネットワーキング研究室(客員) | 情報学に関わる分散研究体制の質的向上を目的として、ディジタルビデオ等のマルチメディア情報転送の情報属性に整合し、マルチキャストを含めた同時参加者の制約を克服し、セキュリティを高めたテストベッドを形成するために、実証を伴う研究開発を実施する。 |
フルテキストコンテンツ研究室(客員) | 最も基本的な情報表現方法であるテキスト情報の作成から流通までを組織化するための、構造化文書記述言語、構造化文書検索、計算機支援協調作業等の実用化研究を、オンラインジャーナルへの適用を中心にして行う。 |
バーチャルライブラリ研究室(客員) | 各種の形式・形態により、各所で生成される学術関連情報を統合的に検索するためのシステムを目指し、メディア処理、情報検索、情報流通基盤、データ工学等の基礎研究を総合化して、実用システムを構成するための研究開発を行う。 |
分散知識共有ネットワーク研究室(客員) | 知識処理研究の最新の成果を用いて、異なった視点や表現法に基づいて記述された知識情報の特性を解析し、多様な知識情報を共有・再利用可能な形に統合する方法論について研究する。 |
情報研究に必要な情報資源の共同利用の核として、ディジタルコンテンツ、ソフトウェア資源、電子化教材や資料等を開発・収集して情報学研究者に提供するとともに、大規模なデータコレクションの構築・拡充に必要な研究課題を継続的に推進し、それらを用いた共同研究及び開発研究プロジェクトを行う。
部 門 等 名 | 研 究 内 容 |
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資源構築利用推進室 | 情報資源全般に関して、収集・構築・利用の企画立案、共同利用の管理・運営、他組織や海外機関との連絡・調整を行うとともに、抄録型、全文型、マルチメディア型等のテストコレクションの構築・利用方式の研究開発を行う。 |
情報学資源開発室 | 情報構築利用推進室及び研究室で構築又は開発された情報資源や情報資源構築手法の先端的成果を取り入れながら、情報研究に資する資料を継続的に整備し、利用に供する枠組みを開発する。 |
情報研修教育推進室 | 情報構築利用推進室及び研究室で構築又は開発された情報資源や情報資源構築手法の先端的成果を取り入れながら、情報学の先端知識を広く敷衍する方略に関して検討し、関係部局との連絡・調整を行う。 |
データコレクション研究室(客員) | 情報研究に必要であるが、その規模・データ構造特性・権利関係等のために他では維持することが困難なデータコレクションについて、その収集又は構築、評価及びそれを共通プラットフォームとして利用した実験システムの開発・評価並びにワークショップ型共同研究等を行う。 |
情報標準化研究室(客員) | 情報技術、情報及びドキュメンテーションに関わる国際標準及び国内標準の最新動向を調査研究し、情報資源に関わる個々の課題について、国際、国内の様々な標準化をプロジェクト態勢で支援・推進する。 |
分散型情報教育支援システム研究室(客員) | 主として情報教育を対象とするマルチメディア教材の開発とコンテンツの蓄積提供及び相互利用を、国内外の大学、研究機関等と共同で行い、インターネットを高度に活用する分散遠隔型高等教育を支援する。 |
青木 利晴 | 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ代表取締役社長 | |
有川 節夫 | 九州大学附属図書館長 | |
石井 米雄 | 神田外語大学長 | |
稲垣 康善 | 名古屋大学大学院工学研究科長・工学部長 | |
猪瀬 博 | 学術情報センター所長 | |
植之原道行 | 多摩大学名誉教授 | |
奥島 孝康 | 早稲田大学長 | |
熊谷 信昭 | 大阪大学名誉教授、科学技術会議議員 | |
○ | 末松 安晴 | 高知工科大学長 |
菅原 寛孝 | 高エネルギー加速器研究機構長 | |
高木 幹雄 | 東京理科大学基礎工学部教授 | |
天滿美智子 | 津田塾大学名誉教授 | |
土居 範久 | 慶應義塾大学理工学部教授 | |
根岸 正光 | 学術情報センター開発研究系研究主幹 | |
◎ | 森 亘 | 東京大学名誉教授 |
吉川 弘之 | 日本学術会議会長、放送大学長 | |
六本 佳平 | 放送大学教授 | |
◎:委員長、○:副委員長 |
(委 員) | ||
有川 節夫 | 九州大学附属図書館長 | |
稲垣 康善 | 名古屋大学大学院工学研究科長・工学部長 | |
猪瀬 博 | 学術情報センター所長 | |
○ | 末松 安晴 | 高知工科大学長 |
高木 幹雄 | 東京理科大学基礎工学部教授 | |
土居 範久 | 慶應義塾大学理工学部教授 | |
根岸 正光 | 学術情報センター開発研究系研究主幹 | |
(専門委員) | ||
淺野正一郎 | 学術情報センターシステム研究系研究主幹 | |
安西祐一郎 | 慶応義塾大学理工学部長 | |
池田 克夫 | 京都大学大学院情報学研究科長 | |
伊藤 貴康 | 東北大学大学院情報科学研究科教授 | |
北川源四郎 | 統計数理研究所企画調整主幹 | |
五條堀 孝 | 国立遺伝学研究所教授 | |
齊藤 忠夫 | 東京大学情報基盤センター長 | |
坂内 正夫 | 東京大学生産技術研究所長 | |
松村多美子 | 椙山女学園大学生活科学部教授 | |
米澤 明憲 | 東京大学大学院理学系研究科教授 | |
○:主査 |