イベント情報
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2010年(平成22年度)

第5回 SPARC Japan セミナー 2010

(社団法人 日本動物学会 第81回大会)
「日本の学術情報流通 10年後を見据えて」

日時

平成22年9月24日(金)9:00-11:30

場所

東京大学駒場キャンパス 日本動物学会大会G会場 (5号館 2階 523講義室)

〒153-8902 東京都目黒区駒場 3-8-1

主催 社団法人 日本動物学会/国際学術情報流通基盤整備事業(SPARC Japan)
後援 日本学術会議(予定)

 

photo

 

 

更新記録

 

開催報告を公開しました。(2010/11/1)

講演資料を公開しました。(2010/10/4)

・ウェブページを公開しました。(2010/8/6)

 

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概要

 学術情報流通は、急激な変貌を遂げつつあります。SPARCセミナーでは、様々な側面から、我が国における学術情報流通の在り方を捉え、セミナーを開催してまいりました。今回は、研究者、学会、図書館からの講演を行い、10年後の日本の学術情報流通の検討をそれぞれの立場を踏まえて行いたいと思います。今後、進むべき方向性や施策を参加者で考える場を広く提供したいと考えますので、研究者、学会、図書館の多くの方々のご参加をお待ちいたしております。

 

※参加対象者: 研究者、図書館員、学術出版職にある方々

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プログラム

前半は日本学術会議科学者委員会学術誌検討分科会委員による3つの講演を行い、後半はパネルデイスカッションを行います。

 

司会: 永井 裕子 (日本動物学会)

時間

内容

講師(敬称略)

講演資料

09:00-09:30

大学図書館における電子ジャーナル契約の現状と課題

 

[講演要旨]

尾城 孝一

(東京大学附属図書館)

(767K)pdf

 

Creative Commons License
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クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。

09:30-10:00

日本化学会の電子ジャーナル化への歩みと今後−化学系ジャーナルの動向を踏まえて

 

[講演要旨]

林 和弘

(日本化学会)

(1.54M)pdf

 

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10:00-10:30

物理学ジャーナル出版における試行錯誤、そして将来

 

[講演要旨]

植田 憲一

(電気通信大学レーザー新世代研究センター)

(1.02M)pdf

 

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10:30-11:30

パネルディスカッション

講師3名と下記のパネリスト

 

鈴木 哲也 (京都大学学術出版会)

斎藤 成也 (国立遺伝学研究所)

鈴木哲也氏(配布資料)

(134K)pdf

 

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11:30 閉会
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参加費
無料
参加申込

・氏名 ・所属 ・連絡先をご記入のうえ、【第5回SPARCセミナー参加申込】と題して、電子メールまたはFAX にて下記宛にお申込ください。また、【受付票】を返送しますので、当日ご持参ください。

 

※ご連絡いただいた個人情報は、今後のセミナーのご案内と開催変更等の緊急連絡に使用いたしますのでご了承ください。


申込先: 国立情報学研究所 学術基盤推進部学術コンテンツ課図書館連携チーム SPARC担当
E-mail co_sparc_all@nii.ac.jp FAX 03-4212-2375

 

※当日のご参加も受付いたします。(定員は100名です。)

講師紹介

尾城 孝一 (東京大学附属図書館情報管理課長)

 1983年1月、名古屋大学附属図書館に採用され図書館職員としてのキャリアを開始。その後、東京工業大学附属図書館、国立国会図書館、千葉大学附属図書館、 国立情報学研究所を歴任し、2009年4月より、現職(東京大学附属図書館情報管理課長)。国立大学図書館協会学術情報流通改革検討特別委員会の事務局及び日 本学術会議科学者委員会学術誌問題検討分科会の委員を務める。

 

林 和弘 (日本化学会学術情報部課長・SPARC Japan運営委員)

 1994年東京大学大学院に大学院生として在籍時、日本化学会の論文誌査読管理データベースを開発したことがきっかけとなって、日本化学会の論文誌の電子ジャーナル化に取り組む。化学の研究者の立場がわかり、かつITスキルを持った氏は日本発の学術情報発信について、電子投稿査読、XML出版、電子ジャーナルプラットフォーム構築、宣伝活動の広いフェーズで実務に基づき考察と改善を加えた。その活動は、結果として日本化学会 Chemistry Letters誌を一般化学誌として世界最速クラスで発行する電子ジャーナルに整え、化学系学会出版としては世界でもいち早いオープンアクセス対応を開始するなど、数々の実績に反映されることとなった。また、そのノウハウはSPARC Japan、J-STAGE等各種のプロジェクトに反映され、科学技術・学術審議会下のWG専門委員も務めて日本の学術論文誌のあるべき姿を提言し、現在も日本発の論文誌をより魅力的にするための考察と改善を繰り返している。さらに、文部科学省科学技術政策研究所客員研究官他を兼任し、電子ジャーナルの将来とインターネット時代の科学コミュニケーションのあり方そのものについても興味を持つ。

 

植田 憲一 (電気通信大学レーザー新世代研究センター長)

 1971年大阪大学大学院工学研究科電気、修士課程修了。1978年理学博士(東京大学)。1971年日本電子開発本部、1976年上智大学物理学科助手、1981年電気通信大学新形レーザー研究センター助教授、同教授を経て現在、レーザー新世代研究センター・センター長。

 国際ジャーナル編集経験

 Applied Optics Topical Editor (1996-2001), Laser Physics Letters (Editorial Board)(2004-), Optical Review (Editor-in-Chief)(2004-), JOSA-B 特集号エディター

 国際組織

 Optical Society of America 理事(2000-2002)、応用物理学会理事(1998-2000)、日本物理学会理事(2006-2010)、日本学術会議連携会員(2005-2011)、IUPAP C17 Chair(2005-2008)、IUPAP WG on Communication in Physics (2008- )、ICQE Chair(2009-2012)

 
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講演要旨

大学図書館における電子ジャーナル契約の現状と課題

 (尾城 孝一)

 近年、国立大学図書館はコンソーシアムによる電子ジャーナル契約を進めてきた。ビッグディールと呼ばれる包括的な契約によって、大学における学術雑誌へのアクセス環境は劇的に向上したが、同時にいくつかの問題も浮かび上がってきている。本発表では、国立大学図書館協会のコンソーシアムの活動の成果とその限界について論じる。また、商業出版社に過度に依存した学術情報流通システムからの脱却の必要性についても触れる。

 

日本化学会の電子ジャ−ナル化への歩みと今後−化学系ジャ−ナルの動向を踏まえて

 (林 和弘)

 日本化学会では1989年から論文誌の電子化に取り組み、2002年から本格的な電子ジャーナルサービスを開始し、2010年からはePubファ イルの試験公開による電子書籍、モバイル対応を日本の学術誌としては初めて実現した。その一方で海外商業出版社との提携による雑誌発行も行っている。日本化学会の電子ジャーナル化の取り組みと世界の出版社との関わりを通じて、日本発の情報発信の在り方と強化についての課題を紹介する。

 

物理学ジャ−ナル出版における試行錯誤、そして将来

 (植田 憲一) 

 電子化出版・オンライン配信など学術出版の先頭を開拓してきた物理系学術誌の現状と将来について、国内外のジャーナル出版、合同出版、エディター経験をもとにして検討する。著者vs読者、出版vs論文流通、研究コミュニティーへ乗り出す若手研究者vs学問醸成の土壌作りに責任を持つベテラン研究者など、互いに利益相反しているように見える現状を解決し、統一した価値基準の基盤を形成することの重要性を問題提起する。同時に、電子化出版の第2の波が押し寄せる必然と、それに対する対応の必要性を述べる。

 
開催報告
平成22年9月24日(金)に第5回SPARC Japanセミナー2010(日本動物学会第81回大会)「日本の学術情報流通 10年後を見据えて」を開催しました。
   
  参加者数
   
      参加者数:76名
 
 
アンケート結果
 

 

 

 

 

  回答数:35

 

  ※ご意見は、公開の同意をいただいたものです。

 

今回の内容について
 

  

  参加目的

 

    業務に関連するため:29   研究に関連するため:7   教養:3   その他:0   無回答:1

 

  目的達成度

 

    役に立つ:26   普通:9   期待と異なる:0

 

  ご意見 【所属/職種】

 

【学協会/研究・教育関係】

  • 非営利組織の制定についてはぜひそうしたらいいだろうが、本当にそうなるのかは不明。他学会での話が聞けて役立った。ただ動物学会のスケールで何がやれるのかは依然として不確定なところが多い。独自路線をとることか。

 

【学協会/その他】

  • 内容はとても充実していましたが、ちょっとかみあわないところが残念でした。

 

【大学/図書館関係】

  • 学会のあり方についても、図書館のあり方についても考える事の多い内容でした。もしビッグディールが崩壊し、pay per viewや論文個々への直接アクセスが主流になれば、学術流通の世界も図書館の存在も、まったく変わってくると思う。そうなった時、大学における図書館の役割はどうなるのか?そもそも論文単位の世界になって学会はOKなのか…。考えはつきません。
  • 大変面白く、刺激的な内容でした。
  • 図書館、学会、研究者など様々な立場から学術情報流通の“いま”を語っていただき、問題提起があり、非常に刺激的でした。

 

【大学/研究・教育関係】

  • 電子媒体による論文・書籍は便利であるが、それを読んで考えるためには不向きであると思う。何か生物学的な理由があるように思う。したがって紙媒体の論文・書籍は今後も必要であるし、安易になくすことはよくないと思う。

 

【大学/大学院生・学生】

  • 全く知識のない状態で来たので、実際はほとんど内容を理解できていないのだが、科学情報の在り方に危機感を強く持ったのがとても良かった。これから勉強します。

 

【企業/図書館関係】

  • ビッグディールというシステムを理解できた。(取扱書店の営業が以前に話していたがその時にはよく解らなかった)

 

【企業/その他】

  • 学会の方からお話を伺うことができて良かった。

 

【その他/図書館関係】

  • 三者ともすばらしい発表だった。たいへん刺激的でした。より多くの方に聴いて頂き、広範囲で議論が進めていけると良いと思います。

 

【その他/研究・教育関係】

  • 本セミナーをいろいろな学会に出向いて再演して欲しいくらいの深い内容でした。ありがとうございました。
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今後、聞いてみたい内容・テーマ・講演者について
 

 

【学協会/研究・教育関係】

  • こういう議論がどこかで収束に向かうのか疑問。つまり収束する場所の選定・設定が大切か。
  • 過去の学術単行本のオンライン・フリー公開について

 

【学協会/その他】

  • アジア戦略(マーケティング)

 

【大学/図書館関係】

  • 研究者・学生の電子ジャーナルへの考え、係わりの話を聞きたい。

 

【大学/研究・教育関係】

  • 電子ジャーナルの普及によって、論文を手に入れることは確かに容易になったが、論文の中身を頭にとりこみ、それをもとに思考する行為が生まれつつある。PDFをダウンロードはするが、読んでいない(内容を理解していない)学生が大きく増加しつつあるように感じる。

 

【企業/その他】

  • * Open Access Statisticsについて。
    *E−BOOKの今後について。
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その他、当企画に関する意見、感想
 

 

【学協会/研究・教育関係】

  • 少し内容・進行が急ぎすぎた。

 

【学協会/その他】

  • 永井さんの企画力に脱帽です。司会もテキパキと進行していただいて良かったです。

 

【大学/図書館関係】

  • *今後オープンアクセスは学術流通に重要になってくると思う。でもその存在は個々のコミュニケーションにしか知られていないと思う。オープンアクセスジャーナルの存在をもっと図書館に知らせてOPACなどに反映させてほしい。そうしないと若い研究者、学生には知らせることができません。
    *いつも思うのですが、時間が足りてないです。もっともっと議論してほしいです。
    *ありがとうございました。また参加させてください。お互いがんばりましょう。

 

【大学/研究・教育関係】

  • 論文にアクセスすることは研究者だけでなく、市民会員にとっての権利のはずである。雑誌をカタチにすることの便利さを求めて、商業主義をとりいれたことは、間違いであったと認めるべきだ。

 

【その他/その他】

  • 今日の参加者の中で動物学会の会員の方がどの位参加されていたか、興味を持っています(時間の設定もむずかしいですね)

 

 
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最終更新日:2010年11月1日