茨城工業高等専門学校の学術情報センターシステムの利用

茨城工業高等専門学校学生課図書係長

小松澤 洋子

1.はじめに

 高等専門学校は高度な専門技術を教授し,将来の優れた技術者,指導者を育成するための高等教育機関として中学校卒業後の5年間を通じて一貫した教育を行っている。

本校は昭和39年に発足し,機械・電気・電子制御・電子情報・物質工学の5学科に1000人余の学生が勉学している。図書館の蔵書数は約67千冊あり,自然科学や工学関係図書が半数を占めている。また開かれた高専として地域社会の生涯学習を支援する意味で年間を通じて図書館を一般公開している。

2.学術情報センターシステムの利用

 当館が,ISDN回線で学術情報センターと接続してNACSIS-CATに参加し,NACSIS-IRの利用を開始したのは1993年である。1996年にはUNIX系図書館システムを導入して校内LAN経由で学術情報センターに接続した。これによってNACSIS-ILLの利用を開始し,OPAC(オンライン利用者目録)の構築をCATに入力した図書の目録情報に切り替えた。それまでの蔵書検索は市販のパッケージソフトで目録データベースを作成していたため,データが増加するに従って作業に要する時間が拡大するなど問題があった。

 このCATのシステムを利用することによりそのような不便な点が解消された。さらに「探している資料が容易に検索でき,利用できる」という図書館サービスの充実を図って1997年から遡及入力を開始した。CATに登録することで書誌作成業務の効率化を図り,そのデータをダウンロードすることにより質のよい書誌情報でOPACを構築し,資料管理の省力化と業務の合理化に役立てている。現在は蔵書の半数をデータベース化し,校内各所からインターネットで蔵書を検索することができるようになっている。引き続き遡及入力を行い,全所蔵図書をデータベース化して資料の活性化および相互利用の進展をはかる方針である。また,全国に向けて情報が発進できる学術雑誌目次速報データベースの作成に参加し,「研究彙報」などの本校刊行物を登録し,利用している。

 本校における学術情報センターデータベースの利用環境は,校内向けWWWサーバにNACSIS-IR,ELS,SOKUHO,Webcatなどをリンクして利用の向上を図っている。

3.今後の課題

 現在,長岡技術科学大学提供の新外国雑誌目次データベースのサポートを受けて文献複写申込みは各端末からオンラインでできるが,申込みデータは直接ILL業務に活用できない。受け取った申込みメールをILLレコードに自動作成する機能を持つなどの新CAT/ILLシステムへの移行が課題である。


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