長岡工業高等専門学校における学術情報センターシステムの利用

長岡工業高等専門学校学生課図書係

久保田 昌代

1.図書館の特色

 高等専門学校は,中学を卒業後5年間の一貫した技術教育に重点を置く高等教育機関として昭和37年に設置された。本校は,昭和36年に設置された長岡工業短期大学を前身とした工業高専(機械・電気・電子制御・物質・環境都市工学科)である。学生数は1学年200名,全校1,000名である。現在では,卒業生の約6割が大学の3年次に編入し,約4割が就職する状況である。このように図書館のサービス対象者は,中学校を卒業したばかりの1年生から,専門教育を受け卒業研究に励む5年生,そして教官までと幅広くなっている。蔵書も低学年のための親しみや竄キい図書や高学年のための専門書など多岐にわたっており,読書の楽しみ・学習・研究活動などに対応するよう心がけている。

2.学術情報センターの利用および雑感

 現在,図書館で利用しているサービスは,NACSIS-IR・NACSIS-CAT・NACSIS-ILLである。また,数名の教官がNACSIS-IR・NACSIS-ELSを利用している。現在,図書館員は3名でカウンター業務・受入業務・目録業務などすべての図書館業務を行うため,学術情報センターのサービス利用は不可欠のものとなっている。特にCAT・ILLの利用は,業務の省力化やサービスの向上に役立っている。ILLには平成8年に加入したが,年々文献複写依頼の件数が増加しており,(NACSIS-ILLを利用しての依頼件数は,平成8年度694件,平成9年度961件,平成10年度1,186件。)所蔵調査にかかる時間,論文入手までの時間が短縮し,図書館員および利用者ともに大変助かっている。複写依頼の受付については,年に数件しかなく心苦しいが,現物貸借で依頼を受け付けた時などは,お役に立つことができてうれしいこともある。当館の場合,CATにしてもILLにしても,相互協力の恩恵を受けることの方が格段に多い。そして,正確できめ細かい書誌に感激し,迅速な複写物の到着に心から感謝していることをおわかりいただきたいと思う。

3.今後の課題

 平成5年からCATに接続し登録してきたが,それ以前の蔵書(カード目録とコンピュータ化を併用)については,通常の業務の合間に遡及入力しているため登録が遅れている。今後は,CATを最大限に利用させてもらい,登録の増加を図り相互協力に貢献できるように努力をするつもりである。また,NACSISサービスのPR・利用促進につとめていきたいと考えている。


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