学術情報センターにおけるサービスシステムの

オープンシステムへの移行計画

1.経緯

 多くの大学などにおいて学内LANの整備が進み,計算機資源や情報資源がネットワークを介してアクセスできるようになり,学術情報センターにおいても,このような利用者のコンピュータ利用環境に対応するサービスを提供するため,平成8年1月に実施した計算機システムの機種更新で,メインフレームに加えて,各種サーバを導入し,オープンシステム化を指向したシステム構成を採用しました。

 以来,目録所在情報サービスおよび情報検索サービスについてオープンシステム化に向け,以下のような作業を実施してきました。

1.1 目録所在情報サービス

(1)データベース部分のサーバ移行

 オープンシステム化への第一段階として,平成9年1月に目録システムのデータベースをサーバに移行しました。これによって,メインフレームの負荷を分散し,同時アクセス端末数を大幅に拡大するとともに,Webcatのようなインターネット対応サービスの実現を可能にしました。

(2)新目録所在情報サービスの開始

 平成8年8月に新目録システムのプロトコル(CATP)を公開し,ついで平成9年4月に新目録所在情報サービスを開始しました。この時点では,まだ新目録システムのクライアントソフトがなかったために,クライアントソフトを開発する業者に対して開発環境を提供したにとどまりましたが,平成9年11月には,実際に新目録システム接続予定図書館との間でテストを行い,平成10年1月から新目録システムの業務利用が開始されました。

1.2 情報検索サービス

(1)新情報検索システムの開発

 より使いやすい検索方法や全文データベースに対応した新情報検索システムを開発しています。GUI(Graphical User Interface)も提供する予定です。

(2)試験公開の実施

 平成9年7月に新情報検索システムの性能評価のための試験公開を実施しました。現在その結果に基づいてシステムの調整を実施しています。

2.オープンシステムへの移行計画

 学術情報センターでは,上記の作業に続く今後のオープンシステム化計画について検討し,下表のような3段階を経て完全オープンシステムを実現する計画を立てました。

この計画の実現は,一方で利用者である大学図書館などのシステムとも密接に関連しており,特に目録所在情報サービスのように学術情報センターのシステムに対応した図書館システムを必要とするものは,センターの新目録システムに対応する図書館側のシステムが必要となります。

移行段階

サービス

システム構成

課題など

メインフレーム

オープンシステム

第一段階

現行システム

平成8年1月〜平成11年12月

目録所在情報サービス

情報検索サービス

目録所在情報サービス

情報検索サービス

メインフレーム

オープンシステム

○目録所在情報サービス ・データベースのサーバ移行(済)

・新目録所在情報システムの開発・サービスの開始(済)

・新目録所在情報サービスへの誘導(対 メーカ,ユーザ)

・新目録所在情報サービスへの移行状況調査

・多言語対応システムの開発

・サービス時間の延長

○情報検索サービス ・データベースのオープンシステムへの移行

・新情報検索システムの開発

・新情報検索サービスの開始

○通信手段

・PPP接続(電話回線からのアクセス確保)

・N1接続の実態調査および廃止

第二段階

平成12年1月〜平成15年12月

目録所在情報サービス

目録所在情報サービス

情報検索 サービス

メイン フレーム(規模縮小)

オープンシステム

○目録所在情報サービス

・新目録所在情報サービスへの誘導(対 メーカ,ユーザ)

・新目録所在情報サービスへの移行状況調査

・24時間運用

○情報検索サービス

・24時間運用

○通信手段

・VTSS接続の実態調査および廃止

第三段階

平成16年1月〜

 

目録所在情報サービス

情報検索サービス

オープンシステム

 

 もとより,計画の実施にあたっては,利用機関の実状を考慮しつつ進めていくことになりますが,各大学図書館などにおいてもシステムの機種更新に際しては,学術情報センターの計画を念頭においてシステムの導入を図るようお願いいたします。

(システム管理課)


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