GIFについて
平成19年4月1日

GIF(グローバルILLフレームワーク)とは
GIFは,ネットワーク環境において資源共有の理念を地球規模で実現しようという枠組みのことです。情報流通のグローバル化は,研究者・学生の情報ニーズのグローバル化につながっています。大学図書館は,そのようなグローバル化する利用者の情報要求に対応するため,国内のみならず,海外の大学図書館等とも相互に協力し,その役割を果たしていく責務があります。グローバルなILL/DD(Interlibrary Loan / Document Delivery)は,図書館による国際協力の不可欠な要素であり,GIFは,大学図書館がグローバルなILL/DDを実現するための仕組みであると言えます。(「GIF概念図」参照)
GIFは,次の3つの構成要素からなっています。

①ISO ILLプロトコルに基づくILLシステム間リンク
ILLシステムを提供する書誌ユーティリティ同士が国際標準であるISO ILLプロトコルにより,ILLシステム間リンクを実現します。NIIは,2001年12月,米国OCLC(Online Computer Library Center)のILLシステムとの,2007年4月,韓国KERIS (Korea Education & Research Information Service)のILLシステムとのリンクを実現しました。今後,その他の書誌ユーティリティとの間で,システム間リンクを拡大していくことにより,GIFの基盤がさらに形成されていくことになります。(「NII ILL システム間リンク」参照)

②NACSIS-ILLによる依頼・受付
NACSIS-ILLユーザである大学図書館等は,NACSIS-ILLを通して,海外の書誌ユーティリティ加盟館との間で,複写あるいは図書の相互貸借が可能となります。つまり,NACSIS-ILLにより,国内の他大学図書館に依頼するのと同じように北米その他のGIF参加館に対して文献複写の依頼ができることになります。 現在OCLC加盟の及びKERIS傘下のGIF参加館との間で,文献複写の依頼・受付ができるようになっていますが,OCLCとの日米ILL/DDをGIFの第1段階と位置づけています。NACSIS-ILLのシステム間リンクの拡大に従って,他の書誌ユーティリティ加盟館とも同様にILLの依頼・受付が可能となります。

③料金決済
異なる通貨を使用する海外図書館との料金決済は,煩雑な処理を伴います。また,国立大学等については,直接料金を徴収することが困難でした。このためグローバルILL/DDを通常業務として行うためには,効率的な料金決済のしくみが不可欠と考えられました。 GIFの第1段階(OCLCとのILL/DD)では,複写あるいは図書の相互貸借に係る料金決済について,図書館同士が個別に行うことなく,料金決済機関(=第三者機関)が支払等の処理を行うシステムを実現しています。 国立大学等においてこの料金決済システムを実現するための制度上の整備も平成14年4月に実施されています。また,KERISとの間では,NII運用の文献複写等料金相殺サービスを活用し,料金決済を行っています。

OCLC加盟館とのグローバルILL/DD
GIFの第1段階は,NACSIS-ILLとOCLCとのシステム間リンクに基づくOCLC加盟館とのILL/DDです。日本側は国立大学図書館協議会国際学術コミュニケーション特別委員会(当時)グローバルILLフレームワークプロジェクト及び国立情報学研究所,米国側はAAU/ARL/NCC (Association of American Universities / Association of Research Libraries / North American Coordinating Council on Japanese Library Resources(北米日本研究資料調整協議会)) Japan Journal Access Project(当時)が中心となり参加館の募集及び日米両国相互の連絡調整にあたり,現在に至っています。
①参加状況
○日本側
第1次の参加募集は,2001年10月に行われ,平成14年9月30日現在50機関56館が参加しました。内訳は,国立大学及び国立機関が33機関,私立大学が17機関でした。
○米国側
OCLC加盟館の内,IFM(ILL Fee Management)システム利用機関が対象ですが,当初,ARLのJapan Journal Access Projectのメンバー館(47大学)が参加候補となりました。平成14年9月30日現在で28機関29館が参加し,北米におけるGIF計画の反響は大きく,参加機関の拡大が続くことになります。

②参加手続き
○NIIへのグローバルILL利用申込み
○OCLCプロファイルの登録
GIFに参加するためには,OCLCシステムにプロファイル登録をし,OCLCの機関識別コード(「OCLCシンボル」)を取得する必要があります。NIIへの「グローバルILL利用申込書(日米)」提出後、OCLCの日本代理店である紀伊國屋書店(OCLCセンター)を通じて取得できます。
○グローバルILL/DDレンディング・ポリシー(運営方針)の作成・公開
海外の図書館向けのレンディング・ポリシーを作成し,NACSIS-CAT/ILL参加組織レコードに記録します。

③対象業務
文献複写及び現物貸借双方について依頼・受付が可能です。

④料金決済
料金決済は,料金決済第三者機関(紀伊國屋書店)が月毎にまとめて行います。米国依頼分の請求書発行を依頼する場合は,請求書1通毎に手数料が必要となります。(「OCLC加盟館との料金決済概念図」参照)

⑤所蔵等の確認
米国側の図書館は,NACSIS Webcatまたは個々の図書館のOPACにより所蔵を確認することになります。その他Z39.50サーバも利用可能で,Z39.50サーバは,海外向けにローマ字表示を可能としており,海外図書館にとって利便性の向上が図られました。
日本側の大学図書館等は,個々の図書館のOPAC等により所在を確認することになります。
また,米国側図書館のレンディング・ポリシーは,OCLCの参加図書館ディレクトリ(OCLC Policies Directory)ではなく,国立大学図書館協会GIFプロジェクト又は国立情報学研究所のWebページ,あるいは,北米側対応機関NCCのWebページを参照して,確認します。

⑥ローカルシステムの対応
各図書館のローカルシステムを利用してGIFに参加するためには,ローカルシステム側の変更が必要となります。変更の仕様(データベース定義の変更)については,すでに公表されています。
ローカルシステムで対応できない場合は,NIIの開発したISO-ILLプロトコルに対応した WebUIPがあり,当面はこれを使ってGIFに参加できます。