「中国語資料の取扱い(案)」の報告内容

1.経緯

 学術情報センターでは,平成9年4月から,新目録所在情報サービスの運用を開始したが,次のステップとして,多言語多文字種資料への対応を予定している。そして,システムの多言語多文字種対応に備えて,まず,要望の最も大きい中国語資料を登録できるように,外部委員を含めた中国語資料データベース化検討ワーキンググループを設けて,検討を進めてきた。その検討状況については,本センターニュース第41号(1997.9)で報告したが,今回,検討内容が「中国語資料の取扱い(案)」としてまとめられ,平成10年11月29日開催の,平成10年度第1回総合目録委員会に報告されたので,報告内容の概要と,今後のスケジュールについて紹介する。

2.「中国語資料の取扱い(案)」

 案は,「1.基本方針」,「2.「目録情報の基準」の変更点」,「3.中国語資料用コーディングマニュアル」の三部に分かれている。

 「1.基本方針」では,1)適用する目録規則は原則として「日本目録規則1987年版改訂版」とし,必要に応じて「中国文献編目規則」を適用する,2)記述部分に関しては,転記の原則に従い,書かれたままの字体で記録する,3)漢字の単語単位での検索を可能とするため,日本語ヨミの付与を必須とし,ピンインは,日本語ヨミとは別に記録することができる驕C4)古籍については,別ファイルを設定することはないが,入力規則を別に作成する予定である,5)既存中国語資料データは,現在入力されている文字をそのままUCS(Universal Multiple-Octet Coded Character Set)に変換して,総合目録データベースに格納する,の5点をあげている。

 「2.「目録情報の基準」の変更点」では,従来の「基準」に対する変更点の他に,新たに中国語資料のヨミの表記および分かち書き規則が追加されている。この規則は,ヨミや分かちの標準化が目的ではなく,あくまで,検索のための便宜的な規則である。また,特殊文字・記号の取扱いについては,UCSに収録された記号のうち,JISX0208:1997にあるもののみを使用することとし,従来のEXC文字に含まれていた「合成開始」などの記号は使用しないこととした。

 「3.中国語資料用コーディングマニュアル」は,基本的なフィールド項目についてのみ,対象としている。「基準」の確定後,残った項目についての検討を継続する。

3.今後のスケジュール

 総合目録委員会における各委員からの意見を反映した上で,「オンライン・システムニュースレター」65号(12月発行予定)の付録などで公開し,目録担当者などに,広く告知するとともに意見を求める。集約した意見も含めて,再度総合目録委員会などで検討し,「基準」および「コーディングマニュアル」を平成11年度中に刊行する予定である。

(目録情報課)


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