国文学研究資料館における学術情報センターシステムの利用

国文学研究資料館整理閲覧部

野 口 真理子

1.はじめに

 国文学研究資料館は大学共同利用機関の一つとして1972年に創設された。当館は国文学に関する文献資料を調査研究して,収集,整理,保存し,これを広く研究者一般の利用に供して国文学研究の進展に寄与することを第一の目的としている。

 整理,保存,利用の業務を担うのが当整理閲覧部である。国文学関係の古典籍(写本・版本)を所蔵者の協力により撮影したマイクロ資料や,古典籍原本,国文学に関する逐次刊行物,研究書などを収集し,閲覧利用や相互貸借サービスを行っている。

2.国文学研究資料館のコンピュータ活用

 当館は学術情報の図書館業務の処理のために設立当初からコンピュータ利用を積極的に図ってきた。1970年代後半から1980年代前半にかけてシステム部門を担う研究情報部情報処理室と共同で「マイクロ資料目録作成システム」,「図書資料管理システム」,「逐次刊行物目録作成システム」,「和古書目録作成システム」を開発してきた。また,和古書(古典籍原本)目録・マイクロ資料目録のオンライン東沚サービスを1987年に開始した。

3.学術情報センターシステムの利用

 早期に独自の業務システムを稼働した当館だが,学術情報センターシステムの利用はやや遅れて1992年から始まった。図書のうち,古典籍原本を除く研究書の目録情報をNACSIS-CATを利用して入力している。また,1993年からは遡及入力作業にも着手し,現在研究書の約4割の入力が完了している。入力したデータは月に1回OPACに格納し,館内から検索できるようになっているほか,1995年からTELNETを利用したインターネットでの検索サービスを開始し,館外からの検索を可能にした。

URL:http://www.nijl.ac.jp/opac2.html

4.今後の課題

 逐次刊行物目録は冊子体として刊行していたため,OPACへデータが格納されていない。NACSIS-CATのデータを整備し,OPACで検索できるよう準備中である。

 また,同じ所蔵目録でありながら別々の検索サービスを行っているマイクロ資料目録DB,和古書目録DBとOPACの統合化も大きな課題である。さらに館内他部局と協力して国文学論文目録DBや今後公開が予定されている各種のDBとリンクさせ,二次情報の検索から所在情報の入手,画像情報や原本テキスト情報の公開,ILLまで統合したサービスをめざしていきたい。そのために学術情報センターを含めた関連機関のシステムとの連携を進めていきたいと考えている。


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