国立婦人教育会館における学術情報センターシステムの利用

国立婦人教育会館婦人教育情報センター

岩田 恭味

1.はじめに

 国立婦人教育会館は,文部省附属の社会教育施設である。設立は1977年だが,婦人教育情報センターの前身情報図書室が開室したのは1979年である。当館婦人教育情報センターは,女性および家族に関する分野の学習・調査・研究に資するため国内外の資料・情報を収集し提供するとともに,各種データベースを作成し,全国的に女性学習情報のオンラインサービス(WINET)を(1991年7月から)行っている。1997年7月現在,全国の女性センター,大学,地方自治体などの接続機関数は,約350となっている。

2.WINET(Women's Information Network System)

 当館婦人教育情報センターにて収集した女性および家族に関する文献情報,当館独自の調査結果をデータベース化した学習情報,「女性および家族に関する統計の調査研究」(1992〜1996年)によって作成された統計表による統計情報の9種類のデータベースからなるオンラインシステムがWINET-DBである。以下のような構成になっている。

(1)文献情報(4種類)  図書,地方行政資料,和雑誌記事,新聞記事インデックス

(2)学習情報(4種類)  女性学講座(90年調査,93年調査),

              女性関連施設(91年調査,93年調査),

              学習事例(92年調査),国際交流団体(94年調査)

(3)統計情報(1種類)  女性統計

 文献情報に関しては,標準的目録に加え当館の開発した「婦人教育シソーラス」を用い,目録担当者が1書誌に対して複数のキーワードをつけている。  

 現在,WINET接続機関に関しては,電話回線を利用したパソコン通信の検索のほか TELNETを利用したインターネット経由での検索が可能である。

3.NACSIS-CATの利用

 当館では,1991年より,WINETの図書データベース構築にNACSIS-CATを利用している。(NACSIS-IRについては,1989年より利用)。このシステムを利用することによりデータフォーマットを標準化して入力作業の軽減化を図っている。入力したデータについては学術情報センターから定期送付されるCTにより毎週WINETのデータベースに格納している。図書資料のうち国際的機関のレポートなどについては,市販ルートにのりにくいものがあり所蔵館が当館のみという場合もあるので,積極的に登録し当館資料の共有化を図っている。(雑誌については,学総目調査時にオンライン登録をしている。)

4.今後に向けて

 当館は,国立唯一の婦人教育施設であり,専門図書館である。情報提供においては,WINETの利用者層と,要求内容を考慮してデータベースを構築していかなければならない。また,学術情報センターのネットワークをはじめ他のネットワークとの連携により,調査研究機能を強化し,より的確な情報提供を行い,さらに広く学術研究に役立つデータベースを構築するため学術情報センターの利用を促進していきたい。


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