情報研究の中核的研究機関創設準備室の開設

 日本学術会議は,平成9年5月,「計算機科学研究の推進について」の勧告を行い,計算機科学(コンピュータサイエンス)の研究を推進するために,その中核となる研究所の設立を提案した。また,学術審議会は,平成10年1月,「情報学研究の推進方策について」の建議を行い,情報科学・計算機科学から生命科学系,人文社会系にわたる幅広い分野を対象として情報に関する学問の体系化を図ることが必要であるとの観点から,情報分野の学術研究を推進する中核的な研究機関を大学共同利用機関として設置することを提言した。

 その後,文部省の「情報分野における中核的な学術研究機関の在り方に関する調査協力者会議」において,学術審議会が提言した中核的研究機関の在り方に関する検討が行われた。平成10年3月,同調査協力者会議の報告書が提出され,学術情報センターを母体とする改組・拡充により,大学共同利用機関として情報分野の中核的研究機関を設立するという方針が示された。

 これを受けて,平成10年度,学術情報センターに置かれた「情報研究の中核的研究機関準備調査委員会」において中核的研究機関の基本的構想に関する審議が行われ,本年3月,同委員会は報告書を提出した。

 さらに,本年度予算において,中核的研究機関の創設準備の実施に要する経費が計上された。また,本年4月,文部大臣裁定「情報研究の中核的研究機関の創設準備室等組織要項」が制定され,中核的研究機関の創設準備に関する事務を処理する「創設準備室」および中核的研究機関の組織運営その他の創設準備に関する重要事項を審議する「創設準備委員会」を当センターに設置することが定められた。

 これにより,学識経験者から成る「情報研究の中核的研究機関創設準備委員会」が発足し,「情報研究の中核的研究機関準備調査委員会」の報告書を基に検討が行われる予定である。同委員会の検討結果を踏まえて,中核的研究機関の創設に向けた具体的準備が行われることとされている。

 なお,委員会の報告などについては,当センターのホームページを参照いただきたい。(http://www.nacsis.ac.jp

左から太田慎一文部省学術情報課長,工藤智規文部省学術国際局長,安達淳創設準備室長,猪瀬博所長

(総務課)


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